赤ちゃんが乾燥肌になる原因は? 乾燥肌対策や対処法などを解説!

「赤ちゃんの肌が乾燥していて心配」「どうすれば乾燥を防ぐことができるのか?」など、赤ちゃんの乾燥肌で悩んでいる方は多いでしょう。赤ちゃんは成人の肌よりもデリケートでバリア機能も発達していないため、乾燥しやすい傾向があります。乾燥肌が悪化すると皮膚トラブルになりやすいので注意が必要です。

本記事では、赤ちゃんの乾燥肌対策について解説します。

  1. 赤ちゃんが乾燥肌になる原因は?
  2. 赤ちゃんの体を洗うときの注意点
  3. 赤ちゃんの乾燥肌対策を紹介!
  4. 病院に行ったほうがいいケース
  5. 赤ちゃんの乾燥肌に関してよくある質問

この記事を読むことで、赤ちゃんの乾燥肌を防ぐポイントが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.赤ちゃんが乾燥肌になる原因は?

まずは、赤ちゃんが乾燥肌になる主な原因をチェックしておきましょう。

1-1.赤ちゃんの肌はデリケートで乾燥しやすい

赤ちゃんが乾燥肌になる原因は、大人よりもデリケートで乾燥しやすいからです。基本的に、人間の皮膚は表面の部分である表皮、表皮の下にある真皮、そして皮下脂肪の3つの部分で成り立っています。表皮の1番外側にはバリア機能にとって重要な役割を果たす角層があるのですが、赤ちゃんは皮膚の厚さが薄く、バリア機能が未熟です。また、よだれ・涙・汗などが多く、拭き取る際の摩擦などでさらに皮膚を刺激し、バリア機能を低下させてしまいます。大人よりも肌の水分が少ないからこそ、しっかりとスキンケアをして潤いを補ってあげなければなりません。

1-2.乾燥しやすい環境

赤ちゃんの皮膚はデリケートなため、室内の環境が乾燥しやすい状態であればさらに乾燥肌が進行してしまいます。赤ちゃんが乾燥肌になる原因には、環境も大きく関係しているのです。乾燥した空気は肌の水分を奪い、バリア機能を低下させる原因にもなります。できるだけ乾燥させないようにするためには、ほどよい湿度がある空間を作ることが大切です。

1-3.洗いすぎによる肌への刺激

赤ちゃんの肌が乾燥する原因には、洗いすぎによる肌への刺激も大きく関係しています。赤ちゃんをお風呂に入れるとき、石けんやタオルでゴシゴシと洗っていないでしょうか。赤ちゃんの肌は大人よりもデリケートなので、あまり力を入れる必要はありません。大人にとってはちょうどいい力加減だとしても、赤ちゃんにとっては強すぎるのです。洗いすぎや刺激の与えすぎで、赤ちゃんの肌はどんどん傷んでしまいます。また、洋服のすれや偏った栄養なども乾燥肌を引き起こす原因の1つです。

2.赤ちゃんの体を洗うときの注意点

ここでは、赤ちゃんの体を洗うときの注意点を紹介します。

2-1.ゴシゴシと力を入れて洗わない

前述したように、赤ちゃんの体を洗うときはゴシゴシと洗わないようにしてください。乾燥で傷んだ肌は清潔にするために洗いたくなりますが、ゴシゴシ洗うのは逆効果です。さらに、石けんをつけすぎてしまうとすすぎ残しができて乾燥肌を悪化させる原因になってしまいます。基本的に、石けんは少量つけるか、つけないかくらいでも大丈夫です。また、ナイロンタオルなどで洗う方がいますが、タオルの摩擦で傷つける恐れがあるのでママの手でやさしく洗うようにしてください。直接手で洗うだけでも十分に汚れを落とすことができます。

2-2.石けんを残さない・水分を乱暴に拭き取らない

赤ちゃんの体をキレイにするために石けんを使うことがあると思いますが、必ず石けんが残らないように丁寧にすすいであげてください。前述したように、石けんが残ってしまうと肌を刺激する原因になってしまいます。シャワーを使ってくびれやシワを伸ばしながら丁寧にすすぐのが基本です。そして、お風呂から上がったときは、やわらかいタオルでこすらないようにしましょう。こするのではなく、そっと押さえるように水分を拭き取ってあげてください。くびれやシワの中の水分は残りやすいので、拭き忘れがないように注意が必要です。

2-3.長時間の入浴はNG

寒い冬は体を温めるために、長い時間かけてお風呂に入れたほうがいいと思っていませんか? 実は、長く入れば入るほど肌の潤い成分が失われてしまい、乾燥肌の原因になってしまうのです。そのため、寒い冬でも入浴の目安は10分以内にしてください。長時間の入浴は赤ちゃんの乾燥肌を悪化させてしまいます。また、温度は39度がおすすめです。湯温が熱すぎると逆に肌の水分が飛んでしまい、乾燥肌を助長させることになります。

3.赤ちゃんの乾燥肌対策を紹介!

それでは、赤ちゃんの乾燥肌対策をいくつか紹介します。気軽に実践できる内容のものもあるので、ぜひ参考にしてください。

3-1.清潔な状態を維持することがスキンケアの基本

乾燥肌対策として1番大切なのは、スキンケアの基本である清潔な状態を維持し続けることです。肌は常に外気にさらされているため、紫外線・排気ガス・ホコリなどで汚れています。また、身につけている洋服から汚れが付着することもあるのです。肌が汚いと刺激を受けやすくなり、乾燥肌が悪化してしまうため、刺激を与えないようにしながら石けんでやさしく汚れを落としてあげなければなりません。まずは、肌を清潔に保つための洗浄を念入りに行いましょう。

3-2.保湿で肌に潤いを与える

肌を清潔にした後は、保湿で潤いを与えることが大切です。基本的に、赤ちゃんの保湿はやさしい成分でできているベビーローションを使います。ワセリン・クリーム・乳液などさまざまな種類がありますが、赤ちゃんお肌に合うものを選んでください。冬は乳液・クリーム、夏は乳液・ローションなど季節に合ったものを使用するとより保湿効果を高めることができます。保湿してあげるときは、顔・おなか・背中・手足など部位ごとに全身にたっぷり塗ってあげてください。目安はしっとりするぐらいがちょうどいいでしょう。

3-3.紫外線のダメージから体を守る

スキンケアの基本は、洗浄と保湿だけで十分と思われがちですが、紫外線対策も必要不可欠です。ダメージを受けやすい赤ちゃんの肌だからこそ、強い日差しをできるだけ避けて必要に応じて日焼け止めを使ってください。基本的な紫外線対策としては、紫外線が強い時期は長時間外に出ないこと・帽子などを使って紫外線から守ることなどです。どうしても外出しなければならないときは、赤ちゃんに乳幼児用の日焼け止めを塗ってあげてください。顔に塗るときは、両ほお・おでこ・鼻の頭・あごに適量置いて塗り残しがないようにやさしく伸ばします。2~3時間ごとに塗り直すのがポイントです。

4.病院に行ったほうがいいケース

中には、早めに病院を受診したほうがいいケースがあるので要チェックです。

4-1.なかなか乾燥肌が改善しないケース

いくらスキンケアに気をつけていても、なかなか赤ちゃんの乾燥肌が改善しないケースは、病院を受診することをおすすめします。ママの中には、「乾燥肌くらいで病院に行くのは……」と戸惑うかもしれませんが、早めに受診したほうがスピーディーに解決できるのです。ただの乾燥肌と思っていた状態が、ドライスキンと呼ばれるアトピーの原因となる肌質だったということもあります。早めに正しい処置をすればアトピーを防ぐことができるのです。デリケートな赤ちゃんの肌が乾燥状態になっているのは、アトピー素因が関係していることもあります。

4-2.赤くなったり、赤いボツボツができたりしているケース

赤ちゃんの肌が赤くなっていたり、赤いボツボツができたりしているケースは、すでに肌が炎症を起こしてしまっている状態なので受診したほうがいいでしょう。炎症を放置するとどんどん悪化して、アトピーや湿疹(しっしん)を引き起こす恐れがあります。アトピーの場合はかゆみを伴い、関節部分や左右対称な部分に湿疹ができやすくなるので要注意です。たとえ、1度受診して大丈夫だと判断されても、後で湿疹や赤みが出てくることもあります。注意して毎日赤ちゃんの肌をチェックしておいたほうがいいでしょう。

4-3.皮膚の表面がひび割れ・白い粉が吹いているケース

赤ちゃんは自分で意思表示をすることができないので乾燥肌に気づきにくい傾向がありますが、皮膚の状態で判断することができます。特に、皮膚の表面がひび割れていたり、白い粉が吹いていたりしている場合は、早めに病院を受診したほうがいいでしょう。すでに乾燥状態になっており、早めに処置しなければ乾燥性湿疹になる可能性があります。症状が進行すると、炎症を起こして赤く腫れ上がったり、かゆみが強くなったりと赤ちゃんも泣き止まなくなるでしょう。さらに、肌荒れや水ぶくれなどの症状が出ると乾燥性湿疹と診断されます。

5.赤ちゃんの乾燥肌に関してよくある質問

赤ちゃんの乾燥肌に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.日ごろからできる赤ちゃんの乾燥肌対策は?
A.肌を清潔な状態にして保湿を行うことはもちろんのこと、根本的に改善したいのなら体の内側から乾燥に効く食べ物を摂取することが大切です。離乳食時から取れる食べ物としては、ビタミンAが豊富に含まれているレバーやニンジンをおすすめします。また、亜鉛を多く含んでいる牛肉や卵もおすすめです。亜鉛が不足すると乾燥肌の原因にもなるので注意してください。
そのほかにも、衣類は刺激が少ないものを選ぶといいでしょう。衣服がチクチクすると刺激になって肌が軽みを伴う恐れがあります。できれば、赤ちゃんには綿100%や裏地の刺激が少ない衣類を着せてください。

Q.保湿はどのくらいの頻度ですべきか?
A.体を洗ったり汗を拭き取ったりすると保湿剤が取れてしまうので、入浴後・口の汚れを拭き取った後・おむつ替えでおしりを拭き取った後などは毎回保湿してあげてください。1度保湿剤を塗っただけで24時間効果を維持するのは困難です。できたら、朝も保湿してあげたほうが乾燥肌をより防ぐことができます。目安は1日2~3回程度、お風呂上がりと着替えの時間などに塗ってあげましょう。さらに、生活スタイルに合わせて保湿するタイミングを工夫することも大切です。気になるときに塗ってあげましょう。

Q.赤ちゃんのスキンケアでほかに大切なことは?
A.赤ちゃんのスキンケアは毎日続けることが大切なので、スキンシップが大切なポイントとなります。スキンケアは赤ちゃんの肌とママの肌が触れ合う貴重な時間と言えるでしょう。赤ちゃんにやさしく話しかけてスキンシップを取りながらスキンケアをしてあげると、赤ちゃんも安心できます。また、ママの爪の刺激で赤ちゃんの肌を傷つけてしまう恐れがあるので清潔にしてください。赤ちゃんの爪だけでなく、ママの爪も短くするように心がけましょう。

Q.日焼け止めを塗る際の注意点は?
A.大人用ではなく、必ず乳幼児用の日焼け止めを使ってください。大人用の日焼け止めは刺激が強すぎて、逆に乾燥肌がひどくなる可能性があります。また、生まれたばかりの赤ちゃんにとっては、乳幼児用の日焼け止めでも刺激となることがあるので要注意です。生後6か月ごろまでには日焼け止めを使用せず、衣類やベビーカーの幌(ほろ)などで直射日光を防いでください。

Q.保湿剤の塗り方は?
A.保湿剤は手先・足先から塗ってあげましょう。手のひら全体で腕と足をくるくるとなでるように塗るのがポイントです。おなかや背中の広い部分に塗るときも、手のひら全体を使ってなでるように塗ります。顔はほおと目のまわりをくるくるとやさしく塗ってあげましょう。おしりの部分も忘れずにやさしく包むように塗ってあげてくださいね。また、保湿剤を塗るときも赤ちゃんに言葉をかけながら、笑顔でスキンシップを取ってあげるとスキンケアがしやすくなるのでおすすめです。

まとめ

赤ちゃんの肌は敏感でバリア機能も未熟なので、大人よりも乾燥しやすい傾向があります。乾燥を未然に防ぐためには、とにかく清潔な状態を維持することが大切です。大人よりも2〜3倍の汗をかきやすいため、丁寧に汗を拭いてあげたり、入浴で汚れを落としてあげたりすることがポイントとなります。乾燥しづらい環境を整えてあげれば乾燥を防ぐことができますが、異常がある場合はすぐに病院を受診してください。早めの処置が悪化を防ぐ重要なポイントです。