ヒートショック対策のポイントは? 予防策やリフォーム内容など解説

寒い時期になると心配になるのがヒートショックです。冬に起きる事故として、ヒートショックによるショック死があります。しかし、どうすればヒートショックの対策ができるのか、事故を未然に防ぐことができるか頭を抱えている方は多いでしょう。

そこで、本記事では、ヒートショックの予防対策や予防につながるリフォーム方法などについて解説します。

  1. ヒートショックとは?
  2. ヒートショックの予防対策
  3. ヒートショック対策のリフォームは?
  4. ヒートショックに関してよくある質問

この記事を読むことで、ヒートショック対策のポイントが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.ヒートショックとは?

まずは、ヒートショックがどのような現象なのか基本情報をチェックしておきましょう。

1-1.温度変化で血圧が一気に上昇・下降すること

急激な環境変化の影響で血圧が一気に上昇・下降すると起こりやすくなるのがヒートショックと呼ばれる現象です。血圧がいきなり上昇すると脳梗塞・脳出血・心筋梗塞が起こりやすくなります。逆に、血圧が一気に下降すると脳貧血を起こしめまいで倒れてしまうのです。血圧の急激な上昇と下降は、体に大きな負担をかけてしまいます。場合によっては、突然死を招く恐れもあり、実際にヒートショックで亡くなる方も増えているのです。ヒートショックは環境変化が急激に起きやすい冬場にリスクが高まるので注意しなければなりません。

1-2.ヒートショックが起きやすい状況はさまざま

ヒートショックが起きやすい状況はさまざまですが、前述したように急激な環境変化が起きやすい状況となっています。たとえば、脱衣所や浴室に暖房器具がなく、寒い思いをしたまま熱い温度のお風呂に入る状況です。体が冷えきっている状態でいきなり熱いお風呂に入ってしまうと、急激に血圧が上昇しヒートショックを起こします。熱い温度のお風呂に入ることが多い人は注意が必要です。ほかにも、飲酒して入浴する・1番風呂に入ることが多いケースも注意しなければなりません。

1-3.65歳以上の高齢者に多いヒートショック

ヒートショックを起こしやすい人は、65歳以上の高齢者です。ヒートショックが起こる原因は温度差による血圧変動が主となっており、高齢者は若年層の人よりも体に大きな負荷がかかってしまいます。また、持病や生活習慣病を患っている人も多いため、ヒートショックを起こしやすくなるのです。さらに、ヒートショックが起こった際に転倒し、頭を強くぶつけてそのまま死に至ってしまったケースもあります。ヒートショックが結果として重大な事故やケガにつながることも多いのです。

1-4.若年層でもヒートショックを起こすリスクはある

ヒートショックを起こす人は高齢者に多いのですが、若年僧でも発症リスクがあります。たとえば、以下の項目に当てはまる人はヒートショックを起こしやすい傾向があるので要注意です。

  • 飲酒の習慣がある
  • 食後や飲食後にお風呂に入る
  • 熱いお風呂に浸かっている
  • 糖尿病や不整脈などの持病を抱えている
  • 狭心症・心筋梗塞・脳梗塞の病歴がある

生活習慣病を患っている人もヒートショックのリスクが高まるので注意が必要です。生活習慣病の人は自律神経や血圧が不安定になりやすく、環境変化による体への負担が大きくなります。

2.ヒートショックの予防対策

それでは、どうすればヒートショックを未然に防ぐことができるのでしょうか。主な予防対策をいくつか紹介します。

2-1.事故が多い入浴時の対策が重要

ヒートショックは、暖かい部屋から浴室に移動し入浴を済ませるまでの間に最も発生しやすい傾向があります。そのため、事故が多い入浴時の対策が必要不可欠です。1番気軽にできる対策としては、ヒーターなどの暖房器具を活用する方法があります。特に、脱衣所が寒いと浴室に入る瞬間にヒートショックが起こる可能性が高くなるのです。そのため、脱衣所にヒーターなどの暖房器具を設置してください。寒い場所を作らないように意識することで、ヒートショックによる入浴時の危険性も低くなります。

2-2.浴室内に冷え・転倒防止のマットを敷く

脱衣所だけでなく浴室内にもヒートショック対策を施すことが大切です。持病を抱えていない方でもヒートショックが起こる可能性があるため、冷えや転倒防止のマットを敷いておきましょう。入浴時にヒートショックが起こり、誤って転倒してもケガをする危険が低くなります。また、足元から冷えが伝わりやすくなるため、マットを敷くことで冷え防止にもなるのです。ほかにも、浴室内のヒートショック対策としては、熱いシャワーで浴室内の温度を上げる方法があります。事前に浴室内をシャワーで温めておけば、脱衣所が暖かくても急激な温度変化が起こることはありません。

2-3.入浴前に血圧を測定し家族に一声かける

血圧が心配な方は、入浴前に血圧を測定してください。特に、高齢者は血圧が高くて体調が悪くなっても気づきにくい傾向があります。事前に血圧を測定することで体調を把握する目安になるのです。そして、血圧が高くなっているときは十分な注意が必要となります。室温が低くても血圧が上昇するため、温度管理にも気をつけてください。また、入浴時は家族に声をかけることも大切なポイントです。入浴中にヒートショックを起こして、そのまま意識を失い水死した事例も起きています。入浴時は家族に声をかけて、高齢者の場合は家族が5分おきに様子を見てあげてください。

2-4.飲食後の入浴は控える

飲食後の入浴は、ヒートショックが起きる原因の1つです。そのため、飲食後の入浴はできるだけ控えてください。飲酒をすると血圧が下がり、入浴中も血管が拡張して血圧がさらに下がります。つまり、飲酒後の入浴は血圧が二重に下がりやすくなるのです。非常に危険な状態と言えるため、飲酒後は入浴をせずゆっくり休むことが大切でしょう。たとえ、体力がある若い人も油断は禁物です。

3.ヒートショック対策のリフォームは?

ヒートショック対策のリフォーム方法をいくつか紹介します。

3-1.浴室暖房を設置する

ヒートショック対策として最も採用されているリフォームが浴室暖房の設置です。入浴前に浴室暖房で浴室内を暖めておくと温度差によるヒートショックを未然に防ぐことができます。浴室暖房機の中には、浴室を暖めるだけでなく洗濯物を乾かすことができる浴室乾燥機能がついているものもあるので雨天時にも大いに役立てるでしょう。浴室暖房機の種類によって異なりますが、目安に費用は約5万~15万円です。脱衣所にも設置できる暖房機器があるので、リフォーム業者と相談しながら決めてみてはいかがでしょうか。

3-2.住宅全体の断熱性能が上がる断熱リフォーム

浴室内だけでなく、住宅全体の断熱性能を上げたい方は、断熱リフォームがおすすめです。住宅内の熱の約58%が窓から出て行ってしまうと言われています。せっかく暖めた空気を外に逃がしてしまうと暖房機器の電気代もかかるため、住宅全体の断熱性能を上げるのも方法の1つです。ただし、断熱リフォームは施工費用が高くなりがちなので使用する素材や範囲を見極めるのが大切なポイントとなります。大まかな費用を以下にまとめたのでぜひ参考にしてください。

  • 窓:約8万~30万円
  • 床:約20万~120万円
  • 天井:約15万~30万円
  • 外壁:約80万~500万円

3-3.浴室の窓と床を断熱する

できるだけ費用を抑えたい方は、浴室の窓と床だけを断熱するリフォームがおすすめです。浴室の窓を断熱性能の高い素材に替えるだけで、一定程度の効果が期待できます。たとえば、二重窓を設置したり、断熱性の高い窓ガラスに取り替えたり、断熱シートを導入したりするなどです。リフォーム業者に依頼しなくても、自分で浴室内カーテンやブラインドを設置するのもいいでしょう。また、浴室内用の床暖房を設置するリフォームもあります。浴室の床に断熱材を入れる部分的なリフォームも可能なので、予算と比べながら方法を検討するといいでしょう。

3-4.ユニットバスに取り替える

ヒートショック対策のリフォームとして、ユニットバスに取り替える方法もあります。ユニットバスはバス・トイレが一緒になっている造りだと思いがちですが、二点式・三点式と2つの種類があるのです。二点式は洗面台がお風呂場に設置されているタイプで、トイレとは別になっています。ユニットバスは通常の浴室よりも冷えにくく、高い温度を保ち続けやすい傾向があるのです。ヒートショックが起こりにくい環境を作ることができるので、ユニットバスへの取り替えも検討してみるといいでしょう。

4.ヒートショックに関してよくある質問

ヒートショックに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.お風呂に入る際の注意点は?
A.いきなりお湯に浸(つ)からないことです。冬場は早く体を温めようと浴室内に入った瞬間、すぐにお湯に浸かろうとします。しかし、いきなり熱いお風呂に入ってしまうと、温度差によってヒートショックが起こりやすくなるのです。体が冷えているときほどゆっくりと時間をかけて温めることが大切なポイントとなります。時間をかけて体を温めるために、まずは末端の手足からシャワーをかけてください。ゆっくりかけ湯をした後に半身浴をして、少しずつ体温を慣らしていきましょう。全身入浴をするよりも半身浴のほうが体に負担をかけずに済みます。

Q.お湯の温度はどのくらいがいいのか?
A.お湯の温度は41℃以下が最適です。たとえ、寒い冬でも熱すぎるお湯に浸かると、温度差によってヒートショックが起きやすくなります。熱いお風呂が好きな方でもお湯の温度は41℃を心がけてください。事前に、浴室を開けてシャワーから浴槽にお湯を張ったり、浴槽のフタを開けておいたりしておくと寒暖差がなくなり、41℃でも体の芯から温めることができます。できれば、脱衣所や浴室を暖房で暖かくしたほうが血圧の変動が少ないのでおすすめです。

Q.脱衣所を暖かくするリフォーム方法は?
A.脱衣所を暖める脱衣所暖房を設置する方法があります。脱衣所暖房は一般のヒーターよりも温風の出口が高温になることはないため、ヤケドの心配がありません。また、脱衣所暖房は壁かけ・セラミックヒーター・床置きの3種類があります。脱衣所の特徴や形状・スペース・予算によって最適な種類を決めるのがポイントです。また、機械の性能によって浴室と一緒に暖めることができるタイプもあります。

Q.リフォームに補助金は出るのか?
A.家族に高齢者がいる場合、高齢者住宅改修費用助成制度が利用できるでしょう。要支援者もしくは要介護者がバリアフリーを目的としてリフォームを行った際、発生した費用の9割を給付金として受け取ることができる制度です。対象となる改修内容には以下のような内容があります。

  • 手すりの設置
  • 段差の解消
  • 移動をスムーズにするための材質変更
  • 扉や便器の取り替えなど

自治体によって詳細や条件が異なる可能性があるため、ケアマネージャーや市区町村の窓口に問い合わせてみてください。高齢者住宅改修費用助成制度を利用できれば、リフォーム費用が抑えられるでしょう。

Q.リフォーム業者を選ぶポイントは?
A.ヒートショック対策としてリフォームを行う際は、業者選びが大切なポイントとなります。できれば、リフォーム実績がある業者を選んでください。親身になって話を聞いてくれるか・要望を受け入れながら最適なプランを提案してくれるかも要チェックです。ヒートショック対策のリフォームを行っている業者ほど、安心して相談できるでしょう。また、複数のリフォーム業者を比較するのもポイントの1つです。複数の業者を比較することで、どの業者が安心して依頼できるのか見極めやすくなります。

まとめ

急激な温度変化によって起こりやすいヒートショックは、命に関わる危険な現象です。寒いところから急に熱いお風呂に入るなど、急な環境変化で血圧が上昇・下降し脳梗塞や心筋梗塞が起こりやすくなります。ヒートショックを未然に防ぐためには、温度変化が起きやすい場所に注目することが大切です。たとえば、脱衣所や浴室に暖房機器を設置したり、断熱リフォームを施したりする方法があります。予算と比べながら、ベストなヒートショック対策を行ってください。