残尿感の原因は何? 関連する病気から治し方まで紹介します!

残尿感の原因は何? 関連する病気から治し方まで紹介します!

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
免責事項について

残尿感の悩みを抱えている人は多いものです。「トイレに行ったばかりなのに、出し切れていない感じがする」というとき、まず疑うのが膀胱(ぼうこう)炎ではないでしょうか。しかし、残尿感の原因はほかにもあります。もちろん、加齢が原因の可能性もあるでしょう。残尿感はつらい症状です。早めに原因を突き止めて、適切な対処をする必要があります。この記事では、残尿感が起こるメカニズムや関連する病気・治し方などをまとめてご紹介しましょう。

この記事を読むことで、残尿感の悩みを解決することができるはずです。ぜひ参考にして、つらい症状を取り除いてください。

残尿感の基礎知識

まずは、残尿感の原因やメカニズム、関連する病気などをご紹介します。

1-1.残尿感とは?

残尿感とは、排尿後もまだ尿が残っている感じがすることを言います。「トイレに行ったのにスッキリしない」「まだ出そうな感じがする」というのが残尿感なのです。このとき、実際に尿が残っていることは少なく、膀胱の働きには問題がありません。にもかかわらず、なぜか尿が残っているような感じがするのです。

1-2.主な原因とメカニズム

残尿感の原因やメカニズムには、男性と女性で違いがあります。それぞれまとめてみました。

1-2-1.男性の場合

男性の残尿感には、男性特有の原因があります。その一つが、前立腺の肥大によるものです。前立腺とは男性だけにある臓器で、肥大することで尿道が圧迫されると残尿感の原因になります。また、男性の尿道は女性に比べて長いため、加齢によって尿のとおりが悪くなったり残尿感が出たりしやすいのです。

1-2-2.女性の場合

女性の場合は細菌感染のほか、ホルモンバランスの乱れやストレスが原因で残尿感が現れることも少なくありません。また、冷えが原因になることも多いでしょう。特に、妊娠初期に残尿感が起こりやすくなるのは、プロゲステロンという女性ホルモンの分泌量が増えるためです。このホルモンには利尿作用があり、頻尿や残尿感の原因になります。

1-3.関連する病気

残尿感に関連する病気として多いのが、膀胱炎や前立腺肥大症です。

1-3-1.膀胱炎

膀胱炎は、残尿感を起こす代表的な病気です。女性に多く、膀胱内に炎症が起こることで残尿感や排尿時の痛みなどが現れます。悪化すると1日に20回以上トイレに行くこともあるため、早めに治療する必要があるでしょう。また、膀胱炎を放置しておくと、膀胱の外でも細菌が繁殖してしまい、治療が困難になってしまいます。

1-3-2.前立腺肥大症

前立腺肥大症は高齢の男性に起こりやすい病気で、残尿感などの排尿障害をもたらします。前立腺とは、膀胱の下にある男性特有の臓器です。この部分が加齢に伴い肥大すると、残尿感や頻尿・夜間頻尿などの症状が起こります。尿の排出がうまくいかず、膀胱に尿がたまって腎臓機能の低下を引き起こす恐れもあるため、注意が必要です。

1-4.起こりやすい人、年代

残尿感が起こりやすい人の特徴には、以下のようなものがあります。

  • 体が冷えやすい人
  • 緊張やストレスを感じやすい人
  • 神経質な人
  • 疲労などで免疫力が低下している人
  • 妊娠中の女性

また、前立腺肥大症は高齢の男性に多い病気ですが、膀胱炎は幅広い年代の女性が発症します。若くても発症する可能性が十分にあるため、気をつけましょう。

残尿感をセルフチェックしよう!

残尿感を引き起こす原因を早期に知るためにも、まずはセルフチェックしてみましょう。

2-1.チェック項目

以下の項目でいくつ当てはまるかチェックしてみてください。

  • 夜寝てから朝起きるまで2回以上トイレに行く
  • 日中、8回以上トイレに行く
  • 急に尿意を我慢できなくなることがある
  • 排尿の途中で尿が切れることがある
  • 尿の勢いが弱くなった気がする
  • トイレに行っても、2時間以内にまた行きたくなる
  • 排尿の際に痛みがある
  • 血尿が出る
  • 尿が白く濁っている
  • 過去に膀胱炎にかかったことがある

当てはまる項目が多いほど、排尿障害を起こしている可能性が高くなります。気になる症状が続くときは医療機関を受診しましょう。

2-2.注意点

残尿感の原因が、ストレスや一時的な免疫力低下である場合は、生活習慣の見直しによって症状を改善できます。しかし、何らかの病気が原因になっている場合は、しっかりと治療を受ける必要があるでしょう。自分で判断せずに、まずは病院を受診して検査してもらうことをおすすめします。放っておくと症状が悪化し、腎盂炎(じんうえん)など、命にかかわる病気を引き起こしてしまう可能性もあるのです。

残尿感を治す方法

では、残尿感があるときの治し方についてご紹介しましょう。

3-1.原因になっている病気を治療する

残尿感の原因が何らかの病気である場合は、治療する必要があります。早めに泌尿器科を受診し、原因になっている病気を特定してください。膀胱炎や前立腺肥大症は、基本的に薬物療法を行います。同時に生活習慣を見直すことで、改善する可能性は十分にあるでしょう。

3-2.トイレを我慢しない

トイレを我慢すると尿道で菌が増殖してしまい、膀胱炎が悪化します。特に女性は「何回もトイレに行くのが恥ずかしい」という思いから我慢してしまいがちです。しかし、予防のためにもこまめにトイレに行く必要があるということを覚えておきましょう。特に、以前膀胱炎になったことがある人は、普段からトイレを我慢しないように心がけてください。

3-3.刺激物を摂取しない

残尿感があるときに刺激物を摂取すると、体に負担をかけてしまいます。香辛料やアルコールなどの刺激物はできるだけ控えるようにし、体にやさしいものを摂取するように心がけましょう。

3-4.食事に気をつける

残尿感が気になるときは、食事にも気をつけるようにしましょう。膀胱に尿がたまらないように、利尿作用のある食べものを積極的に食べるようにしてください。おすすめは、セロリやクランベリーなどです。また、パイナップルには残尿感の痛みを緩和する作用があります。酵素の一つである「プロメライン」が炎症を抑えてくれるのです。そのほかにも、大腸菌の繁殖を抑制するヨーグルトもおすすめできます。

3-5.漢方薬やサプリメントを飲む

残尿感に効く漢方薬やサプリメントを取り入れる方法もあります。排尿障害に効く漢方薬は「猪苓湯(ちょれいとう)」や「八味地黄丸(はちみじおうがん)」「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」などです。漢方薬局に相談するなどして、自分の体質に合ったものを選んでください。

サプリメントでは、女性用にはクランベリー、男性用にはノコギリヤシが配合されているものがおすすめです。排尿障害を取り除く効果があることで知られているため、ぜひチェックしてみてください。もちろん、漢方薬やサプリメントを飲むだけではなく、同時に生活習慣や食生活の改善も試みながら、残尿感を取り除いていきましょう。

残尿感に関するよくある質問

「残尿感について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

4-1.膀胱炎の原因菌にはどのようなものがありますか?

A.ブドウ球菌や大腸菌・セラチア菌・腸球菌などがありますが、80%以上は大腸菌が原因です。

4-2.前立腺の肥大は自然に治りますか?

A.自然に元の大きさに戻ることはありません。薬物療法で改善しない場合は、肥大した前立腺を取り除く手術を行うことも必要です。

4-3.「慢性前立腺炎」と診断されました。発症した原因にはどのようなものがありますか?

A.疲労やストレスのほか、飲酒や冷えなどが原因になることもあります。また、長時間のデスクワークや車の運転などにより、前立腺を刺激することで起こる場合もあるでしょう。

4-4.過活動膀胱とは何ですか?

何らかの要因によって膀胱が過剰に収縮し、膀胱内に少量の尿がたまっただけで尿意をもよおす病気のことです。1日10回以上の排尿回数がある場合、この病気が疑われることもあります。

4-5.なぜストレスが残尿感の原因になるのですか?

A.ストレスを感じると自律神経のバランスが崩れ、交感神経の作用により膀胱が小さくなります。その結果、尿を長時間ためておくことができなくなるのです。

まとめ

いかがでしたか? 残尿感の原因や治し方などをまとめてご紹介しました。残尿感がひどくなると、日常生活にも支障をきたすようになります。生活習慣の改善によって治すことが可能なものなのか、病院での治療が必要なのかを知るためにも、まずは原因になっているものを突き止めることが大切です。ぜひこの記事を参考にして、残尿感を改善するためにはどうするべきなのか考えてみてください。