ガム万能説!?虫歯予防効果やキシリトールの正しい知識などをご紹介

ガム万能説!?虫歯予防効果やキシリトールの正しい知識などをご紹介

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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食後や休憩時、またはストレス解消などでガムは重宝されます。ガムが持つ効果は意外にも大変多いのです。特にキシリトール入りのガムは、虫歯予防・歯周病予防に効果があることが実証されています。そこで今回は、正しいガムの噛(か)み方や知識などのご紹介です。

ガム・歯科の選び方や、虫歯予防のコツもご紹介します。ガムの効果を知りたい方や、虫歯・歯周病を予防したいと考えている方にはぴったりの内容です。虫歯・歯周病知らずになるためにも、ぜひ最後まで当記事を読んでみてください。

ガムについて

1-1.ガムとは

ガムの歴史は大変古く、西暦300年のマヤ文明の時代に誕生したと言われています。メキシコ南部には、樹液を固めて噛(か)むという習慣があり、樹液のゴム(gum)がガムの語源です。噛(か)むだけのものをガム(gum)、噛(か)んだあと飲み込むものがグミ(gummy)と呼ばれています。日本には、1916年に初めて輸入され、1928年ごろにはガムを販売する会社も現れ始めました。しかし、当時の日本人の食習慣にはあわなかったらしく、あまり売れていなかったようです。

1-2.ガムの種類

ガムには、以下のような種類のものがあります。

  • 板ガム
  • 粒ガム
  • お菓子としてのガム
  • 医療用ガム(歯磨き(歯ブラシ)ガム・禁煙ガムなど)
  • 歯科専売品のガム

1-3.最近の傾向

最近のガムは、キシリトール入り・糖分なし・カロリーオフ・味長持ちといったさまざまな趣向を凝らしたものが増えてきています。一昔前は、ガムといえばお菓子というイメージでしたが、今ではオフィスのおとも・ストレス緩和・ダイエットの補助として噛(か)む方も多いようです。

ガムのさまざまな効果について

2-1.ガムにはどんな効果があるか

ガムにはさまざまな効果があります。中でも代表的なものは以下のとおりです。

  • 虫歯・歯周病予防
  • ダイエット効果(満腹感)
  • アゴの強化
  • ストレス緩和
  • 眠気さまし
  • 口臭予防
  • 消化促進(唾液(だえき)量増加)

2-2.咀嚼(そしゃく)について

やわらかい食べ物が増えたり早食いする機会が増えたりと、現代人は咀嚼(そしゃく)回数が少ないと言われています。咀嚼(そしゃく)回数が少ないとアゴや口内の骨があっという間に弱まってしまうのです。それを防ぐためにも、ガムによって咀嚼(そしゃく)回数を増やしましょう。

2-3.ガムのデメリットとは

メリットだらけのガムですが、デメリットもあります。ダイエットのつもりで噛(か)んでいたガムが、実は糖分が多くオーバーカロリーになってしまうこともあるのです。また、咀嚼(そしゃく)音は周りの人に不快感をあたえますので、静かに食べることを心がけてください。会議や来客時などにガムを噛(か)むのはマナー違反となりますので控えましょう。

ガムと歯の関係

3-1.ガムはなぜ歯にいいか

ガムを咀嚼(そしゃく)することにより、唾液(だえき)が分泌されます。唾液(だえき)には歯の再石灰化をうながす効果があるため、ガムを噛(か)むことで虫歯予防につながるのです。ただし、糖分の多いガムは逆に虫歯になってしまう可能性があるので控えましょう。

3-2.キシリトールとは

キシリトールとは、天然の甘味料とも言われている糖アルコールの一種です。「糖分はダメなんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、キシリトールは虫歯予防効果が証明されているただ一つの甘味料なのです。キシリトールが虫歯予防となる根拠をご紹介します。

  • ミュータンス菌の増殖を防ぐ
  • プラーク(歯垢(しこう))の量と付着性を減少させる
  • 再石灰化を促進させる

3-3.虫歯予防・口臭予防・歯周病予防などの効果について

上記のように、唾液(だえき)やキシリトールによって、口内環境に役立つ効果があります。唾液(だえき)が分泌されれば、虫歯予防や口臭予防にもなりますし、キシリトールには虫歯予防・歯周病予防の効果もあるのです。歯周病は、蓄積したプラーク・歯石が原因ですので、キシリトールによって付着させないことは有効と言えます。

3-4.市販品・歯科専売品

キシリトール配合であれば、もちろん市販のガムでもいいですが、キシリトール100%の歯科専売品はさらにおすすめです。虫歯予防のための必要量を十分に得ることができます。また、市販のガムよりも少し硬いので、唾液(だえき)量も増えるのです。価格は通常の物よりも1.5倍程度しますが、価格以上のメリットを得られるでしょう。歯科に行く機会があったら、ぜひトライしてみてください。

3-5.実際の効果とは

キシリトールがもたらす虫歯予防などの効果は、きちんとした臨床実験で証明されています。WHO(世界保健機構)をはじめ、各国で臨床研究がおこなわれており、最大80%の虫歯抑制効果が報告されているのです。

3-6.注意点

このように、万能に見えるガムですが、もちろんガムさえ噛(か)めばOKというわけではありません。歯磨きや日常の食事にも注意しましょう。また、糖分のあるガムを噛(か)んだあとは必ず歯磨きをしてください。

ガムの正しい選び方・噛(か)み方

4-1.どんなガムを選べばいいか

キシリトールが甘味料の50%以上を占めているガムを選びましょう。また、糖分を使っているガムはNGです。パッケージの裏の成分表示をよくチェックしてから購入してください。歯科で販売されているガムもおすすめです。

4-2.噛(み)方について

空腹時や緊張時には口内が乾燥しますので、積極的にガムを噛(か)みましょう。口内が乾燥していると、虫歯や口臭の原因になってしまいます。また、食後は歯や口内が酸性に傾き、歯磨きによる摩擦の影響を受けやすくなってしまうのです。そのため、食後すぐの歯磨きは控えましょう。本来は歯磨きまで30分以上あけたいものですが、その時間にガムを噛(か)んでおくという方法も効果的です。マウスウォッシュで口内をいったんアルカリ性にしてから歯磨き→ガムという手もあります。昼休みの過ごし方やライフスタイルに合わせて検討してみてください。ガムの噛み方について、特に注意すべき点をご紹介します。

  • 音を立てない
  • 左右どちらかの片側だけで噛(か)まない(体がゆがむ可能性があります)
  • 最低でも5分以上は噛(か)む

4-3.子ども・高齢者とガムについて

子どもや高齢者は、誤ってガムを飲んでしまう危険性があります。また、お年寄りは入れ歯差し歯などの欠損の可能性もあるので、あまりガムを食べさせないほうがいいでしょう。小さい子どもや、入れ歯のあるお年寄りは、正しい歯磨きや食事によって虫歯予防することをおすすめします。

4-4.歯科の選び方について

歯科専売品のガムを購入しようと思ったら、歯科を探しましょう。歯科の選び方をご紹介します。

  • 診療内容の中に「予防歯科」がある
  • 評判がいい
  • 清潔である
  • ライフスタイルに合わせた治療・予防の提案をしてくれる

4-5.注意点

歯科といえば虫歯を治すところというイメージが持たれていますが、本来は「そもそも虫歯にならないために通う」必要があるのです。歯科の中には、高い治療や必要のない施術をすすめてくるところもあります。口コミサイトや近所の評判などを聞いて、予防歯科に力を入れているかどうかを確認してみるといいでしょう。

ガムの効果についてよくある質問

5-1.キシリトールガムでお腹をくだしたのですが

パッケージにもよく標記されていますが、キシリトールを大量に摂取するとお腹がゆるくなります。消化しきれなかった糖アルコールを、体内の水分とともに排出しようとするからです。摂取できるキシリトールの量は体質によって異なりますので、まずは少量から試してみてください。

5-2.1日に何粒のガムを食べたらいいですか?

1日にキシリトールを5~10gの接種することで虫歯予防効果ができます。歯科専売品のガムには、1粒あたり約1.3gのキシリトールがふくまれていますので、3~8粒程度食べるといいでしょう。また、摂取するキシリトールが5gに達していないからといって、まったく効果がないというわけではありませんので、最初はお腹の様子を見ながら少量ずつ食べてください。

5-3.虫歯にキシリトールガムは効果がありますか?

キシリトールの再石灰化効果は、虫歯直前の歯には効果がありますが、虫歯になってしまってからでは効果はありません。よく「初期虫歯」は再石灰化で治ると言われていますが、「初期」の虫歯の程度(状態)は、一般人にはわからないくらいの軽微なものです。「虫歯だ!」と気づいたらすぐに歯科で治療しましょう。

5-4.虫歯予防のコツを教えて

キシリトールガム以外にも、虫歯予防となるライフスタイルを心がけましょう。

  • 正しい歯磨き(フッ素入りがのぞましい)
  • マウスウォッシュを取り入れる
  • 食生活に気を付ける
  • 糖分を摂(と)りすぎない
  • 歯科定期健診

歯垢(しこう)はすぐに歯石になり、歯石は歯周病の元となってしまいます。3~4か月に1回は定期健診に通いましょう。面倒かもしれませんが、虫歯になってから治療に行くより時間もお金も節約できます。

5-5.キシリトール入りのお菓子は虫歯予防効果があるの?

キシリトール入りのチョコやアイスなども発売されていますが、糖分が入っていたらNGです。また、ガムのように口内にとどめておくようなものでもありませんので、効果はまったく期待できません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ガムやキシリトールの効果についてご紹介しました。歯周病になると、歯を支える骨が徐々に溶けてしまいます。虫歯は削ったり詰め物を入れたりすることで治療が可能ですが、歯を支える骨は一度溶けてしまうと、元に戻すことはできません。歯や骨を守るため、歯周病予防にも注意したいものです。一生自分の歯でいられるように、日ごろから口内環境には気を付けましょう。ガム選びに悩んだら、歯科に相談することをおすすめします。さっそく今日から虫歯予防・歯周病予防を始めてみませんか?