湯冷めの原因や防止策・対策法などを徹底解析!

なぜ湯冷めするのか? 原因や防止策・対策法などを徹底解析!

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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「せっかく湯船で温まったのに、すぐ体が冷めてしまう」「お風呂に入る前よりも冷える」など、入浴後の寒さに悩んでいる方が多いのではないでしょうか。入浴後に、体が冷えて寒さを感じることを「湯冷め」と言います。昔から、「湯冷めは風邪を引く」と言われており、大きな負担がかかることは確かです。湯冷めを防ぎ、健康を維持するためには、基礎知識を身につけておかなければなりません。そこで、本記事では、湯冷めの基礎知識や防止方法・対策法などについて説明します。

この記事を読むことで、湯冷めについて詳しく知ることができ、適切な防止策や対策法がわかります。悩んでいる方や湯冷めしない方法が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

湯冷めの基礎知識

湯冷めを防ぐためには、なぜなるのか原因を把握することが大切です。湯冷めとは何なのか、原因・問題点・なりやすい人について説明します。

1-1.湯冷めとは

湯冷めは、入浴後に体が冷えて寒さを感じることです。体が温まる風呂は、唯一のリラックスタイムとなっている方も多いでしょう。しかし、湯冷めをしてしまえば、せっかく温まった体が冷えて体に大きな負荷がかかってしまいます。湯冷めが長く続くほど、体にかかる負担も大きくなるものです。熱・頭痛の原因になる可能性もあるため、湯冷めをしない工夫をする必要があります。

1-2.湯冷めの原因

なぜ、湯冷めは起こるのか、原因は人によってばらばらです。主な原因として挙げられるのは、人間の体温調節機能が大きく関係しています。風呂に入っているときは体が温まり、血管を広げることで熱を放出したり、上がり過ぎた体温をもとに戻そうとしたりと機能が働いているのです。しかし、風呂から上がると、外気の環境変化に追いつかず、体表面の血管や毛穴が開きっぱなしになります。その結果、熱放出が過剰に行われることになり、体の中心部の体温=深部体温が低下するというわけです。

1-3.湯冷めの問題点

湯冷めは、体に負荷がかかります。入浴中の体温と風呂上がりの体温が急変することで、血流が悪くなる・自律神経の乱れが起きるなどの不調が現れるのです。湯冷めの放置は、風邪や冷え性・肩こりの悪化も引き起こします。体に大きな負荷がかかる前に、きちんと対策を立てておかなければなりません。湯冷めの防止が、体調管理・健康維持につながります。

1-4.なりやすい人とは

湯冷めしやすい人には、ある共通点があります。それは、生活習慣が乱れている人・過剰なストレスを感じている人・冷え性で悩んでいる人です。健康管理の基礎となる生活習慣は、乱れている人ほど血流が悪く、深部体温が温まりません。また、ストレスが感じやすくなり、体温調節機能が正常に働かなくなるのです。また、冷え性で悩んでいる人は、正しい入浴をしなければ、すぐに湯冷めする傾向が見られます。

湯冷めの防止方法

それでは、湯冷めを防ぐ方法をいくつか紹介します。どの方法も自分で簡単にできることなので、ぜひ試してみてください。

2-1.湯冷めの時間

風呂上がり30分~1時間後経過してから、湯冷めをする方が多いようです。湯冷めをする前に、布団の中に入るのも、防止法の1つとなります。ただし、風呂上がりすぐに布団の中に入ってしまえば、体温を下げようと放熱が始まり、汗を大量にかくでしょう。放熱によって、布団の中に熱がこもり、さらに体温が下がりにくくなります。そのため、すぐ布団に入るのではなく、1時間後に入ってください。寝る前の1時間前にお風呂に入れば、睡眠導入が得られる体温にまで下がります。

2-2.風呂の温度について

熱い湯が好きだから、と42℃以上の風呂に入るのはNGです。熱過ぎる風呂は、湯冷めの原因となります。また、のぼせやすくなるため、熱めの湯は長く入ることができず、深部体温を温めることができません。湯冷め防止に効果的な湯温は38~40℃、10~15分ほどつかることです。ぬるめの湯にゆっくりつかることで、体を芯まで温めることができます。

2-3.上がり湯

風呂から上がるときに、浴びる湯のことを「上がり湯」と言います。風呂から上がる直前に、湯船より少しぬるめのお湯を足にかけてください。上がり湯を実践することで、血管が収縮し、熱の放出を抑えることができます。冷水をかけている方もいますが、高血圧や心臓の悪い方は逆効果となるので注意してください。

2-4.水分を残さない

体についている水滴は、体温を奪います。風呂から上がったらすぐに水滴を拭いてください。水滴をきちんと拭かずにそのままの状態でいれば、体温が下がって湯冷めします。ポイントは、体だけでなく、髪の毛も素早く乾かすことです。短髪の方は自然乾燥をすることが多いですが、きちんとドライヤーで乾かしてくださいね。

2-5.クリームを塗る

入浴直後に、クリームを塗ることも防止策の1つです。クリームを塗ることで、熱の発散を防ぐことができます。また、外出時の防寒にもなるでしょう。肌に塗るクリームは、ボディー用またはオイルがおすすめです。自分の肌タイプに合ったクリーム・オイルを選んでくださいね。

2-6.入浴剤を使う

お風呂に入る前は、入浴剤を入れてみてください。入浴剤の成分が、皮膚の表面に薄い膜を作り、熱の蒸発を防ぐことができます。日本浴用剤工業会のホームページには、「入浴剤の成分が膜を作り、熱の放散を防ぐための保湿効果アップにつながる」と記載されているのです。保湿効果が期待できる入浴剤は、無機塩類系入浴剤で、硫酸マグネシウム・炭酸水素ナトリウム・硫酸ナトリウムが含まれています。

2-7.そのほか

ほかの方法としては、脱衣所を温める策があります。脱衣所と浴室の温度差が激しくなるほど、体が冷えやすくなるのです。急激な温度差は、ヒートショックという死亡原因の症状も起こりやすいので注意してくださいね。特に、冷えやすい冬場は、暖房器具を設置するなどして温めておきましょう。また、体が冷えないように靴下や腹巻きなどを利用するのも方法の1つです。夏場でも極力薄着でいることを避け、体を温かくしましょう。

2-8.すぐ布団に入るのは間違いか?

「体が温かいうちに寝なさい」と、昔から言われていた方が多いのではないでしょうか。しかし、入浴後すぐ布団に入るのは間違いです。ぽかぽかの状態で布団に入るのは、湯冷めの原因となります。人間の体は、寝ている間に汗をかいて体温が下がるものです。通常の体温よりも高い状態で布団に入れば、体温調節のために大量の汗をかきます。よって、急激な体温低下が起きやすく、湯冷めになりがちです。風呂から上がったらすぐに寝るのではなく、30分~1時間ほど置いてクールダウンしましょう。

2-9.赤ちゃんの場合

赤ちゃんは、湯冷めで風邪を引きやすい傾向があります。入浴後、着替えのために寒い脱衣所やリビングへ移動することで、せっかく温まった体が冷えてしまうのです。赤ちゃんは成人よりも体温調節が上手にできないため、急激な温度差に注意しておかなければなりません。浴室・脱衣所に暖房器具を設置して暖めておく・乾燥防止のために加湿器を利用するなど、工夫をしてください。赤ちゃんが湯上がりにくしゃみをする場合は、環境を見直す必要があります。

2-10.注意点

仕事で疲れたときや夏場は、手早く済ませたいからとシャワーばかりの生活を送る方が多く見られます。しかし、シャワーでは深部体温を温めることができません。シャワーばかりの生活を送っている方は、きちんと湯船につかる習慣に変えてください。また、日ごろから規則正しい生活習慣を送る・ストレス解消を心がけることも大切な予防法です。

湯冷めの対策法

入浴前後のひと工夫で、湯冷めの対策ができます。一体、どのように対策を立てればいいのか、具体的な対策法についてチェックしておきましょう。

3-1.冷え性改善

湯冷めをしないためには、日ごろから体を温めることに意識を向けなければなりません。特に、冷え性を持っている人は、常に体が冷えている状態です。湯船にゆっくりつかり、体を温めたとしても、根本的な原因を解決しなければ、湯冷めを防ぐことができません。冷え性を改善するためには、以下の要素がポイントとなります。

  • 適度な運動量で筋肉を増やす・皮下脂肪を減らす
  • バランスの良い食事と質の良い睡眠で自律神経を整える
  • マッサージで血流を良くして、体の内部から温める

3-2.温めるポイント

体を温めることに意識を向けていきましょう。体を温めるポイントは、おなか・首・足先を冷やさないことです。この3か所をきちんと温めることで、自律神経が働き、抹消が温まります。入浴時や入浴後はもちろんのこと、日常生活から冷やさないように気をつけましょう。夏場でもストールを巻く・室内ではレッグウォーマーや靴下を履く・おなかを出して寝ないなど、自分でできることはたくさんあります。冷たい飲みものや食べものも、極力控えたほうがいいでしょう。

3-3.心身をリラックスさせる

自律神経の乱れは、湯冷めが悪化する要因です。湯冷め対策のために、過剰にストレスを溜(た)めこまないようにしてください。ストレスを感じたときは、できるだけリラックスするように心がけましょう。たとえば、適度な運動をして汗をかく・好きな音楽を聴く・アロマオイルを焚(た)くなど、さまざまなストレス解消法があります。

3-4.やってはいけないこと

湯冷め対策として、やってはいけないことをいくつか紹介します。

3-4-1.体を冷やす

体を冷やす行為は絶対にやってはいけません。夏場は冷たいものを欲しますが、過剰な摂取は夏冷え・湯冷めの要因です。ただし、熱中症の対策として、足・手を冷やす方法があります。めまいや顔のほてり・立ちくらみなどの症状が出たら、足・手から冷やしてつつ水浴びをしてください。

3-4-2.刺激物・アルコールの摂取

また、辛いものや刺激物・アルコールの摂取もNGです。刺激物は発汗作用が強くなるため、過剰に熱が放出されてしまいます。湯冷めしやすい方は、これらの食べもの・飲みものを避け、栄養バランスの良い食事を摂(と)りましょう。

3-4-3.熱い湯に浸かる

熱い湯は、体を緊張状態へと導く交感神経が活発化するので逆効果です。湯冷め対策としては、体がリラックスする副交感神経を高めることがポイントとなります。熱い湯ではなく、38~40℃とぬるめの湯につかってください。

3-5.注意点

日常生活は、体調管理を行い健康を維持するための大切なポイントです。湯冷め対策や防止策を実践していても、不規則な生活を送っていては一向に改善できません。昼夜逆転生活や睡眠不足状態が長く続いている方などは、日ごろの生活を見直してください。

湯冷めに関するよくある質問

湯冷めに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.入浴前後の飲みものは何がいいのか?
A.入浴前は、コップ1杯の白湯(さゆ)を飲んでください。なぜなら、入浴中はたくさんの汗をかき、水分がなくなるからです。きちんと水分補給をしなければ、湯冷め以外にも肌の乾燥や基礎代謝が悪くなります。入浴後も、白湯(さゆ)やしょうが湯などの温かい飲みものを補給しましょう。

Q.半身浴は湯冷めを悪化させるのか?
A.半身浴は、リラックス効果・血流促進効果が期待できます。しかし、間違った方法で半身浴をすれば、湯冷めの原因となるので注意してください。半身浴は、38~40℃のお湯を半分ためた浴槽に、20~30分ほどつかります。冬場は寒くなるため、首だけを出す形になるまでふたを閉めてください。きちんと正しい方法で半身浴を行えば、湯冷めをすることもありません。

Q.冷え性が治らない場合は?
A.日常生活の改善や工夫を凝らしても、冷え性が治らない方は、漢方薬を試してみてください。冷え性に効果的な漢方薬は、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などが挙げられます。

Q.シャワーで温めるコツとは?
A.どうしても仕事が忙しく、シャワーで済ませる場合は、40~42℃のお湯を足首がつかるぐらいまでためて、足を温めてください。体や髪を洗う最中に風呂用のイスに腰かけて、足湯をしましょう。足湯をするだけでも、風呂につかる効果を得ることができます。

Q.湯冷めに効果的なツボとは?
A.湯冷めに効果のあるツボはありませんが、冷え性に効果的なツボがあります。それは、風門と呼ばれるツボです。風門は、首の後ろ側でつけ根部分にあります。自律神経を整える効果もあり、10秒間ほど押してみてください。シャワーを浴びる際は、風門に当てるだけで温かくなります。

まとめ

いかがでしたか? 湯冷めは、風邪や肩こりを悪化させる要因です。せっかく温まった体がなぜ冷めてしまうのでしょうか。その原因としては、体温調節機能の不調や過剰な熱放出が挙げられます。体温調節機能の不調は、ストレスによる自律神経の乱れや不規則な生活習慣が原因となっているため、生活習慣を改善することが大切ですよ。不規則な生活習慣が続いている方は、見直して悪い部分を改善してください。また、湯冷めを防ぐためには、冷え性解消や正しい入浴法を知らなければなりません。きちんと基礎知識を把握しておけば、正しい対策・防止策ができ、湯冷めに悩まされない生活を送ることができます。