肩こり対策

肩こり対策はひとつだけじゃダメ? あらゆる原因を解消する方法

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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肩こりの対策に悩んでいる人は、肩こりが起こる原因はひとつだけではないことを知っておきましょう。さまざまな要因が絡み合って、しつこい肩こりが引き起こされている場合がほとんどです。ですから、肩こりから解放されたければ、その原因全てにアプローチしていく必要があります。そのためには、肩こりが起こるメカニズムを理解しておかなければなりません。

ここでは、肩こりの原因を解説したうえで、効果的な対策方法の数々をご紹介します。

肩こりを引き起こす
3つの大きな原因

目の疲れやストレスなど、肩こりの原因となるものは多々あります。しかし、それらの多くは次の3つに深く関わっているといってもよいでしょう。

筋肉疲労

人間の体というのは、首や腰に負担がかかりやすい構造をしています。これは二足歩行を可能とするためで、特に首や肩周辺の筋肉が常に緊張しやすい状態なのです。ここにあるたくさんの筋肉が頭や腕を支えているため、立っているだけでその筋肉に負担がかかってしまいます。すると必然的に筋肉に疲れが溜まって硬くなり、周囲の血管が圧迫されて血行不良が起こったり、神経が傷ついたりしてしまうのです。

血行不良

首や肩の血流が滞ると、筋肉の硬直が起こります。血液は、体内を流れながら酸素や栄養を体の隅々まで運び、それと同時に不要となった老廃物を排出するという働きも担っています。ですから、血流がスムーズに流れなくなると、老廃物が蓄積されてしまうのです。

乳酸

体にたまった老廃物のなかでもとくに問題なのが、「乳酸」です。乳酸は別名「疲労物質」とも呼ばれており、乳酸が多くなると細胞の働きが弱まり、筋肉の伸縮する力が低下してしまいます。つまり、筋肉が硬直して肩こりがひどくなるというわけです。乳酸は通常であれば血液の働きによって排出されるのですが、先ほどお伝えしたように血行不良により蓄積されてしまいます。

肩こりの対策に必要な
3つのポイント

以上のような悪循環により、肩こりは慢性化していきます。この繰り返しを断つために、次の点を意識して対策をしていきましょう。

筋肉を柔軟に保つ

筋肉は収縮と膨張をバランスよく繰り返すことで血液をスムーズに流すポンプのような働きをしています。血行をよくするためにも、筋肉は柔軟に動けるようにしておかなければなりません。硬くなった筋肉をほぐして、柔らかく保ちましょう。

血行を促進する

肩こりを解消するカギとなるのが『血行』です。血の流れを改善すれば、肩こりは緩和されていくでしょう。筋肉が必要とする酸素や栄養を十分に供給できれば、筋肉の疲労がやわらぎ、疲労物質である乳酸も排出することもできます。

新鮮な酸素を取り込む

体内に酸素を多く取り込み、脂肪をエネルギーに変えていきます。基礎代謝が悪くなると疲労物質である乳酸が溜まっていくので、エネルギー代謝を活発にする有酸素運動が有効です。ウォーキングや軽いジョギング・水泳など、酸素を十分に体に供給できる有酸素運動を行うとよいでしょう。

肩こりを予防する
おすすめの方法

では、具体的にどのようなことを行うとよいのでしょうか? 肩こりの対策に効果的な方法をいくつかご紹介します。

入浴

ゆっくりと温かいお湯に浸かり、体全体の血行を促進しましょう。入浴しながら、肩や首のまわりをやさしくマッサージしてもみほぐしてあげるとさらに効果的です。リラックスして筋肉の疲れを和らげることも大切です。

ただし、肩こりの場合は半身浴には注意しましょう。肩周辺が冷えないようにタオルをかけるなどしてください。入浴しない場合でも、蒸しタオルを肩や首にあてて温めてもよいでしょう。手軽に温めることのできるグッズも販売されています。

ストレッチ

肩のこりが気になったら、こまめにストレッチをしましょう。無理な動きをする必要はありません。気持ちが良いと感じる程度に両腕を前後左右に動かしながら硬くなった筋肉をやさしくほぐしてください。たとえば、次のようなストレッチは肩こりの解消に効果が期待できます。

  • 両手を組んで大きく上に伸びます。このとき、手をできるだけ後方に持っていくとより効果的です
  • 片方の肘を反対側の手で持って引き寄せます
  • 両手を上げて、頭の上から反対側の肘を持ちます。そのまま下へ押してください
  • 体の後ろ側で両手を組みます。組んだ手を上げていきます

いずれも無理をしないで、ゆっくりと呼吸をしながらやさしく行うことがポイントです

食事

肩こりに良いとされる食べ物を積極的に摂取しましょう。乳酸を溜め込まない作用に優れているとされるクエン酸を含む「梅干し」や「レモン」のほか、血行を良くするために「大豆」も有効だといわれています。

また、「ネギ」には血行促進だけでなく疲労物質を分解する働きのあるアリシンが含まれています。このような食べ物を活用して、体の内側から肩こりに働きかけるのもひとつの方法です。

肩こりを引き起こさない
生活習慣を身につける

肩こりの対策には生活習慣の見直しも必要です。次の点に気をつけて、毎日を過ごすようにすると肩も軽くなっていくでしょう。

毎日少しでも適度に体を動かす

体を動かすと筋肉が伸び縮みするため、自然と血行の流れが良くなり固まった筋肉をほぐすこともできます。運動が苦手な方でも、歩く機会を増やしてみたり、できるだけ階段を使ったりする習慣をつけるとよいでしょう。

正しい姿勢を心がける

悪い姿勢を続けていると、重い頭を支えている首と肩にかかる負担を高めてしまいます。また、長時間同じ姿勢を続けていると、肩周辺の筋肉は常に緊張した状態を強いられてしまうのです。

このようなことを頻繁に行っていると筋肉は疲労しやすくなり、肩こりが慢性化してしまいます。偏りのない正しい姿勢をするように意識していきましょう。

ストレスを溜め込まない

特に女性に多く見られる肩こりの原因として、ストレスがあげられます。日頃からストレスを溜め込まないように発散することが大切です。スポーツをして体を思いきり動かしたり、趣味に没頭したりする時間をつくりましょう。そのような時間を確保できなくても、好きな音楽を聴いたり、映画などを観て笑ったり泣いたりするだけでもストレスは発散できます。

肩こり対策
まとめ

いかがでしたでしょうか? あらゆる面から肩こりの対策に効果的な方法をお伝えしました。
もう1度、ポイントをまとめておきましょう。

  • 肩こりの原因……筋肉疲労・血行不良・乳酸(疲労物質)
  • 肩こり対策のポイント……筋肉を柔軟に保つ・血行を促進する・有酸素運動で代謝を上げる
  • 肩こりを予防するおすすめの方法……入浴・ストレッチ・食事による体質改善
  • 肩こりを引き起こさない生活習慣……適度な運動・正しい姿勢・ストレス発散

特に気をつけるべき点は、「血行不良」です。血の流れが滞ると筋肉に十分な酸素や栄養も供給することができず、筋肉に溜まってしまった疲労物質(乳酸)を排出しにくくなってしまいます。そして、「さらに筋肉が硬くなり肩がこる」という悪循環にはまってしまうのです。

また、このような対策を行っても症状が改善されないような重い肩こりの場合は、首の骨に異常がある可能性もあります。自己判断をしないで一度病院などで見てもらったほうがよいでしょう。