朝に出るくしゃみの原因や対処法とは? ~快適な朝を迎えるために~

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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「朝からくしゃみが止まらない」「くしゃみと同時に鼻水が出るのはなぜ?」など、朝から出るくしゃみや鼻水に悩んでいる方は多いでしょう。一般的に、くしゃみは体内に入る有害物質を外に排出するために出るものです。ただし、朝に出るくしゃみには、アレルギー性鼻炎や花粉症などの可能性もあります。そのまま放置していると、さらに症状が悪化するものです。そこで、本記事では、くしゃみの基礎知識や朝のくしゃみの原因・対策法・考えられる病気などについて詳しく説明します。

この記事を読むことで、朝のくしゃみから解放されるために必要な情報を知ることができます。くしゃみや鼻水で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

くしゃみについて

くしゃみが長く続くほど、体に大きな負荷がかかりますよね。朝、何度もくしゃみが出るたびに、「風邪かな?」「何か病気になっているのかな」と不安になるものです。まずは、くしゃみとは何なのか、主な原因やメカニズムについて詳しくチェックしておきましょう。

1-1.くしゃみとは

1回または数回、痙攣(けいれん)状の呼気を行った後に強い呼気をすることを、くしゃみといいます。くしゃみは不随意運動で、、意志に基づかない不合理な運動のため、自力で抑えることができません。一般的な生理現象のため、くしゃみだけで病気の判断は難しい傾向があります。病気かどうか判断するためには、くしゃみ以外に症状が起きていないかどうか、確認しなければなりません。

1-2.主な原因

くしゃみを起こす原因は、大きくわけて、「体温をあげるための生理現象」と「鼻腔(びくう)内のホコリなど異物を排出するための噴出機能」が挙げられます。呼吸は、鼻から息を吸いこんで行うものです。吸いこんだ空気が冷たく、鼻腔(びくう)内の体温が著しく下がったときは、鼻腔(びくう)内の知覚神経が、脳に体温をあげる命令を出します。その結果、くしゃみが出るというわけです。また、異物が体内に入ると、排出しようと免疫細胞が働き、くしゃみや鼻水が出てきます。ほかにも、物理的な刺激・刺激物質の吸引・花粉症などのアレルギー反応などが原因です。

1-3.くしゃみが出るメカニズム

先ほど、主な原因について説明しましたが、くしゃみが出るメカニズムは知覚神経が関係しています。たとえば、アレルギー反応を起こしているときは、アレルゲンなど刺激物質の吸引によって肥満細胞からヒスタミンが分泌される仕組みです。分泌されたヒスタミンは、鼻粘膜の知覚神経(三叉(さんさ)神経)にあるヒスタミン受容体と結合します。それが伝わり、刺激を受けたくしゃみ中枢から遠心性インパルスが神経を通って、顔面筋・喉頭筋に流れてくしゃみが起こるというわけです。ただし、現在、詳細なメカニズムは明確になっていません。

1-4.季節や時間との関係について

花粉量が多くなる春や秋、気温の変化が見られる季節の変わり目は、くしゃみが出やすいといわれています。また、くしゃみはアレルギー反応以外にも、自律神経の乱れが関係しているものです。自律神経は、体を緊張させる交感神経とリラックスさせる副交感神経のバランスで成り立っています。交感神経が活性化するほどバランスが崩れて、くしゃみが起こりやすくなるのです。交感神経が活性化しやすい朝~昼間の時間帯は、1日の中でもくしゃみが出やすい時間といえるでしょう。くしゃみは、季節や時間と深く関係していることがわかります。

朝のくしゃみについて

なぜ、朝にくしゃみがたくさん出てくるのでしょうか。朝のくしゃみにかんする主な症状や原因・概日リズム・モーニングアタックについて詳しく説明します。

2-1.主な症状

「朝はくしゃみが連続で出る」など、悩んでいる方が多いのではないでしょうか。朝のくしゃみは“連続性”が特徴です。1回だけでなく、数回連続でくしゃみが出ることが多いでしょう。1回だけでも体に負担がかかるため、連続となるとさらに負担がかかってしまいます。ほかにも、連続のくしゃみと同時に、鼻水や鼻づまりが起こる方もいるのです。

2-2.なぜ朝に出るのか

実際に、大手製薬会社のエスエス製薬が行った調査によると、アレルギー反応からくる症状が最もつらいのは、「起床時」と答えた人が全体の2割を占めました。ロート製薬の調査によると3割、コンタック総合研究所のアンケートでは半数近くの人が朝の症状を訴えています。朝にくしゃみが出る原因は、アレルギー性と自律神経の乱れが大半を占めているのです。アレルギー反応を起こすアレルゲンが体内に入ることで、くしゃみが出ます。また、ストレスを過度に感じている人ほど、朝にくしゃみが出るというわけです。

2-3.概日リズムについて

“概日リズム”という言葉をご存じでしょうか。概日リズムとは、約24時間周期で変動する生理現象のことです。通常、太陽を浴びてから15時間経過すると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が始まります。夜中2時ごろに分泌のピークを迎え、朝が近づくと同時に分泌量が低下する仕組みです。そして、再び朝日を浴びるとリセットされます。この順番をくり返すのが、概日リズムなのです。生活習慣や夜間の照明などで、このリズムが崩れることが、くしゃみに関連する自律神経の乱れを引き起こすことがあります。

2-4.モーニングアタック

花粉症などのアレルギー性鼻炎を持っている方は、モーニングアタックが起きやすくなります。モーニングアタックとは、起きがけに鼻水・発作的なくしゃみなどの症状が起きることです。モーニングアタックに悩まされる人は多く、「朝」に起きるのが特徴といえます。1日の始まりである朝に症状が起きると、体に負荷がかかるだけでなく、気分も落ちこんでしまいがちです。

朝のくしゃみの対策法

朝のくしゃみは、どうすれば対処できるのでしょうか。原因を踏まえつつ、アレルゲンとの接触・生活習慣の改善・寝起きにするといいことなどについて詳しく説明します。

3-1.アレルゲンとの接触

朝のくしゃみが起きる原因の中には、アレルゲンとの接触があります。アレルゲンに当てはまるものは、ホコリ・ダニ・ノミ・ペットの毛・花粉などです。できるだけ、アレルゲンと接触しないためにセルフケアを徹底させていきましょう。たとえば、常に生活環境を清潔にする・花粉量が多い日は外出や換気を控えるなどが挙げられます。特に、部屋をキレイな環境にすることは大切です。ホコリやダニ・ノミがたまるほど、アレルゲンと常に触れ合う生活環境になってしまいます。シーツなどの寝具をこまめに洗う、掃除機で吸い取るなどの対策をしていきましょう。

3-2.生活習慣の改善

朝のくしゃみを改善するためにも、規則正しい生活習慣を心がけてください。不規則な生活習慣は、アレルギー反応が起こりやすい体質になってしまいます。また、概日リズムや自律神経が乱れてしまうため、くしゃみが起こりやすくなるのです。生活リズムを整える・睡眠をきちんと確保する・栄養バランスの整った食生活を続けていきましょう。規則正しい生活を送ることで、アレルゲンに対抗できる力が手に入ります。

3-3.寝起きにするといいこと

寝起きに手足をじっくり動かしてみてください。できれば、起き上がる前に動かすといいでしょう。手足を動かすことで、体の緊張状態や筋肉がやわらかくなり副交感神経が活性化します。副交感神経は体をリラックス状態へ導くため、くしゃみなどのアレルギー症状が抑えられるのです。目が覚めたら、5分ほど手をにぎる・足を開く・ばたばたさえるなど動かしてください。自然と頭もスッキリして、爽やかな朝を迎えられます。

3-4.薬は就寝前に飲む

服用している薬があれば、就寝前に飲んでください。できれば、就寝の30分前~3時間前が好ましいです。就寝前に飲むことで、寝つきに効果が現れてきます。また、アレルギー性鼻炎に使うことが多い抗ヒスタミン薬のメキタジンは、夜に服用したほうが効果的です。鼻水・鼻づまり・鼻のかゆみなどのアレルギー症状が少しずつやわらぐでしょう。

3-5.ストレス

ほかの対策としては、自律神経を整えるためのセルフケアがあります。それは、ストレスフリーの生活です。現代はストレス社会といわれており、常に感じている方も多いことでしょう。しかし、ストレスは自律神経が乱れる要因です。神経バランスを保つためにも、適度な運動や睡眠などストレス解消となる生活を送ってください。また、自分でストレス解消できることを見つけて実践するといいでしょう。

くしゃみから考えられる病気とは

くしゃみから考えられる病気は、アレルギー性鼻炎・花粉症・風邪などが挙げられます。病気になっている場合は、すぐに対策を立てていかなければなりません。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

4-1.アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は、アレルギー反応を起こすアレルゲンの吸引によって鼻水・鼻づまり・くしゃみなどが発生します。種類は、1年中アレルギー反応が起こる「通年性アレルギー性鼻炎」と、限定された季節だけ起こる「季節性アレルギー性鼻炎」の2種類です。原因のほとんどは、アレルゲンと呼ばれる物質であり、体内に入りこんだものを排除していかなければなりません。そうすれば、自然とアレルギー症状もやわらぐでしょう。

4-2.花粉症

花粉症はアレルギー性鼻炎の1つであり、季節性アレルギー性鼻炎に分類されます。花粉症の原因となるのは、スギ・ヒノキなどの花粉です。特に、花粉の飛散量が多くなる2月下旬~4月ごろに花粉症の症状に悩まされる方は多いことでしょう。花粉症は慢性化する恐れもあるため、早めに対処しておかなければなりません。

4-3.風邪

風邪の症状としてくしゃみが出ることがあります。くしゃみが頻繁に出てくると、「風邪でも引いたかな?」と、多くの方が感じるはずです。風邪の見わけがつく症状といえば、くしゃみのほかに喉の腫れや痛み、熱が伴うでしょう。風邪が悪化すると、免疫力が弱まり、さまざまなウイルスや菌が体内に浸入しやすくなるのです。

朝のくしゃみにかんしてよくある質問

朝のくしゃみにかんしてよくある質問を5つピックアップしてみました。症状に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

5-1.朝のくしゃみによって起こる生活への影響とは?

朝のくしゃみや鼻水などのアレルギー反応が起こることで、生活に与える支障はさまざまです。気分が優れない・機嫌が悪くなる・仕事のミスが増える・朝食がおいしくなくなるなど、悪影響は数え切れません。

5-2.概日リズムを整えるためにできることとは?

昼夜逆転生活が続いている人ほど、概日リズムが乱れています。そのため、まずは、“朝日を浴びること”に集中してください。朝日を浴びることで、乱れたリズムがリセットできます。そして、早寝早起きを徹底していきましょう。

5-3.空気清浄機や加湿器は効果があるのか?

花粉やホコリ・ダニ・ノミなどのアレルゲンを排除するのに有効です。空気清浄機は床にたまっているホコリ・ダニ・ノミを取りのぞくことができます。空気の乾燥も鼻や喉の粘膜に悪影響が出るものです。冬などは、加湿器を上手に活用しましょう。

5-4.病院に行くべき症状とは?

花粉症などのアレルギー反応が長く続く・くしゃみが1週間以上止まらない・頭痛がひどいなどの症状が現れた場合は、すぐに病院へ行ってください。また、セルフケアをしても症状が治まらない場合も病院に行ったほうがいいでしょう。

5-5.朝のくしゃみを防ぐポイントとは?

何度も伝えますが、朝のくしゃみを防ぐ最大のポイントは“日常生活の改善”です。規則正しい生活を送ることで、アレルギー症状が穏やかになったという方はたくさんいます。効果を実感するまで時間を要することもありますが、地道に生活習慣を正しくしていきましょう。

まとめ

いかがでしたか? 朝のくしゃみは花粉・ハウスダスト・ホコリ・ダニ・ノミなどのアレルゲン物質や、自律神経の乱れが関係しています。朝から連続してくしゃみが出てくると、体に大きな負荷がかかるでしょう。症状をやわらげるためにも、朝起き上がる前に手足を動かしてみてください。交感神経が活性化し、自律神経の乱れを改善する効果が期待できるでしょう。また、日ごろの生活習慣が大きく関係しているため、改善を心がけるだけでも症状がやわらぐ可能性があります。