便秘と腹痛の関係について解説! 便秘解消のコツや改善方法について

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

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十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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便秘が続いている状態はお腹(なか)が張り、痛みを感じるようになります。便秘状態が長く続くほど、症状が悪化して悪影響をもたらすでしょう。「自然と治る」とあまく見ていては、過敏性腸症候群や腸閉塞・大腸がんなどの大病を引き起こす可能性があります。便秘と腹痛、どちらも改善するためには基礎知識を深めることが大切です。そこで、本記事では、便秘と腹痛の関係・腹痛の対処法・改善方法について説明します。

この記事を読むことで、便秘による腹痛を解消するために必要な知識を身につけることができます。便秘を解消したい方はぜひ参考にしてください。

01. 便秘と腹痛の関係について

便秘による腹痛を改善するためには、この2つの関係について知ることが大切です。便秘と腹痛の関係性・発生するメカニズム・主な症状・潜(ひそ)む病気について詳しく説明します。

1-1.便秘と腹痛の関係性

便秘が続いているときに、腹痛を感じることがあるでしょう。それは、ただの腹痛ではなく、便秘が原因で起きている腹痛です。便秘が続いている腸内には、老廃物・毒素などがたくさんたまっています。腹痛以外にも、お腹(なか)が張ったり、体が重くなったりするでしょう。腹痛とは腹部の痛みのことですが、内臓機能の異常・ストレスなど心因的な理由など発生原因はさまざまです。けれども、便秘が続いているときの腹痛は、お腹にたまっている老廃物・毒素・悪臭ガスが関係しています。そのため、便秘を改善しなければ腹痛を解消することはできません。

1-2.なぜ起こるのか、メカニズム

便が腸内に長い間たまってしまうと、腸の内容物が腐敗していきます。老廃物・毒素だけでなく、悪臭ガスが発生して、腸が膨張(ぼうちょう)することになるのです。膨らんだ腸によって周辺の臓器が圧迫されることになり、腹痛が起きます。腸内にある老廃物・毒素・悪臭ガスを排出しなければなりません。

1-3.主な症状

便秘が原因の腹痛は、お腹が重くなったようなだるさが特徴です。人によっては、ズキズキとした痛み・我慢できないほどの激しい痛み・お腹が響くようなにぶい痛みなど異なります。痛み方によって原因が変わるため、どのような痛みがあるのか把握することが大切です。
また、腹痛以外にもさまざまな症状が現れるでしょう。腹痛とともによく起きるのが、頭痛・肩こり・体のだるさです。腸内にたまっている老廃物・毒素などは、血液を通ってさまざまな部位へ悪影響を与えます。ほかに、おならが出る・気持ち悪くなる・吐き気がするなどの体調不良も頻繁に起きるでしょう。

1-4.潜(ひそ)む病気について

便秘と腹痛が同時に現れたときは、意外な病気が潜んでいる可能性があります。考えられる病気は、過敏性腸症候群・大腸がん・巨大結腸症・腸閉塞・脊髄(せきずい)の損傷・甲状腺機能低下症などの病気です。便秘は、命に関わるがんの発症にも関係しています。すべてが深刻な症状ではありませんが、命に関わるものもあるということを覚えておいてください。
特に、便秘・下痢が数か月以上続く・血便がある・周期的に強い腹痛が起きるなどの症状は、病気が関係している可能性が高いのです。命に関わる病気が潜んでいる恐れがあるため、早めに病院を受診したほうが良いでしょう。

02. 便秘による腹痛の対処法

それでは、便秘による腹痛はどのように対処すれば良いのでしょうか。対処法・市販薬・病院に行ったほうが良い場合・やってはいけないことについて説明します。

2-1.対処法とは

便秘による腹痛が起きたときは、すぐにでも腸内にたまっている便を排出しなければなりません。しかし、なかなか排便できずに苦しい思いをすることが多いでしょう。場合によっては、お腹に力が入りすぎて腹痛がひどくなる恐れもあります。そんなときは、軽く運動をしたり、腹部をマッサージしたりしてみてください。動かすことで腸内に刺激を与え、便を排出するぜん動運動が活発化します。また、白湯(さゆ)を飲んで便をゆるくするのも対処法の1つです。実践しても腹痛が治まらないときは、病院で診てもらってほうが良いでしょう。

2-2.市販薬について

便秘をくり返す人にありがちなのが、便秘薬の使用です。便秘薬を服用すると、すぐに便を排出できますが、毎回使ってしまうと体が薬に慣れてしまいます。その結果、腸が反応しなくなり、再び便秘になる→便秘薬を使用する→便秘になるという悪循環が生まれるのです。また、腸が過剰に反応してしまい、余計に腹痛がひどくなるでしょう。どうしても腹痛が辛抱できないときに使用するのは良いですが、乱用しないように気をつけてくださいね。

2-3.病院に行ったほうが良い場合

我慢できないほどの痛みがある・便が出ても腹痛が治まらない場合は、病院に行ったほうが良いでしょう。便秘が原因ではなく、大きな病気が潜んでいる可能性があります。また、便秘と下痢をくり返す・何か月も症状が続く場合も同じです。「時間が経(た)てば自然と治る」と考えずに、病院で検査してもらいましょう。診察を受ける際は、具体的に症状を伝えてください。

2-4.やってはいけないこと、注意点

便秘中に腹痛が起きたときは、冷たい飲みものを飲まないようにしてください。冷たい飲みものは体を冷やすきっかけとなり、腸の働きが低下します。また、消化に悪い油っこいもの、刺激が強い炭酸飲料・アルコールの摂取もNGです。便を排出することが大切なので、排便に効果的な成分を摂取しなければなりません。食事に関しては、後ほど【3-1.食べもの・飲みもの・栄養素】で説明するのでぜひチェックしてください。
さらに、便秘による腹痛は「ストレス」とも大きく関係しています。ストレスを感じると交感神経が活発化し、筋肉が緊張状態になるのです。その結果、腸のぜん動運動も低下してしまい、便秘になりやすくなります。ぜん動運動を活発化するためには、ストレスと上手に付き合わなければなりません。ストレスを感じたときは、ストレス解消となるものを見つけてください。

03. 便秘の改善方法について

便秘の改善方法は、日々の生活が大きなカギとなります。食生活・運動・生活習慣・マッサージ・注意点について詳しくチェックしておきましょう。

3-1.食べもの・飲みもの・栄養素

便秘の原因は、毎日食べて飲んでいるものが関係しています。たとえば、油っこいもの・菓子類ばかり食べていると、栄養が偏り便秘になるのです。また、お腹を刺激する炭酸飲料・アルコール飲料もNGとなります。便秘中は、常温のミネラルウォーター、または白湯(さゆ)を飲んでください。ちょうど良い温度の白湯は、お腹にほど良い刺激を与えるため、ぜん動運動が活発化する傾向があります。

また、食べものは便秘と腹痛に良いとされているヨーグルト、食物繊維が豊富な野菜・海藻類、消化に良い麺類・おかゆがおすすめです。特に、ヨーグルトは腸内環境を整える乳酸菌が含まれています。腸に行き届く乳酸菌を摂取すれば、腸内環境を整えることができるでしょう。お肉中心の食生活を続けている方は、腸内をキレイに掃除してくれる野菜中心の生活に改善してください。

主に、腸にやさしい栄養素を摂取することが好ましいです。以下に、おすすめの栄養素をいくつかピックアップしてみました。

  • たんぱく質:豆腐・白身魚など
  • 食物繊維:野菜・海草類・果物など
  • 乳酸菌:ヨーグルト・発酵食品など

近年、ダイエットのために朝食を抜いたり、食事制限をしたりする女性が増えています。1日3食きちんと摂らなければ、代謝が悪くなり便秘になりやすい傾向があるので要注意です。逆に、きちんと食べたほうが基礎代謝がアップし、ダイエットしやすくなるでしょう。

3-2.運動

仕事や家事・育児で忙しく、運動不足になっている方が多いでしょう。運動不足は、腸のぜん動運動が低下してしまうため、できるだけ生活に運動を取り入れてください。軽めのウォーキング・ジョギング・ストレッチでも構いません。体を動かすことで、腸にほど良い刺激を与えることができます。また、ストレッチをするときは、お風呂あがりがおすすめです。お風呂あがりは体中が温まっているため、筋肉が動かしやすくなりますよ。

3-3.生活習慣

昼夜逆転生活・睡眠不足など、不規則な生活習慣が便秘の原因でもあります。不規則な生活を送っている人は、この機会に見直し改善してください。便秘と腹痛に悩まされていた人の中には、生活習慣を改善することで症状が治まったというケースがあります。
また、ストレスを感じないようにリラックス状態を維持することも大切です。ストレスを感じたときは、音楽を聴いたり、体を動かしたり、アロマオイルを焚(た)いたりするなど、リラックスできることを実践しましょう。

3-4.マッサージ

腸のぜん動運動を活発化させる方法としてマッサージがあります。マッサージは自分の手で簡単にできることなのでおすすめです。便秘と腹痛が出てきたときは、手でおへそのまわりをゆっくりなでてみてください。時計まわりにマッサージすることで、腸にほど良い刺激を与えることができます。ポイントは、お腹が温まってくるまでなで続けることです。およそ1分で自然と温まるでしょう。ただし、マッサージをするときは力加減に注意が必要です。机の上をぞうきんで拭くくらいの弱い力加減で十分でしょう。

3-5.注意点

自分でできる改善方法を試してみても、便秘と腹痛が治らないことがあります。その場合は、便秘以外の病気が原因になっているかもしれません。様子を見るのではなく、すぐに病院へ行ったほうが良いでしょう。

04. 便秘と腹痛に関してよくある質問

便秘と腹痛に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.子どもの便秘の対処法は?
A.子どもの場合は、ほかに症状が起きているかどうか確認してください。下痢・吐き気がある場合は、病院に連れて行ったほうが良いでしょう。下痢・吐き気がない場合は子ども専用の便秘薬、または浣腸(かんちょう)を使ってください。大人の便秘薬を飲ませる方もいますが、大人用は子どもに刺激が強すぎるのでおすすめしません。服用する際は、子どもでも服用できる便秘薬にしましょう。

Q.漢方薬は効果があるのか?
A.漢方薬は、体質を改善することが目的です。便秘になりやすく、そのたびに腹痛で悩まされる方は、漢方薬を使用するのも選択肢の1つとなります。便秘薬と同じ即効性は期待できませんが、長く飲み続けることで便秘になりにくい体へ改善できるでしょう。ただし、漢方薬を服用する際は、自分の体質・症状に適したものを選ばなければなりません。

Q.便秘と下痢をくり返す原因とは?
A.腸内環境が悪化しており、便秘が解消されると同時に下痢を起こす悪循環ができています。規則正しい生活を送っていてもくり返す場合は、ストレスなどの精神面が関係しているでしょう。過度なストレスによって、過敏性腸症候群という病気を発症している恐れもあります。

Q.妊婦の場合はどうすべきか?
A.妊婦の場合は、腸内環境の改善がベストです。便秘解消になる栄養素を摂取する・水分をこまめに摂る・適度な運動やマッサージをするなどさまざまな方法があります。ただし、お腹が大きくなっている場合は、運動が困難ですよね。そんなときはマッサージでも構いませんので、ゆっくりとお腹をなでてみてください。

Q.便秘の予防法が知りたい
A.何よりも効果的な予防法は、規則正しい生活習慣とストレスのない環境です。栄養バランスの整った食生活・適度な運動・睡眠の3点セットを心がけていきましょう。また、できるだけ毎日1.5~2リットルの水分補給をすることが大切です。ストレスとの上手な付き合い方についても考えていきましょう。

05. まとめ

いかがでしたか? 便秘は、腸内に老廃物・毒素・悪臭ガスがたまっている状態です。これらの内容物がたまるほどお腹を圧迫することになり、腹痛を感じるようになります。便秘と腹痛は密接な関係にあるのです。腹痛を改善するためには、便秘を解消しなければなりません。便秘のほとんどが、不規則な生活習慣・ストレス・偏った食生活が原因です。まずは、生活習慣を見直し、悪い点を改善していきましょう。