ヒートショック対策や予防法で危険から身を守ろう

実は怖い! ヒートショック対策や予防法で危険から身を守ろう。

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

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十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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ヒートショックという言葉をご存じですか? ヒートショックは医学用語ではありませんが、建設メーカーや暖房メーカーを中心に広がっている言葉。
このヒートショックは、急激な温度差によって血圧の変動が起こり、心筋こう塞や脳卒中を引き起こすきっかけにもつながります。イメージとして強いのは、高齢者がこのダメージを受けやすい印象を持たれがちですが、若い人にも起こり得ることを覚えておく必要があるでしょう。
誰の身に起こってもおかしくないヒートショックを、未然に防ぐためにも、きちんとした知識を得るようにしましょう。ヒートショック対策や予防方法についてご紹介します。

ヒートショックとは?

前述のとおり、ヒートショックという言葉は、建設メーカーや暖房メーカーによって広められたものです。今は、ほとんどの人が耳にしたり、なんとなくこの現象について知っていたりするのではないでしょうか? メディアでも頻繁に取り上げられるようになり、その危険性を啓発する動きが出ています。
ヒートショックとはどのようなものなのでしょうか?

1-1.温度差で起こる

ヒートショックは、暖かい場所から寒い場所へ移動するときに、血管が熱を奪われないように収縮し、血圧が急上昇するために起こります。
急激な血圧の変動は、心臓へ大きな負荷がかかり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすきっかけになるものです。

1-2.肌が露出したときに起こる

暖かい場所から寒い場所へ移動するときに起こる可能性が圧倒的に高いヒートショックですが、肌の一部が露出しただけでも起こることも。
特に寒さが厳しくなる12月から2月にかけて、トイレに行ったときにヒートショックになってしまうことが起こるようです。肌の一部が露出しただけでも、ヒートショックになる可能性があるのは大変恐ろしいこと。寒い季節では、トイレでも十分注意と対策が必要です。

起こりやすいシチュエーション

ヒートショックは、寒暖差や肌の露出が原因で起こる可能性があるものです。「暖差リスク予防委員会」という専門家団体のアンケート結果では、自宅の中で温度差を感じた経験があると回答した方は、40%を超える結果となりました。さらに、暖房を使用しているのはリビングが中心である方が多く、全体の60%近い人がヒートショックのリスクを抱えて生活している状況が明らかになっています。
ヒートショックが起こりやすいシチュエーションを考えてみましょう。

2-1.お風呂

ヒートショックが一番起こりやすい場所は、お風呂です。お風呂では衣類を脱いで肌を露出します。全身から一気に体温が逃げてしまうので、それを守ろうとして血圧の変動が大きくなるものです。
特に、寒い季節は、部屋とお風呂場の温度差にかなり差を感じます。ヒートショックが起こりやすい条件が重なるので、冬にお風呂に入るときは十分対策を講じるようにしましょう。

2-2.トイレ

トイレに窓がある家は、換気のために開けっ放しにしていることもあるでしょう。このことがよりヒートショックを引き起こす要因です。冬は窓から冷気が入り込み、トイレの中の温度を低下させてしまいます。
また、窓がない家でも、トイレは北側に位置しているケースが多く見られ、必然的にほかの部屋より気温が下がってしまうものです。室温が下がらない工夫をするようにしましょう。

2-3.持病のある人

前述のとおりのシチュエーションでも、高齢の方はもちろん、持病がある方はさらにリスクが高まる恐れがあります。高血圧・心臓疾患・動脈硬化・糖尿病などの内分泌疾患・肥満体質・睡眠時無呼吸症候群などの疾患がある人は、より慎重な対策と予防を意識するようにしましょう。

ヒートショック対策と予防

死亡する可能性もあるヒートショックは、未然の対策と予防によって発生を抑えることができます。沖縄県と北海道では、ヒートショックの発生が47都道府県の中で低く、冬の室温が高く設定されていることが関係しているようです。同じような環境を整備するための対策には、費用がかかるものと手軽に始められるものがあるので、始められる範囲からスタートしていきましょう。

3-1.入浴前にお風呂を暖める

部屋とお風呂の温度差をなるべくなくすために、熱めのシャワーを浴槽に向かって設置し、蒸気でお風呂全体を暖めましょう。同時に浴槽のふたを開けておくと、浴槽の湯によってさらに暖めることができます。
衣類を脱ぐ脱衣所にもヒーターやストーブを設置して短時間使用すれば、肌を露出したときの冷えを防ぐことが可能です。
予算があるようでしたら、浴室暖房機を設置すると安心でしょう。

3-2.衣類を脱ぎ着する場所を考える

お風呂に入るときには、脱衣所で衣類を脱ぐことが多いはずです。それを、お風呂場に入ってから脱ぐように切り替える方法にしてみましょう。お風呂場の室温に慣れながら脱ぐことができるので、いくぶん体感温度が変わるようです。入浴後にはお風呂場で身体を拭いて、下着類を着てから脱衣所に戻るようにしましょう。身体が濡(ぬ)れたことで体温が奪われやすくなっていますので、下着類を身につけるだけで暖かく感じられます。

3-3.トイレに入る前には1枚プラス

寒さを感じるようなトイレの場合、1枚羽織るようにして上半身を暖かな衣類で保護しておくようにしましょう。そうすることで、用を足している間、下半身が冷えてしまうのを防ぐことができます。
予算にゆとりがあるようでしたら、温水暖房便座やトイレ用ヒーターを導入すると、安定した暖かさを継続できるものです。

まとめ

冬に起こりやすいヒートショックについて、対策と予防をご紹介しました。

  • ヒートショックとは?
  • 起こりやすいシチュエーション
  • ヒートショック対策と予防

主に、お風呂で起こるケースが圧倒的であるヒートショックは、対策と予防を講じることで発生を抑えることが可能です。
また、高齢者や持病を持っている人は、ヒートショックを感じることが多くあるようですので、十分注意していきましょう。