デスクワークの姿勢を直したい人必見! 腰痛・肩こりのお悩みを改善

デスクワークの姿勢を直したい人必見! 腰痛・肩こりのお悩みを改善

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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「1日中デスクワークなので肩こりや腰痛がつらい」と、お悩みの人は少なくありません。長時間座ったままの姿勢は、体に悪影響を与えるといわれています。さらに、座ったときの姿勢が間違っていると、肩や腰などに負担をかけてしまうのです。現代では、デスクワークというとパソコンを使用する仕事がほとんどでしょう。そのため、画面に集中しているうちに時間の経過を忘れ「気が付いたら何時間も椅子に座りっぱなしだった」という人も多いのです。そこで、デスクワークの悪い姿勢が引き起こすさまざまな問題や、姿勢を正しくする方法などをご紹介します。

この記事を読んでいただければ、肩こりや腰痛など体の不調と姿勢の悪さとの関係がよくおわかりいただけるでしょう。正しい姿勢を取り入れてお悩みを改善してください。

デスクワークの姿勢について

デスクワークの人の多くは体の不調にお悩みです。ある人材情報サービスサイトのアンケートによると、デスクワークで「不調を感じる」と答えた人は約60%でした。そして、「肩こり・腰痛」が代表的な悩みとなっています。なぜ、デスクワークの人は肩こり・腰痛になりやすいのか、座っているときの姿勢は関係するのか、などを探ってみましょう。

1-1.姿勢とは

姿勢とは、ひとくちで表現すると「体の構え」のことです。頭・体幹(たいかん)・四肢(しし)の「相対的位置関係」のことを指します。また、「姿勢」という言葉は、見た目だけではなく人の考え方や気構えなどを表現することもあるのです。

1-1-1.姿勢の重要性

「正しい姿勢」は、心身ともにいい影響を与えます。人は緊張・ストレス・不安・疲労などを感じると背筋が自然に丸くなり「悪い姿勢」になるのです。そこで、背筋を伸ばして姿勢を正しくすることで心が安定し気持ちもポジティブになります。

また、正しい姿勢は見た目が美しいだけではありません。実年齢に関係なく若々しい雰囲気になるのです。もちろん、体のさまざまな部分に余分な負担もかけません。そのため、健康にも美容にもいいのです。

1-1-2.体への影響など

姿勢が悪いと、背骨・首・内臓・骨盤など、体のさまざまな部分が影響を受けます。また、血流やリンパ液の流れもおとろえるのです。悪い姿勢で1番ダメージを受けるのは肩や腰でしょう。そのために、デスクワークの人は肩こり・腰痛に悩む人が多いのです。姿勢の悪さが体に及ぼす悪影響については、後の項で詳しくご説明しましょう。

1-2.デスクワークの姿勢とは

デスクワークとは、椅子に座ったまま机に向かって仕事をすることです。特に、事務や経理・総務などの部門で働いている人はデスクワークの時間が長いでしょう。

「立ち仕事よりも座っているから体は楽だよね?」という人もいます。しかしながら、デスクワークは長時間同じ姿勢が続くので体に負担がかかるのです。特に、現代では大半がパソコンを使う仕事になります。じっとモニターを見つめたままの姿で、体が固まっている人も少なくありません。デスクワークではどのような姿勢になりがちか、次の項で具体例を挙げてみましょう。

1-3.デスクワークの悪い姿勢・正しい姿勢について

1-3-1.悪い姿勢

デスクワークで長時間座っていると、正しい姿勢をキープするのは疲れるので姿勢が悪くなってしまいます。職場内を見回すと、以下のような姿勢で座っている人が多いのではないでしょうか。

  • 首を前に突き出し背中を丸めている「猫背」
  • おなかの力を抜き腰を丸めて足を組んでいる
  • 頬杖(ほおづえ)を付いている
  • 背中を椅子の背に預けておなかを突き出している

上記のような姿勢は、体が楽なので無意識のうちにやってしまいがちです。

1-3-2.正しい姿勢

「正しい姿勢=背筋をピンと伸ばす」と思っている人は少なくありません。無理に伸ばそうとするあまり、胸がそっている人もいます。実は、その状態は本来「S字型」にカーブを描いている背骨に負担をかけているのです。そのため、キープするのも大変で長時間は続きません。デスクワークのときには、以下の姿勢を意識しましょう。

  • 椅子に深く腰かけて、腰と背中をぴたっと背もたれに密着し自然に背筋を伸ばす
  • おなかをゆるめずに引っ込める
  • 耳・肩・腰が「一直線上の位置」になるように意識する
  • パソコンで仕事をするときは、モニターが目の位置よりやや下になるように調節する(軽くあごを引いて見るような位置)
  • 両足の裏をぴたっと床に着ける

上記の姿勢を意識すると、全身にバランスよく力を分散できるので疲れづらいのです。

デスクワークの姿勢のセルフチェック

「デスクワークのときの姿勢なんて意識したことない」という人は多いでしょう。仕事に集中していると、姿勢のことはつい忘れてしまいますよね。そこで、自分の姿勢をチェックしてみましょう。

  • 座っているとき左右どちらかの足を組んでいる
  • パソコンのモニターの位置が高め(見上げるくらいの位置にある)
  • 毎日、長時間座りっぱなし
  • 座ったときに足の裏がぴったり床に着かない(かかとが浮く)
  • 気が付くと猫背になっている
  • パソコンのモニターに顔を近づけがち
  • 眼精疲労がある
  • 肩こりや腰痛を感じる
  • つい、左右どちらかで頬杖(ほおづえ)を付き上半身を斜めした姿勢になっている

上記のようなクセがある人は、正しい姿勢に直すよう心がけましょう。

デスクワークの悪い姿勢が引き起こす問題点

「1-1-2.体への影響など」で触れたように、デスクワークのときに悪い姿勢を続けていると、体に悪影響を及ぼします。どのような症状があるのでしょうか。

3-1.どのような悪影響があるのか    

悪い姿勢のままデスクワークを続けていると、背骨・頚椎(けいつい)・肩甲骨・骨盤などがゆがんだり変形したりします。また、内臓や筋肉などを圧迫するのです。そのため、全身をめぐる血液やリンパ液などの流れも悪くなります。そのために、以下のような症状を引き起こすのです。

3-1-1.肩こり・首筋のこり

あごを突き出して背中を丸める「猫背」は、肩こりや首筋のこりの原因になります。通常、重い「頭」は、後頭部から背中の上部にかけて広がる「僧帽(そうぼう)筋」が後ろに向かって引っ張るように支えているのです。けれども、猫背になると頭が前方に傾くので「僧帽(そうぼう)筋」にさらなる負担がかかります。そのせいで、肩こりや首筋のこりが発生するのです。

3-1-2.腰痛

長時間座っていると、腰周辺の筋肉が緊張し時間の経過とともに疲労が蓄積します。そして、血行が悪くなることで腰痛につながるのです。また、ずっと座っているとどうしても体が「楽をしよう」とするので腹筋の力を抜いてしまいます。そのために、背筋に余分な力がかかり、腰の後ろの筋肉が疲労して腰痛を引き起こすのです。

3-1-3.骨盤の歪み

猫背でおなかが前に出た状態の姿勢では、骨盤も後方に傾きます。そうなると、骨盤が背中に集まっている血管を圧迫するので血流が悪くなり下半身が冷えたりむくんだりするのです。また、骨盤に歪みがあると背骨を支える「仙骨」の安定が悪くなり姿勢がくずれます。上半身のバランスがくずれると、腰に負荷が集中するため腰痛を引き起こすのです。また、背骨のカーブがずれると肩甲骨周辺の筋肉に疲労を生じ肩こりを引き起こすこともあります。

3-2.問題点など

肩こり・首筋のこり・腰痛・骨盤の歪みなどは同時に起こることも少なくありません。病院に行くほどではないにしても、毎日不調が続くと精神的にも肉体的にも疲れるものです。また、仕事に対する集中力もおとろえます。さらに、正しくない姿勢は見た目も美しくありません。早めに改善しましょう。

デスクワークの姿勢を正しくする方法

デスクワークの姿勢を正しくする方法や、グッズ・ストレッチなどをご紹介しましょう。ぜひ日常に取り入れて悪い姿勢を改善してください。

4-1.すぐにできること・ポイント・座り方など

まず、今日からでも簡単に取り入れられるのが「1-3-2.正しい姿勢」でご紹介した座り方です。ここで紹介した5つのポイントを意識しながら座ってください。きちんとできているか、隣席の人にチェックしてもらうのもいいでしょう。

けれども、仕事をしているとつい楽な姿勢になりがちです。そこで、「姿勢を正しく!」と書いたふせん紙をパソコンのモニターやペン立てなど目立つ場所に数か所貼ってください。周囲の人に「もし姿勢が悪くなっていたら注意して」とお願いするのもおすすめです。また、スマートフォンなどを利用して1〜2時間ごとにアラームを鳴らす方法もあります。アラームが鳴ったら、立ち上がって「伸び」をする・少し歩くなど体を動かしてください。

4-2.グッズ、椅子について

姿勢の悪さを改善するためには、グッズを使ったり椅子を変えたりするのもおすすめです。椅子に乗せるだけで使える「骨盤矯正グッズ」や、腰の負担をやわらげる「背もたれクッション」などなら、オフィスでも手軽に使えます。

また、椅子が高くて足の裏が浮いている人は「フットレスト」を使いましょう。両足裏をぴたっと床に着けることで腰への負担が軽くなります。さらに、姿勢を矯正できるサポーターなどを利用するのもいいでしょう。自宅で仕事をしている人は、思いきって椅子を交換するのもおすすめです。正しい姿勢で座れる椅子がいろいろあるので自分の身長や体型に合ったものを選びましょう。

4-3.ストレッチについて

4-3-1.1〜2時間に1度は簡単なストレッチを

仕事に集中していると、「気が付いたら何時間も座りっぱなしだった」ということはよくあります。そこで、前項でご紹介したように1〜2時間おきに簡単なストレッチを行いましょう。

  1. 椅子から立ち上がって両手を体の前で組み、天井に向かって思いきり伸ばす。(このとき、手の平も天井に向ける)
  2. 1の伸びをした状態で上半身を左右に「ゆっくり倒す→戻す」を交互に数回くり返す
  3. 机に両手を付き片足ずつアキレス腱(けん)を伸ばす

「仕事中に立ち上がってストレッチはしづらい」という人もいるでしょう。「座ったままで頭や肩をぐるぐる回す」「正しい姿勢を意識して座り直し、そのまま上半身だけ左右交互にねじる」だけでも効果があります。

4-3-2.昼休みにストレッチ&軽い運動

昼休みには前項でご紹介したストレッチを何度かくり返したり、会社の階段を上りおりしたりなど、10〜20分ほどでもいいので体を動かしましょう。また、近くに公園などがあれば散歩がてらお弁当を持って出かけるのもおすすめです。食べ終わったら、公園の散策をして体を動かしましょう。お昼時間はご飯を食べてお茶を飲んで座ったまま過ごすのはやめて少しでも「立つ」「歩く」など体を動かすようにしてください。

4-4.注意点

長時間、悪い姿勢で座っていると血流が悪くなります。そして、血流が悪くなることと、肩こり・腰痛は密接な関係にあるのです。特に、夏は冷房の効いた職場で長時間座っていると下半身が冷えてしまい、肩こり・腰痛はさらに悪化します。そこで、以下のようなことに注意して体を冷やさないようにしてください。

  • 冷たい飲料や食べ物は避ける
  • デスクワークの人は、ひざかけやカーディガンなどを用いて体を冷やさないようにする
  • 靴下をはいた上から、アキレス腱(けん)を中心に「足首の後ろを包み込む」ようにカイロを貼る
  • 1日の終わりはシャワーではなく湯船に入り体を温める

また、血液を上半身に送るようなイメージで、ふくらはぎを心臓の方向にさすり上げるマッサージをこまめに行うのも効果的です。

デスクワークの姿勢〜よくある質問〜

デスクワークの姿勢や、悪い姿勢が及ぼす体の不調など、「よくある質問」をご紹介しましょう。

5-1.腰痛に効果のある運動について

Q:腰痛に効果のある運動をしたいと思っています。ジムで気軽にできるようなものを教えてください。

A:腰痛の予防・改善に効果があるといわれているのが「水中ウォーキング」です。水の抵抗を受けながら歩くので陸上を歩くよりも、効率的に筋肉をきたえることができます。ただし、水圧で上半身をあおられると腰を痛めるので注意してください。やや前傾姿勢で、腹筋に力を入れながら歩くように心がけましょう。

5-2.狭い職場でもできるストレッチ

Q:長時間座りっぱなしの仕事です。けれども、職場が狭くてストレッチをする場所がありません。場所がなくてもできるストレッチはありますか?

A:「4-3-1.1〜2時間に1度は簡単なストレッチを」でご紹介した1と2のストレッチを座ったままで行ってください。また、長時間座っていると足の血流がおとろえます。そこで、座ったままでできる「足指ジャンケン」がおすすめです。

  1. グー:足の指をギュッと内側に握るように折り込む
  2. チョキ:親指だけを立て、残りの4本指を内側に折り込む
  3. パー:5本の指を思いきり開く

チョキはちょっと難しいと思いますが1日に何度か行ってください。血流がアップします。

5-3.デスクワークによる肩こり

Q:1日中パソコンに向かってキーボードをたたく仕事なので慢性的な肩こりに悩んでいます。湿布を使いたいのですが冷湿布と温湿布のどちらがいいでしょうか?

A:一般的には、慢性的な肩こりの場合は「温湿布」がよいとされています。もし、お風呂に入って体を温めたときに肩こりがやわらぐなら温湿布のほうが効果的でしょう。ただし、急激に肩の痛みが増した、いつもより痛みが強くなった、などのときは温湿布は逆効果になることもあります。整形外科などの専門医を受診してください。

5-4.足を組むクセを直す方法

Q:デスクワーク中に、つい無意識に足を組んでしまいます。直したいのですがいい方法を教えてください。

A:骨盤が左右のどちらかに傾いていると、無意識に体が「安定感」を得ようと「傾いている側(がわ)の足を上にして組む」といわれています。骨盤矯正クッションを使ってみましょう。骨盤の位置を正しくすることで自然に足を組まなくなる効果が期待できます。また、整体院などで骨盤の状態をチェックし矯正してもらうと「自然に足を組まなくなった」という人も少なくありません。自分の努力ではなかなか足を組むクセをやめられない人は、一度チェックしてもらうのもおすすめです。

5-5.椅子が合わない

Q:「椅子の背もたれに背中をぴったり合わせて座る」ほうがいいと聞きました。けれども、自分の椅子で行うとかかとが浮いてしまいます。長時間座っていると腰が痛くなるのですが。

A:背中に、背もたれくらいの大きさの平らで厚めのクッションを置くと足が浮かなくなるでしょう。それでも、浮いてしまう場合は、足元にフットレストを置いてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 肩こりや腰痛などのお悩みは、デスクワークのときの「姿勢」が影響していることがおわかりいただけたかと思います。姿勢の悪さは体のいろいろな部分に悪影響を及ぼすのです。また、猫背の状態でうつむいて仕事をしたりおなかをゆるめて背もたれによりかかったりしている姿は、年齢よりも老けて見えます。姿勢の悪さは「デスクワークの職業病だから」と放置せず、正しい姿勢を身に付ける努力をしましょう。最初は面倒でも、気が付いたらこまめに直すように心がければ自然と身に付くのです。肩こりや腰痛を改善に導くためにも、ぜひ挑戦してくださいね。