腹式呼吸の効果や問題点

腹式呼吸の効果や問題点について~正しいやり方をマスターしよう!~

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

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十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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私たちは無意識に呼吸をしています。普段している呼吸は「胸式呼吸」です。胸式呼吸のほかにも、「腹式呼吸」と言う呼吸運動があります。実は、腹式呼吸には体・精神面にいい影響をもたらす呼吸運動だとわかりました。

そこで、腹式呼吸の効果や問題点・正しいやり方について詳しく説明します。健康体になるには胸式呼吸だけでなく、腹式呼吸もできるといいですよ。

腹式呼吸の効果

胸式呼吸とは違う腹式呼吸は、おなかの動きがポイントになります。おなかの動きによってさまざまな健康効果が生まれるのです。一体、腹式呼吸にはどんな効果があるのでしょうか。これから一緒に効果をチェックしていきたいと思います。

1‐1.体のさまざまな部位が活性化する

腹式呼吸は、おなかの動きを意識する呼吸法です。胸式呼吸は胸郭の上部だけ動かしますが、腹式呼吸は下部への動きが基本になります。下部へ動きが広がることで内蔵が圧迫し体内のさまざまな部位が活性化するのです。つまり、内蔵の運動をうながす効果があります。内蔵に対するマッサージ効果によって、消化運動や血行促進効果が期待できるでしょう。

現在、3人に1人の女性が便秘だと言われていますが、腹式呼吸で便秘解消したと言う人は多いです。おなかのマッサージが腸内に刺激を与え、便を排出する動きが活性します。さらに、腹式呼吸は横隔膜(おうかくまく)や骨盤底筋(こつばんていきん)、腹横筋(ふくおうきん)などインナーマッスルも鍛えることができるでしょう。

1‐2.副交感神経が活性化する

ストレス社会だと言われている現代、精神的にダメージを受けやすい人が増加しています。ストレスをためこみやすい人ほど自律神経が乱れやすいでしょう。すぐにイライラする、ものに八つ当たりしてしまう、暴飲暴食をするなど不安定な生活におちいりやすくなるのです。

そこで、腹式呼吸を日々の生活に取りいれてみてください。腹式呼吸にはリラックス効果があるので、ストレス解消にぴったりです。ゆっくりおなかを動かすことでリラックスをうながす副交感神経が活性化します。体内に十分な酸素を取りいれることもできるため、神経と同時に体もリラックス状態になるでしょう。イライラしているときこそ腹式呼吸を活用してください。

1‐3.肩こりや腰痛など改善できる

デスクワークは肩こりや腰痛になりやすいと言われています。なぜなら、長時間同じ姿勢を維持しているからです。長時間同じ姿勢を維持し続けると体の筋肉が硬くなってしまいます。筋肉が硬くなると血液の流れまで悪くなってしまうのです。結果、肩こりや腰痛が起こります。

また、運動不足によって支える力がなくなるのも原因の1つです。肩こりや腰痛を改善するためにも、腹式呼吸を生活に取りいれてみてください。

休憩時間や仕事をしているときでも腹式呼吸は簡単にできます。腹式呼吸は普段使わないおなかの筋肉を動かし、血流を活性化できる呼吸運動です。毎日こまめにくりかえしていけば、肩こりや腰痛が緩和するでしょう。さらに、効果をあげるため腹式呼吸をしながら歩いてください。常に意識をすることで腹式呼吸がやりやすくなりますよ。

腹式呼吸の問題点

2‐1.慣れるまで時間がかかる

腹式呼吸にも問題点・デメリットがあります。普段から無意識に腹式呼吸をしている人はいません。腹式呼吸をマスターした人でも最初は大変でした。おなかを意識して動かす腹式呼吸は、慣れるまで時間がかかるのです。

実際、実践してみるとわかるように数回腹式呼吸をしただけでも疲れます。体力だけでなく、やりすぎるとストレスがかかるでしょう。腹式呼吸でストレスを感じてしまえば逆効果です。

まずは、少しずつ自分のペースで腹式呼吸をしてください。いきなり最初から何十回もすることはありませんよ。最初は10回とやりやすい回数から始めていき、慣れたら増やしてください。大切なのは回数ではなく、「的確におなかを動かしているかどうか」です。

2‐2.おなかを意識しなければ胸式に戻る

腹式呼吸の問題点は「常におなかを意識していないと胸式に戻ること」です。普段意識をせずに呼吸をしていたぶん、意識して腹式呼吸をしなければなりません。集中力がとぎれてしまうとすぐ胸式呼吸に戻ってしまうでしょう。腹式呼吸をマスターした人は無意識でもできていますが、無意識にできるまではかなりの時間を要します。焦らずに時間をかけながらおなかを意識し続けましょう。

通勤中の電車や休憩時間・デスクワーク・立っているときなど、意識できるときに腹式呼吸を実践してください。また、お風呂からあがった後、床にねそべっておなかの動きを確認しながら呼吸するといいでしょう。

腹式呼吸のやり方

3‐1.腹式呼吸の基本

慣れるまで大変ですが、腹式呼吸のやり方は思っているより簡単です。腹式呼吸は「息を吐くときはおなかがへこむ、吸うときはおなかがふくらむ」ことが基本になります。最初は口から息をゆっくり吐き出しながらおなかをぺたんこにしていきましょう。

息を吐いている途中で「フッフッフッ」とろうそくを消すように息を吐き、最後に「フー」と空気を吐き出します。そして、鼻からゆっくり息を吸いましょう。腹式呼吸において「息を吐く」行為はとても大切なポイントです。

ゆっくり息を吐くほどリラックスでき、思いっきり空気を吸いこむことができます。体の中にある悪いエネルギーを吐き出す、そして、良いエネルギーを取りいれるとイメージしたらやりやすいでしょう。

腹式呼吸の割合は「息を吐く2:息を吸う1」です。たとえば、6秒間かけて息を吐くのなら息を吸う時間は3秒間になります。2:1の割合を守って腹式呼吸にチャレンジしてくださいね。

3‐2.毎日10分~20分腹式呼吸をする

腹式呼吸はどのくらい続ければいいのでしょうか? たくさんすればするほど効果が大きいと思う人は多いです。しかし、無理して腹式呼吸をする必要はありません。無理すると逆効果になります。よって、無理をしない程度に、毎日10分~20分ほど腹式呼吸を続けてください。たとえば、テレビを見ているときや音楽を聴いているときでもいいでしょう。自分がリラックスできる状態ですれば効果は抜群です。

さらに、効果がアップする高度な腹式呼吸があります。高度な腹式呼吸は「7秒」が大切なポイントです。7秒で息を吐き、吸い、とめる方法になります。また、吸う、とめる、吐く行為を1:2:3の割合でするのも効果的な腹式呼吸です。12秒間で息を吐き、4秒間で息を吸い、8秒間とめることになります。基本的な腹式呼吸に慣れたらぜひ高度な方法も試してみてくださいね。

腹式呼吸
まとめ

腹式呼吸の効果や問題点、やり方について説明しましたが、いかがでしたか? 腹式呼吸には体のマッサージ効果や副交感神経の活性化、肩こりや腰痛の改善効果が期待できます。毎日続けることで身体面だけでなく、精神面にもいい効果をもたらしてくれるのです。リラックスしたいときや体が緊張しているときは腹式呼吸をするといいでしょう。

腹式呼吸の効果を高めるには「ゆっくり息を吐くこと」が大切です。体の中にある悪いエネルギーを吐き出すように腹式呼吸を意識してください。最初は数回するだけで疲れますが、慣れてくれば腹式呼吸が無意識にできますよ。地道に腹式呼吸を毎日続けていきましょう。