腰痛の原因は姿勢にある!? 腰痛を起こしやすい姿勢とは?

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

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十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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腰痛は、多くの人が悩んでいる体の不調です。特に、座りっぱなしや立ちっぱなしで仕事をしている人は、腰痛になりやすいでしょう。腰痛は、放っておくと日常生活に重大な支障がでることもあるやっかいなものです。腰痛の原因はさまざまですが、何気なくとっている姿勢が、腰痛の原因となることもあります。
そこで、今回は腰痛の原因となる姿勢について解説しましょう。

この記事を読めば、腰痛の改善方法や予防方法がよく分かります。腰痛に悩んでいる人はぜひ読んでみてくださいね。

01. 腰痛の基礎知識

はじめに、腰痛の原因や腰痛になりやすい人、さらに腰痛の種類を解説します。なぜ、人は腰痛になるのでしょうか?

1-1.なぜ、腰痛は起こるのか?

人は、生物の中で唯一常時二足歩行を行います。二足歩行を行う際、最も負担がかかるのが背骨です。その中でも「腰椎」と呼ばれる腰部分の骨に最も負担がかかり、姿勢などによってさらにその負担は増します。その結果、腰椎やそれを取り囲む筋肉に何らかの障害が起こったり、腰椎内の神経が圧迫されたり損傷したりすると腰痛が発生するのです。そのほかには、内臓に疾患がある場合も、腰痛が症状として現れます。

1-2.原因不明の腰痛もある

しかし、骨や筋肉、神経に問題がなくても腰痛が発生する場合があります。これを「心因性腰痛」といい、ストレスが原因で発症することが多いのです。レントゲン検査や血液検査をしても異常が発見できず、マッサージや整体を受けても腰痛が軽減しない場合は、心因性の腰痛である可能性があるでしょう。腰痛のうち原因が特定できるのは15%ほどで、そのほかの85%は原因不明という説もあります。

1-3.腰痛の症状

腰痛の症状は、痛みのほかにしびれがあります。また、症状の出方も人によって異なり、特定の姿勢をしている時だけ痛みが出る場合もあれば、どんな姿勢をしていても痛みが軽減しないこともあるでしょう。また、腰痛をがまんしているうちに症状がひどくなり、座ることも立つこともできなくなったという例もあります。

1-4.腰痛の患者数や男女比について

腰痛の患者数は、約2,000万人以上と言われています。ですから、誰もが腰痛になる可能性があるといってよいでしょう。また、腰痛は筋肉のつき方にも関係しており、男性に比べると筋肉量の少ない女性のほうが腰痛になりやすい傾向にあります。年代別では高齢になるほど腰痛を発症しやすくなりますが、若い年代の人でも姿勢が悪かったり、重いものを持ち上げ続けていたりすると腰痛を起こしやすいでしょう。

02. 腰痛になりやすい姿勢とは?

この項では、腰痛になりやすい姿勢について解説します。腰痛になりやすい姿勢とはどのようなものでしょうか?

2-1.立っている時の姿勢

立っている時に背中が丸まってしまう、いわゆる「猫背」は背筋をまっすぐ伸ばしている時よりも腰椎に負担がかかりやすくなります。この状態で歩けば、さらに負担は増すでしょう。逆に、胸を張りすぎて腰がそっている場合も同様に腰椎へ強い負担がかかります。妊娠後期になると妊婦に腰痛が増えるのは、胎児が子宮内でかなり大きくなったため、どうしても腰がそっておなかをつき出すような姿勢になるためです。

2-2.座っている時の姿勢

いすに座っている場合は、浅く腰かけて首を前に突き出すような形にしていると、腰椎への負担が大きくなります。また、いすが高すぎて足のつま先しか床につかないような場合も、腰椎への負担が大きくなるでしょう。床に座る場合は、あぐら・横座り・立て膝など、いずれも背骨が曲がりがちで腰椎を圧迫し、負担がかかりやすいのです。

2-3.寝る姿勢

うつぶせ寝は腰がどうしてもそりかえった状態になり、腰椎に負担がかかりやすいでしょう。また、寝具が柔らかすぎる場合、腰がくの字に沈みこみ、腰椎に負担がかかります。あおむけの場合はうつ伏せよりは腰に負担がかかりにくいのですが、枕の高さが高すぎたり、逆に低すぎたりする場合は背骨が湾曲し、腰に負担がかかるでしょう。

2-4.そのほか

立っていても座っていても、長時間同じ姿勢を続けていれば、腰に負担がかかります。立ちっぱなしや座りっぱなしで仕事をしていると腰痛になりやすいのは、そのためです。また、重い荷物を持ち上げる際、足をまっすぐにのばしたままで荷物を持ち上げようとすれば、腰に多大な負担がかかるでしょう。さらに、激しいスポーツをしている人も、腰に負担がかかりやすい状態です。

03. 腰痛を予防する正しい姿勢とは?

この項では、腰痛を予防する正しい姿勢について解説します。どのような点に気をつければよいのでしょうか?

3-1.立っている時の姿勢

腰痛を予防するためには、背骨をできるだけまっすぐにのばし、骨盤と地面が平行になるように立ちましょう。背筋を伸ばして、肩を前に出さず、お尻の筋肉に力を入れて膝を曲げずに立ってみてください。いわゆる「良い姿勢」になります。胸をそらしすぎてもよくありません。歩くときは、膝を伸ばして大股に歩くことを心がけましょう。

3-2.座っている時の姿勢

いすに座る場合は、深く腰かけて背もたれに背中を軽く預けましょう。肩を前に突きだしてはいけません。パソコン等のモニターを見る場合は、いすに腰かけた時に、モニターを軽く見下ろすくらいの高さがおすすめです。モニターを見上げなければならない場合は、いすが低すぎます。いすが高すぎて床につま先しかつかない場合は、踏み台等を置いてください。
床に座る場合は、正座がおすすめです。長時間床に座らなければならない場合は座椅子等を使用し、横座りやあぐらをかかないようにしましょう。

3-3.寝る姿勢

くつろいでいる時に横になる場合は、うつぶせ寝をやめましょう。眠る時は、横向きの姿勢がおすすめです。あおむけで眠る場合は、枕の高さを工夫したり足の下に毛布等を置いたりして、腰だけが沈みこまないように気をつけます。寝具は、柔らかいものよりもある程度硬いほうがおすすめです。

3-4.そのほか

座りっぱなし・立ちっぱなしで仕事をしている場合は、1時間に1回程度の割合で、体を動かしましょう。腰を左右にひねるだけでも違います。また、重いものを持つ場合は腰を落としてから持ち上げましょう。ぎっくり腰の予防にも効果的です。

3-5.注意点

腰痛になりやすい姿勢を保つのは、筋力が必要です。また、猫背を治すことは、意識するだけでは難しいこともあるでしょう。猫背矯正ベルトなどを使用するのもおすすめです。さらに、高齢になるにつれて布団や床での生活よりも、いすに座ってベッドで寝るほうが腰への負担が軽くなります。ですから、40代以降になったら生活のスタイルを見直してみましょう。

04. 腰痛の改善策や予防方法

この項では、腰痛の改善策や予防方法を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

4-1.筋力をつけよう

正しい姿勢を取ると、背骨が伸びて骨盤が地面と平行になります。この姿勢を続けるには筋力が必要です。座り仕事をしており、通勤は車という場合は、腰の筋力が衰えがちになります。

  • あおむけに寝て、足を90度の角度まで反動をつけずに上げ下げする
  • うつぶせに寝て、胸と足先を同時に反らし、床から離す
  • 横向きに寝て足を上下に重ね、片方の足をできるだけ高く上げる

などの筋力トレーニングを1日10セットずつ行ったり、ウォーキングなどをして筋力を鍛えましょう。直立して胸を張り、おなかをへこましたり膨らませたりして腹式呼吸をするだけでも、ある程度筋肉は鍛えられます。

4-2.太りすぎない

体重が重いとどうしても腰に負担がかかります。健康診断などで太り気味、太り過ぎを指摘されたら、ゆるやかでもよいですからダイエットをしましょう。前項でご紹介した運動と食事制限を併せると効果的です。

4-3.コルセットを巻く

コルセットを巻くと、筋肉の代わりに腰椎を支えてくれますので腰痛防止や腰痛の軽減に役立ちます。特に、重いものを持ち上げる機会が多い場合は、コルセットを巻きましょう。

4-4.注意点

腰痛は誰にでも起こりうる体の不調ですが、安静にしていても痛みが取れず、1週間以上全く痛みが改善しないという場合は、病院を受診しましょう。整形外科を受診すれば、腰椎がどのような状態になっているかを検査してくれます。また、整体は医療行為ではありません。腰痛が和らがない場合はまず整形外科を受診して腰痛の原因をつきとめ、その上で筋肉をほぐして腰痛を改善する目的で施術を受けましょう。

05. 腰痛と姿勢に関するよくある質問

Q.腰痛は、何歳くらいから発症しますか?
A.腰を酷使していれば、10代後半でも発症する可能性はあるでしょう。

Q.腰痛は、自然治癒しますか?
A.軽い腰痛なら自然治癒もあり得ますが、どのような姿勢を取っても痛みが緩和しない場合は、病院での治療が必要です。

Q.ぎっくり腰とはどのような状態でしょうか?
A.ぎっくり腰とは、腰の筋肉が捻挫をしたような状態になります。ですから、冷やすと痛みが和らぐでしょう。捻挫ですから、再発もします。

Q.腰痛になりやすい骨格というのはあるでしょうか?
A.ご説明したとおり、腰痛は腰椎に負担がかかることによって発症します。腰痛を発症しやすい骨格はありません。

Q.腰痛を悪化させるようなことには、どのようなものがあるでしょうか?
A.同じ姿勢を長時間続けたり、重いものを1人で持ち続けたりすると余計に腰痛が悪化します。気をつけましょう。

06. おわりに

いかがでしたか? 今回は腰痛の原因になりやすい姿勢などを解説しました。猫背や座る姿勢は、自分ではなかなか気がつかないこともあります。肩こりがしやすい人は腰痛にもなりやすい傾向にありますので、気をつけましょう。ほかの人から見て「美しい」と思われるような姿勢を心がけるとよいですね。