鼻うがいは蓄膿症にも効果があるやり方と鼻洗浄器について

【必見】鼻うがいは蓄膿症にも効果あり! やり方と鼻洗浄器について

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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帰宅後、手洗いとうがいをする習慣は、誰でも持っていると思います。ウイルスや細菌を持ち込まないことが、家族全員の健康につながるのですから、とても大切ですよね。普段の習慣に加え、鼻うがいを行う人もいます。鼻うがいは名前のとおり、鼻を洗浄することです。
「鼻うがいって痛くない?」「鼻洗浄の効果が知りたい」など、聞き慣れない言葉だと疑問も出てくることでしょう。鼻うがいは、風邪予防や花粉症対策としても注目されており、副鼻腔(びくう)炎の治療でも積極的に取り入れられている方法です。
鼻うがい専用器具も市販で出ており、手軽に始めることもできます。健康維持の1つとして、鼻うがいのやり方を覚えておきましょう。難しいコツなどはありません。誰でも簡単にできてしまいます。今回は、鼻洗浄のポイントやメリットについてです。

鼻洗浄できれいに洗い流すことで鼻の中がすっきりとし、花粉症の悩ましい症状も緩和されます。鼻洗浄器は抵抗があるという方でも、スプレーで簡単にできるものもあるので、健康促進を意識して始めてみましょう。鼻洗浄のやり方やコツなどを覚え、花粉症緩和や風邪予防にも生かしてみてください。

鼻洗浄について

鼻は空気を吸い込む場所で、空気と同時にほこりやごみも入ってきます。鼻の残留物を取り除(のぞ)いてきれいな状態を保(たも)つ目的で、鼻うがいを習慣にする方もいるのです。

1-1.鼻洗浄とは? 

鼻洗浄は、洗浄器を使って鼻の中を洗うことです。鼻うがいという名で定着しつつあります。鼻粘膜に付着したごみやほこり以外に、ウイルス・細菌・花粉も取り除(のぞ)いてきれいにする効果があり、健康意識の高い方を中心に広く浸透している方法です。

1-2.どんなときに鼻うがいをするのか? 

前述のとおり、鼻の中をきれいにする効果があるため、風邪予防やアレルギーによる不調などにも最適です。

1-2-1.花粉症対策として効果がある

特に、花粉が舞う時期は、鼻粘膜が荒れやすくなります。鼻がむずむずするのは、花粉による刺激です。そのため、花粉が鼻に定着する前に、鼻うがいできれいにすると、ひどくならずに済むでしょう。

1-2-2.鼻づまりの改善になる

鼻づまりを軽視してはいけません。鼻粘膜だけの炎症に留(とど)まらず、副鼻腔(びくう)全体に膿(うみ)が停滞して痛みを感じる副鼻腔(びくう)炎になる恐れもあります。副鼻腔(びくう)炎は、蓄膿症とも呼ばれる病気です。鼻うがいで粘膜に残った鼻水をすべて取り除(のぞ)くと、鼻のとおりがとてもよくなるでしょう。投薬治療と併せて鼻うがいをすることで改善が早まり、蓄積した膿(うみ)を排出する手助けとなって、粘膜の炎症も和らいできます。

1-2-3.風邪予防にも最適

鼻は体の入り口にあたるとご説明しました。そのため、吸い込んだ空気に入り混じった、ウイルスや細菌が鼻の中に残っている場合、風邪を引く原因となります。鼻うがいはウイルスや細菌も洗い流す効果があり、風邪を早く治したいときにももちろん、普段からできる風邪対策ともいえるでしょう。

1-3.鼻洗浄は痛い? 

鼻に水または湯を流し入れて洗うため、痛いのではないかと心配される声があります。ところが、鼻うがいでは体液に近い成分の生理食塩水を使うため、しみることはありません。市販の鼻洗浄スプレーも、しみないよう配合されています。

1-4.子どもも鼻洗浄ができる? 

風邪予防や鼻づまり改善にも、鼻うがいはとても有効な手段です。しかし、大人とは違い、子どもは鼻洗浄に適さないとされています。鼻から耳に流れ込むなど、事故になりやすいためです。耳鼻咽喉科で吸引してもらい、鼻水を出す方が効果があるでしょう。

鼻洗浄のメリット・デメリット

鼻洗浄は鼻の中を衛生的に保(たも)ち、あらゆる病気の予防になるとされています。効果やメリット、デメリットなどもきちんと覚えておきましょう。

2-1.鼻うがいのメリットは? 

鼻粘膜に付着した異物や鼻水は、鼻をかむだけでは完全に除去することができません。ところが、鼻うがいは生理食塩水を適度な圧力で流し込むため、鼻の中をとてもきれいにできます。
鼻水が溜(た)まると副鼻腔(びくう)炎にもなり、手術が必要となる症例もあるでしょう。副鼻腔(びくう)炎は細菌感染によるものですから、鼻洗浄でしっかり細菌を排出し、悪化を防ぐとともに予防にもなります。

2-2.鼻うがいのデメリットは? 

鼻うがいのやり方を誤った場合、中耳炎のリスクがあります。圧力がかかり過ぎたときに起こるものです。鼻うがいに適する温度や生理食塩水の濃度も大切で、不適切な温度と濃度によって鼻粘膜を傷める可能性もあるでしょう。ですから、正しいやり方を覚えておく必要があります。

2-3.鼻洗浄の効果は? 

前述でご紹介したとおり、風邪の引き始めにやっておくだけでも、症状の進行を抑える効果があります。ウイルスや細菌を排出し、体内に侵入するのを食い止めるため、インフルエンザ対策にも効果的です。ウイルスや細菌は、喉や鼻粘膜に付着した後に増殖します。炎症が出る前に鼻洗浄を行う方がおすすめです。

2-4.鼻洗浄が向いている人・向いていない人

鼻づまりや花粉症がある人に、鼻洗浄は向いています。病院での治療に加え、鼻洗浄を取り入れるやり方がおすすめです。風邪対策を考えている方も、予防としても効果があるため、外出後は必ず毎日続けるといいでしょう。
向いていないのは、寝たきりの方や子どもなどです。寝たきりの方は下を向いて鼻洗浄した生理食塩水を排出できず、飲み込んでしまいます。そのため、かえって炎症を引き起こす恐れがあり、避けた方が無難です。

2-5.鼻洗浄における注意点

鼻洗浄には、生理食塩水が適切とお伝えしました。真水は避けてください。しみて痛み、かえって炎症を助長します。先にも述べたとおり、濃度と温度も重要です。冷たい水で鼻洗浄はせず、体温に近い温度でやりましょう。なるべく煮沸消毒した湯を使ってください。

鼻洗浄の正しいやり方

鼻洗浄は、ポイントを知っておけば難しくありません。続けることで慣れてきます。正しいやり方を覚えておきましょう。

3-1.自分で鼻洗浄をするときのやり方

自宅でも簡単にできる鼻うがいのやり方と、用意するものをご紹介します。

3-1-1.鼻うがいのために用意するもの

自宅で鼻洗浄を実践しようと思っている方は、洗面器・食塩・煮沸消毒した湯・タオルを用意してください。鼻に注入するための器具として、ボトルを押すと出てくるタイプの水さしが便利です。100円ショップでも購入できるボトルで、注ぎ口が細めのものを選びましょう。シリンジでも構いません。

3-1-2.鼻うがいに使う生理食塩水について

生理食塩水は、濃度が高いと炎症を招き、薄いとしみて痛む原因となります。人間の体液に近い浸透圧になるよう、食塩の配合は調整しなければなりません。浸透圧は、0.9%が適切とされています。作り方は、250ccの湯に2g程度の食塩を加え、よく混ぜるだけです。市販の生理食塩水でも問題ありません。調整が難しい方は、市販のものを代用するといいでしょう。

3-1-3.鼻うがいのやり方

鼻うがいは、左右どちらか片方から始めます。前傾姿勢になり、片方を指で押さえ、もう一方から生理食塩水を注(そそ)ぎ込み、ゆっくり吸い込んでください。飲み込まず、洗い出しましょう。
片方が終わったら、もう片方と交互にやっていきます。それぞれ3回ずつやると効果的です。生理食塩水を受け止める洗面器を用意しておきましょう。

3-2.鼻洗浄に便利なグッズを活用しよう

一番楽なのは、市販の鼻洗浄器です。鼻うがいに必要なものがすべてパックになっており、生理食塩水の濃度調整がいらず、用量とおりに溶かすだけで済みます。
ハナクリーンシリーズハナノアなどが、鼻うがい器具として販売されており、初心者でも使いやすいです。鼻洗浄スプレーも簡単で、アルガード鼻すっきり洗浄液ドライノーズスプレーなどがあります。

3-3.鼻うがいの注意点

鼻うがいには約束事があります。気持ちよく鼻うがいをするため、必ず注意事項は守ってください。

3-3-1.生理食塩水は毎回作る

生理食塩水を自分で配合する場合、作り置きはしないでください。雑菌が繁殖してしまいます。そのため、毎回使うときに作るという習慣にした方がベストです。雑菌の繁殖した生理食塩水を使い、鼻粘膜に余計な菌をつけてしまう結果となり、逆効果となります。きれいな生理食塩水を使うことを意識してください。

3-3-2.真水は使わない

真水は鼻粘膜を刺激し、つーんとした痛みを感じます。生理食塩水を使い、痛みを防止して鼻うがいを実践してください。湯は、必ず煮沸した衛生的なものを使いましょう。

3-3-3.鼻うがいは1日1回までにする

体にいいからと、1日に何回も鼻うがいをしてはいけません。鼻粘膜を保護している成分まで洗い流してしまい、炎症を起こす結果となります。やりすぎは禁物です。

3-3-4.鼻うがいの途中で飲み込まない

鼻うがいの初心者に多いのは、途中でつばを飲むことです。鼻から耳へ移動し、中耳炎になる方もいます。鼻うがいを終えるまで、息は止めてください。

3-4.鼻洗浄後のケアについて

鼻うがいをした後は、生理食塩水や洗浄液が残っています。ゆっくり鼻をかみ、余分なものを出すようにしてください。強くかんではいけません。圧力で中耳炎になってしまいます。

鼻うがいにかんするお役立ち情報

鼻うがいを実践する前に、さまざまな疑問が出てくると思います。役立つ情報を集めました。

4-1.鼻うがいはコップでやってもいい? 

初心者だとコツを掴(つか)むまでうまくできません。徐々に鼻に生理食塩水を入れることに慣れ、自分なりに工夫していけるようになります。鼻うがいが習慣となったころ、コップなど身の回りにあるもので代用可能です。

4-2.市販の鼻うがいには薬の成分が入っている? 

市販の鼻うがいには、生理食塩水の成分である塩化ナトリウムが入っています。製品により、爽やかな感覚を抱くことができるメントールやペパーミントも配合されているでしょう。

4-3.生理食塩水を作るときに最適な温度は? 

42℃くらいのお湯を使ってください。食塩も溶け込みやすい温度です。市販の鼻うがいに付属する粉末も、42℃で溶かすよう記載があります。

4-4.精製水を購入して食塩と混ぜてもいい? 

自分で作る場合、お湯を沸かすのが面倒という方もいます。市販の精製水を購入し、食塩と混ぜても大丈夫です。食塩の量には注意してください。

4-5.鼻うがいをしたら、口から流れ出てきたけれど問題ない? 

鼻と口はつながっているため、鼻から入れた生理食塩水が流れ出てきます。口から出ても問題ありません。きちんと鼻の奥が洗浄されているかを意識しましょう。

まとめ

いかがでしたか? 鼻うがいは、風邪予防や花粉症対策としても注目され、健康維持の1つとなっています。風邪の引き始めにも最適です。副鼻腔(びくう)炎の治療でも推奨されており、鼻の奥の雑菌やウイルスを排出する効果があります。市販の鼻うがい洗浄器も便利ですし、自分でキットを作ることも可能です。1日1回やるようにし、毎日続けてください。常に鼻の中がきれいになり、とても爽快な気分になるでしょう。注意点は、生理食塩水の配合を体液に近い浸透圧にすることです。温度も適温でお湯を使ってください。しみて痛むということがなくなります。正しい鼻うがいのやり方を覚え、健康管理に生かしましょう。