目の疲れは何が原因? 眼精疲労などの改善ポイントやケアについて

目の疲れは何が原因? 眼精疲労などの改善ポイントやケアについて

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

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十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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「目が疲れやすくなっている」「目の疲れを改善したいけど、ケアの仕方がわからない」など、目に現れる症状で不安になったり、悩んだりしている方は多いでしょう。目の疲れは、使いすぎによる眼精疲労が1番に考えられますが、緑内障・白内障などの病気が関与している可能性もあります。そのため、決して放置をせずに、すぐに対処しなければなりません。手遅れになる前に、きちんと原因を把握して改善しましょう。そこで、本記事では、目の疲れの基礎知識や症状・原因・対策・セルフケアなどについて詳しく説明します。

この記事を読むことで、目の疲れを改善するために必要な知識とケアの方法などを知ることができます。悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。

目の疲れの基礎知識

目に現れている症状を解消するためには、目の疲れにかんする知識を心得ておかなければなりません。酷使されている目がどんな状態か、目の疲れのメカニズムや原因・症状・なりやすい人について説明します。

1-1.酷使されている目

日常生活で目を使っていない場面は、おそらく寝ているときだけでしょう。1日の大半は目を使っているため、知らず知らずのうちに、目を酷使している状態です。目の疲れは、一晩睡眠を取ることで解消されるといわれています。しかし、一晩経過しても目の疲れを感じる場合は、眼精疲労の証拠です。単純な目の疲れとは異なり、簡単に解消されず、症状が長く続く特徴があります。眼精疲労にならないためにも、目を休める機会を設けなければなりません。

1-2.目の疲れのメカニズム

目の周りには、上直筋(じょうちょくきん)・内側直筋(ないそくちょくきん)など、たくさんの筋肉があります。眼球は6本の筋肉に支えられており、長時間同じ位置で動かずにいると、これらの筋肉が疲労をためこんでしまうのです。その結果、眼精疲労が起こります。つまり、目の疲れは肩こりと同じメカニズムといえるでしょう。長時間、パソコンやテレビなど、同じ距離・ピントで見続けることで、目に疲れが現れます。

1-3.主な原因

目の疲れは、大半が酷使による疲労です。目に負担をかけすぎてしまうと、眼球を支えている筋肉や細胞が疲れてしまいます。長時間のパソコン作業・合っていないメガネやコンタクトレンズが主な原因です。また、目の乾きも原因の1つだといわれています。涙は目の機能をスムーズにする働きを持っているため、目が乾いた状態だと負担がかかってしまうのです。

1-4.主な症状

目の疲れを感じるときは、痛い・重い・かすむという状態が多いことでしょう。つい、目頭を押さえてしまうこともあるはずです。目の疲れが慢性化する危険もあるため、症状が表れたら原因を把握して、適切な処置が必要となります。早めに対策を立てたほうが、解消するまでの時間もかかりません。

1-5.なりやすい人

長時間パソコン作業を行うデスクワークや、スマホ・テレビばかり見ている人になりやすい傾向が見られます。また、冷え性で血流が悪い方や、度の合わないメガネやコンタクトレンズをしている方も、目の疲れを感じやすい傾向があるのです。まずは、生活環境を見直してみてください。

目の疲れ~症状について

早めに対処するためにも、目が疲れている症状を把握することが大切です。目の疲れに見られる症状について、詳しく説明します。

2-1.目の疲れの症状

目が疲れているときは、何かしらのサインが出てきます。疲れ目のサインとなる症状は、以下のとおりです。

  • 目がかすむ
  • ズキズキとした痛みがある
  • 充血が起きている
  • 目がショボショボする
  • 常にまぶしさを感じる

2-2.全身症状

目が疲れを感じているときは、全身にも症状が現れます。主に挙げられる全身症状としては、めまい・肩こり・頭痛・吐き気などです。特に、頭痛と肩こりを併発する方が多く見られます。目と肩の筋肉はつながっているため、疲労が伝わってしまうのです。デスクワークをしている人の中には、肩こりと目の疲れが同時に現れたという方も多いでしょう。

2-3.注意すべき症状

眼精疲労は、目の疲れで見られる症状が長く続きます。一晩経過しても、目の疲れがとれない場合は、すぐに病院を受診してください。また、目の疲れは病気が関係している恐れもあります。「何かがおかしい」と感じた場合も、すぐに診察したほうがいいでしょう。

2-4.考えられる病気

目の疲れで考えられる病気は、近視・乱視・老眼、ドライアイ、緑内障・白内障・眼位(がんい)異常などです。目に関係する病気は、すぐに治療を始めなければなりません。また、目の疲れから、糖尿病・高血圧症・動脈硬化・バセドウ病・アトピー性皮膚炎・慢性関節リウマチになる可能性もあります。

2-5.放置するとどうなるか

目の疲れを放置すると、症状が悪化し慢性化します。慢性化すると、なかなか改善できません。目の疲れから解放されるまで時間がかかってしまうでしょう。また、先ほども話をしたとおり、全身疾患や生活習慣病・目の病気に発展する確率が高くなります。症状を悪化させないためにも、放置だけはしないでください。

2-6.こんなときは病院へ

症状が長く続いている・全身の症状が出ている・持病がある方は、すぐ病院で検査してもらいましょう。基本的に、一晩経過しても目の疲れが治まらない場合は、眼精疲労になっている確率が高いのだと思っておいてください。念のため、病院で診察を受けたほうがいいでしょう。

目の疲れ~原因について

目の疲れを解消するためには、何が原因なのか把握することが大切です。生活習慣や目の使い方を見直しながら、考えられる原因をつかみましょう。

3-1.老眼・近視・合わないメガネ

老眼は、目線を近くから遠くに移すときにぼやける症状です。だいたい、40歳前後から始まるといわれています。ピントを合わせようとする力が衰えるため、目が疲れやすくなるのです。また、画面を近くにしなければ見えない“近視”も、目疲れを起こしやすい傾向があります。さらに、度の合わないメガネ・コンタクトレンズをしていると、毛様体筋(もうようたいきん)が無理にピントを合わせようとして、目が疲れてしまうのです。

3-2.ドライアイ

目の表面は、常に涙でおおわれています。涙でおおわれているからこそ、目の機能が正常に働くのです。しかし、目を酷使したり、長時間乾燥した室内にいたりすると、目が乾燥します。その結果、ゴロゴロとした異物感や目の疲れが出てくるというわけです。ドライアイは充血や酸素・栄養素不足にも陥るため、すぐに対処しなければなりません。

3-3.緑内障・白内障などの病気

緑内障は、眼圧上昇によって目の神経に障害が起きる病気です。疲れ目や強い痛みが特徴で、頭痛や吐き気などの全身症状も表れます。白内障は、加齢などが原因となっており、レンズの役割となる水晶体がにごる病気です。水晶体はにごるともとに戻らないため、進行するほど文字が読めなくなり、霧がかかったように視界が暗くかすみます。

3-4.使いすぎによる眼精疲労

疲れ目で最も多い原因が、使いすぎによる眼精疲労です。特に、近年は、スマホによる疲れ目が目立ち始めています。電車やバスの中を見てみると、スマホを見ている人がほとんどです。時間があればすぐにスマホを手にしている方も多いと思います。パソコンやスマホ・テレビ画面を見るときは、適度に休憩を入れることが大切ですね。

3-5.環境要因

眼精疲労の原因には、環境要因があります。環境要因は、パソコン作業・モニターの高さ・画面への映りこみ・部屋全体の明るさ・エアコンやパソコンなど周辺機器が発する乾燥した空気などです。目の疲れを引き起こす環境が、症状を悪化させてしまいます。そのため、環境を改善することも対策の1つです。

3-6.そのほか

ほかの原因としては、仕事上のストレスや自律神経失調症などの心的要因も関係しています。そのため、ストレスを感じやすい方やイライラしやすい方も、目の疲れを感じやすくなるでしょう。冷え性も、血行促進を阻害する要因となるため、疲れ目につながります。

目の疲れ~対策・セルフケア

目の疲れは、症状が悪化する前に対処しておかなければなりません。目の疲れ対策やセルフケアについて詳しく説明します。

4-1.視環境の改善

デスクワークをしている方は、パソコン作業の環境を見直してください。モニターを見る際に、目が上向きになりすぎるとまぶたが開く面積が増えてしまい、水分の蒸発がすすみます。ドライアイになりやすくなるため、下向きに画面が見られる位置にしてください。また、パソコン作業は1時間ごとに、約5~10分間の休憩を入れましょう。

4-2.目を温める・冷やす

目の疲れを感じているときの筋肉は、固まっている状態です。そのため、目の周囲を温めたり冷やしたりしてみてください。血行がよくなり、固まった筋肉をほぐすことができます。ドラッグストアや薬局では、目を温めるグッズも販売しているため、試してみるといいでしょう。

4-3.目のマッサージ・ツボ

目の疲れを感じたときは、マッサージやツボ押しも効果的です。こめかみには頭痛や目の充血に効果的なツボがあるため、3~5秒ほど押してみてください。目頭にも目の疲れに効くツボがあります。ここは、2~3秒ほど押して離す、をくり返してみてください。

4-4.目のストレッチ

毎日、目のストレッチをすることも、疲れを防ぐ大切なポイントです。目の周りにある筋肉を動かし続けることで、疲れにくい目にすることができます。以下に、目のストレッチ法をピックアップしてみたので、ぜひ試してみてください。

  1. 交互左右、リズミカルにウインクをする(10~20回ほど)
  2. 少しスピードを速めて再びウインクをする(10~20回ほど)
  3. 次はゆっくりやわらかく意識しながらウインクをする(10~20回ほど)
  4. 最後は意識的にギュッと強くウインクをする(10~20回ほど)
  5. 両目をギュッと閉じて、パッと開く(3回)

以上は、軽めのウォーミングアップとなります。この後に、眼球をぐるぐるとまわす・目線を上下左右に移動させるなどのストレッチを行うことで、さらに筋肉をほぐすことができるでしょう。

4-5.目薬について

目が疲れたときは目薬をさすという方も多いのではないでしょうか。目薬をすると、確かにスッキリします。しかし、市販の目薬には“防腐剤”が含まれているものが多いのでおすすめしません。防腐剤は目の疲れを悪化させ、自然治癒力を低下させる要因となります。目薬を使う場合は、眼科で処方されたものを使用してください。症状に合ったベストな目薬が使用でき、症状も落ちつきます。

4-6.矯正器具の適正化

メガネやコンタクトレンズなど矯正器具を使用する際は、きちんと自分に合ったものを使わなければなりません。眼精疲労の原因には、不適切な矯正器具が関係しています。現在、度の合っていないメガネ・コンタクトレンズを使っている方は、眼科を受診して適切なものに変更してください。

4-7.そのほか

ほかの対策法としては、ストレス解消が挙げられます。過剰なストレスは目の疲れを悪化させる要因になるため、自分にとってストレス解消となる方法を見つけてください。たとえば、運動をする・心地よい音楽を聴く・アロマオイルを焚(た)くなど、方法はさまざまです。また、室内の湿度を調整する・明るさを適正にすることも大切なポイントとなります。

目の疲れにかんしてよくある質問

目の疲れにかんしてよくある質問を5つピックアップしてみました。

5-1.ドライアイを改善するポイントとは?

ドライアイを改善するためには、涙の分泌量を増やす必要があります。意識をしてまばたきの回数を増やしたり、血流促進となる運動や入浴をしたりと、毎日できる良い習慣を心がけてください。特に、女性は冷え性の方が多いため、体を冷やさないように意識することが大切です。

5-2.目の疲れを改善する栄養素が知りたい

目の疲れを解消するポイントとして、食生活の改善があります。目の機能に必要な栄養素は、ビタミンE・ビタミンB6・パンテノール・アミノエチルスルホン酸などです。特に、ビタミンは目の疲れに効くといわれています。緑黄色野菜・キウイやいちごなどの果物・アーモンド・牛レバー・豚肉など、ビタミンが多く含まれている食材を摂取しましょう。

5-3.スマホやパソコン画面の距離はどのくらい保つべきか?

理想的な距離は、40センチメートルといわれています。スマホ・パソコン画面を見るときは、距離を意識してください。また、暗い場所でのスマホ・パソコン操作も目を疲れさせる要因です。暗闇の中で画面を見ないように意識しましょう。

5-4.コンタクトレンズの装着時はどう対処すべきか?

コンタクトレンズを装着しているときに疲れを感じたときは、塩化ナトリウム・塩化カリウムが含まれている目薬を使ってください。塩化ナトリウムや塩化カリウムは、涙と同じ成分なので涙の役割を果たしてくれます。

5-5.眼精疲労の治療法は?

ビタミンB12や調整賦活剤(ちょうせいふかつざい)の点眼・メガネの調整・温罨法(おんあんぽう)・冷罨法(れんあんぽう)などの治療法があります。調整賦活剤(ちょうせいふかつざい)は、目の調節機能を改善する薬です。温罨法(おんあんぽう)は、温かいタオルなどで患部を温める治療法、冷罨法(れいあんぽう)は、炎症を起こした患部を冷やす方法となります。目の状態や症状によって適切な治療法が異なるため、きちんと検査を受けてから治療を始めてください。

まとめ

いかがでしたか? 目の疲れを放置していると、慢性化してしまい、眼精疲労になります。眼精疲労は改善まで時間がかかり、目の疲れからなかなか抜け出すことができません。スムーズに解消するためにも、早めの対処が大切です。また、自覚症状がないまま、いつの間にか緑内障・白内障などの病気にかかっている恐れもあります。症状が悪化しないためにも、具体的な症状を把握しておきましょう。目の疲れを引き起こす原因や対策をきちんと把握しておけば、軽症のうちに改善できる可能性が高まります。