コレステロールを下げて健康になるためのポイント

コレステロールを下げる方法が知りたい! 健康になるためのポイント

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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健康的な体は、コレステロールを一定量に調節する機能がきちんと働いています。しかし、コレステロールを摂取し過ぎたり、一定量に調節する機能が働かなくなったりすると、血液中のコレステロールが増加するのです。コレステロールの増加は、生活習慣病や甲状腺機能の低下・ネフローゼ症候群などの病気と関係しています。悪化させないためにも、すぐにコレステロール値を下げる工夫を凝らさなければなりません。そこで、本記事では、コレステロールの基礎知識や健康との関係性・コレステロールを下げる方法について説明します。

この記事を読むことで、コレステロールを下げる方法や健康体になるためのポイントがわかります。現在、悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

コレステロールの基礎知識

コレステロールを下げる前に、一体どのようなものなのか知っておかなければなりません。コレステロールの概要やメカニズム・役割・重要性について説明します。

1-1.コレステロールとは?

私たちの体にとって、コレステロールはどのような働きをするのでしょうか。コレステロールを下げるためにも、働きやメカニズムなどをきちんと知ることが大切です。

1-1-1.概要

コレステロールは、体内に存在する脂質の1種です。脂質=無駄なものと思いがちですが、コレステロールは生きていく上で必要不可欠な脂質と言えます。コレステロールは体全体に存在しており、食べものから摂取するものと肝臓で作られたものがあり、必要なコレステロールの3分の2は体内で作られ、残りの3分の1は食べものから摂取しているのです。1日に1,000~1,500mgのコレステロールが必要と言われています。

1-1-2.メカニズム

コレステロールの分子は、人間の細胞膜を構成しており、生命を維持するために重要な役割を果たしています。
食べものから得たコレステロールは、小腸から吸収され、リポタンパク質として血液中を巡る仕組みです。血液を巡るにつれて、酵素の働きで中性脂肪が分離します。ここで生まれるのが、LDL(悪玉)コレステロールです。LDL(悪玉)コレステロールは、各組織に運ばれますが、量が増え過ぎてしまうと動脈硬化などの症状を起こしてしまいます。
そして、コレステロールを体内で生成するメカニズムには、アセチルCoAと呼ばれる成分が関係しているのです。アセチルCoAと脂肪酸・ブドウ糖・タンパク質などの成分が合成することで、コレステロールが生まれます。

1-1-3.役割

コレステロールは、3つの役割を担っています。1つ目は、細胞膜を構成することです。細胞膜は、細胞質と細胞外環境を隔てる膜のことで、細胞の形態を維持しています。コレステロールは、その細胞膜を形成するために必要な成分です。2つ目は、消化液となる胆汁酸の生成、脂肪の消化吸収を助ける働きがあります。3つ目は、副腎皮質ホルモンや性ホルモンなどの生成です。副腎皮質ホルモンは、炎症の制御・免疫反応などさまざまな生理学系に関係しているもので、性ホルモンは、外形的性差や精子・卵子の成熟などに関係しているホルモンとなります。

1-2.重要性

コレステロールの役割でわかるように、生命を維持するためには大切な成分と言えます。血液・脳・脊髄(せきずい)・筋肉などのあらゆる機能を正常に動かす成分です。ある程度のコレステロールがなければ、機能に不具合が起きるなどのトラブルが生じます。しかし、過剰なコレステロールは悪影響を与える恐れがあるのです。コレステロールの役割が果たせるかどうかは、量とバランスが大切でしょう。

コレステロールと健康について

それでは、コレステロールと健康の関係について説明します。HDL(善玉)とLDL(悪玉)や数値・関連する病気について確認しておきましょう。

2-1.HDL(善玉)とLDL(悪玉)

コレステロールは、善玉コレステロールと呼ばれるHDL(High-Density lipoprotein)と、悪玉コレステロールと呼ばれるLDL(Low-Density lipoprotein)が存在しています。本来、コレステロールに善悪はありませんが、それぞれの役割が異なるので違いを把握しておかなければなりません。HDL(善玉)は、血液中に残ったコレステロールを回収して肝臓へ運ぶ役割があります。回収されたコレステロールは、胆汁液の材料になったり、排泄(はいせつ)されたりする仕組みです。そして、LDL(悪玉)は、コレステロールを全身に巡らせる運搬役となります。LDL(悪玉)が増加すれば、血液中に残り、酸化→動脈硬化の恐れがあるので注意が必要です。

2-2.数値について

コレステロールは基準値がきちんと定められています。総コレステロールの基準値は150~300mg/dl(ミリグラム・パー・デシリットル)、HDL(善玉)は~139mg/dl、LDL(悪玉)は40~99mg/dlです。HDL(善玉)が基準値以内の場合は「低HDLコレステロール血症」、LDL(悪玉)が基準値以上の場合は「高LDLコレステロール血症」となります。

2-3.関連する病気について

血中のLDL(悪玉)コレステロールが基準値以上の状態が長く続くと、さまざまな病気を引き起こしてしまいます。以下に、関連する病気をいくつかピックアップしてみました。

  • 脂質異常症:中性脂肪値も基準値より高くなる症状
  • 動脈硬化:静脈・冠動脈・脳動脈などの太い動脈に起こる血管の硬化
  • 脳卒中:脳梗塞・脳出血など脳の血管が詰まることで起こる病気
  • 狭心症:心臓に血液が行きわたらなくなり、胸の痛みや息苦しさを感じる病気
  • 心筋梗塞:冠動脈が血栓で完全に詰まる状態
  • 動脈瘤(どうみゃくりゅう):動脈硬化によって動脈がふくれる状態

2-4.そのほか

LDL(悪玉)は、ほかにもさまざまな症状を引き起こします。たとえば、高血圧・糖尿病などの生活習慣病や痛風・脂肪肝です。不健康な状態になるため、健康のカギをにぎっているのはHDL(善玉)と言えるでしょう。コレステロールの役割を果たすためには、LDL(悪玉)を基準値内に収め、HDL(善玉)の働きを活性化させることが大切なのです。LDL(悪玉)の量が増えている方は、コレステロールを減らす努力をしなければなりません。

コレステロールを下げる方法について

LDL(悪玉)コレステロール値の上昇は、日常生活が大きく関係しています。ここでは、値を減らす方法をいくつかご紹介していきましょう。

3-1.悪玉コレステロールを下げる

LDL(悪玉)コレステロールを下げる方法としては、食事・運動・薬の3点が挙げられます。それぞれ、一体どのような方法になるのでしょうか。

3-1-1.食事

インスタント食品やコンビニエンスストアのお弁当・ファストフードなどの食生活は、LDL(悪玉)コレステロールを増やす要因です。偏った食生活を続けていては、一向に数値が下がらないので見直しましょう。外食が続いている方も注意が必要です。きちんと栄養のある食生活をするためにも、できるだけ自炊を心がけてください。LDL(悪玉)コレステロールを下げる食品は、野菜・大豆食品・果物類・乳製品などです。

3-1-2.運動

適度な運動によって、LDL(悪玉)コレステロール値を下げることができます。人間の体脂肪は中性脂肪から構成されていますが、中性脂肪の過剰摂取はLDL(悪玉)を増やす要因です。ジョギングやウォーキングなどの運動を適度に取り入れることでカロリーが消費でき、余計な中性脂肪を減らすことができます。また、筋肉量がアップし、自然と基礎代謝も上がるのです。激しい運動をしなくても、軽めのジョギングやウォーキング・ストレッチでも十分なので、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。

3-1-3.薬

日常生活で工夫を凝らしてみてもLDL(悪玉)コレステロール値が下がらない場合は、薬を服用するのも選択肢の1つです。使用される薬としては、LDL(悪玉)コレステロールの生成を抑制する「スタチン系薬剤」が挙げられます。ドラッグストアなどでも手に入りますが、筋肉痛・脱力感・呼吸困難などの副作用が現れる恐れがあるので注意してください。薬を服用したい場合は、きちんと病院で検査してから処方してもらいましょう。

3-2.善玉コレステロールを上げる方法

LDL(悪玉)コレステロールを下げると同時に、HDL(善玉)コレステロールを上げる努力もしてください。これから、HDL(善玉)を増やす方法をいくつか紹介します。

3-2-1.食事・栄養素

日常生活でHDL(善玉)を増やす方法としては、食事が挙げられます。HDL(善玉)を増やす食品・栄養素は、EPAやDHAなどが多く含まれている魚類です。DHAはLDL(悪玉)コレステロール値を下げる効果があり、DHAは血液をサラサラにしてHDL(善玉)を増やす効果があります。ほかにも、海藻類に含まれる食物繊維やキノコ類に含まれるキチンやキトサンがおすすめです。

3-2-2.有酸素運動

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、体脂肪燃焼効果だけでなく、HDL(善玉)を増やす効果もあります。体を動かすほど、HDL(善玉)が増えるので歩くことを意識してください。また、プランクと呼ばれる体幹トレーニングもおすすめです。基本的なやり方を以下にまとめたので、ぜひチェックしてください。

  1. 肘・膝・つま先を床についた姿勢をとる
  2. 肘を床についたまま、腕立て伏せの姿勢を保つ(10~30秒間ほどキープ)

プランクのポイントは、頭を下げたり、腰を反(そ)ったりしないことです。頭からつま先まで、一直線になるように姿勢を保ってください。

3-2-3.薬

HDL(善玉)コレステロールを増やす代表的な薬は、「フィブラート系」の薬です。ベザトールやリピディルなどが主に使われています。副作用はほとんどありませんが、稀(まれ)に筋肉が痙攣(けいれん)を起こすことがあるので注意が必要です。薬を服用する際は、必ず病院から処方されたものを使用してください。

3-3.気をつけたい生活習慣について

偏った食生活や昼夜逆転などの不規則な生活習慣は、LDL(悪玉)コレステロール値が上がる要因です。LDL(悪玉)コレステロール値が高めの人は、ほとんどが荒れた生活習慣になっています。睡眠不足状態が続いたり、夜更かしをしたり、アルコールを摂取し過ぎたりと、生活習慣の乱れに気をつけてください。生活が荒れている方は、規則正しい習慣に戻していきましょう。

3-4.治療について

LDL(悪玉)コレステロール値が上昇している場合は、食生活と生活習慣の改善が基本的な治療です。医師の指導に基づき、一定期間、数値の改善を観察します。食生活と生活習慣の改善で数値が下がらない場合は、薬物治療が必要と判断されるでしょう。LDL(悪玉)を下げる薬が処方されるため、1日の服用量を守って服用してください。

コレステロールに関してよくある質問

コレステロールに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.LH比とは?
A.LH比は、HDL(善玉)とLDL(悪玉)の比率です。LH比が2.5以上になると、心筋梗塞などのリスクが高まると言われています。LH比の計算方法は、LDL(悪玉)÷HDL(善玉)です。たとえば、LDL(悪玉)が100mg/dl、HDL(善玉)が50mg/dlの場合は、LH比が2となります。

Q.HDL(善玉)コレステロールが減る原因とは?
A.生活習慣が大きく関係しています。肥満・過度の喫煙・暴飲暴食・運動不足・揚げものの過剰摂取が代表的な原因です。また、服用中の薬剤やホルモン剤の投与が関係している場合もあります。

Q.コレステロール値が高くなりやすい人とは?
A.男性よりも女性のほうが、LDL(悪玉)の上昇が目立ちます。女性の場合は、更年期障害による女性ホルモン分泌の低下や筋肉量の減少などが原因です。過度なダイエットも原因の1つとして注目されており、中性脂肪の値は正常値なのに、LDL(善玉)コレステロールだけ高い特徴があります。食生活を見直す必要があるでしょう。

Q.LDL(悪玉)コレステロール値が上がるNG行為とは?
A.LDL(悪玉)は、ストレスと密接な関係があります。過剰なストレスを感じる人ほど、LDL(悪玉)コレステロールが増加し、血管や血管壁に沈着するのです。その結果、血流障害が起きやすくなります。ストレス解消を心がけるのも、LDL(悪玉)を減らすポイントです。

まとめ

いかがでしたか? コレステロールは悪いものと思いがちですが、体に必要な成分です。HDL(善玉)とLDL(悪玉)のバランスが取れているからこそ、役割をしっかり果たすことができます。しかし、LDL(悪玉)の量が増えてしまえば、バランスが崩れて中性脂肪の増加や心筋梗塞などを引き起こしやすい状態になりがちです。健康的な体でい続けるためには、食生活と生活習慣を改善しなければなりません。基本的な生活が乱れている方は、この機会に見直しましょう。規則正しい生活習慣・栄養バランスの整った食生活を心がければ、コレステロールのコントロールができます。