熱が出る理由や対策

便秘が原因で微熱が出るって本当? 熱が出る理由や対策を紹介!

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
免責事項について

便秘は比較的起こりやすい体の不調です。悩んでいる方もたくさんいます。便秘になると肌荒れ・腹部の張り・イライラなどの症状が現れることは有名ですが、実は微熱が出る方もいるのです。いったいなぜ便秘で熱が出るのでしょうか?

そこで今回は、便秘と微熱の原因と対策をご紹介します。便秘と微熱の症状にお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

便秘と微熱の関係

まず、便秘と微熱の関係をご紹介します。どうして便秘をすると微熱が出ることがあるのでしょうか?

1-1.なぜ、便秘で微熱が起こるのか?

便というのは体の老廃物が固まったものです。ですから、本来ならば速やかに体外へ排出されなければなりません。便秘になると、本来はすぐに排出されるべきものが長らく体内にとどまったままになります。すると、体は便を攻撃するべき異物と認識して防御反応で熱を出すことがあるのです。これが便秘で微熱が出る主な原因となります。

1-2.女性の場合はホルモンが原因のことも

女性の場合は、女性ホルモンが原因で便秘と発熱がセットで起こることも少なくありません。女性の体温は1か月周期で変化しますが、これは女性ホルモンが原因です。

生理前になると、女性ホルモンの分泌量が増えて体温が上がります。人によっては37度を少し超えるくらいまで上がることもあるでしょう。この時に便秘も起こりやすいのです。毎月決まった期間便秘になるという女性の方は、女性ホルモンが影響しているかもしれません。

1-3.発熱と便秘の組み合わせは危険なことも

大腸がんや腸のポリープが原因で便秘が起こることもあります。今まで全く便秘になったことがなく生活習慣も変わらなかったのに便秘になったという方は要注意です。大腸がんや腸のポリープなどを発症すると微熱が症状としてでることもあります。

また、便の色にも注目しましょう。黒っぽい場合は腸内で出血している可能性が高いので注意してください。

1-4.子どもは便秘で発熱しやすい?

大人よりも子どもの方が便秘で微熱を出しやすいといわれています。元々子どもは大人よりも体温が高く、0.5度くらい上がっただけでも37度を超えることもあるでしょう。また、子どもの便秘はストレスや自律神経の乱れが原因のことも多いのです。

自律神経は、胃腸の動きや発汗・眠気・体温など自分の意志ではコントロールできない体の動きを司っています。そのため、自律神経が乱れると発熱と便秘が同時に起こりやすいのです。特に、思春期の頃はホルモンバランスの乱れも手伝って、自律神経を乱しがちとなります。

1-5.腸の働きと免疫力の関係

は消化した食べ物から栄養分を吸収する役割を担っています。ですから、腸の働きが正常ですと食べ物に含まれている栄養を余さずに吸収できるため、体の免疫力が高まり病気になりづらくなるのです。

一方、便秘になると本来は速やかに排出されるべき便がいつまでも腸内にたまってしまいます。すると、便から毒素が排出されてそれが腸内環境を悪化させるのです。腸内環境が悪化すれば腸の働き自体も悪くなり、免疫力が低下しがちになります。つまり、便秘になっている方は病気にかかりやすくなっている可能性があるのです。

病気によって便秘と微熱が起こることも

この項では、便秘と微熱が症状に出る病気の一例や病院を受診した方がよいケースをご紹介しましょう。怖い病気が隠れている可能性があります。

2-1.便秘と微熱が症状に出る病気

  • 悪性腫瘍
  • 月経前症候群(PMS)
  • 自律神経失調症
  • 胃腸炎
  • 脱水症状
  • 便秘の悪化による免疫力の低下

などが便秘と微熱が同時に症状として表れやすい病気です。月経前症候群以外は、性別や年代を問わずに発症する可能性があります。

2-2.自律神経と便秘の関係

自律神経は自分の意志でコントロールできない体の動きを司っています。便意・眠気・胃腸の動きなども自律神経によって制御されているのです。自律神経はストレスの影響を受けやすく、強いストレスがかかるとうまく働かなくなることもあります。

そのため、自律神経が乱れると便秘にもなりやすくなるのです。内臓や血液などに何の異常もないのに体の不調が続く場合は、前述した自律神経失調症である可能性があります。自律神経が原因の便秘の場合、微熱の他に寝つけない・イライラ・頭痛・腹痛・肩こりなど様々な体の不調が同時に起こることもあるでしょう。

2-3.子どもと高齢者は要注意

便秘と発熱が同時に起こった場合、子どもと高齢者は特に注意が必要です。子どもの体はまだ未成熟で抵抗力が弱く、高齢者は内臓全体が若い年代に比べると弱っています。そのため、子供と高齢者は便秘と発熱がセットで起こりやすく、症状も重篤化しやすいのです。

また、便秘と発熱が同時に起こる原因の一つである脱水症状は、子どもと高齢者が発症しやすい症状でもあります。夏場だけでなく冬場も暖房がずっと効いている場所では脱水症状が起きやすいのです。便秘と発熱がセットで発生したら病院を受診しましょう。

2-4.こんな症状が出たら病院へ

  • 今まで何の問題もなかったのに便秘気味になり微熱が1週間以上続くようになった。
  • 微熱・便秘の他に不眠や肌荒れ・胃腸の不調などの症状がある
  • 生理前になると便秘や微熱の他に気分の変調が激しい
  • 10歳以下の子どもで、便秘と発熱がセットになって起こる

このような場合は、病院を受診した方がよいでしょう。まずは内科を受診してください。必要に応じて、もっと専門的な検査が必要な場合は、医師が紹介状を書いてくれます。

なお、女性で生理前など定期的な時期に便秘・微熱・気分の変調などが起こる場合は産婦人科を受診するといいですね。

2-5.微熱以外にも注意すべき症状

便秘は体の不調の中でも比較的起こりやすいものなので、軽く考えられがちです。しかし、悪性腫瘍など重篤な病気の初期症状にも便秘があります。ですから、便秘と微熱が同時に発生したら、便の色や形にも注意してください。

便の色が黒っぽい場合は、血が混じっている可能性があります。また、便が細い場合は腸内に腫瘍ができている可能性があるのです。

女性ホルモンや自律神経の乱れで便秘と微熱が起こっている場合は、気分の変調も起こりやすいでしょう。ちょっとしたことでイライラして気持ちのコントロールができないという場合も要注意です。

2-6.症状を放っておくとどうなるの?

便秘と微熱を大したことがないと放っておくのは危険なケースもあります。悪性腫瘍や脱水症状の場合は命にかかわることになりかねません。

また、自律神経の乱れや月経前症候群を放置しておくと症状が悪化するケースも多いのです。原因が分からない体の不調は心にも重大な影響を与えます。自律神経失調症や月経前症候群がうつ病などより重い精神病を発症するきっかけになる可能性もあるのです。

便秘と微熱のセルフケア

では、健康に問題なく便秘と微熱がセットで発生する場合はどうすればよいのでしょうか。この項では、セルフケアの方法をご紹介します。

3-1.便秘を解消することが第一

便秘が発熱の原因となっている場合は、それを解消することが第一です。1週間以上便が出ておらず、お腹が張って苦しいという場合は浣腸を利用しましょう。早ければ30分ほどで便秘が解消します。3日以上便が出ずお腹が重苦しい感じが続いているという場合は、飲み薬を利用してください。用法と容量を守って夜に服用すれば、翌朝にお通じがくるでしょう。

3-2.その他の薬について

微熱でだるいという場合、解熱剤を使用したいという方もいるでしょう。しかし、むやみに熱を下げるのはよくありません。微熱が続くようならば、まず病院を受診して医師に相談してください。便秘が原因の微熱であると分かっている場合は、便秘を解消することを優先させましょう。

便秘の予防方法

この項では、便秘にならないための方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

4-1.食事内容を見直す

便秘を解消したら、便秘にならないように食事内容を見直しましょう。食物繊維が便秘に効果的なのはよく知られていますが、食物繊維にも種類があります。海藻や果物・コンニャクに含まれる水溶性食物繊維は便の滑りをよくするので、積極的に取りましょう。野菜や芋類に含まれる不溶性食物繊維はたくさん摂取す過ぎるとお腹の張りの原因になります。

また、食事はできるだけ規則正しく食べ、暴飲暴食は避けましょう。腸内環境を改善したいという場合は、ヨーグルトをはじめとした発酵食品がおすすめです。

4-2.生活習慣を見直す

便秘の人は、ゆっくりトイレに入る時間がないという方もたくさんいます。ですから、朝は時間に余裕をもち、朝食の後でトイレに入る習慣をつけましょう。子どもも同様です。そのためには夜更かしを避けて、早めに布団に入りましょう。

4-3.運動をする

適度な運動は便秘解消に大変効果的です。便秘解消の運動というと腹筋を思い浮かべる方も多いと思いますが、ただ歩くだけでも効果はあります。ウォーキングの時間も取れないという場合は、壁に背を向けて立ち、体をひねって両手を壁につけてみましょう。これが、腰ひねりの運動です。

便が出そうで出ないという場合は、軽く歩いたりおへそのすぐ下に手のひらを当てて、強めにお腹全体をマッサージしてみたりしましょう。便秘が解消しやすくなります。

4-4.自律神経を整える・ストレスをためない

自律神経が乱れて便秘がちという場合は、薬の助けも借りて自律神経を整えましょう。心療内科や神経科などを受診すると自律神経を調える治療をしてくれるところもあります。

ストレスをためないことも大切です。暴飲暴食以外のストレス解消法を色々と探してみましょう。

4-5.やってはいけないこと

下剤に頼って便を出す習慣をつけてはいけません。下剤を常用するとやがてそれなしでは腸が動かなくなってしまいます。お茶をはじめとした便秘解消の効果がある健康食品も要注意です。人によっては効き目が強すぎることもあるので、試すときはまず説明書きをよく読んでおきましょう。

漢方薬も同様です。漢方薬は副作用が少ないイメージがありますが、使い方を間違えれば健康に悪影響を与えます。

4-6.自律神経のセルフケア

自律神経は生活のリズムを整え、ストレス解消をうまく行うことで徐々に整っていきます。強いストレスを感じている自覚がある方は一度心療内科を受診し、自律神経をコントロールする方法の指導を受けてみましょう。また、女性ホルモンの影響で自律神経が乱れることもあります。この場合は、薬物療法である程度症状が改善するのです。自律神経を正常に戻すまでには時間がかかります。焦らずにできることから始めましょう。

便秘と微熱に関するよくある質問

Q.便秘由来の微熱と病気由来の微熱の区別はどうやってつけたらよいでしょうか?
A.病気由来の微熱の場合は、熱以外にも症状がでることがほとんどです。せき・鼻水・喉の痛みなどの有無を確認してみましょう。

Q.浣腸は子どもが使用しても大丈夫ですか?
A.子ども用のものが販売されていますので、子ども専用のものを使用しましょう。小学生以上ならば大丈夫です。

Q.女性ホルモン由来の便秘や微熱はどうすれば解消しますか?
A.生理前のひどい体の不調はPMSというれっきとした病気です。産婦人科で適切な治療を受け、投薬で女性ホルモンのバランスをコントロールします。

Q.38度近い熱が出ても微熱なのでしょうか?
A 医学的には微熱ですが、人によってはかなりつらいと思います。37度5分を超えた場合は病院を受診した方がいいですね。

Q.ストレス由来の便秘の場合は解消が難しいのでしょうか?
A.ストレスを上手に解消する方法が見つかれば、便秘も解消しやすくなります。まずは好きなことを試してみてください。

おわりに

いかがでしたか? 今回は便秘と発熱の関係や原因・対処法などをご紹介しました。便秘と微熱が同時の起こると、原因が分からずつらい思いをする方もいるでしょう。あまり頻繁に発熱する場合は、一度内科を受診してみてください。病気が隠れていることもあります。自己判断は禁物です。