予防効果を高める正しいうがいのやり方

間違うと効果なし? 予防効果を高める正しいうがいのやり方教えます!

昔から風邪やウィルスの感染予防に効果があるとして慣れ親しんできたうがい。手荒いとセットで習慣化しているご家庭も多いのではないでしょうか? 意外なことに、うがいは日本だけの習慣です。もちろん、海外でも口をゆすぐ行為はあります。しかし、風邪予防でうがい習慣化しているのは、日本独自のものなのです。となると、うがいには期待するほどの効果がないのでしょうか? いいえ、そうではありません。特に口呼吸をしている方には、うがいが効果的です。

この記事では、うがいの効果について詳しく解説していきます。口呼吸は万病の元です! 正しいうがいのやり方を身につけ、口呼吸が招くデメリットを改善していきましょう!

この記事を読むことで、うがいの正しい方法を知ることができます。「朝起きると喉が痛む」「寒くなると風邪を引きやすい」という方は、特にしっかりと目をとおしてください。

うがいの
基礎知識

まずは知ってるようで知らない、うがいの基礎知識から勉強していきましょう。

1-1.うがいとは?

うがいとは、水や薬液などで口をゆすぐことです。最近では緑茶や紅茶でうがいをすると効果があるとも言われていますよね。うがいは古くから私たちの文化として定着しているものです。そんなうがいの歴史は非常に古く、平安時代から行われてきたとされています。

1-1-1.うがいの語源は「鵜飼い」から

うがいは、鵜(う)を使って魚を捕る「鵜飼い」が語源です。鵜(う)が魚を飲み込み、吐き出すさまが似ていることから「うがい」と呼ばれるようになりました。海外では、人前で口に含んだものを吐き出す行為は”はしたない”とされていて、うがいのような習慣はありません。うがいはあくまでも一人で洗面所にいるときに行うものとされているのです。日本では小学校で風邪予防のうがいを徹底していることも多く、身近な習慣になっています。

1-2.うがいの種類

うがいの種類は3つあります。それぞれの特徴や目的などをチェックして見ましょう。

1-2-1.口うがい

口うがいとは、口に水や薬液を含みブクブクとした後、吐き出すものです。ブクブクうがいとも呼ばれています。口うがいの目的は、口の中の食べかすや細菌を洗い流すことです。歯磨きのときにも行います。

1-2-2.喉うがい

喉うがいとは水を含んで上を向き、口を開けて息を吐きながら行うものです。ガラガラうがいとも呼ばれています。喉の細菌を洗い流す効果があるとされ、塩水を使って行うことも多いです。

1-2-3.鼻うがい

鼻うがいは、その名のとおり鼻から水を入れ鼻腔(びくう)内を洗うことです。鼻洗浄とも呼ばれ、鼻の掃除ができます。鼻うがいに使う水は刺激の少ない生理食塩水(塩水)がオススメです。生理食塩水は体液や血液を同調の浸透圧を持ち、鼻うがいや喉うがいに向いています。蓄膿症やアレルギー性鼻炎の症状緩和に効果的です。

1-3.今話題のうがいについて

最近ちまたでは、身近なものを使ったうがいが話題を呼んでいます。

1-3-1.重曹うがい

料理や掃除に大活躍の重曹。重曹を使ったうがい、その名も「重曹うがい」が今話題になっています。重曹うがいで得られる効果を見てみましょう。

  • 口臭予防
  • 歯が白くなる
  • 虫歯予防

重曹の正式名は「炭酸水素ナトリウム」です。油汚れに効果的でお肉をやわらかくする効果もあります。研磨力が強いため、歯を白くする効果があるのです。また、弱アルカリ性の重曹で口をゆすぐことで口臭を予防できます。うがいに使う重曹は食用を使ってください。重曹を溶かした水(水100mlに対し重曹小さじ半)で食後や歯磨き後口をゆすぎましょう。歯の黄ばみが取れ虫歯予防に効き目があります。

1-3-2.ごま油うがい

「ごま油でうがいをするなんて信じられない!」嘘みたいな話ですが、ごま油でうがいをすると以下のような効果があります。

  • たるみの解消
  • 抜け毛・白髪の改善
  • 口臭・虫歯予防
  • 歯を白くする
  • 美肌効果
  • 免疫機能の促進
  • 風邪予防

古代インドで5000年もの歴史がある”アーユルヴェーダ”という医学では、ごま油がマッサージに使われています。シミやデトックス・老化防止に効果があり、健康と美容に有効なのです。うがいに使うのはごま油は白ごま油を使ってください。白ごま油にはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれておりアンチエイジング効果抜群です。うがいには白ごま油を小さめの鍋に入れ、100度まで弱火で過熱して覚ましたものを使います。低温過熱して処理することで抗酸化作用のある”セサモール”が生成されより美容と健康効果が高まるのです。密閉瓶に入れておけば1週間持ちます。うがいは、覚ましたごま油を大さじ一杯口に含み、口全体に行き渡るようにうがいしてください。舌の裏側からごま油の成分を吸収し、さまざまな効果が期待できます。吐き出すときは、紙パックなどに出しましょう。

うがいの
効果について

うがいにはどのような効果があるのでしょうか。また、うがいをすることで風邪を防げるのか気になりませんか? うがいの効果について解説します。

2-1.口呼吸はウィルスが侵入しやすくなる

風邪やインフルエンザの原因は90%がウィルスによるものです。空気中のウィルスが口呼吸により喉の粘膜に付着し炎症を起こします。口は本来食物を体内に入れる器官で、呼吸するためのものではありません。 通常のどの粘膜は湿っていて粘液を排出することで、細菌やウィルスも排除しています。しかし、口呼吸でのどの粘膜が乾燥すると、ウィルスが侵入し増殖しやすくなるのです。ですから、空気が乾燥する季節には風邪や喉の炎症が多くなります。

2-2.うがいの効果、科学的な根拠は?

うがいは昔から風邪の予防になると言われてきました。しかし、実際は科学的な根拠がなく、きちんと検証されたものではなかったのです。そんな中、2002年~2003年にかけて京都大学の研究グループによって、うがいの「風邪」予防に対する効果が科学的に実証されました。

2-2-1.世界初! うがいによる風邪予防の実証実験

京都の研究グループが行った実験は、約2か月にわたって18歳~65歳の380名を「水でうがい」「ヨウ素系うがい薬でうがい」「何もしない」の3群に分け実施されました。実験は380名に振り分けられたうがい行為を2か月間行ってもらい”風邪を引いたかどうか?”を調べるシンプルなものです。結果は、水うがい群は何もしない群に比べて風邪の発症が40%減少し、うがいの予防効果が世界で初めて実証されました。

ちなみに、ヨウ素系うがい薬には対照群とはっきりした差が現れず、予防効果が見られなかったとのことです。原因は、「薬により正常細菌のバランスが崩れたからではないか?」と言われています。ヨウ素液とは、ドラッグストアでも購入できるイソジンが有名ですよね。殺菌効果が非常に高いため、体に必要な細菌まで殺してしまいます。何もしないよりはマシですが、ヨウ素系うがい薬を使うことで、かえってウィルスを侵入・増殖しやすくしてしまうということがわかりました。

2-2-2.発熱予防の実証結果

浜松医科大学のグループは2006年1月~2月の20日間、2~6歳の子供を対象に行った実験で「うがいをすることで発熱を防げるか?」の調査を実施しました。対象児を「水道水や緑茶などでうがい」「うがいをしない」のグループに分け、発熱に差が出るかを調べたのです。37.5度以上の発熱をした子供の割合を調べた結果、最も発熱しにくいのは緑茶でうがいをした子供とわかりました。うがいをする子供が発熱する割合は0.4%、うがいをしない子供は1%が発熱するという結果が出たのです。この実験でもうがいの効果を実証できました。

2-3.うがいのメカニズム

通常、コップに入れた水などはコップを下に向けると流れ落ちてしまいます。しかし、水を口に含んだまま上を向いてもも気管の中に落ちることはありません。落ちない理由は気管が閉じているからです。また、空気を出していることも関係しています。私たちが何気なく行っているうがいは、体のさまざまな器官を連動して行っているのです。肺や気管・舌や口こう部・喉頭蓋などどれが欠けてもうがいをスムーズに行うことはできません。

正しいうがいの
やり方

それではいよいよ、うがいの正しいやり方についてご紹介していきます。間違ったやり方で行うとせっかくのうがいも効果が半減してしまうのです。正しいやり方を身につけてうがいの予防効果を最大限に高めましょう。

3-1.うがいの手順

正しいうがいのやり方をご案内します。

3-1-1.うがい前には手洗いをしよう

うがい前には必ず手を洗いましょう。手には目に見えない細菌やウィルスがたくさん付着しています。洗わないままうがいをすると、菌がコップや水を介し体内に入ってくるのです。手は、つめや指の間まで丁寧に洗いましょう。

3-1-2.口をゆすぐ

次にブクブクうがいします。少し強めにブクブク・グジュグジュして口内の汚れを洗い流しましょう。口の中にはたくさんの菌がいます。口を先にゆすぐのは、喉に菌が侵入しないようにするためです。スッキリしない場合は2~3回繰り返しゆすいでください。

3-1-3.喉うがいをする

口の洗浄が終われば、喉うがいをします。水を含み上を向き、声を発しながら15秒ほど喉を震わすようにしてください。2~3回繰り返すと効果的です。喉が震えると液体が奥まで届き、うがいの効果が高まります。

3-1-4.最後のうがい

最後は水で口をすすぎます。ブクブクうがいをして口内を清潔にしましょう。

3-2.うがいをするタイミングは?

うがいの効果を高めるためには、うがいを行うタイミングも重要です。以下をご覧ください。

  • 帰宅後
  • 人が多い場所にいるとき
  • 乾燥した環境・季節
  • 喉が乾燥していると感じたとき
  • 寝る前
  • 食後
  • 喫煙後
  • 掃除の後
  • 疲れが溜(た)まっているとき

人が多い場所ではウィルス感染のリスクも高まります。空気が乾燥している季節はこまめにうがいをして喉の粘膜を守りましょう。疲れが溜(た)まっているときは免疫力も低下しています。風邪を引きやすい状態ですから注意してください。口呼吸をする方は喉が乾燥しやすいです。マスクをして、1日数回のうがいを心がけましょう。

3-3.うがいの注意点

風邪や感染症予防に効果的なうがいですが、気を付けなければならないこともあります。うがいは先述したとおり、正しい方法で行いましょう。間違ったやり方を行うと効果が得られず、喉を痛めてしまうこともあります。効果を高めるために知っておきたい注意点をチェックしてみましょう。

3-3-1.うがい前の手荒いは丁寧に行う

うがい前には手を丁寧に洗いましょう。必ず石鹸(せっけん)を使ってください。水だけでは手に付いた菌が付着したままです。そのままうがいをすると手を洗った意味がありません。石鹸(せっけん)を使い15秒以上洗ってください。手を拭くタオルは清潔なものを使いましょう。日頃から手洗いの習慣も付けておくと、風邪予防の効果も高まります。

3-3-2.うがいの効果を高めるためには

うがいは、基本的に水で行います。水以外では、生理食塩水(塩水)も有効です。あまり塩分濃度が濃いものを使うと喉を痛めてしまいますから注意してください。生理食塩水は水500mlに対し天然塩4.5g~5gが適量です。使う水は水道水を沸騰してカルキを飛ばしたものを使いましょう。また、カテキンが含まれる緑茶や紅茶は抗ウィルス作用があり、うがいに使うと効果的です。

3-3-3.高齢者のうがいについて

高齢者のうがいは、誤嚥(ごえん)の危険があります。最悪、誤嚥(ごえん)性肺炎になることもあるのです。上を向くときに状態が倒れていると誤嚥(ごえん)しやすくなりますから注意してください。少し前かがみの姿勢を取るなど安全に行いましょう。

3-3-4.うがいでインフルエンザは防げない

うがいの効果が研究でも実証されていますが、インフルエンザに関しては科学的に証明されていません。首相官邸ホームページでも「インフルエンザの予防に関しては科学的証明がされていない」とされています。しかし、風邪を予防する効果は実証済みのため抵抗力を高めるためにもうがいをこまめに行いマスクなどで予防していきましょう。

首相官邸ホームページ
http://www.kantei.go.jp/

3-4.うがい薬について

うがいをするときにイソジンなどのヨウ素系うがい薬を常用している方も多いのではないでしょうか? 殺菌効果が非常に高く消毒の作用もあるため、効き目が抜群に感じますよね。しかし、うがい薬は高い殺菌効果により喉の常在菌まで破壊してしまうのです。風邪に対する抵抗が弱くなるため、逆にウィルスが浸入しやすくなります。京都大学の行った研究でも、ヨウ素系うがい薬を使うと風邪予防の効果が低下することが明らかになりました。うがいは基本水で行い、うがい薬を常用しないようにしましょう。

3-4-1.うがい薬の注意点

うがい薬は風邪予防に効果がありません。すでに、風邪などにかかり感染症が見つかった場合に使用するのが有効です。特にイソジンには細胞毒性があり、喉の粘膜を傷めることでよく知られています。予防目的では使用しないようにしてください。

うがいに関する
よくある質問

うがいに関する質問をまとめました。うがいをする前に必ず確認しておきましょう。

4-1.うがいができないときはどうしたらいいですか?

うがいをできないときは、喉を保湿するため飲み物をマメに飲みましょう。喉に付着したウィルスを飲み込む効果もあります。ウィルスは胃酸に弱いため飲み込んでも大丈夫です。外出するときにはマスクをしましょう。

4-2.マスクをすればうがいの必要はなくなるのですか?

マスクは口内の乾燥とウィルス感染から守る役割があります。しかし、うがいが全く必要ないというわけではありません。帰宅後や就寝前、食後にはうがいを行い口内を清潔に保ちましょう。

4-3.口呼吸はどうしてダメなのですか?

口は呼吸のための器官ではありません。口呼吸では十分な酸素を取り込めないため、脳が酸欠状態になり頭痛を引き起こす原因にもなります。また、口呼吸は口内や喉が乾燥し、ウィルスや菌が侵入しやすい状態です。風邪を引きやすく、インフルエンザなどの感染症リスクも高まります。ほかにも以下のようなデメリットがあるのです。

  • 口臭がする
  • 免疫力の低下
  • 口内環境悪化
  • 虫歯になりやすい
  • 歯並びが悪くなる
  • 舌の根元が沈む
  • 肺活量が落ち運動機能低下

口呼吸になると唾液が渇き、口内環境が悪化します。虫歯になりやすくなり、口臭もきつくなるでしょう。歯が黄色く着色しやすくなるデメリットもあります。口の周りの口輪筋が緩み、出っ歯になりやすいとも言われているのです。口呼吸では十分な酸素を取り込めないため運動機能も低下します。口呼吸の方は意識して鼻呼吸を心がけてください。空気が乾燥する季節はマメにうがいを行い風邪を予防しましょう。

4-4.鼻うがいのやり方を教えてください

鼻うがいは、塩分濃度0.9%(水1リットルに対し0.9gの塩)の食塩水を使い行います。鼻うがいの手順をご覧ください。

  1. 洗面器に食塩水を入れ、片方の鼻を押さえて水を吸い込む
  2. 息を止めて鼻から水を出す(3~5回繰り返す)
  3. 慣れてきたら水を吸い込み上を向き、口から出す

インターネットやドラッグストアで鼻うがいを効率よく行うための器具を購入できます。洗面器で行うのは少し難しいので、ぜひ器具を試して見てください。生理食塩水もドラッグストアで販売していますよ。

4-5.うがいには風邪予防のほかに、どんな効果があるのですか?

この記事でもご紹介してきたとおり、うがいにはさまざまなうれしい効果があります。

  • 風邪予防
  • 細菌を洗浄する
  • 口や喉の保湿
  • 喉の粘液分泌量・血行を促進する
  • 花粉症対策
  • 鼻うがいで鼻づまりの改善
  • 口臭を予防する
  • 口内炎対策

うがいを正しいやり方で行えば効果が高まります。適したタイミングで効率的に風邪や口内環境の悪化を予防しましょう。

正しいうがい
まとめ

いかがでしたか? この記事では、うがいの正しいやり方や基礎知識をご紹介してきました。昔から日本で習慣になっているうがいは、科学的根拠も実証され予防効果への注目が高まっています。予防目的でうがいをするときは、水・緑茶・紅茶を使用し、すでに炎症などを起こしているときにだけうがい薬を使うと良いでしょう。寒くなる季節は空気が乾燥し、風邪を引きやすくなります。手荒いうがいは徹底して行うようにしましょう。