マイコプラズマ

マイコプラズマの検査・診断方法が知りたい! 特徴や治療法は?

マイコプラズマといえば肺炎が有名ですが、関節リウマチや慢性疲労症候群などの難病の原因の1つだと判明しています。マイコプラズマは、特殊な細菌で、最近の中で最も小さく、ウイルスよりやや大きい点が特徴です。検査が難しいといわれていましたが、医療技術の進展で検査ができるようになりました。しかし、早めに治療をしなければ、状態が悪化するので注意が必要です。

本記事では、マイコプラズマ感染症や検査・治療法などについて説明します。

  1. マイコプラズマの基礎知識
  2. マイコプラズマ感染症について
  3. マイコプラズマの検査について
  4. マイコプラズマの新しい検査方法とは
  5. マイコプラズマ感染症の治療方法
  6. マイコプラズマに関してよくある質問

この記事を読むことで、マイコプラズマの検査・診断や治療法などについて知ることができます。悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

1.マイコプラズマの基礎知識

マイコプラズマの検査や治療法を知る前に、基礎知識をきちんと把握しておかなければなりません。菌の特徴や種類、怖さについて詳しく説明します。

1-1.どんな菌か?

マイコプラズマとは、ウイルスと細菌の中間に位置している病原菌の1種です。ウイルスよりやや大きく、細菌の中では小さい特徴があります。生物学的には細菌に分類されていますが、ほかの細菌とは違って、細胞壁を持っていません。顕微鏡で観察すると、さまざまな形をしていることが分かります。また、マイコプラズマが起こす主な病気はマイコプラズマ感染症で、その中でもマイコプラズマ肺炎を発症させるケースが多いのです。

1-2.種類について

マイコプラズマの種類は、今のところ、約120種類あるといわれています。代表的な病気である「マイコプラズマ肺炎」の場合、マイコプラズマ・ニューモニエやマイコプラズマ・ファーメンタンスという種類のマイコプラズマがあるのです。

1-3.特徴・怖さについて

一般的の細菌は、細胞膜に包まれており、さらに細胞膜が細胞壁に包まれています。しかし、マイコプラズマは、細胞壁がなく、細胞膜がむき出しになっている状態です。また、ほかの細菌よりも小さく形を変えられるため、体の中に侵入しやすい特徴があります。感染力は強いので注意しておかなければなりません。
さらに、マイコプラズマが原因の肺炎は、自覚症状が乏しく、判明したときには重症化していることが多いのです。幼児期から青年期まで、幅広い世代が発症する病気でもあるため、自分には関係ない病気だといいきることはできないでしょう。

2.マイコプラズマ感染症について

マイコプラズマ感染症の症状や特徴・併発症状・肺炎以外の関連病気について説明します。

2-1.主な症状

マイコプラズマが体内に侵入すると、約2~3週間の潜伏期間を経てから症状が現れます。主な症状は、発熱・咳(せき)・頭痛・全身倦怠感(けんたいかん)などと、風邪の症状に似ているでしょう。風邪の症状と似ているからこそ、マイコプラズマが関係していると気づきにくいのです。

2-2.症状の特徴

初期は、咳が長期間続き、症状がすすむにつれて激しくなります。熱が出てくることもあり、マイコプラズマ肺炎になると、39℃近くも上昇することがあるのです。ただし、高熱が続くわけではなく、1日で熱が下がったと思えば、すぐに上がるという変化をくり返す傾向があります。風邪の症状は、ウイルス・菌が体内からいなくなれば、症状がなくなるものです。しかし、マイコプラズマの場合は、症状が1~2か月以上続くことがあります。いつの間にか重症するケースもよくあるので、早めに気づき治療を受けなければなりません。

2-3.併発症状

咳・発熱・倦怠感・頭痛が代表的な症状ですが、ほかにも、精神的な症状が出てきます。たとえば、癇癪(かんしゃく)がひどくなったり、八つ当たりをしたりするなど、感情的になることです。ストレスを強く感じるため、全身状態が良くなったとしても精神的な元気が出なくなります。特に、子どもの場合は、だるさや倦怠感(けんたいかん)が身体的な症状とともに現れるでしょう。些細なことで気分を害してしまうことがあるため、精神的なケアも大切です。

2-4.肺炎以外に関連が考えられる病気とは

マイコプラズマ感染症は、感染した人の約25%に肺以外の疾患が併発することが分かっています。肺以外の疾患といえば、皮膚炎・関節炎・胃炎・神経症状である脳炎や髄膜炎などです。多彩な疾患の原因になり得る感染症だということを、きちんと把握しておかなければなりません。また、喘息(ぜんそく)やリウマチ性疾患・神経疾患などの難病も併発する可能性があります。

3.マイコプラズマの検査について

マイコプラズマの検査方法は、どのような内容なのでしょうか。必要性や検査の難しさについて説明します。

3-1.検査の必要性

マイコプラズマの感染経路は、飛沫感染となります。咳やくしゃみなどで飛び出した細菌が、空気中を通ってほかの人の体内へと侵入するのです。マイコプラズマ感染症は集団ごとに感染するおそれがあるため、早めに感染源を見つけて対処しなければなりません。自覚症状が乏しい感染症だからこそ、検査の必要があります。

3-2.検査の難しさについて

マイコプラズマは、ほかの細菌よりも検査が難しい種類とされてきました。なぜなら、ほかの細菌とは違い、細菌を育てて調べる培養検査が困難だからです。また、血液中のマイコプラズムに対する抗体を調べる検査においても、正確な数値を出すのは困難でした。しかし、近年の医療技術の発達により、新しい検査方法が登場したのです。

4.マイコプラズマの新しい検査方法とは

検査が難しいとされていたマイコプラズマですが、新しい検査方法の登場によって、きちんと検査できるようになりました。その方法が、マイコプラズマ脂質抗原体検査です。マイコプラズマ脂質抗原体検査とは、マイコプラズマの細胞膜にある特殊な物質・脂質抗原を発見して、それに対する特異的な抗体を調べる方法となります。新しい検査方法によって、感染を早期かつ確実に診断できるようになりました。まさに、画期的ともいえる方法でしょう。
検査のやり方は、2012年より指定医療機関で行います。具体的には、微生物由来の抗原とそれに反応する血液中の抗体の量を、酵素を標識にして調べるものです。

5.マイコプラズマ感染症の治療方法

マイコプラズマ感染症の治療は、早めに受けることが大切です。適切な治療を素早く受けるためにも、病院選びや治療法・費用・注意点などについて説明します。

5-1.病院選びについて

急性から慢性まで、多彩な症状が現れ難病化しやすいマイコプラズマ感染症は、最先端の技術がそろっている病院で治療を行うことが好ましいです。病院を選ぶ際は、マイコプラズマ感染症に詳しい、治療の実績を持っている「指定医療機関」をおすすめします。指定医療機関は、全国に23か所存在しており、感染症専門外来を設置している病院もあるのです。こちらのページ(エムバイオテック株式会社)で記載されているので、近場の病院をチェックしてみてください。

5-2.治療法とは

マイコプラズマの治療法は、抗生物質の服薬が中心となります。体内に侵入している菌を体外へ排出しなければなりません。抗生物質の服薬治療を行いながら、様子を見ていきます。発熱や呼吸困難の症状が現れているなど、症状がひどい場合は入院をすることもあるでしょう。マイコプラズマは、不治の病ではないので、きちんと病院へ通い治療を行えば症状が緩和します。

5-3.費用について

検査や治療費など、いくらかかるのか気になる方が多いと思いますが、検査は約5,000円、外来治療の場合で約5,000~1万円となるでしょう。入院となれば、日数に比例して医療費がかさむことになります。マイコプラズマは感染が怖いため、個室になることが多く、3割負担でも40万円以上かかるケースが多いようです。具体的な費用に関しては、病院に問い合わせてみてください。

5-4.注意点

「ただの風邪だから……」と勝手に決め付けるのではなく、受診して検査を受けることが大切です。マイコプラズマに感染している場合、症状が重くなる傾向があります。症状によって治療期間が長くなり、費用がかかる可能性があるので早めに受診することが治療費の節約にもなるのです。重症の場合は、治療に1か月以上かかることもあります。
また、喘息の治療薬などほかの病気で服用している方は、抗生剤を服用する前に、その旨を医師に伝えてください。薬を併用することで、副作用を起こす可能性があります。

5-5.そのほか

マイコプラズマ感染症の代表的な病気となる「マイコプラズマ肺炎」は、ストレスが大きく関係していることがあります。これは、大人に多く見られる原因です。精神的ストレスを強く感じることで、交感神経が活性化し、自律神経のバランスが崩れてしまいます。免疫力低下にもつながるため、体内から菌が排出できなくなるのです。

6.マイコプラズマに関してよくある質問

マイコプラズマに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。気になっている方は要チェックです。

6-1.マイコプラズマの予防法が知りたい

マイコプラズマは、飛沫感染が特徴です。そのため、マイコプラズマが流行しているときは、手洗いやうがい・マスクの着用を徹底しましょう。できる限り、外部から菌を体内へ侵入させないことが、1番の予防法となります。また、睡眠・栄養バランスが整った食生活を心がけることで、免疫力が高まり予防に有効です。日常生活が乱れている人は、この機会に見直して改善してください。

6-2.マイコプラズマ肺炎とは? 合併症とは?

マイコプラズマによって引き起こされる肺炎を、マイコプラズマ肺炎といいます。1年通して発症する病気ですが、特に、秋から春にかけて発症率が高くなるようです。大人よりも子どもに多く発症し、7~8歳がピークといわれています。マイコプラズマ肺炎で怖いのが合併症で、喘息発作の悪化や発疹(ほっしん)・中耳炎などが代表的な合併症です。

6-3.注意すべき症状とは?

しつこい咳が2週間以上続く・1日の内に熱が上がったり下がったりする・全身の倦怠感が抜けないなどの症状に当てはまる場合は、マイコプラズマの可能性があります。また、激しい咳や高熱をくり返す場合も注意しておかなければなりません。家族やクラスメートがマイコプラズマ感染症になる・感染症が流行している時期に現れた場合も、すぐに病院で検査を受けてください。

6-4.マイコプラズマの症状は男女で異なるのか?

性器マイコプラズマ感染症の疑いがある場合は、男女で現れる症状が異なります。男性の場合は、排尿時のチクチクとした痛み・わずかな分泌物・のどの痛みや不快感が現れるでしょう。一方、女性の場合は、おりものの増加・嫌なにおい・のどの痛みや不快感という症状が現れます。性器マイコプラズマは、性感染症の1つで流産・早産の原因です。適切な治療を受けるためには、症状の特徴を把握しておかなければなりませんね。

6-5.子どもと大人では、症状に違いがあるのか?

子どもが発症した場合は、急性中耳炎の併発や耳の痛み・喘息・発熱など、風邪に似た症状が現れます。ほとんどのケースは、風邪程度で済みますが、大人の場合はそのようにはいきません。子どもよりも重症化することが多く、胸水貯留(きょうすいちょりゅう)や呼吸困難に陥ることがあります。通院では治療が間に合わないため、入院の必要が出てくるでしょう。

まとめ

マイコプラズマは、感染症の1種で、ほかの細菌よりも人間の体内に侵入しやすい特徴を持っています。咳やくしゃみなどの飛沫感染で集団感染のおそれがあるため、該当する症状が現れた場合はすぐに受診したほうが良いでしょう。代表的な症状としては、咳・全身の倦怠感・発熱があります。検査が困難な病気とされていましたが、新しい検査方法の登場で的確な診断が受けられるようになりました。少しでも体に異変が起きたときは、病院へ行き検査をしてもらいましょう。あらかじめ、マイコプラズマにかんする知識を持っておけば、早めに適切な治療を受けることができます。苦しい症状から抜け出すことができるでしょう。