虫歯になる4大原因とは? 食べ物で注意すべき点や予防法などを解説

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

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十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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歯磨きをきちんとしていても、虫歯になってしまうことがあります。虫歯は治療をしなければ治らず、痛みを伴うケースもあるでしょう。虫歯の原因はいくつかあり、口腔(こうくう)内環境や体調なども関連しています。また、虫歯になるまでのメカニズムを理解しておけば、予防などの対策も整えやすいものです。虫歯になってしまう前に、適切な予防法を覚えておきましょう。
今回は、虫歯の原因や予防法についてご紹介します。

  1. 虫歯の基礎知識
  2. 虫歯の4大原因とは?
  3. 虫歯の原因別予防法
  4. 虫歯の原因や予防法でよくある質問
  5. まとめ

この記事を読むことで、虫歯についてよく分かります。食べ物や食事などで注意すべき点など、普段の予防法も身につけることができるでしょう。

1. 虫歯の基礎知識

まず、虫歯の基礎知識からご紹介します。症状や病状経過などを理解してください。

1-1.虫歯とは?

虫歯は、口腔(こうくう)内の細菌感染で酸が発生し、歯を溶かしてしまう現象を指します。口腔(こうくう)内細菌で虫歯の原因となるのは、ミュータンス菌と呼ばれるものです。歯垢(しこう)と細菌が絡み合い、活動が活発化するために虫歯になりやすくなります。

1-2.主な症状

冷たいものや熱いものがしみる知覚過敏や、鋭い痛みなどが、虫歯の主な症状です。虫歯が進行した場合、頭痛・肩こり・歯の変色・発熱などを伴う場合もあるでしょう。

1-3.病状経過

虫歯の症状は、C1〜C4の段階に分けられます。C1はエナメル質が溶け、表面に小さな穴が空(あ)いた状態です。痛みはさほど強くはありません。C2になると、歯の表面が完全に溶け、内部まで虫歯が進行しています。象牙質がむき出しになるため、知覚過敏を感じるようになるでしょう。C3は、神経まで侵食されている状態で、強い痛みを伴います。神経治療を必要とし、歯の根を殺菌する治療が一般的です。C4では、菌によって歯のほとんどが溶かされてしまいます。保存治療は難しく、抜歯を必要とする場合がほとんどです。

1-4.なりやすい人・患者数など

歯磨きがきちんとできていない場合は、虫歯リスクが高まります。ほかには、生活習慣が乱れがちな人や、だらだらと食べ物を食べる習慣がある人なども、虫歯になりやすいといえるでしょう。唾液量が少ない場合も、細菌が洗い流されず、口腔(こうくう)内に留(とど)まってしまうため、ドライマウスを改善し、虫歯になりにくい環境を作るように意識しなければなりません。噛(か)み合わせや歯並びが悪い場合も、虫歯リスクは上がります。現在は、予防歯科への意識が高まり、以前より患者数は減少傾向です。

2.虫歯の4大原因とは?

虫歯になるメカニズムや原因などを見ていきましょう。

2-1.虫歯になるメカニズム

歯には歯垢(しこう)が付着します。歯垢(しこう)はプラークと呼ばれるもので、歯磨きをきちんとしていれば取り除くことができる、柔らかい汚れです。口腔(こうくう)内に感染したミュータンス菌が存在する場合、歯垢(しこう)の付着によって菌が増殖します。糖分を含む食べ物を摂取し、歯磨きをきちんとせずに放置してしまうと、歯垢(しこう)と細菌が絡み合い、酸を生成してしまうのです。酸が歯の表面にあるエナメル質を溶かし、虫歯となってしまいます。プラーク・ミュータンス菌・糖分・酸が、虫歯の4大原因といわれているのです。

2-2.そのほかの原因

生活習慣の乱れやストレスなどは、口腔(こうくう)内環境の悪化を招きます。口の中が酸性に傾きやすくなり、虫歯になりやすくなるでしょう。また、体調の変化も、虫歯の4大原因を強めるきっかけになるため、普段から体調管理をしっかり行うことが大切です。

3.虫歯の原因別予防法

虫歯の原因別予防法を覚えておきましょう。セルフケアに役立ててください。

3-1.プラーク

プラークとは、細菌と口腔(こうくう)内の代謝物が絡み合ったもので、白や黄色をしているのが特徴です。歯の表面を拭うとねばつきを確認できると思います。ごく微量のプラークに、億単位の細菌が常在しているのです。健康な人の場合、唾液によってプラークは流されますが、ドライマウスや生活習慣の乱れがある場合は唾液量が減少し、プラークが留(とど)まり、増殖してしまいます。対処方法として有効なのは、歯磨きをしっかり行うことです。プラークが定着して歯石となる前に、歯磨きできれいな状態を維持するよう、普段から意識してください。奥歯・前歯の裏・歯と歯の間は、特にプラークがつきやすい場所です。

3-2.ミュータンス菌

生まれたばかりの赤ちゃんには、ミュータンス菌は存在しません。多くは、大人の唾液から、箸やキスを介して感染するのです。3歳までの乳幼児期の子供に感染した場合、虫歯リスクは高くなります。感染してしまった場合でも、生活習慣の見直しで菌の増殖を抑えることは可能です。だらだら食べる習慣をなくす・歯磨きをきちんと行う・キシリトールタブレットなどでセルフケアをするなどの方法が効果的でしょう。歯科医院でのクリーニングやフッ素塗布などを行うことにより、口腔(こうくう)内を健康な状態で維持でき、虫歯の早期発見や予防にもつながります。乳酸菌を配合したマウスウォッシュを使い、オーラルケアをする方法もおすすめです。

3-3.糖分

虫歯の進行を早めるのは、糖分の摂取が引き金です。飴(あめ)やお菓子などは、食べる時間帯や食べ方にも注意しましょう。長く食べ続けるのは、口腔(こうくう)内に糖分が残る原因で、ミュータンス菌の活動を後押ししてしまいます。時間を決めて食べるようにし、食後は歯磨きをするようにしてください。また、甘いものを食べるときは、お茶など糖分を含まないものと組み合わせるようにしましょう。

3-4.

口腔(こうくう)内が酸性にならないよう、唾液で中和できる環境作りが大切です。唾液は中性で、細菌を洗い流す作用があります。ドライマウスで唾液量が少ない場合は、顎の下にある唾液線を圧迫し、唾液の分泌を促す工夫をしてみてください。また、生活習慣を見直し、ストレスの解消や適度な運動も行いましょう。心身共にリラックスした状態になれば、唾液量の分泌もきちんとなされ、口腔(こうくう)内が酸性に傾いて虫歯になるのを防ぐことができます。

3-5.口腔(こうくう)内環境の改善

口腔(こうくう)内環境の改善が大切なのは、前述したとおりです。唾液はプラークの定着を防ぎ、酸の中和にも貢献します。また、唾液そのものに殺菌作用があるため、虫歯の原因となるミュータンス菌を減らすことができるのです。十分な睡眠・規則正しい食事・ストレスの緩和を心がけ、口腔(こうくう)内環境の改善を行ってください。

3-6.予防歯科について

予防歯科では、歯のクリーニングや歯石除去などを中心に行い、エナメル質の強化を促すことができます。プラークは長く放置してしまうと歯石となり、歯磨きでは落とすことができなくなるため、歯科医院での処置をしてもらうことが大切です。また、歯の表面に高濃度のフッ素を塗ることで、虫歯予防の効果を高めることができます。

4.虫歯の原因や予防法でよくある質問

虫歯は予防がとても大切です。質問集を参考にしてください。

Q.ヤクルトなどの乳酸菌飲料は虫歯の原因になるのか?
A.乳酸菌を含むマウスウォッシュは、虫歯の予防に効果的です。しかし、ヤクルトなど糖分を多く含む乳酸菌飲料は、ミュータンス菌の増殖を促してしまいます。適量を飲むようにし、飲み終えた後にうがいをするなど、口の中がきれいな状態を維持してください。

Q.唾液量を増やすためにできることとは?
A.噛(か)む習慣を意識してください。ガムも効果的です。キシリトールを含むガムなら、虫歯予防と唾液分泌が期待できるでしょう。

Q.歯磨きをしていても虫歯になるのはなぜ?
A.磨き残しがある場合、プラークが残ってしまいます。歯磨きの仕方を見直してみてください。予防歯科では歯磨き指導も行っています。自分の磨き癖を知り、改善することが大切です。

Q.詰め物の劣化も虫歯の原因になるのか?
A.以前、虫歯治療をした時の詰め物が劣化している場合、すき間ができてしまい、細菌が入り込んでしまう可能性があります。歯磨きが十分にできず、虫歯になるリスクが高まるのです。定期的に歯科医院を受診し、劣化は早めにチェックするようにしましょう。

Q.フッ素入りの歯磨き粉は虫歯予防に効果があるのか?
A.フッ素は、初期虫歯などで溶け始めた部分を再石灰化する作用があり、普段から使うことで虫歯予防にも効果があります。

5.まとめ

いかがでしたか? 虫歯の原因となるのは、プラーク・ミュータンス菌・糖分・酸の4大要素です。プラークは歯に付着した汚れと細菌が絡み合ったもので、磨き残しなどがあると、歯石となって取りにくくなります。また、糖分はミュータンス菌のえさとなり、酸を生成して歯を溶かしてしまうのです。虫歯予防には、普段の歯磨きをしっかり行うことと、生活習慣の乱れを改善し、唾液の分泌を促すことがポイントになります。現在は予防歯科が重視されていますので、虫歯になる前に、定期検診などを利用し、日ごろから口腔(こうくう)内のメンテナンスをしっかり行いましょう。