かかとが痛い原因や対処方法

かかとが痛いという方必見!痛みが出る原因や対処方法を紹介します。

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

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十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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かかとは。普段あまり意識されることはありませんが、痛みを感じるようになると立ち振る舞いが途端に不自由になる場所です。かかとに痛みが出る原因は様々ですが、早急に治療を始めないと症状が重くなり、歩行が困難になったり安静にしていても痛みが出るようになることもあります。

そこで、今回はかかとに痛みが出る原因や治療方法についてご紹介しましょう。

かかとが痛い原因が分かれば、痛みが現れてもすぐに対処できます。かかとの痛みに悩まされている方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

かかとについての基礎知識

はじめに、かかとの役割や構造、痛みを感じる原因などかかとについての基礎知識をご紹介します。かかとにはどのような役割があるのでしょうか?

1-1.かかとの構造と役割

かかとは、踵骨(しゅうこつ)という大きな骨を中心とした足の最後部にある場所です。足裏にかかる体重や衝撃の約70%を受け止めているので、骨やそれを覆っている筋肉・皮膚は大変丈夫にできています。また、立ったり歩いたりしているだけで大きな負担がかかるため、激しい運動をしている方や長時間立ち仕事をしている方、体重が重い方はかかとに痛みを感じやすいのです。

1-2.歩き方や靴がかかとの痛みを引き起こす?

現在では、道路のほとんどが硬いアスファルトで舗装されています。硬いアスファルトの上を底の薄い靴で長時間歩いたり走ったりすれば、かかとに大きな負担がかかり、痛みが出ることも珍しくありません。健康のためにウォーキングやジョギングをする方はたくさんいますが、底の薄いシューズで行っているとかえって健康を損ねることになります。

また、間違った歩き方もかかとに痛みを引き起こす原因の一つです。理想的な歩き方は、かかとから地面に着地をして足指の付け根に体重を移動させ、足指で地面をけって次の一歩を踏み出します。しかし、足指が90度以上反ってしまう浮き足になると歩く際、地面に足指がつきません。すると、体重は足指の付け根とかかとにかかり、かかとに痛みが出やすくなります。この他、外反母趾や偏平足でも正しい歩き方ができずにかかとへ負担がかかり、痛みが出ることもあるでしょう。

1-3.高齢になるとかかとに痛みが出やすくなる理由

高齢になると、普段運動をしている方でも筋肉が落ちていきます。また、膝や腰に痛みが出ることも多くなり、痛みが出ないように歩こうとするとかかとに余計な負担がかかることもあるのです。そのため、かかとに痛みが出やすくなります。また、女性の場合は外反母趾の重症化や骨粗しょう症でかかとに痛みが出る場合もあるでしょう。女性の場合は閉経によって女性ホルモンであるエストロゲンが減少します。エストロゲンが減少すると骨密度が低くなり、より骨粗しょう症が発生しやすくなるのです。

かかとに痛みが出る病気とは?

この項では、かかとに痛みが出る病気の症状や痛みが出る部位をご紹介します。どのような病気があるのでしょうか?

2-1.かかとの下(地面につく部分)が痛くなる病気

2-1-1.足底腱膜炎・踵骨棘

かかとの骨は、足底筋膜(そくていきんまく)という幅広い腱で足先の骨とつながっています。足の裏を指で押してみると、幅広く硬いものに触れますが、それが足底筋膜です。この足底筋膜が炎症を起こすと足底腱膜炎(そくていきんまくえん)という病気を発症します。これは、長時間走ったり歩いたりするスポーツを続けている人や、40代以上になって足の筋力が衰えてきた方に発生しやすい病気です。運動量を減らしたり、テーピングでかかとを保護してあげるとよくなっていきますが、放置しておくと踵骨棘(しゅうこつきょく)といって、かかとの骨にとげのような突起ができます。こうなると痛みがより増してきますので、早めに整形外科を受診することが大切です。

2-1-2.踵骨下滑液包炎

踵骨下滑液包炎(しゅうこつかかつえきほうえん)は、かかとの骨の下にある滑液が炎症を起こす病気です。滑液はかかとへの衝撃を和らげるクッションの役割を担っています。これが炎症を起こすとかかとを地面につくたびに痛みを感じるでしょう。踵骨棘を発症していると同時に発症することもあります。テーピングやヒールパッドを利用してかかとへの衝撃をやわらげてあげる治療法が有効です。

2-1-3.脂肪の減少

かかとの皮膚と骨の内側には脂肪体という脂肪の塊があり、滑液と同様にクッションの役割を担っています。高齢になるにつれてこの脂肪体が失われたり横に押しつぶされたりしてクッションの役割を果たさなくなり、かかとに痛みを感じやすくなる方もいるでしょう。ひどくなると、踵部脂肪褥(しょうぶしぼうじょく)という病名がつきます。広がった脂肪を靴の中敷きなどを利用して中央に寄せるなどの治療法が行われることが多いでしょう。

2-2.かかとの後ろが痛い場合

2-2-1.アキレス腱皮下滑液包炎

前項でご紹介した滑液は、かかとだけでなく体中にあります。アキレス腱の近くにある滑液包が炎症を起こすと、かかとの後ろ側が痛くなるのです。滑液包炎は外傷による細菌感染でも発症する病気。足を怪我した場合は消毒と手当てをしっかりと行ってください。かすり傷でも細菌感染は発症します。また、滑液包炎をくり返すと慢性化してより治療が大変になることもあるのです。

2-2-2.踵骨骨端症

踵骨骨端症(しゅうこつこったんしょう)は、まだかかとの骨が柔らかい子どもに多く発症する病気です。骨が柔らかいと、かかとに受けた衝撃を完全には吸収しきれません。そのため、陸上やサッカーなど走ることの多いスポーツを行っている小学生~高校生に発症しやすいといわれています。テーピングで固定してかかとを保護し、使っている靴をクッション性の高いものに変えましょう。

2-3.かかとの骨以外のものが原因の病気

かかとのすぐ上にはアキレス腱があります。このアキレス腱が損傷すると炎症を起こし、アキレス腱炎を発症するのです。また、坐骨神経痛になるとかかとに痛みが出る方もいます。この他、靴擦れや足の角質がひび割れた場合などにもかかとに痛みが起こることもあるでしょう。

かかとの痛みを治療する方法やセルフケアの方法

この項では、かかとの痛みを治療する方法やセルフケアの方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

3-1.かかとに痛みが出た場合に受診する診療科

かかとに痛みが出た場合は、まず整形外科を受診しましょう。レントゲン検査や触診を行えば、病気の場合はすぐに診断がつきます。テーピングの方法を教えてもらったり、かかとを保護するグッズを紹介してもらえたりもするので、かかとに痛みを感じることが多くなった場合は、一度最寄りの整形外科を受診してみましょう。痛みがひどい場合は、痛みを和らげる治療も行ってくれます。

3-2.テーピングなどでかかとを保護する

テーピングとはかかとにテープを巻いて固定し、衝撃を和らげるものです。かかとをすっぽり覆うようにテープを巻けば、痛みが和らぐこともあります。インターネットでも紹介されていますし、整形外科で教えてくれるところもありますので、分からない場合は検索したり尋ねたりしましょう。ごく軽いかかとの痛みの場合は、テーピングをするだけでかなり効果的です。

3-3.アイシング治療

かかとが急激に痛み出した場合、アイシング(冷やす)治療をすると痛みが軽減することがあります。特に、炎症による痛みの場合は効果が期待できるでしょう。痛みが治まったらできるだけ早く病院を受診してください。

3-4.中敷きやパッドの工夫

足の形状や歩き方で、かかと痛みが出やすい場合は中敷きやパッドを使うのが効果的です。特に外反母趾や浮き足・偏平足の場合は中敷きなどで矯正して上げるとかかとに過度な負担がかかることはありません。整形外科で専用の中敷きを紹介してくれるところもありますし、大きなシューズ店ではシューフィッターがアドバイスをしてくれます。

3-5.靴の工夫をする

底の薄いくつで歩いたり走ったりするとかかとが痛くなりがちです。ウォーキングやジョギングをする場合は、専用のシューズを利用しましょう。特に、アスファルトの上を長時間歩く場合は通常の革靴や運動靴では無理があります。

3-6.筋力を鍛えて痩せる

筋力の衰えもかかとが痛む原因となります。膝に問題がない場合は、スクワットなどを行って足の筋肉を鍛えましょう。また、運動をする前にストレッチをして足の筋肉をほぐしておくことも大切です。壁に両手をついて片方ずつアキレスけんと太ももの筋肉を伸ばしたり、立ったまま片足ずつすねと腿をくっつけるストレッチをしてみたりしてください。

また、体重が重い方で運動をする習慣のない方が、いきなり長時間走ったり歩いたりするとかかとに痛みを感じやすくなります。体重が重い方は、座ってできる運動などをしてまずある程度体重を落としてからウォーキングやジョギングを行いましょう。プールで浮力を利用して運動をするという方法もあります。

3-7.痛みが引いたからと無理をしない

かかとの痛みはずっと続くわけではありません。安静にしていれば大抵の場合は治まります。しかし、その時に無理をすると炎症が重症化するなどするので、痛みが完全に消えるまで無理をしてはいけません。スポーツなどはお休みしましょう。なお、スポーツなどをしていないのに急にかかとが痛みだし、全く痛みが引かない場合は痛風など別の病気である可能性があります。この場合は念のため至急整形外科を受診し、かかとの状態を診てもらいましょう。痛風などが原因の場合は、診療科を紹介してくれます。

まとめ

いかがでしたか? 今回は、かかとが痛い場合の原因や対処法をご紹介しました。かかとが痛む原因は、単に負荷のかけすぎのこともあれば炎症などの病気のこともあります。また、ずっと痛み続けているという症状はまれです。だからといって軽視したりせず、動かすと痛む状態が1週間以上続いた場合は病院を受診してください。また、健康な足か偏平足や浮き指など矯正が必要な足かは素人では判断がつきません。整形外科を受診すれば、脚の状態も分かります。