関節のこわばりはどんな症状? 治療法・セルフケア・予防策をご紹介

関節のこわばりを解消するには? 治療法・セルフケア・予防策を紹介

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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「手足の関節が硬くなっているような気がする」「関節が腫れぼったくて動かしにくい」など、関節のこわばりは長く続くほど、不安な気持ちになるでしょう。関節のこわばりはさまざまな原因が考えられ、病気が関係している場合もあります。症状をそのまま放置していると、関節がまったく動かなくなる危険もあるのです。最悪な状態にならないためにも、原因を把握して対処しなければなりません。そこで、本記事では、関節のこわばりの基礎知識や原因と考えられる病気・治療法・セルフケア・予防などについて詳しく説明します。

この記事を読むことで、関節のこわばりを解消するために必要な知識を身につけることができます。現在、悩んでいる方はぜひチェックしてください。

関節のこわばりについて

関節のこわばりを解消するためには、基礎知識を身につける必要があります。関節とは何なのか、こわばりの症状などチェックしておきましょう。

1-1.関節とは?

関節は、骨と骨が連結する部分にあります。関節を軸としているからこそ、骨を動かすことができるのです。つまり、関節が軸として機能しなくなれば、骨は動きません。関節の働きは、骨の動きにつながる大切な部分なのです。人の体には、およそ68個もの関節があるといわれています。歩く・走る・座る・ものをつかむなど、日常生活で行う動作すべてに関節が関係しているのです。

1-2.関節のこわばりとは

腫れぼったく動かしにくい・手足の関節が硬くなった感じがするなど、違和感のある状態が「関節のこわばり」です。普段よりも関節の動きが悪くなり、普通に歩くことができない・関節を曲げると痛みが走る・ものを上手につかめないなどの症状が現れます。症状が出るタイミングは人によって異なりますが、こわばりが強くなるにつれ激しい痛みや腫れを伴うことが多い傾向があるのです。

関節のこわばりの原因と病気

関節のこわばりを解消するためには、原因を突き止めなければなりません。主な原因と考えられる病気について説明します。

2-1.主な原因

主な原因は、冷え性と体の疲れ・関節の老化・疾患の3つが挙げられます。冷え性や体の疲れは、関節や関節周辺の血流が滞(とどこお)ることが原因です。血流が悪くなるほど、痛みやこわばりがひどくなります。また、年をとるほど、クッションの役割を果たしている軟骨組織が減り、骨・関節・関節まわりの組織が変形して痛みが出ることもあるのです。そして、関節のこわばりは疾患が原因になっている可能性もあります。

2-2.考えられる病気

原因となる疾患は、関節リウマチ・膠原(こうげん)病・ばね指・パーキンソン病・繊維筋痛症などが挙げられます。それぞれの特徴を以下にまとめてみました。

  • 関節リウマチ:慢性的な関節の炎症が起こり、関節・関節内の骨に痛みや変形が生じる
  • 膠原(こうげん)病:関節・粘膜・血管壁・腎臓に起こる免疫異常の疾患。発熱や関節の痛みが現れる
  • ばね指:指を曲げるための腱(けん)が炎症を起こして腫れる疾患。指が曲がったまま動かなくなる
  • パーキンソン病:手足や顔面の筋肉が固まり、手足がふるえたり、動作が鈍くなったりする。顔の表情に変化がなくなる疾患
  • 繊維筋痛症:筋肉・腱(けん)・靭帯(じんたい)などに激しい痛みやこわばりを伴う疾患。全身の疲労感や倦怠感(けんたいかん)・睡眠障害を生じることもある

関節のこわばりが出やすい人

関節のこわばりが出やすい人は、ある共通点があります。自分に症状が出ているのか、チェックリストを参考に判断してみてください。

3-1.関節のこわばりが出やすい人

関節のこわばりは、男性よりも女性に多く見られる症状です。女性は男性よりも筋肉量が少なく、冷え性になりやすい傾向があります。そのため、血流が悪くなりがちなのです。また、関節に負担がかかる肥満タイプや運動不足の人・ホルモンバランスが崩れやすい人・老化が始まる40~60代の人に多く見られる症状でもあります。

3-2.チェックリスト

関節のこわばりが起きているのか、以下のチェックリストを参考に確認してみてください。

  • 起床時、手足のこわばりを強く感じる
  • 関節のこわばりが30分以上持続する
  • 手足の関節に痛みを感じる
  • 手指の関節・手首が赤く腫れている
  • 手首をねじったり、関節を動かしたりすると、痛みを感じる
  • 疲れやだるさがなかなかとれない
  • 食欲がなく、体重が減った
  • 風邪でもないのに発熱が続く
  • 家庭や仕事でストレスを感じることが多い

以上の項目に当てはまる数が多い人ほど、関節のこわばりが進行している可能性があります。すぐに病院へ行き、関節の状態を細かく検査したほうがいいでしょう。

関節のこわばりを治療する方法

関節のこわばりは、どのようにして解消するのでしょうか。受診すべき症状や病院の選び方・検査と治療法・受診の際に気をつけるポイントについて詳しく説明します。

4-1.受診すべき症状

関節のこわばりを感じる・違和感が1週間以上続く場合は、受診すべき症状です。赤く腫れた状態が治まらない場合も、すぐに受診してください。関節のこわばりは、悪化するほど治療に時間がかかります。スムーズに改善するためには、早めの治療が大切です。また、関節・骨・筋肉にかんする症状のほかに、発熱やだるさ・吐き気などの全身症状が現れている状態も、受診すべき症状といえます。「時間が経(た)てば、いずれ治る」と思わずに、きちんと検査を受けて治療を始めることが大切ですよ。

4-2.病院の選び方

関節のこわばりは、整形外科・総合内科などに診せてください。リウマチや膠原(こうげん)病の専門科がある場合は、そちらを選びましょう。原因が何なのかわからない場合は、整形外科・内科どちらかを受診してください。採血検査などで原因をハッキリさせ、適切な診療科を紹介してくれます。

4-3.検査・治療

主な検査方法としては、レントゲン撮影・採血検査・触診・視診・エックス線画像検査などが行われます。最初は、医師の問診が行われるため、できるだけ具体的な症状を伝えてください。いつごろから症状が現れたのか、どこが痛むのか、どのような症状が出ているのか、きちんと話しましょう。実際に、痛みが出ているところを動かして、関節の可動域を確かめることもあります。そして、治療法は原因によって異なるでしょう。基本は、温熱療法・薬物療法・リハビリ療法などが行われます。関節の動きをなめらかにするため、栄養素を服用することもあるのでしょう。治療を行う場合は、どのような効果があるのか、医師からきちんと説明を受けてください。

4-4.受診の際に気をつけるポイント

関節のこわばりは、疾患の初期症状としてよく見られます。そのため、受診の際は、疾患の有無をきちんと確認しておきましょう。また、持病がある方や以前にも診察を受けた方は、その旨もきちんと医師に伝えてください。

関節のこわばりを解消する方法・セルフケア

関節のこわばりを解消するためには、セルフケアも大切なポイントです。自宅でできる簡単な方法や注意点などについて詳しく説明します。

5-1.ストレッチ・ツボ

ストレッチの目的は、筋肉を伸ばしてよい状態へ持っていくことです。毎日全身をストレッチを続けることで、体がやわらかくなり、関節の可動域を広げることができます。その結果、関節の動きがなめらかになるのです。開脚をしてゆっくり足の筋を伸ばしたり、屈伸をしたり、ラジオ体操をしたり、体のストレッチを毎日続けてください。また、ツボを押すのも効果的です。たとえば、手首の甲中央にある「陽地(ようち)」は、手首の痛みをやわらげる効果があります。また、足の関節中央にある「解谿(かいけい)」は、足首の痛みに効果的です。指の腹(はら)で5秒間ほど押さえてみてください。

5-2.運動・生活習慣

関節のこわばりは、冷え性や関節の劣化が原因となるため、日ごろから運動を取り入れるのもポイントの1つです。ウォーキングやジョギング・水泳など、自分が続けやすい運動を始めてみてください。また、運動と同時に、規則正しい生活習慣を心がけましょう。1日3食、栄養バランスのよい食事をとる・睡眠をとる・運動をするという、食事・睡眠・運動のバランスを維持することが大切です。

5-3.注意点

冷え性の傾向がある方は、極力、体を冷やさないように注意してください。冷房が効いている室内や電車・バス内は、カーディガンやストールを巻くなどして温めましょう。また、暑いからといって冷たい飲みものや食べものを口にするのもNGです。

関節のこわばりを予防する方法について

関節のこわばりは、自分の行いしだいで予防ができます。予防方法や注意点をきちんと押さえておきましょう。

6-1.予防方法

日常生活の心がけこそ、1番の予防方法となります。自分自身の生活を見直しながら、以下のポイントに注目してください。

  • 湯船につかり、全身を温める
  • 毎日ストレッチを続けて、関節のまわりをやわらかくする
  • ストレスをためこまない
  • 栄養バランスが優れた食事をとる

体が硬い方は、お風呂あがりにストレッチをしてください。お風呂あがりは関節や筋肉がやわらかくなっているため、通常よりも伸びやすくなります。楽しくストレッチが続けられるでしょう。

6-2.注意点

関節のこわばりを予防するためには、毎日続けることが大切です。せっかく生活習慣を見直しても、3日坊主で終われば意味がありません。ストレッチも長く続けることで、効果を発揮します。効果を実感するまで時間がかかるかもしれませんが、地道に続けてみてください。

関節のこわばりに関してよくある質問

関節のこわばりでよくある質問を5つピックアップしてみました。

7-1.老化を防ぐためにできることとは?

規則正しい生活習慣を改善しながら、サプリメントを服用してください。食事から摂取できる栄養素は限られています。年をとるたびに老化が進行していき、必要な栄養素が足りなくなるでしょう。そのため、サプリメントから栄養を補給するのも方法の1つです。

7-2.関節のこわばりに効く食べものが知りたい

コラーゲンやグルコサミン・コンドロイチン・不飽和脂肪酸・ビタミン類が多く含まれている食べものがおすすめです。たとえば、レバー・緑黄色野菜・サバやサケなどの魚類・大豆類などが挙げられます。栄養バランスを保つためにも、レトルト食品やファストフードは避けて、自炊を心がけましょう。

7-3.妊娠中のこわばりは大丈夫か?

妊娠中はホルモンバランスが変化します。そのため、関節がこわばりやすくなる傾向があるのです。出産すると治まることがほとんどなので安心してください。妊娠中はストレスに敏感な状態となるため、あまり気にしないことが大切です。

7-4.関節のこわばりは再発するのか?

関節のこわばりは再発しやすいといわれています。しかし、きちんと規則正しい生活を過ごし、ストレッチなどの運動を続けていけば、再発を防ぐことができるので安心してください。ただし、原因がわからない場合は、疾患の可能性もあるため、受診したほうがいいでしょう。

7-5.整体院や鍼灸は効果があるのか?

関節のこわばりを感じたときに、整体院・鍼灸へ通い始める方は多く見られます。関節のこわばりに効くツボがあるように、鍼灸で症状を抑えることができるのです。また、痛みや体質に合った施術を行う整体でも、一時的に症状をやわらげることができるでしょう。

まとめ

いかがでしたか? 関節のこわばりは、体の冷えや関節の老化・疾患などが考えられます。早く対処しなければならない関節リウマチ・パーキンソン病などの疾患が関係していることもあるため、早めに受診したほうがいいでしょう。特に、症状が1週間以上続く・激しい痛みや腫れがある場合は要注意です。「放置すれば治る」と、甘く見てはいけません。また、症状をやわらげるためには、セルフケアが必要となります。規則正しい生活習慣・ストレッチなどの運動・栄養バランスの整った食事を心がけてください。ほんの少しの心がけが、症状緩和につながるでしょう。