過食の原因はストレスだけじゃない!やめる方法や病院での治療法

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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過食の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。 過食は自傷行為の一つといわれており、中には学校や会社に行けなくなるほど苦しんでいる人もいるのです。原因は「体」ではなく「心」にある場合がほとんどで、ストレスから過食に陥る人が多くなっています。自分は本当に過食症なのか、どうすればやめることができるのか、考える必要があるでしょう。この記事では、過食の原因として考えられるものや過食症と診断された場合の治療法などもご紹介しています。

この記事を読むことで、過食について知ることができるはずです。ぜひ参考にして、過食から解放される方法を見つけてください。

過食の基礎知識

まずは、過食についてご紹介します。

1-1.過食とは?

過食とはその名のとおり、食べ過ぎることです。ただし、単なる食べ過ぎとは違い、異常な量のものを食べること、おなかがいっぱいになっても食べ続けてしまうことをいいます。過食後は強烈な自己嫌悪に陥ることが多く、食べたものを吐き出したり下剤や浣腸(かんちょう)によって排せつしたりすることがあるのも特徴です。

1-2.段階

はじめはダイエットがきっかけで過食になることが多いでしょう。頭の中が体重を落とすことに支配され、健康を無視したダイエットを行ってしまいます。最初のうちは体重が落ちることに快感を得ますが、停滞期に突入して思うように体重が減らなくなると、精神的なストレスとなって過食がはじまるのです。次第に、過食した分を排せつで取り戻すという考えになり、どんどん悪循環にはまっていきます。その結果、過食と排せつ行為が習慣化され、さまざまな健康被害が引き起こされるのです。

1-3.なりやすい人

過食になりやすい人の特徴には、以下のようなものがあります。

  • 10~20代の若い女性
  • 自分で自分を追い込む性格
  • 過剰な完璧主義
  • 極端に自己評価が低い
  • 人の評価を過剰に気にする
  • 自己主張が下手

1-4.どのくらいの人が悩んでいるのか?

現在、日本には2万人以上の摂食障害患者がいるといわれています。拒食症に次いで過食症が多く、中でも食べたり吐いたりを繰り返すタイプが増えていることが分かっているのです。

1-5.最近の傾向

最近の研究結果により、低血糖症が原因になっている可能性について分かってきています。血糖値が低くなるとホルモンのバランスが乱れ、脳が満腹中枢にうまく情報を伝えることができなくなるのです。その結果、いくら食べても食欲が満たされないという状態が続いてしまいます。

過食の原因について

主な原因についてご紹介します。

2-1.ストレス

ストレスは誰もが感じるものです。しかし、ストレスを適切に解消できない人の中には、過食という形で対処しようとする人もいます。次第にストレス解消として過食を続けるようになり、過食症を発症してしまうケースも珍しくないでしょう。

2-2.ダイエット

ダイエットが過食の引き金になるケースも少なくありません。現代社会では「痩せていることが正しい」という風潮があり、「太っている自分は間違っている」と思い込んでしまうのです。最初は軽い食事制限だったとしても、次第にエスカレートしてしまいます。

2-3.自律神経の乱れ

何らかの要因によって自律神経が乱れると食欲のコントロールがうまくできなくなり、拒食や過食の症状が出るようになります。この場合は細かい原因を特定するのが難しいのが特徴です。

過食をセルフチェックしよう

自分は過食かどうかチェックしてみましょう。

3-1.診断チェック項目

以下の項目でいくつ当てはまるものがあるかチェックしてみてください。

  • いやなことがあると食べ過ぎてしまう
  • 一般的な食事量より明らかに多い量を食べてしまう
  • 食べたものを無理やり吐こうとする
  • 下剤や利尿剤などを乱用して体重を落とそうとする
  • 過食の後に過剰な絶食をしてしまう
  • 「太っている自分には価値がない」と思っている
  • 食べているといやなことを忘れられる
  • おなかが痛くなるほど食べてしまう

当てはまる項目が多い人は、過食症の可能性を疑うべきでしょう。

3-2.注意点

上記のセルフチェックだけで判断する必要はありません。あくまでも可能性であり、中には一般的な人にも当てはまる項目もあるのです。過剰に心配してしまうとストレスとなり、悪化してしまう可能性もあるでしょう。疑わしい場合は専門機関を受診し、相談してみることが大切です。

過食をやめるためには?

では、過食をやめるためには一体どうしたらよいのでしょうか。

4-1.どうしたらよいのか?

我慢しようとするとその反動で症状が悪化することもあります。そのため、無理にやめようとするよりは、自然と過食が落ち着く状態に持っていくことが大切でしょう。1日3食、栄養バランスのよい食事をとり、ストレスをためないようにしっかりと睡眠をとってください。このような生活を続け、少しずつでも今のままの自分を受け入れられるようにしていきましょう。

4-2.ポイント

過食をやめるためのポイントには、以下のようなものがあります。

  • 病気を理解する
  • 周囲に協力してもらう
  • 一人で食事をしない
  • 前向きな思考を持つ

4-3.注意点

「食べたい」という衝動が起こったとき、手軽に手に取るものができるものが家にあると危険です。お菓子やパンなど、簡単に食べることができるものは家に置かないようにしましょう。家になければ買いに行きたくなるはずです。そんなときは、運動や入浴などで衝動をごまかしてみてください。この方法でも衝動を抑えられない場合は、自分で料理をしてみましょう。料理をしているうちに気持ちが落ち着く可能性があります。また、自炊した栄養のある料理であれば、食べてしまったときの罪悪感も少ないでしょう。

過食症について

過食症の症状や種類などをまとめました。

5-1.どんな病気か?

過食症は摂食障害の一種であり、上記で説明した過食の状態が3か月以上続く場合、過食症と診断される可能性が高いでしょう。正確な診断や治療については、専門の医療機関で受ける必要があります。

5-2.主な症状

過食症によって引き起こされる症状には、以下のようなものがあります。

  • 急激な体重増加
  • 脂肪肝・糖尿病・心筋梗塞
  • むくみ・肌荒れ・口内炎・脱毛
  • 胃腸不良
  • 生理不順・無月経
  • 抑うつ状態・自傷行為

5-3.種類

過食症には以下のような種類があります。

5-3-1.過食嘔吐

食べることと吐くことを繰り返すタイプの過食症です。過食した後に自分で喉の奥に指を入れるなどして嘔吐を誘発します。

5-3-2.吐かない過食症

吐かない過食症もあります。ただの大食いと勘違いされることも多いでしょう。吐こうとしても吐けないため、体重や体脂肪が増加し、肥満になってしまいます。

過食症の診断・治療について

病院での診断方法や治療方法についてご紹介します。

6-1.何科を受診するのか?

一般的に、過食症の治療が受けられるのは以下のような科です。

  • 精神科
  • 心療内科
  • 婦人科
  • 内科
  • 小児科

過食と同時にうつや自傷行為などがある場合は精神科や心療内科、無月経や生理不順が伴う場合は婦人科というように、症状に合わせて選ぶ必要があるでしょう。

6-2.治療法の種類

病院での治療法には、以下のようなものがあります。

6-2-1.認知行動療法

認知行動療法とは、物事に対する捉え方のゆがみを修正することで行動を変えるための治療法です。基本的な流れとしては、日常の中で起きた出来事とそのときの感情を書きとめ、別の考え方ができなかったか振り返ってみます。そして、より合理的な考え方に置き換えていくための練習をするのです。この治療法は副作用がなく、再発防止にもつながるというメリットがあります。

6-2-2.対人関係治療法

対人関係治療法とは、食生活や食行動に対する処置ではなく、対人関係に焦点を当てた治療法です。過食症には対人ストレスが大きく関わっている可能性があり、対人関係の改善を目指すことで過食症が改善される場合もあります。具体的には、対人関係における自己主張の仕方などを練習することになるでしょう。

6-2-3.内観治療

内観治療とは、第三者の目線で自分自身を見つめる「自己観察法」です。小学校低学年からの過去を思い返し、「誰にも愛されていない」というような誤った認識を覆すことを目的としています。研修所に宿泊して行う「集中内観」のほかに、家族に内観してもらう「家族内観」、記録をつけて内観を行う「日記内観」があり、状況に合わせて選択することになるでしょう。

6-3.薬について

過食症に伴って発生した症状に対して、薬物療法が行われることもあります。たとえば、うつ病を併発している過食症患者に対しては、イミプラミンやSSRIなどの抗うつ薬が処方されることになるでしょう。また、身体的な合併症に対して胃腸薬やカルシウム製剤・ビタミン剤・ホルモン剤・漢方薬などの薬が用いられることもあります。

6-4.注意点

過食症が進行すると精神状態が悪化し、最悪の場合は命に関わることも考えられます。「単なる食べ過ぎではない」と判断した場合は、早急に専門機関を受診してください。一人で病気と向き合おうとせず、家族や友人など周囲の人に理解してもらうことも大切です。自分にとって最も気持ちを楽にできる方法で治療しましょう。

過食に関するよくある質問

「過食について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.過食症と拒食症は似た病気なのでしょうか?
A.一見正反対の疾患に見えますが、どちらも根本にあるのは「太ることに対する過剰な恐怖」です。お互いに移行しやすい病気であるということを覚えておきましょう。

Q.摂食障害が先進国に多いといわれているのはなぜですか?
A.「女性は痩せているほうが美しい」という社会的な観念があるためでしょう。「太るのが怖い」という考えにつながり、摂食障害を起こしてしまいます。

Q.過食を改善するためのストレス発散法にはどのようなものが適しているでしょうか?
A.運動をして体を動かす、夢中になれる趣味に打ち込むなど、食べることを忘れられるものがおすすめです。また、人に話すことでストレスを発散する方法もよいでしょう。

Q.過食症は遺伝しますか?
A.摂食障害には遺伝も関係している可能性があるでしょう。実際に、親が摂食障害だと子供も発症する確率が高いことが分かっているのです。

Q.過食症を予防するにはどうしたらよいでしょうか?
A.大量に食べる機会を減らすため、1日3食きちんと食べること、ゆっくり食べることを心がけましょう。

まとめ

いかがでしたか? 過食の原因ややめるためのポイント、過食症の治療法などをまとめてご紹介しました。過食症には心の問題が関係しており、放っておくと自殺を考えるような事態にもなりかねないでしょう。早めに自分の病気と向き合い、どのように克服していくべきかを考える必要があります。ぜひこの記事を参考にして、過食の恐怖から解放されてください。