風邪に効く食べ物や飲み物

風邪に効く食べ物や飲み物ってある? 薬を使わず治したい人、必見!

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

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十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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風邪は一人平均、1年間に6回はひいているといわれる身近な疾病です。風邪をひいてしまった時、あなたならまず何をしますか? 病院へ行く、市販の薬を飲む、と治すための方法はさまざまでどれも正解ですが、大切なのは十分な睡眠と休養です。しかし一方では、薬に頼りたくないという方や、仕事や学校が忙しくてゆっくり休む時間が取れないという方もいらっしゃいますよね。そんな時は、風邪を悪化させない食べ物を食事に取り入れてみてはどうでしょうか。ここでは風邪を治すために効果のある食べ物をご紹介します。特に風邪のひき始めに気をつけるだけでも症状を緩和できるので、ぜひ参考にしてください。

風邪の基礎知識

この項では、知っているようで知らないことも多い風邪の基礎知識をご紹介します。

1-1.風邪とは

意外と知られていませんが風邪という病名は医学的には存在しません。ウイルスや細菌が体に入って起こる発熱や鼻水が出る症状を、ひとくくりにして風邪と呼んでいるだけなのです。

1-2.風邪の主な症状

風邪には、様々な症状があります。

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 発熱
  • 頭痛
  • 喉の痛み
  • たん
  • 食欲不振

風邪は、ウイルスや細菌が鼻や喉などの粘膜に入り、炎症が生じた状態のことをいいます。この場合の症状は比較的軽いのでふつうは3日ほど、長くて1週間程度で症状はおさまり、熱は出ても、37~38度程度です。

1-3.風邪をひく原因

風邪をひく原因は、ほぼウイルスによるもので、約200種類ものウイルスが確認されています。くしゃみや会話などの飛沫(ひまつ)感染で鼻や喉からウイルスが体内に入り、この時に疲労や不摂生などで免疫力が低下していると外にウイルスを追い出すことができず、一般的な風邪の症状が起こりやすくなるのです。急に寒くなる時期はウイルスの動きが活発になるため、学校や職場、交通機関などを中心に感染が広がります。健康体なら病原体が侵入しても自力で排除できますが、体力が落ちていると感染しやすくなるのです。

1-4.風邪をひきやすい季節

風邪をひきやすいのは季節の変わり目です。特に注意をしたい季節は秋でしょうか。秋は一日の気温差が激しい季節なので、朝晩は寒くても日中はまだ夏日の日もあります。その気温差によって、自律神経が乱れて血行不良や肩こり、頭痛などを引き起こし体調も崩しがちになるのです。特にエアコンを夏と同じような感覚で使っていると、気付けば体が冷えていた、なんてことも少なくありません。

1-5.風邪をひきやすい人の特徴

風邪をひきやすい人とひきにくい人、どうしても2つに分かれますね。その違いは何でしょうか。ここでは、風邪をひきやすい人の特徴をご紹介します。

1-5-1.免疫力が低い

消化機能が悪く、筋肉が少ない人は、免疫力が低いので風邪をひきやすいといわれています。

1-5-2.ストレスがある

ストレスがあると、免疫細胞はウイルスや細菌に抵抗できずに風邪の発症を促すようになります。

1-5-3.睡眠不足

睡眠時間が4~5時間以下の場合、7時間以上寝ている人と比べ、約4倍も風邪をひきやすいというデータがあります。睡眠不足は、免疫力と抵抗力の低下に繋がるので気をつけましょう。

1-5-4.運動をしない

運動をしない人は、運動をする人の2倍も風邪をひきやすいといわれています。毎日を動かずに過ごしていると新陳代謝が鈍り、栄養素を吸収しにくくなるのです。運動をすることによって、体温の上昇やエネルギー消費のため、体の免疫力が向上していきます。

1-5-5.加齢

年と共に、回復力や抵抗力が弱まるので、若い頃よりも体力は衰えていき、風邪をひきやすくなります。

1-6.風邪とインフルエンザの違い

風邪とインフルエンザの違いは何でしょうか。インフルエンザが猛威を振るう季節になると、最初は風邪と同じような症状を見せるため、一体どっちかな? と悩むことも少なくありません。では、その違いを確認しましょう。インフルエンザは下記の全身症状が突然現れるのが特徴です。

  • 発熱
  • 鼻水
  • 頭痛
  • 関節痛
  • 倦怠感

症状は風邪より重く、感染から1~2日の潜伏期間を置いて3日目頃から急激に悪化します。世間的な流行期間中に、風邪の時には出なかった40度前後の高熱が出た場合は、インフルエンザの可能性が高いのですぐに病院で診察を受けてください。

風邪と食べ物の関係

風邪をひいたといっても、様々な症状がありますね。この項では、その症状に適した栄養素や傾向をお伝えしつつ、小さいお子様や高齢者に合わせた食べ物についても掘り下げましたので、併せて読んでみてくださいね。

2-1.風邪の症状

風邪には人それぞれ異なる症状があります。

  • 風邪のひき始め
  • 寒気がする時
  • せきがひどい時
  • 胃腸の調子が悪い
  • 熱が出た時

風邪のひき始めは症状を緩和すること、すでに自覚症状が出てきた時はピンポイントで効果科的に治すことが大切です。

2-2.消化のいいものが基本

よく、風邪の時には精のつくものを食べなさい、といいますが、これは間違いです。特に風邪のひき始めは、消化にたくさんのエネルギーを使う肉類などを食べ過ぎてしまうと、逆に風邪のウイルスと闘う力が無くなってしまいます。なので、なるべく消化のいいものを食べましょう。

2-3.栄養素について

ビタミンCがたくさん含まれているいちごやみかんなどの果物は、水分を豊富に含んでいます。また、口当たりもさっぱりしているものが多いので食欲がない場合にも最適です。他にも、梅干しに含まれるクエン酸は胃腸の働きを活発にして疲労回復に役立ち、風邪の治りを早めます。

2-4.食べない方がいいもの

風邪に効果のある食べ物があるように、食べてはいけないものもあります。

  • 体を冷やすもの
  • 唐辛子などの刺激物
  • こってりしたもの

冷たい飲み物は胃腸に負担をかけるので、常温もしくは温かいものを飲むようにしましょう。

辛さや熱さが過ぎるものは、胃や喉の負担になり炎症を起こす可能性があります。

お肉や唐揚げなどのこってりしたものは消化に時間がかかるため、余計な体力が奪われるだけでなく、胃腸にも負担がかかるので避けてください。

2-5.子供や高齢者に合った食べ物

子供や高齢者が風邪をひいた時の食事で、気を使うべきことは何でしょうか。ここでは、子供と高齢者に適した食べ物や注意点をご紹介します。

2-5-1.子供に向けた食べ物のケア

子供が風邪をひいた時は体力が消耗しているので、保温・睡眠・栄養、この3つをしっかり守り、ケアしてあげることが大切です。

  • 発熱期は、ゼリー・はちみつ・葛きり
  • 解熱期は、おかゆ・うどん
  • 回復期は、緑黄色野菜・うどん・白身魚

発熱時は胃腸の働きが低下しているので、糖分などの消化の良いものが一番です。

解熱時は体から熱が放出するため、体が冷えてきます。そんな時に、温かいおかゆやうどんを食べて体を内側から温めること大事です。

回復時は、胃腸が徐々に回復してきたタイミングで野菜をとり、風邪をひいている最中に失われたビタミンをたっぷり補給してください。

2-5-2.高齢者に向けた食べ物のケア

若い世代にとっては単なる風邪でも、特に65歳以上の高齢者では健康な成人の1.5倍から2倍くらい風邪をひきやすく、さらに回復に時間がかかります。そして、食が細くなりやすいので、日頃から運動などで体力をつけ、十分な食事をとるようにしましょう。ビタミンCの入ったみかんなども風邪予防に繋がりますね。また、喉の渇きを感じにくく、脱水症状を起こしやすいのでこまめな水分補給を心がけてください。

風邪に効果があるとされる食べ物

あなたは風邪をひいた時に何を食べていますか?いつも食べているものと何が同じで何が良くないのか、この項で答え合わせをするのもいいですね。では、風邪をひいた時に効果のある主な食べ物を3つと、症状別に適した食べ物を詳しくご紹介します。

3-1.おかゆ

風邪の時の食事といってすぐに思い浮かぶのは、おかゆではないでしょうか。ごはんより軟らかいので、喉が痛くても食べやすいですね。なぜ、おかゆがいいのでしょうか。

  • 体が温まる
  • 疲れた胃腸を休めて、消化吸収をよくする
  • 水分と栄養補給ができる

という理由が挙げられます。

ちなみに、おかゆを食べる時の注意事項としては、ちゃんと噛むことが大事です。おかゆは水分も多く軟らかいので噛むというイメージはないのになぜ? と思われる方も多いと思います。しかし、いくら軟らかいおかゆとはいえ、噛むことにより分泌される唾液が出なければ、きちんと消化ができません。風邪で弱っている胃腸へ大きな負担をかけないためにも、しっかり噛んで食べるようにしましょう。そして、おかゆは他の食材とも相性が良いので、ショウガ・卵・梅干しなどを入れてアレンジするのもいいですね。

3-2.うどん

麺類全般が消化に悪いというイメージもありますが、そうとも限りません。うどんは体を温め、さらに吸収も早いので風邪をひいた時には最適な食べ物です。温かいうどんを食べることで免疫細胞を活性化させ、体にエネルギーを蓄えましょう。

3-3.豆腐

豆腐の成分には、たんぱく質・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンE・亜鉛・サポニン・イソフラボンなどが含まれますが、特に注目すべきは、たんぱく質と亜鉛です。発熱するとエネルギーが消費して体内のたんぱく質の分解が平常時よりも2倍以上進みます。すると、亜鉛がこの分解したたんぱく質を再生し、不足しがちなミネラルの消化と吸収を助けてくれるのです。そして、亜鉛には免疫力を高める効果もあるので、風邪の症状が出た時に豆腐を食べることはとても理にかなっています。

3-4.せきや喉の痛みに効果のある飲み物と食べ物

せきが出たり喉が痛くなったりする原因は乾燥と炎症なので、喉を復活させるためには保湿効果・殺菌作用・保温効果が重要になります。まずは、喉にいい飲み物で風邪のウイルスを弱らせましょう。

  • 緑茶
  • 紅茶
  • ゆず茶

緑茶と紅茶には殺菌作用があり、ゆずにはレモンの3倍のビタミンCが含まれ、3つのお茶とも風邪の予防と保湿効果、喉の痛みに効果があります。ちなみ、にウーロン茶は喉の糖分を奪ってしまうといわれているので、喉が痛い時はウーロン茶を避けてくださいね。

次に喉が痛い時に効く食べ物です。

3-4-1.ショウガ

ショウガには殺菌作用があるので、風邪で喉が痛い時は効果的です。体を温めてくれる作用もあるので、普段の食事から取り入れるといいでしょう。

3-4-2.大根

大根には炎症を抑える働きがあり、消化酵素もたっぷり含んでいます。風邪で喉が痛い時に特におすすめなのが、大根あめです。適当な大きさに切った大根とはちみつを1日漬け込むだけで簡単にできます。大根あめはお湯や、紅茶緑茶に入れて飲むと効果的です。

3-4-3.長ネギ

長ネギには、抗菌・抗ウイルス作用があります。鼻と喉は繋がっているので、風邪の時に焼きネギを部屋に置いておけば、寝ている間の呼吸によって喉の炎症を防いでくれるでしょう。

3-4-4.レンコン

レンコンはせき止めには最適の薬で、風邪の初期症状に効果的な生薬として知られている野菜です。レンコンに含まれるタンニンは、リンパ球の機能を上げて免疫力を高めます。このタンニンには、炎症を抑え血管を収縮する作用があるので、くしゃみ・鼻炎・花粉症・皮膚炎などアレルギーの原因となるヒスタミンを抑制する働きもあるのです。

3-4-5.パイナップル

パイナップルには炎症を抑える作用があり、甘くて栄養も豊富です。風邪で体力が消耗し、動くのがつらい時はカットパインが手軽でいいかもしれませんね。

3-5.熱がある時に効果のある食べ物

風邪の時、熱を下げるためには、水分・塩分・炭水化物等のエネルギー補給をしながら、ビタミンもバランスよく摂取するのが理想的です。

3-5-1.レタス

レタスは解熱作用に優れた野菜です。さらに食欲増進作用もあるので、風邪で発熱の際は食事に取り入れてみてください。

3-5-2.ゴーヤ

ゴーヤは、風邪で熱が出た時の解熱作用には最適です。ビタミンCやミネラルが豊富で熱にかけても成分が壊れにくい野菜ですが、いちから調理をするには少し大変かもしれませんね。

3-5-3.ショウガ

ショウガに含まれている、ショウガオールという作用が、発熱と発汗作用を持っていて、それが風邪の発熱時には効果的です。ショウガを食べて、汗をたくさんかきましょう。

3-5-4.梅干し

梅干しに含まれるクエン酸が、胃腸の働きを活発にして体の回復を早め、風邪のウイルスと闘う免疫力を高めてくれます。

3-5-5.野菜や果物100%のジュース

風邪をひくとビタミンの消耗が激しくなります。100%ジュースは水分補給以外にも、消耗したビタミンの補給には最適の飲み物です。

3-6.胃腸風邪の時に効果のある食べ物と注意点

胃腸風邪とは、ウイルス性胃腸炎のことをいいます。これは、胃腸に炎症が起き吐き気や下痢を発症するもので、せきや喉の痛みなどの症状は見られません。ダメージを受けた胃腸を回復させるために、胃腸を休め労わってあげる食べ物が必要になります。胃腸風邪で下痢や嘔吐を繰り返すことで、胃の中は空っぽになり、食べたとしても、またすぐにやって来る嘔吐で食べる気もうせてしまうでしょう。そんな時は無理せずに、水分補給で十分です。自覚症状がおさまってきたら、おかゆやうどん、ゼリーなど消化の良い食べ物を少しずつ食べていきましょう。それまで空っぽだった胃の中へ、急にたくさんの食べ物が入ってくると、また吐いてしまう可能性もあるので注意してください。

3-7.鼻づまりの時に効果のある食べ物

おかゆやうどんなどを食べると、温かい湯気と一緒に鼻づまりも解消されます。

風邪予防になる食べ物

大事な仕事や学校行事などを控え、どうしても風邪をひきたくない時もありますね。そんな時は、風邪を防ぐための食材や栄養素をとり入れた食事で、前もって対策をしてみませんか。その際のポイントや注意することもあるので、併せて読んでみてください。

4-1.風邪をひきにくくする栄養素

  • たんぱく質(基礎体力をつけ抵抗力を高める)
  • ビタミンA(鼻や喉などの粘膜を守る)
  • ビタミンC(風邪に対する抵抗力を高める)
  • ビタミンB1(糖質をエネルギーに変え、体のだるさを軽減する)

たんぱく質やビタミンは風邪の際、体力の回復や維持の助けにもなるので、これらの栄養素を含む食材を積極的にとりましょう。

4-2.発酵食品

発酵食品は体の免疫力を向上させるのに最適な食べ物です。発酵食品とは、いろいろな食材が微生物(カビ・酵母・細菌)の働きにより発酵することで風味を出し、食べて飲める状態に変化させたものをいいます。

  • 納豆
  • 味噌
  • ぬか漬け
  • 塩こうじ
  • チーズ
  • ヨーグルト
  • キムチ

どれも、普段の食事に取り入れやすいものばかりですね。発酵食品で体の免疫力を高め、風邪のひきにくい体作りを心がけましょう。

4-3.取り入れ方のポイント

風邪に効果のある食事をしているだけでは、風邪の予防はできません。もちろん基本は、今までに紹介した食べ物を積極的に取り入れ、栄養バランスの良い食事をすることです。その他に、

  • 手洗いとうがい
  • 十分な睡眠
  • 空気の加湿
  • 適度な運動

を日頃から心がけ、風邪を寄せつけない体を作っていきましょう。

4-4.注意点

風邪は万病の元です。風邪から症状が悪化して肺炎などにかかり、命を落とすこともあります。特に若い世代では、毎日の食事をおろそかにして、ダイエットや断食をすると、すぐに頭痛や鼻水、喉が痛くなるなど、風邪の症状が出やすい体質になってしまうので注意してください。幼い頃から風邪にかかりやすい体質にならないためにも、しっかりと栄養のとれた毎日の食事が大事ですね。

風邪と食べ物に関するよくある質問

Q.ゴーヤが苦くて食べることができません。
A.同じウリ科のキュウリにも体を冷やす作用がありますよ。

Q.コンビニの食べ物でもいいですか?
A.コンビニのお弁当などには、添加物や保存料がたくさん使われているので、基本的にはおすすめできません。しかし、自炊もままならない時もありますからね。そんな時はレトルトのおかゆや、冷凍うどんなどはいかがでしょう。カットフルーツもいいですね。あくまでも、補助的な役割としてコンビニを利用する位が望ましいかと思います。

Q.お菓子は食べてもいいですか?
A.風邪をひくと、お菓子などの甘いものが食べたくなることがありますね。甘いもので消化に悪いのがケーキやドーナツで、反対に消化の良いものは、ゼリーやタマゴボーロなどです。消化の悪いお菓子類は、風邪が治るまで我慢しましょうね。

Q.スポーツドリンクは甘くて飲みにくい時があります。
A.そうですね。スポーツドリンクは糖分濃度が高いので、そのまま飲むと胃で停滞する時間が長くなります。そうすると、体内での栄養補給が遅くなるんです。なので、甘みを濃く感じた時は、水で薄めて飲んでみてください。

Q.食欲がなく、体が食べ物を受け付けません。
A.無理して食べて嘔吐してしまうこともあるので、水分補給だけはしっかりしましょう。徐々に食欲が出てきたら、少しずつ風邪に効果のあるものを食べていってください。

6.まとめ

いかがでしたか? 風邪をひいた時、これを飲めば必ず治るという薬はありません。現在売られている風邪薬は症状を抑えるためのものだからです。なので、自分自身でウイルスに負けない体力を保ち体調を整えることが、一番の治療法といえるでしょう。そして、普段から免疫力を高めて、風邪をひきにくい体を作ることが重要なのです。それには、毎日の食事がとても大切になってきます。これまでに紹介した風邪に効果のある食べ物を積極的に取り入れ、栄養バランスのとれたおいしい食生活を心がけましょう。手軽にそろえられる食材も多いので、ぜひ今晩からでも始めてみてくださいね。