日中の眠気の原因や直し方4つのポイント

必見! 日中の眠気にお悩みの方へ〜眠い原因や直し方4つのポイント〜

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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日中、眠気におそわれてついウトウトしたという経験を持つ人は多いでしょう。深夜まで起きていた、明け方に起きた、お昼ご飯を食べ過ぎたなどの理由で、昼間に眠くなることはあります。けれども、夜たっぷりと睡眠をとっているのにもかかわらず「昼間眠くてがまんができない」「会議中なのに突然眠ってしまった」という場合は注意してください。単なる睡眠不足ではなく、「睡眠障害」の可能性もあるのです。仕事や社会生活に支障をきたすほどの「日中の眠気」は、そのまま放置してはいけません。ここでは、強烈な日中の眠気で悩んでいる人に向けてさまざまな情報を集めました。

この記事を読むことによって、ご自分の眠気の原因・症状・解決方法が見つかります。ぜひお役立てください。

日中の眠気について

夜、十分な睡眠時間をとっているのに日中に眠気がおそってくるのはなぜでしょうか。眠気の原因や睡眠のメカニズムなどを探ってみました。

1-1.困っている人が増えている

「昼間、仕事中に眠くなるので困っている」という人は少なくありません。通常、人間の体は朝になると目が覚めて夜になると自然に眠気を感じる性質を持っています。しかしながら、「昼間なのに眠い」という人は年々増加傾向にあるのです。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(平成25年)によると以下のような結果が出ました。

  • 「日中、眠気を感じた」と答えた人、男性37.7%・女性43.0%
  • 「睡眠時間が足りない」と答えた人、男性30歳代・女性20歳〜40歳代

また、株式会社クロス・マーケティングが行った「睡眠に関する調査」(平成28年)によると、日中の眠気がある人は85.4%という結果も出ています。この調査は16歳〜69歳の男女を対象に行われました。「毎日、日中の眠気がある」という回答の内訳は以下のような結果が出たのです。

  • 10代(男性22.0%・女性39.0%)
  • 20代(男性18.0%・女性24.0%)
  • 30代(男性19.0%・女性29.0%)
  • 40代(男性15.0%・女性26.0%)
  • 50代(男性16.0%・女性14.0%)
  • 60代(男性14.0%・女性6.0%)

50代以外は、どの世代も男性よりも女性のほうが多くなっています。

1-2.眠気の原因とは

日中の眠気の原因とは何でしょうか。大きく分類すると、「睡眠不足によるもの」と「病気によるもの」の2つがあります。

1-2-1.睡眠不足が原因

  • 毎日残業が続いている
  • 夜遅くまでゲームやSNSに夢中になってしまう
  • 夜遅くまで遊んだり飲酒をしたりしている
  • 介護や育児で夜中に起きることがある
  • 不安やストレスで眠れない

物理的に夜の睡眠時間が少ないのが原因です。

1-2-2.病気などが原因

「睡眠障害」という病気が原因で、十分な睡眠がとれず日中の眠気の原因になることがあります。睡眠障害にはさまざまな種類があるのです。詳しくは後の項でご紹介します。

1-2-3.そのほか

病気の治療薬の中には、不眠を招くものもあります。たとえば、降圧薬・高脂血症治療薬・食欲抑制薬・抗潰瘍(かいよう)薬などが挙げられるのです。もし、心当たりがある場合は主治医に相談してみましょう。

1-3.睡眠について

「睡眠」とは何か、メカニズムや重要性などを学んでみましょう。

1-3-1.睡眠のメカニズム

人間の睡眠は、「睡眠要求」と「目覚め力」の2つのシステムで作られています。

  • 睡眠要求:起きている時間に蓄積する疲労からくる睡眠への欲求。十分な時間睡眠をとると、この欲求は消える
  • 目覚め力:体内時計で人を起こす力。目覚め力は1日の決まった時間(主に朝)に大きくなり、「睡眠要求」より勝ることで目覚める

この2つが交互に訪れることで、私たちは「夜になると自然に眠くなり朝になると目覚める」ことができるのです。

1-3-2.睡眠の重要性

 睡眠は以下のような役割を持っています。

  • 「脳」と「体」の休息時間
  • 脳の疲れをとりリフレッシュ
  • ストレスを解消
  • 成長ホルモンの分泌を促す

睡眠は「眠くなったから寝る」だけではありません。脳や体の状態を健全にするためにも重要なのです。

1-3-3.睡眠の質

睡眠時間は、長ければ長いほどいいというわけではありません。「質」が大切なのです。眠りには以下の2種類があります。

  • レム催眠:脳が活動していて眠りが浅い状態
  • ノンレム催眠:脳が休んでいて眠りが深い状態

この2つは、就寝してから目覚めるまで90分周期で交互に訪れるのです。脳が休んでいるノンレム睡眠が「質のいい睡眠」となります。

ノンレム睡眠は、最初の90分が一番深く、周期を繰り返すにつれ徐々に浅くなるのです。そこで、「最初の90分」で深く眠ることが大切になります。寝る前にお風呂に入る・気持ちのいい寝具を選ぶ・着心地のいいパジャマを選ぶなどで、最初から深い眠りに入れるようにしましょう。

1-4.日中の眠気を放っておくとどうなるか

日中の眠気は放置せず、原因を突き止めましょう。一時的な残業や夜ふかしなどが原因の場合は、睡眠をきちんととることで改善できます。けれども、病気が原因の場合は治療しないで放置していると生活に支障をきたすこともあるのです。

  • 集中力、記憶力、思考力が低下する
  • 精神的に不安定になったり、イライラしたりする
  • 食欲低下

以上のような状態が続くと、仕事にも影響を及ぼすだけではなく事故など危険な状態を招くことにもなります。「日中の眠気が続くときに考えられる病気」については、後の項でご説明しましょう。

日中の眠気〜関連する病気について〜

「1-2-2.病気などが原因」でもご紹介したように、日中の眠気は「睡眠障害」が関係していることがあります。睡眠障害にはどのようなものがあるのでしょうか?

2-1.睡眠障害とは

睡眠障害とは、簡単にいうと「正常な睡眠を妨げる医学的な障害」のことです。代表的な症状には以下のようなものがあります。

2-1-1.睡眠時無呼吸症候群

眠っている間に呼吸が停止したり低呼吸になったりする病気です。症状や原因など詳しいことは後の項でご紹介しましょう。

2-1-2.ナルコレプシー

日中、何度も強い眠気におそわれて眠ってしまう病気です。ナルコレプシーによる眠気は「2日間眠らなかったときに感じるほど強烈な眠気」だといわれています。数分〜30分ほどの「居眠りの発作」が1時間〜数時間ごとに起こり、それが毎日続くのです。また、数分間虚脱状態になる・幻覚や幻聴を感じる・体がまひするなどの症状を起こす人もいます。

ナルコレプシーは、睡眠をコントロールしている脳機能が異常を起こすことで起こるのです。睡眠と目覚めをコントロールする「オレキシン」という神経ペプチドの一種が働かなくなることで発症するといわれています。ナルコレプシーは突然起こるため、仕事に支障をきたしたり事故を起こしたりする危険もあるのです。

2-1-3.特発性仮眠症

特発性仮眠症とは、日中に強烈な眠気におそわれて長時間眠り込む睡眠障害です。ナルコレプシーと似ていますがちょっと異なります。ナルコレプシーは、日中突発的に数分〜数十分居眠りをした後すっきり目覚めるのが特徴です。けれども、特発性仮眠症は「日中に1時間〜4時間眠る」のが特徴で、起きた後も眠気が消えません。夜の睡眠時間は十分とっているのにもかかわらず眠くなるのです。現在、ナルコレプシーの原因は明らかになっていません。

2-2.睡眠障害になりやすい人とは

睡眠障害になる原因は、人によってさまざまです。けれども、基本的に以下のような人がなりやすいといわれています。

  • ストレスなど悩みが多い:仕事の悩みや人間関係など継続的な悩みを抱えている人
  • 安眠を妨げる体の症状:外傷や関節リュウマチなど激しい痛みを伴う疾患や、じんましんなどかゆみを伴う疾患。また、ぜん息・花粉症・夜間頻尿など睡眠を妨害する症状
  • 精神的な原因:うつ病などで不安な気持ちに支配されている
  • 薬理学的な原因:抗がん剤・ステロイド・自律神経や中枢神経の薬などの副作用、アルコールやカフェイン、ニコチンなど
  • 生活リズムの変化:仕事のシフトが変わり昼夜が逆になった、子どもが生まれてから夜眠れなくなったなど生活リズムの変化

日中の眠気チェックリスト

あなたは、日中の眠気でお悩みではないですか?以下のチェックリストを確認してください。

  • 毎朝、すっきりと起きることができない
  • 最近、きちんと眠れていない
  • 睡眠時間が足りないと感じている
  • 休日は長時間眠ってしまう
  • 仕事が終わる時間が一定ではない
  • 夜勤や早朝勤務がある
  • 毎日昼寝をする習慣がある
  • 寝る前に飲酒・コーヒー・コーヒー・喫煙などの習慣がある
  • 寝室環境が快適ではない(温度・湿度・明るさ・音など)
  • 何かしらの病気にかかっている
  • 現在、服用している薬がある
  • 仕事や人間関係で悩みが多い

以上、複数当てはまる人は、睡眠外来や睡眠科などに相談してみましょう。

日中の眠気〜睡眠時無呼吸症候群〜

「2-1.睡眠障害とは」で取り上げた睡眠時無呼吸症候群は、最近お悩みの人が多い病気です。症状・原因・治療法などをご紹介しましょう。

4-1.日中の眠気の原因に多い

「2-1-1.睡眠時無呼吸症候群」でご紹介したように、睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が停止したり低呼吸になったりする病気です。日中の眠気の原因としては、ナルコレプシーや特発性過眠症よりも多く、患者さんは日本では成人男性の5%以上、女性の1%以上といわれています。

4-2.睡眠時無呼吸症候群の詳細

睡眠時無呼吸症候群とは、「Sleep Apnea Syndrome」といい、頭文字をとって「SAS(サス)」と呼ぶこともあります。気道を流れる空気が10秒以上止まる状態を「無呼吸」と定義し、それが「一晩で30回以上(もしくは1時間に5回以上)起こる」状態を指すのです。睡眠中に起こるので自分では気が付いていない人も少なくありません。

4-2-1.どうして呼吸が止まるのか?

睡眠時無呼吸症候群は2種類あります。

  • 閉塞性睡眠時無呼吸タイプ(OSA):物理的に上気道(鼻から鼻くう・咽頭・喉頭までの部分)が狭くなり呼吸が止まる
  • 中枢性睡眠時無呼吸タイプ(CSA):呼吸中枢の異常により呼吸が止まる

SAS 患者の90%はOSAです。原因としては以下のことが挙げられます。

  • 肥満で首や喉まわりにも脂肪が付き上気道が狭くなる
  • へん桃肥大やアデノイド
  • 舌根・口蓋垂(こうがいすい※)・軟口蓋(なんこうがい※)が沈下して上気道が狭くなる

また、CSAは脳が呼吸指令を出さないので呼吸が止まります。OSAとは異なり上気道は開いている状態です。心臓機能が衰えた人の30〜40%にCSAが発症するとされています。

※口蓋垂:喉ちんこ

※軟口蓋:口の中の奥にある天井部分

4-3.治療法とは

睡眠時無呼吸症候群の治療法や病院についてご紹介しましょう。

4-3-1.受診すべき症状

睡眠時無呼吸症候群は、寝不足になり日中の眠気の原因になるだけではありません。呼吸停止を繰り返すことで体の中の酸素が減ってしまいます。体は、酸素量を増やそうとして無理に呼吸をするので心拍数が上がり、心臓や脳に負担がかかるのです。

日中の眠気がとれない人は、以下のことに心当たりはないかチェックしてください。寝ている間のことは本人にはわからないので、家族・パートナー・親しい友人などに聞いてみるのもいいでしょう。

  • 寝ている間に大きないびきをかく
  • 寝ている間に時々呼吸が止まっている
  • 何度も目が覚める
  • 起きたときに口や喉がカラカラに渇いている
  • 起きたときに頭が痛い
  • 熟睡した感じがない
  • 目が覚めても体が重くて起きることができない
  • 日中に強い眠気がある
  • 集中力がなくいつも疲労感がある

上記は睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状です。心当たりがある人は、専門医を受診することをおすすめします。

4-3-2.病院の選び方

睡眠時無呼吸症候群の検査や治療ができるのは、睡眠科・呼吸器内科・循環器科・睡眠時無呼吸外来などになります。インターネットで「睡眠時無呼吸症候群 病院」などで検索すれば、全国の専門医を調べることができるのです。簡易検査を行っているところ、精密検査を行っているところなどもわかります。また、かかりつけのホームドクターがいる場合は、1度相談してみるのもいいでしょう。

4-3-3.治療方法

睡眠時無呼吸症候群の治療は、現在の症状を緩和する「対症療法」と、根本的な原因を取り除く「根治療法」があります。専門医は、患者さんの状態の原因・症状・重症度により最適な治療法を選ぶのです。代表的な治療は以下の2種類になります。

  • CPAP(シーパップ)療法:最も普及している対症療法。CPAP装置に付いているエアチューブと鼻マスクを介して酸素を気道に送る治療法で、患者さんは鼻を覆うマスクを装着して就寝する
  • マウスピース:下あごが上あごよりも前に出るように固定するマウスピースを装着する治療法。上気道を広く保つことができる

また、外科的手術を行うこともあります。

4-3-4.手術について

UPPP(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術/こうがいすい なんこうがい いんとうけいせいじゅつ)という手術で、気道をふさいでいる口蓋垂や軟口蓋を切除します。1週間の入院が必要で、費用は10万〜15万円が目安です。また、咽頭へん桃(アデノイド)の肥大で睡眠時無呼吸症候群になっている子どもの場合は、手術で咽頭へん桃を切除するケースもあります。いずれにしても、専門医による診察や検査、説明などを十分に受けてから行うことが大切です。

4-3-5.薬について

軽度の場合は、黄体ホルモン剤や眼圧降下剤を使用することがあります。また、鼻スプレーや鼻くうを広げるテープなどの使用をすすめることもあるのです。睡眠導入剤は、舌根が沈下して気道をふさぐ恐れがあるので用いません。

4-4.注意点

睡眠時無呼吸症候群は、治療に頼るだけではなく生活習慣を改善することも大切です。肥満気味で首・あご・喉まわりにたっぷりと脂肪が付いている人は、減量を心がけてください。

日中の眠気〜よくある質問〜

日中の眠気についてよくある質問をご紹介しましょう。

5-1.夜寝付けない

Q:なかなか夜寝付けず睡眠時間が足りません。改善する方法はありますか?

A:「3.日中の眠気チェックリスト」で該当する項目があるかチェックしてください。複数ある場合は、睡眠外来などの専門家に相談することをおすすめします。該当項目がなければ、枕や布団などを快適なものに替える、寝る前にゆっくり入浴をする、寝室のあかりを暗くして心地いい音楽をかけるなどの方法を試してみましょう。

5-2.昼寝の時間

Q:昼間、強烈な眠気があるときには無理せずに昼寝をしたほうがいいと聞きました。どれくらいの時間が最適でしょうか。

A:長時間昼寝をすると、夜寝付けなくなるので30分以内にしてください。眠気をがまんするよりも、可能であれば短時間の昼寝をしたほうが頭をリフレッシュできるのです。ただし、「昼寝が必要なほど強烈な眠気におそわれる日」が1か月以上続く場合は、専門医の受診をおすすめします。

5-3.昼夜逆の生活改善方法

A:夜勤で朝家に帰るので明るくて眠れません。眠れる方法はありますか。

Q:「夜勤明けで体はクタクタなのに寝付けない」いうお悩みを持つ人は多いのです。睡眠リズムがずれてしまうのが原因とされています。たとえば、夜勤明けで朝帰宅するときには、遮光(しゃこう)サングラスをかけて光をさえぎりましょう。また、家のカーテンは閉めたままにして出かけ、帰宅後は電気を付けずにすぐ寝てください。さらに、夜勤のときにはできるだけ明るい照明の下にいるなど、「光」を利用して睡眠リズムをコントロールするのもおすすめです。

5-4.睡眠時無呼吸症候群の検査費

Q:家族に就寝中に呼吸が止まっていると指摘されました。睡眠時無呼吸症候群の検査費用はいくらかかるのでしょうか。

A:検査は健康保険が適用できます。けれども、併せて心不全・不整脈・高血圧・糖尿病などの検査をすることもあったり、PSG検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)を行ったりすることもあるのです。健康保険(3割負担の人)の場合は、簡易検査(パルスオキシメトリー)300円、簡易検査2,700円、PSG検査10,440円がかかります。詳しくは、あらかじめ医療機関にお問い合わせください。

5-5.CPAP治療について

Q:治療に使うCPAP装置は自分で購入するのでしょうか?

A:CPAP装置は医療機関からレンタルするのが一般的です。必ず月に1回病院に行き医師の診察を受け、診察料とレンタル料を支払います。健康保険(3割負担の人)の場合は、約5,000円です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。日中の眠気は、睡眠障害などの病気が原因の可能性もあることがおわかりいただけたかと思います。単なる夜ふかしによる寝不足ならすぐに解消できるでしょう。けれども、睡眠時無呼吸症候群などの病気の場合は専門医による治療が必要です。仕事や生活に支障をきたさないためにも、体や心の負担を減らすためにも、放置はしないでください。できるだけ、早めに自分に合った方法で解決しましょう。