腰痛予防に効果がある座り方と腰痛が和らぐ椅子やクッションの選び方

腰痛予防に効果がある座り方とは?椅子やクッションで腰痛が和らぐ

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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腰痛持ちの人は意外と多いですよね。デスクワーク中心だと、パソコンで前傾姿勢が続いてしまい、辛(つら)い腰痛になることも少なくありません。
「腰痛予防になるクッションが知りたい」「腰痛に良い椅子はある?」といった、予防や改善にかんする疑問、とてもよくわかります。腰痛はひとたび起こると、我慢できないほど痛みが強くなるため、なるべく体に負担がかからない工夫が大切です。
腰痛は、床での座り方も関係して起きることがわかっています。痛みは我慢せず、コツを知って治すようにしていきましょう。今回は、腰痛予防の座り方などの基礎知識をご紹介します。

この記事を読むことで、今ある腰痛の緩和を促すきっかけになり、腰痛を起こさないコツを知ることができるでしょう。辛(つら)い痛みを感じている方は、ぜひこの機会に腰痛への知識を身につけ、負担のない座り方を実践してみてください。

01. 腰痛の基礎知識

腰痛は、背中から腰にかけて起こる痛みです。腰痛症とも呼ばれています。腰痛の主な原因と症状を知り、ご自身と比べてみてください。

1-1.腰痛とは?

腰痛は、長時間同じ姿勢で起こる場合と、急な動作で力が加わって起こる場合があります。腰と背中に負荷がかかり、まれに激しい痛みとなって発症するのです。
一時的に起こる急性腰痛と、急性腰痛が慢性化して起こる慢性腰痛があります。

1-2.腰痛の主な種類

腰痛とひとまとめにして語られます。しかし、いくつかの種類があることをご存じですか?中には、専門医療機関を受診すべき病気もあります。

1-2-1.急性腰痛の代表であるぎっくり腰

重たいものを運搬するときに起こるのが、ぎっくり腰です。「よいしょ」と持ち上げた瞬間、荷物の重さが腰へ一気に移動します。そのため、突発的に発症するのが、急性腰痛です。姿勢を維持することができず、日常生活に支障が出る場合が多いでしょう。

1-2-2.軟骨の柔軟性が失われる椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、骨をつなぐ軟骨成分が柔軟性を失い、椎間板の内部にある髄核が露出し、背骨の神経を圧迫する病気です。髄核が神経に触れるため、激しい鈍痛としびれを感じるようになります。

1-2-3.変形によって起こる腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症

背骨にある空洞を、腰部脊柱管と呼んでいます。腰部脊柱管にある硬膜神経が変形し、圧迫されて痛みとなるのです。いわゆる神経障害に分類されます。

1-2-4.脊椎の整列が乱れる腰椎分離症・すべり症

脊椎は、きれいに整列しているのが理想です。上下の関節突起が乱れ、分離するのが腰椎分離症とされています。先天性疾患として発症する場合と、スポーツによる疲労骨折が原因となる場合もあるでしょう。
すべり症は、脊椎が前後にずれて発症し、ずれが大きいほど痛みがひどくなります。

1-2-5.神経性障害の1つである坐骨(ざこつ)神経痛

人体をめぐる最長の神経が、坐骨(ざこつ)神経です。仙骨から伸びて梨状筋を経由し、膝まで広がっています。坐骨(ざこつ)神経の一部に異常が発生し、腰と足に症状が出るのが特徴です。椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症が原因で起こる場合もあります。

1-3.腰痛を起こす主な原因とは?

腰痛は、生活習慣・普段の動作・癖などが原因です。ご自身と比較し、あてはまるポイントがないか確認してみてください。

1-3-1.疲労蓄積

デスクワーカーに多いのが、筋肉の疲労蓄積です。オフィスで長時間の仕事をし、同じ姿勢を続けていませんか?長く姿勢を変えずにいるのは危険です。血流が停滞し、筋肉が硬直してしまいます。運動不足の方は筋力低下も指摘されており、背中を支える力が弱いため、より猫背になりやすいのです。

1-3-2.睡眠不足も影響する

睡眠不足の原因は、眠っている時間より睡眠の質が関連しています。体に合わない寝具を使い、浅い睡眠を続けていることで、疲れが溜(た)まってしまうのです。寝具を変えたら腰痛が改善したという例があるほど、寝具は睡眠の質に影響します。目覚めに腰のこわばりを感じるなら、睡眠環境の改善をしてみてください。

1-3-3.体が歪(ゆが)むと痛みを感じる

骨盤矯正という言葉が注目されるようになり、体の歪(ゆが)みが体全体に悪影響を及ぼすことがわかってきています。体のどこかが歪(ゆが)むだけで、神経圧迫による痛みとなるのです。腰痛だけではなく、手・足・肩まで広がる痛みとなるでしょう。

1-3-4.注意したい内臓疾患

動作・癖・姿勢などが影響し、腰痛を引き起こすことが多いです。しかし、中には内臓疾患を抱えている場合もあります。胃腸・腎臓・肝臓などに疾患が起こり、症状が進行するとともに、腰に痛みが現れるのです。本来は内臓そのものに痛みが起こるはずが、脳が誤った認識をして腰痛となって現れます。内臓疾患による腰痛では、腰以外に異常がないかを普段から観察することが大切です。

1-3-5.ストレスが原因でも起こる

心因性腰痛もあり、過労や多忙が原因でストレスを抱え、発散する場がない方が発症します。ストレスが原因ゆえ、検査結果で異常は発見されません。痛み止めが効かないこともあります。

1-4.腰痛の主な症状を知っておこう

腰の痛みといっても、現れ方は実にさまざまです。いつ、どんな痛みを感じるのかを知っておき、病院にかかる際に参考してみてください。

1-4-1.激しい痛みが腰だけに現れる

急性腰痛のほとんどは、腰だけに激しい痛みが起こります。急性腰痛の場合、歩行・立つ・座るなど、日常生活における動作の多くに支障が出てしまい、痛みで動きにくくなるでしょう。

1-4-2.響くようなしびれを伴う

手足のしびれを伴うのは、椎間板ヘルニア独特の症状です。座っていても鈍い痛みを腰に感じ、姿勢の変化によっても痛みが増幅されます。響くような痛みがあったら、椎間板ヘルニアを疑いましょう。

1-4-3.重たい・だるさ

寝具が合わない場合に起こるのは、だるさや重さを腰に感じる腰痛です。寝起きに感じやすく、体がほぐれると次第に緩和されていきます。

1-4-4.後方へ体が反(そ)ったときに痛む

前傾姿勢のときは痛みを感じない場合があります。しかし、後方へ反(そ)ってに痛みが増幅するのは、腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症と脊椎分離症が原因となっている場合が多いです。

1-5.どんな人が腰痛になりやすい?

腰痛を起こしやすい人には、共通する特徴があります。生活習慣の見直しのポイントにしてください。

1-5-1.同じ姿勢を続ける人は注意が必要

立ち仕事でも、デスクワークでも、同じ姿勢を続ける人は注意すべきです。椅子で前傾姿勢になる座り方は特に危険でしょう。たまにストレッチで体をほぐし、腰への負担をなるべく緩和するようにしてください。

1-5-2.太っていると腰痛になりやすい

腰には、椎間板や靭帯(じんたい)といった体を支える部位があります。太っている人はこうした部位に体重がかかり、クッション材がすり減っていく傾向にあるため、痩せている人より腰痛になる可能性が高いでしょう。肥満解消が、症状を和らげる最善策です。

1-5-3.偏った食生活を続けている人

脂肪の多い食事・カルシウム不足・過度のダイエットなど、偏った食生活は危険です。バランスの悪い食生活は、骨粗しょう症による腰痛に発展します。

1-6.女性特有の腰痛とは?

女性は男性より腰痛が多いでしょう。というのも、生理や妊娠によるホルモンバランスの崩れ、女性器疾患などが懸念されるからです。女性器疾患には、子宮内膜症・子宮筋腫・子宮がんなどがあります。妊婦は胎児の成長に従い、お腹(なか)が大きくなることで腰に負荷がかかり、腰痛を感じやすくなるでしょう。