子供の歯ぎしりはどんな悪影響があるの? 正しい対処方法を解説

「子供の歯ぎしりが強くて不安になる」「歯ぎしりで歯が傷つくのでは?」など、子供の歯ぎしりに不安を覚えている方は多いでしょう。歯ぎしりは子供の歯が順調に成長している証(あか)しでもありますが、状況によっては歯を傷つけてしまう恐れがあります。状況を確認しながら正しい対処を行うことが大切です。

本記事では、子供の歯ぎしりによる悪影響や対処方法について解説します。

  1. 子供が歯ぎしりをする原因は?
  2. 歯ぎしりによる悪影響は?
  3. 子供の歯ぎしりはどう対処すべきか?
  4. 子供の歯ぎしりに関してよくある質問

この記事を読むことで、子供が歯ぎしりをする原因や対処法のコツが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.子供が歯ぎしりをする原因は?

まずは、子供が歯ぎしりをする原因をチェックしておきましょう。

1-1.子供の歯ぎしりは生理現象

ギリギリと削れるような音がすると心配になりがちですが、子供の歯ぎしりは生理現象なので心配する必要はありません。だいたい歯が生え始める生後6か月ごろから始まり、中学生くらいまで続くこともあると言われています。子供の歯は大人の永久歯になるための成長過程でもあるため、次に生えてくる歯の位置や顎(あご)の位置を決めようとしているだけなのです。歯ぎしりをすることによって、成長に伴うかみ合わせの変化に順応しようとしています。つまり、歯をすり合わせてかみやすいポジションをつかんでいるのです。

1-2.子供の歯ぎしりはかみ合わせが原因

前述したように、子供が歯ぎしりをする原因はほとんどがかみ合わせです。何らかの理由でズレて出てしまったかみ合わせを自己修復しようとして歯ぎしりをします。出ている歯を減らしたり、沈み下げたりしているのです。その結果、歯ぎしりとしてギリギリと音を出しながら歯の位置を調節することになります。特に、歯が生え変わる時期の子供は、かみ合わせが原因で歯ぎしりが起きることがあるでしょう。成長過程での歯ぎしりは成長とともに改善されるケースがほとんどです。

1-3.ストレスが原因で歯ぎしりをすることも

子供の歯ぎしりは、ストレスが原因になっていることもあります。一般的に、かみ合わせによる歯ぎしりが多いのですが、睡眠中だけに歯ぎしりが起きるならストレスが原因の可能性が高いでしょう。かみ合わせによる歯ぎしりは夜間だけでなく昼間も現れることがあります。しかし、ストレスが原因の歯ぎしりは睡眠中だけに発生するのが特徴です。精神的なストレスによって悪夢を見たり、眠りが浅くなったりしている証拠と言えるでしょう。ストレスに悩むのは子供も同じなのです。ストレスが原因の場合は、子供の生活環境や交友関係を観察する必要があります。

1-4.歯ぎしりができない子供のほうが問題!?

子供の歯ぎしりは成長過程で必要なことなので、逆に歯ぎしりができない子供のほうが問題だと言われています。特に、最近は生活が便利になり、子供たちが体を十分に動かす機会が減ってい流のです。その結果、運動能力が低下したり、姿勢が悪くなったりすることで歯ぎしり自体ができなくなってしまっています。運動不足によって頭蓋骨や首の部分の成長がストップしてしまい、上歯が下の歯に完全におおいかぶさってしまうことになるのです。歯ぎしりができるのは、歯や骨が健全に成長している証拠と言えます。

2.歯ぎしりによる悪影響は?

では、歯ぎしりによる悪影響はあるのでしょうか。

2-1.基本的には問題なし

前述したように歯ぎしりは子供の歯が成長している証拠なので基本的に問題ありません。健全な歯ぎしりであれば、治療対象になることはないでしょう。大きな問題になることはないので、必要以上に心配しないようにしてください。親が不安になると子供まで不安になり、精神的なストレスにつながる可能性があります。特に、乳歯が抜けて永久歯が生えてくる年頃の歯ぎしりは、順調に成長しているんだなと思っておきましょう。

2-2.治療しなくてはならないケースもある

子供の歯ぎしりの中には、治療しなくてはならないケースもあるので注意が必要です。たとえば、乳歯から永久歯に生え変わる6歳を過ぎても歯ぎしりが続いている場合は、ほかの原因が考えられるでしょう。そのまま放置していると歯に大きな負荷がかかり、どんどん削られてしまうことになります。ひどい歯ぎしりが続くと神経が強い圧力に耐えきれなくなってしまうのです。その結果、神経の炎症や壊死(えし)が起こってしまうので注意しなければなりません。さらに、壊死した神経をそのままにしておくと細菌感染から壊疽(えそ)へと発展します。歯茎が腫れたり、強い痛みが出たりする恐れがあるため、早めの治療が必要になるでしょう。

2-3.歯の摩耗(まもう)やぐらつきが出る

成長過程にある子供の歯が歯ぎしりによって負荷がかかると、歯の摩耗やぐらつきが出始めることがあります。歯ぎしりは強い力で歯と歯をすり合わせているため、どうしても歯同士がこすり合い摩耗していくのです。摩耗の力が歯根にまで及ぶと歯をぐらつかせてしまうことになります。もともとしっかりと固定されていない子供の歯なので、歯並びが悪くなる恐れもあるのです。自然放置をしても元に戻る可能性は低いため、歯医者で専門の治療を受ける必要があります。

2-4.顎関節症のリスクが高まる

子供の歯ぎしりは、顎関節症のリスクが高まる可能性もあります。歯ぎしりは顎まわりの筋肉を緊張させて、顎関節に過度の負担をかけることがあるのです。顎関節に過度の負担がかかる状況が続くと顎関節症を引き起こしてしまいます。顎関節症になると顎が痛くなったり、口が開けにくくなったりするので日常生活に大きな支障をきたすことになるでしょう。顎に大きな負担がかかっているほどの歯ぎしりは、適切な治療を受ける必要があります。

2-5.精神的なダメージも受ける

精神的なダメージも子供の歯ぎしりによる悪影響の1つです。特に、睡眠中に無意識に行うことが多い歯ぎしりはストレスが原因だと言われており、良質な睡眠の障害になります。睡眠は人間にとって体を休めるためのものではありますが、子供にとっては成長に必要不可欠なものです。そのため、きちんと睡眠が取れずにいると自律神経にまで大きな影響を与えてしまいます。

3.子供の歯ぎしりはどう対処すべきか?

では、子供の歯ぎしりはどのように対処すればいいのでしょうか。

3-1.よく噛む習慣をつけさせる

家庭でできる対処法としては、よく噛む習慣をつけさせることです。歯ぎしりは、あまり噛まずにあわてて食事をする子供に多く見られます。よく噛んで食べる習慣をつけていないと顎の成長が阻害されてしまい、成長過程でかみ合わせに悪影響が出ているからです。そのため、よく噛んで食べる習慣を子供につけさせることが歯ぎしりの改善につながります。「一口100回噛む」など具体的なルールを定めるといいでしょう。具体的な目標を持たせることで、よく噛んで食べる意識を高めることができます。また、よく噛んで味わいたくなるようなメニューを作るのも大人ができる対処法です。

3-2.正しい姿勢の維持を心がける

歯ぎしりは姿勢と大きく関係しているため、正しい姿勢を維持するように教えることも大切な対処法の1つです。背中を丸めた姿勢が続いてしまうと首の前方にある筋肉が緊張してしまい、口を開けるときに使う筋肉が衰えてしまいます。口を開けにくくなったり、顎関節の動きが悪くなったりするなど、子供の歯ぎしりを発生させる原因になるのです。できれば、立っているときだけでなく座っているときも正しい姿勢を維持させるように子供に教えてあげてください。

3-3.精神的にリラックスできる環境を作る

ストレスが原因で子供の歯ぎしりが発生している可能性もあるため、できるだけリラックスできる環境を作ってあげることも大切なポイントです。学校生活などでさまざまなストレスにさらされていたとしても、家庭ではくつろげる空間を作ってあげるといいでしょう。子供の話に耳を傾けるのもいいですが、しつこく尋ねるのはNGです。どうすれば子供がリラックスできるのか考えてみてください。

3-4.歯医者で行う3つの治療方法

歯医者で行う対処法として、マウスピース・歯列矯正・リマインダーの3つの治療法があります。それぞれの特徴について解説しましょう。

3-4-1.マウスピース

歯ぎしりの治療としてよく使われるマウスピースは、健康保険の適用なら5,000~6,000円程度で作ることができる比較的安価な治療方法です。ただ、子供はマウスピースに違和感を覚えるので最初は使用するのを嫌がるケースが多いでしょう。けれども、慣れれば異物感もなく熟睡できるようになります。

3-4-2.歯列矯正

ほぼ永久歯に生え変わっても歯ぎしりが続く場合の対処法として、歯列矯正があります。歯並びやかみ合わせを矯正する必要があるからです。子供のうちに歯列矯正をしておくと大人になっても安心できるでしょう。大人になって矯正するよりも子供のほうが歯並びが整えやすく、費用も最小限に抑えることができます。

3-4-3.リマインダー

昼間に歯ぎしりが起きる場合は、歯医者でアドバイスを受けながらリマインダー対策を行う方法がおすすめです。リマインダーとは思い出させるものが目に入ったら歯ぎしりをやめるという方法となります。一種の自己暗示のようなもので、歯ぎしりを意識することで改善の意識を高めるのが目的です。

4.子供の歯ぎしりに関してよくある質問

子供の歯ぎしりに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.歯ぎしりの原因がもたらすトラブルとは?
A.歯並びの悪さが歯ぎしりの原因になっている場合、特定の歯にだけ過度の負担をかけることになります。その結果、歯磨きなどで歯垢が除去できなくなってしまい虫歯や歯周病に発展しやすくなるのです。子供の場合は、永久歯が抜けてしまう可能性もあるので注意しなければなりません。また、早食いによる消化不良や発音が上手にできないというトラブルも起きやすくなります。

Q.大人の歯ぎしりと何が違うの?
A.大人と子供の歯ぎしりでは原因が違います。大人の歯ぎしりはストレスや姿勢の悪さからくる上顎骨のズレなどが大きな原因です。一方、子供は上顎骨が成長過程にあるため、無意識のうちにかみ合わせを調節するために歯ぎしりを行っています。大人と子供では大きな違いがあることを把握しておきましょう。

Q.子供の歯ぎしりを改善するコツは?
A.子供の歯ぎしりを改善させるためには、歯医者での専門的な治療と同時に家庭でのケアが必要不可欠となります。たとえば、ストレスによる歯ぎしりの場合は、なぜ子供がストレスを抱えているのか理解してあげることが大切です。歯ぎしりが癖になっているなら歯医者でマウスピースを作ってもらう歯ぎしりを改善しましょう。

Q.成長過程の歯ぎしりか自分で判断できないときの対処法は?
A.歯ぎしりが成長過程における範囲内か、範囲を超えている歯ぎしりか判断できない場合は、1度歯医者に相談するのが1番です。よくないのは子供の歯ぎしりを放置しないことなので、心配な方は専門家に相談することをおすすめします。そうすれば、歯ぎしりの原因が分かり、正しい対処法などのアドバイスも得られるでしょう。

まとめ

子供の歯ぎしりは、歯が生え始める生後6か月ごろから始まり中学生まで続くこともあります。ほとんどは歯や顎の位置を決めようとする生理現象なので心配する必要はありません。ただし、歯ぎしりの力が強く歯が削れてしまっている場合は、歯が削れないように対処する必要があります。その場合は、歯ぎしりをやめさせるよりも、マウスピースなどを装着して歯ぎしりの力を抑えるのがポイントです。子供の歯ぎしりは大人と違う対処が必要となります。