過敏性腸症候群の原因

過敏性腸症候群とはどんな病気? その原因や治し方を紹介!

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

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十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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過敏性腸症候群とは、特に内臓には異常がないのに便秘・下痢・腹部の不快感などが続く症状のことを指します。性別に関係なく発症し、異常がないため決定的な治療法もなく、長年苦しんでいる方も多い病気です。

そこで今回は、過敏性腸症候群の主な原因や治し方の一例をご紹介しましょう。

自分は過敏性腸症候群ではないかと思っている方や、今現在過敏性腸症候群で悩んでいる方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

過敏性腸症候群とは?

はじめに、過敏性腸症候群の主な原因や症状などについてご紹介します。いったいどのような症状なのでしょうか?

1-1.過敏性腸症候群の症状は?

過敏性腸症候群の主な症状は、

  • 激しい下痢
  • 頑固な便秘
  • 常に腹部が不快
  • 便秘と下痢を交互に繰り返す
  • ガスがたまっている感じがしてお腹が張って苦しい

といったものです。中には、電車やバスなどすぐにトイレに行けない状態になったとたんに激しい便意が起こるという方もいます。

このような症状が長く続くと、日常生活に支障をきたすことも多いのです。また、下剤や下痢止めを使いすぎると腸そのものが弱ってしまいます。

1-2.過敏性腸症候群と他の内臓疾患との違い

前述した過敏性腸症候群の症状は、強いストレスがかかっているときに起きやすいという特徴があります。例えば、社会人ならば通勤途中に発症しやすいのです。

逆に、休日には全く症状が起きないというケースもあります。通常の内臓疾患であれば、このようなことはまず起きません。原因を取り除かない限り、痛みや下痢・便秘などが起こり続けます。

1-3.過敏性腸症候群の主な原因

過敏性腸症候群の主な原因は、ストレスです。腸は第二の脳といわれるくらいストレスの影響を受けやすい器官。そのため、ストレスの影響が便秘や下痢などの症状となって表れやすいのです。

その分治療も難しく、人によっては心療内科や精神科と内科の両方に通いながら治療を続けている方もいます。

1-4.過敏性腸症候群の種類

過敏性腸症候群には、

  • 下痢が続く下痢型
  • 便秘が続く便秘型
  • 便秘と下痢が交互にやってくる交換型
  • 腹部に膨満感を覚えやすいガス型

などの種類があります。男性は下痢型が多く、女性は便秘型が多いのが特徴です。

また、10代以下で発症した場合は腹部が張ったような気がしておならが多くなるガス型の患者が多い傾向にあります。

1-5.過敏性腸症候群になりやすい人とは?

過敏性腸症候群は失敗を恐れ、常に完ぺきを求めたがる真面目な人に発症しやすいといわれています。また、責任感が強く言われたことを必ずやりとげる人や我慢強い人も発症しやすいのです。このような人は、ストレスを感じても弱音をはけません。完ぺき主義者の方は、理想と現実のギャップにストレスを感じやすいのです。

この他、受験や転勤・昇進・職場の異動などをきっかけに発症することもあります。

過敏性腸症候群のセルフチェック

  • 下痢や便秘が2週間以上続き、改善の気配が全くない
  • 体重の減少はなく、食欲もある
  • すぐにトイレに行けない状況だと、便意が起こりやすい
  • 午前中に症状が強く出る
  • 休日や午後は腹痛や下痢が起こりにくい
  • 不安感にさいなまれている
  • 強いストレスを受けている自覚がある

これに3つ以上当てはまる方は、過敏性腸症候群の可能性が高いでしょう。ただし、便秘や下痢が続く内臓疾患はたくさんあります。勝手に「自分は過敏性腸症候群だ」と決めつけてはいけません。

過敏性腸症候群かなと思ったら?

この項では、過敏性腸症候群かなと思った時の対処法をご紹介します。どのような対処法があるのでしょうか?

3-1.病院を受診する

大腸がんやポリープなどは過敏性腸症候群とよく似た症状が出ます。2週間以上続く下痢や頑固な便秘・腹部が常に張ってつらいという場合は、病院を受診してください。検査の結果内臓に異常がなければか過敏性腸症候群の可能性が高いのです。

3-2.病院で行う検査とは?

便秘や下痢が続く場合は、レントゲン撮影や検便が行われます。病院によっては血液検査を行う所もあるでしょう。これで異常が見つかるケースもあります。

3-3.診断方法

検査で異常がない場合、整腸剤や下剤が処方されることが一般的です。これを医師の指示通り服用し、なおかつ腸に負担がかからない食生活を1週間程度続けてみましょう。それで全く改善されなければ、もう一度病院を受診してください。

インターネットで過敏性腸症候群の治療を行っている病院を探して受診するのもよいでしょう。この場合は、検査の結果や症状がよく出る時間帯や強さなどをメモしたものを持参していくと診断がスムーズです。

過敏性腸症候群の治療法

過敏性腸症候群にはどのような治療方法があるのでしょうか? 代表的なものをいくつか紹介します。

4-1.投薬治療

過敏性腸症候群と正式に診断されたら、食事療法・運動療法・投薬治療などが行われます。投薬治療は、整腸剤や乳酸菌製剤を使って腸内環境を整えることが目的です。また、緊張感をほぐす薬など精神科の薬と併用されることもあります。

4-2.食事療法と運動療法

食事療法は、腸に負担をかけない食事のとり方を指導されます。ストレスによる暴飲暴食で腸が弱っている場合、症状が悪化しやすいのです。

運動療法は、ストレス解消にも効果的。どのような方法をどのくらいの割合で行っていくかは医師と相談しましょう。

過敏性腸症候群の予防方法

この項では、過敏性腸症候群の予防方法をご紹介します。日常生活で気を付けることはなんでしょうか?

5-1.胃腸に負担をかけすぎない

10代の頃から便秘や下痢をくり返してきた方は、過敏性腸症候群を発症しやすい傾向にあります。ですから、胃腸に負担をかけすぎないように注意しましょう。

食べ過ぎだけが胃腸に負担をかけるわけではありません。食事の時間が不規則だったり極端に食事の量が少なかったりするのも胃腸に負担がかかります。できるだけ3食規則正しく決まった時間に食べましょう。

5-2.適度な運動をする

運動にはストレス解消の効果があります。ウォーキングをするだけでも気持ちがすっきりするでしょう。負担にならない程度に運動をする習慣をつけると、ストレスもたまりにくいのです。

5-3.肩の力を抜く

たまには自分を思い切り甘やかすことも必要です。家事・仕事・育児などは8割できたら上等だと思いましょう。明日できることは明日にして、ゆっくり体を休めることも大切です。

5-4.辛い物を食べたくなったら要注意

ストレスがたまっている人ほど辛い物を好む傾向にあります。急に辛い物が無性に食べたくなったら要注意。

また、空腹でもないのに間食が止まらない場合も、ストレスを食べることで解消している可能性があります。食欲が治まらない場合は、ホットミルクなど温かく甘いものを少量だけ時間をかけて飲んでみてください。

5-5.やってはいけないこと

暴飲暴食やアルコールでストレスを解消すると、胃腸に多大な負担がかかります。特に、おつまみなしで強いアルコールを飲み続けると、アルコール依存症になる危険性もあるのです。

アルコールを飲む場合は週に2回は休肝日を設け、量を決めて飲みましょう。また、下剤や下痢止めの乱用も胃腸に負担をかけてしまいます。

よくある質問

Q.便秘が続いて苦しいのですが、下剤を使っても大丈夫でしょうか?
A.用法と容量を守って使ってください。効果がないからと乱用してはいけません。

Q.下痢止めは利用しても大丈夫でしょうか?
A.どうしてもという時は頼ってもよいですが、下痢止めも下剤と同じように習慣性がついてしまう可能性があります。下痢止めを使う場合は、医師や薬剤師と相談し、用法と容量を守ってください。

Q.ストレスの解消方法が分かりません。
A.楽しいと思えることを色々と試してみるのがおすすめです。また、何もしたくない時は何もせずにいましょう。それもストレス解消の方法です。

Q.心療内科の薬と胃腸薬を併用する場合の注意点は何でしょうか?
A.必ず薬剤師から飲み方を指導されます。それを守りましょう。

Q.過敏性腸症候群の完治までどのくらいかかりますか?
A.人によって異なるため、はっきりと断言できません。ストレスが胃腸に影響を及ぼさなくなれば、治る日も近いので焦らず治療を続けて行きましょう。

おわりに

いかがでしたか? 今回は過敏性腸症候群の原因や治療法をご紹介しました。はっきりとした治療法が確立されていないので、治るまでに時間がかかる方も多い病気です。しかし、自暴自棄になってはいけません。焦らないことも大切です。

胃腸に負担をかけない生活を心がけながら、自分なりのストレス解消法を見つけることを心がけると効果的でしょう。