ヒートショック対策をして入浴タイムをゆっくり楽しみましょう!

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
免責事項について

ヒートショックをご存知でしょうか。ヒートショックが原因で死亡する人数は、交通事故で死亡する人数よりもはるかに多いのです。特に高齢者はヒートショックが原因で死亡するケースが多いのですが、若い人も他人事(ひとごと)ではありません。今回はヒートショックの対策方法、特に浴室でのヒートショック対策方法を紹介していきます。

本記事を読むことで、入浴中にヒートショックになってしまう可能性を予防することができます。ヒートショックで命を失わないために、ぜひとも参考にしてください。

01. ヒートショックについて

この項では、ヒートショックのこわい点、ヒートショックの原因について紹介をしていきます。また、ヒートショックを起こしやすい人についても解説しましょう。

1-1.ヒートショックとは?

ヒートショックは、温度差が原因で起きる肉体的ショック症状です。詳しく説明しますと、温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することが原因で起こります。結果、失神・心筋梗塞・不整脈・脳梗塞を起こす可能性があるのです。ヒートショックのこわい点は、2011年の統計で約17,000人もの人が入浴中の急死を起こしていて、ヒートショックによるケースが多くあります。この数は交通事故の死亡者である4,611人の4倍です。また、ヒートショックは高齢者が家庭内で死亡する原因の4分の1となっています。

1-2.ヒートショックの原因

ヒートショックの原因は、温度差が急に10度変わることで起こるとされています。

1-2-1.ヒートショックが起こりやすい場所とは

ヒートショックが起こりやすい場所としては、浴室・脱衣所・トイレです。日本は、浴室など水回りを北側にレイアウトする傾向にあります。そのため、日当たりの悪い浴室などは冷え込んでしまいリビングルームなどとの温度差が生まれやすくなるのです。

1-3.ヒートショックを起こしやすい人とは?

ヒートショックを起こしやすい人は、65歳以上の高齢者・高血圧の人・糖尿病の人・動脈硬化などで血管が硬くなっている人です。このような人達は、急激な血圧の変動に耐えることができず、ヒートショックを引き起こしてしまいます。

02. ヒートショック対策について

この項では、ヒートショック対策について紹介します。

2-1.温度差をなくす工夫

ヒートショックを防ぐには、温度差をなくすことが最も重要です。そして、一番多い浴室での対策について紹介をしていきます。

2-1-1.湯温41度以下にして、食前に入浴する

日本人は熱いお風呂に肩まで入る習慣があります。お風呂の湯温が41度以上では、心臓に負担がかかりすぎるのです。設定温度は38度~40度程度のぬるめに設定しておけば、ヒートショックを予防できます。また、食後すぐに入浴するのは避けましょう。食後は消化器官に血液が集まります。そのため、血圧が下がり気味になるのです。それゆえに、食前に入浴することがいいでしょう。食後に入浴するのであれば1時間ほどの時間を空けてから入浴するべきです。

2-1-2.蓋を開けてお風呂を沸かす・熱いシャワーで壁をぬらす

お風呂を沸かすときにお湯が冷えないように蓋(ふた)をするでしょう。ヒートショックを防ぐためには、あえて蓋(ふた)をせず、お風呂を沸かすことで浴室が温かくなります。これにより、急な温度変化を防ぐことができヒートショックを予防できるのです。同じ理由で温かいシャワーで寒い浴室内をぬらしておくことで、ヒートショックを防ぐことができるでしょう。

2-1-3.暖房をつける

浴室に浴室暖房機を付けることで、ヒートショックを防ぐことができます。また、脱衣所が寒い場合、脱衣所にも暖房を設置するのもヒートショックを防ぐために有用な手段です。

03. ヒートショック対策、浴室暖房機について

この項では、ヒートショック対策に有用な浴室暖房機について紹介をしていきます。また、どのような浴室暖房機があるのか、使用するメリットについても解説しましょう。

3-1.浴室暖房機とは?

浴室暖房機は、浴室暖房乾燥機とも呼ばれるものですが、浴室に設置することができる暖房器具になります。リフォームで設置することも可能です。種類としては、電気ヒーター・ヒートポンプ・天井埋込型・壁掛型などの種類があります。壁掛タイプよりも天井埋込型のほうが、スッキリした見た目になるでしょう。熱源としては電気式とガス温水式があります。

3-2.浴室暖房機の種類について

浴室暖房機の種類について解説をしていきます。

3-2-1.電気ヒーター型

電気ヒーター型は、浴室暖房機の中で熱を作り熱風を流し浴室を暖めるものです。

3-2-2.ヒートポンプ式

ヒートポンプ式は、洗面所やトイレ・居室(きょしつ)などの浴室以外の吸込空気から熱を回収します。そして、回収した熱を利用し浴室の暖房をおこなうシステムです。

3-2-3.天井埋込型

天井埋込型は、天井に埋め込むことで使用するものです。リフォームの際に後付けをすることができます。見た目がスッキリです。ただし、リフォームの際に取り付ける場合、壁掛式よりも大規模な工事が必要になります。

3-2-4.壁掛型

浴室暖房機を壁にかけて使用するものです。天井埋込型と比べると目立ってしまいます。後からの取り付けも簡単です。

3-3.浴室暖房機を使用するメリット

浴室暖房機を使用するメリットは、ヒートショックを予防することができる点にあります。また、通気性の悪い浴室を乾燥することができますので、カビの繁殖防止にもなるでしょう。結果として、カビ取りをする掃除の手間暇を省(はぶ)くことができます。

3-3-1.浴室暖房機の機能:換気

浴室暖房機はヒートショックを防ぐための暖房だけではなく、「換気」という機能があります。湿度が高くなる季節は浴室にカビが発生しやすくなるでしょう。浴室暖房機の換気機能を使用することで、カビの繁殖を防止することができます。

3-3-2.涼風

浴室暖房機には、涼風(りょうふう)という機能がついています。つまり、涼しい風が浴室暖房機から出てくるというわけです。涼風(りょうふう)機能を使用することで、夏のむし暑さを解消することができます。

3-3-3.衣類乾燥

浴室暖房機には衣類乾燥機能が付いています。衣類乾燥機能を利用することで、浴室で洗濯物を乾かすことが可能です。雨の日に部屋干しする場所がないときに便利でしょう。また、来客が頻繁にあり部屋干しを見られたくないのであれば、導入するメリットがあります。

3-4.ランニングコストについて

ランニングコストとは、管理するために必要となる費用のことです。では、浴室暖房機のランニングコストはどのくらいかかるのでしょうか。ガス式の浴室暖房機のランニングコストは約30分の運転で約25円~です。電気式の浴室暖房機よりもガス式のほうがランニングコストは低い傾向があります。

04. 浴室暖房機の設置・交換について

この項では、浴室暖房機の設置・交換について紹介をします。特に、業者選びのポイントや費用、そして設置、交換の流れについて解説をしていきましょう。

4-1.業者選びのポイント

業者選びのポイントとしては、下記のものがあります。

  • 見積もり費用がしっかりしているか
  • アフターフォローの有無
  • 電気工事士等の有資格者であるか

まず、見積もり費用がきちんと作成されているのかという点も重要になります。ここが適当で不明瞭な業者の場合、仕事もいい加減になるでしょう。

アフターフォローの有無ですが、浴室暖房機は浴室という湿気の多い場所に設置します。機械にとっては過酷な環境で毎日使用されるものですから、取り付けしかしないという業者ではなく、アフターフォローをしっかりしてくれる業者を選びましょう。

そして、そもそも話ですが、浴室暖房機の設置・交換は「電気工事士」という国家資格を持っていることが必要です。設置する浴室暖房機の熱源、つまり、電気かガスかにより必要な資格は異なりますので注意をしてください。

4-2.費用について

浴室暖房機を設置する際の費用について紹介をします。

4-2-1.浴室暖房機の費用

浴室暖房機は、熱源(ガス・電気)により本体の費用が異なります。

  • 電気式浴室暖房機:5万円~19万円
  • ガス温水式浴室暖房機:11万円~16万円

4-2-2.設置の費用について

リフォームの際に浴室暖房機を設置する場合、諸費用はかかりません。しかし、後付け・交換の工事を依頼する場合、下記の費用が発生します。

  • 後付け費用:8万円~20万円
  • 天井工事費用:1万円
  • 撤去処分費用込みの交換費用:4万円~7万円

4-3.浴室暖房機の設置・交換の流れ

浴室暖房機の設置・交換の流れは、電気式とガス温水式では異なるのです。設置の申込は購入した家電量販店や業者へおこないます。電気式のほうが設置は簡単で、室内機を設置して終了です。一方、ガス温水式は室内機と室外機の設置をします。また、室内機と室外機の間を温水パイプでつなぐため、壁に穴をあけるなどの工事が必要です。その上、ガスの配管工事も必要になりますので電気より大がかりな工事になるでしょう。また、天井埋込式を後付けする場合は、天井に穴をあけるなどの大がかりな工事が必要です。交換は従来の浴室暖房機を撤去し交換するだけなので、新規取り付けより早く終わります。

4-4.注意点について

浴室暖房機の取り付け費用を節約するために、資格を持っていないのにDIYで取り付けてはいけません。たとえば、電気式の浴室暖房機の場合であれば感電・漏電・ショートする危険性があります。また、ガスの場合、ガス漏れを起こす可能性があるでしょう。そのため、国家資格を持った有資格者が工事をおこなわなければ危険です。場合によっては刑事罰が科せられることもあります。

05. よくある質問

Q.ヒートショックは若者には関係ないでしょうか?
A.若くてもヒートショックが原因で溺死したとみられる事故があります。疲労がたまっている状態や飲酒をした後に入浴すると、ヒートショックで意識を失う可能性が高いでしょう。

Q.ヒートショックは冬だけ心配すれば大丈夫?
A.夏も冷房が効いている部屋から暑い屋外へ出る場合、ヒートショックになる可能性があります。10度以上の温度差があれば、ヒートショックになる可能性は高いでしょう。

Q.寒さ対策をすれば、屋内でヒートショックにはならないですか?
A.寒さ対策をすれば、屋内でのヒートショックを防ぐことができます。

Q.どのようなタイプの浴室暖房機が設置しやすいでしょうか?
A.壁掛型の浴室暖房機が設置しやすくなります。天井埋込型は天井に穴をあけなければなりませんので、簡単に設置することはできません。

Q.マンションや建売住宅でも浴室暖房機の設置は可能ですか?
A.賃貸マンションでないのであれば、浴室暖房機の設置は可能でしょう。

06. まとめ

いかがでしょうか。ヒートショックのこわい点や対策方法がわかったと思います。そして、最もヒートショックを起こしやすい入浴時の対策も理解することができたでしょう。それは、浴室暖房機の設置をしてなるべく浴室を暖かくするということです。浴室暖房機はヒートショック対策のみならず、そのほかの利用方法もあります。高齢者がいる家庭は設置してみてはいかがでしょうか。