PMSとはどんな病気

PMSとはどんな病気?生理前の不快な症状を解消するための6項目

シェアする

PMSという症状をご存じでしょうか? PMSとは月経前症候群のことです。月経前になると現れる不快な症状に悩む女性はたくさんいます。しかし、その症状について正しく理解している人はとても少ないのです。「生理前になると決まってイライラする」「頭痛や腰痛が現れる」というその症状は、PMSである可能性が高いでしょう。あなたも自分の症状と向き合い、正しい対処法を知ってください。

この記事では、PMSの原因や症状・対処法などをまとめてご紹介します。

  1. PMSって何?基礎知識を知ろう!
  2. この症状はPMS?セルフチェック方法
  3. PMSの悩みはこんなにある!
  4. PMSの対処法まとめ
  5. PMSと病院治療について
  6. PMSに関するよくある質問

この記事を読むことで、PMSの症状とどう向き合うべきか分かるはずです。自分に合った対処法を見つけて、不快な症状から抜け出しましょう。

1.PMSって何?基礎知識を知ろう!

まずは、PMSという病気について解説します。そのメカニズムや原因・症状にはどのようなものがあるのでしょうか。

1-1.PMSとは?

月経の3日~10日ほど前になると、さまざまな不快な症状が現れることがあります。この症状をPMSと言い、日本語では月経前症候群と呼ばれている病気です。主に現れるのは心と身体の症状で、月経の開始とともに症状が改善されることが多いでしょう。

1-2.PMSはなぜ起こるのか?

PMSの原因として考えられるものに、プロゲステロンという女性ホルモンがあります。プロゲステロンは、女性の身体を妊娠しやすく整える働きを持っているホルモンです。たとえば、子宮の収縮を抑制する・栄養や水分を身体にためこむなどの働きがあります。このプロゲステロンは排卵後から月経前までの間に多く分泌されるため、その影響を受けて、血行不良などによるさまざまな体調不良が現れるようになると考えられているのです。

1-3.原因は女性ホルモンだけじゃない?

プロゲステロン以外にも、PMSの症状を引き起こす原因になっているものはあります。まず一つが、セロトニンという脳内物質の低下です。セロトニンは「喜びを感じる脳内物質」であり、不足することで精神的に不安定な状態になり、集中力の低下や寝付きの悪さなどを招きます。排卵後はエストロゲンという女性ホルモンの分泌量が減るため、脳内のセロトニンが急激に減少するのです。また、ビタミンやミネラルの不足がPMSの悪化を招くことが分かっています。この時期は特に食生活に注意し、ビタミンやミネラルが不足しないように注意が必要です。

1-4.PMSの主な症状

PMSの症状には個人差がありますが、主なものは以下のとおりです。

  • イライラや落ち込み
  • 肌荒れやむくみ
  • 腰痛や頭痛
  • 眠気や倦怠(けんたい)感
  • 吐き気
  • 集中力の低下

特に多いのが精神的な影響で、怒りっぽくなる人や理由もなく突然泣いてしまう女性もいます。そういったパートナーの情緒不安定に悩む男性も少なくないでしょう。男性にはなかなか理解できないことだと思いますが、症状について理解し、乗り切るための対策を考える必要があります。

1-5.なりやすい人の特徴

同じ女性でも、PMSの症状が全く現れない人もいます。特に、日常的にストレスを感じやすい人は症状が出やすいため、注意が必要です。ほかにも、以下のような特徴に当てはまる人は症状が悪化しやすいと言えるでしょう。

  • 神経質で几帳面(きちょうめん)
  • 真面目で完璧主義
  • 負けず嫌い
  • 感情を表現するのが苦手

1-6.PMSに悩む人の割合と年代との関係

調査の結果によると、PMSの症状を経験したことがある女性は全体の約9割ということが分かっています。つまり、ほとんどの女性がPMSの症状に悩まされたことがあるというわけです。また、PMSになりやすい年代は20代後半から30代と言われており、妊娠や出産を機に症状が悪化する女性も少なくありません。結婚などでライフスタイルが大きく変化するときも、ストレスがたまりやすくなるため注意が必要です。

2.この症状はPMS?セルフチェック方法

「この症状がPMSかどうか分からない」という人のために、セルフチェック方法をご紹介します。生理前になると以下のような症状が現れる人は、PMSである可能性が高いでしょう。

  • 頭痛や肩こりがひどくなる。
  • 便秘や下痢になりやすい。
  • 身体がむくみ、重くなる。
  • 食欲が極端に増減する。
  • 肌荒れや湿疹(しっしん)が出てくる。
  • ひどい眠気に襲われる。
  • 疲れやすくなる。
  • 胸が張りやすくなる。
  • 感情的になりやすく、涙もろくなったりイライラしたりする。
  • 理由もなく憂うつになる。
  • 集中力や判断力が低下する。
  • 些細(ささい)なことで死にたくなるほど落ち込む。
  • 無気力になる。

半分以上当てはまる項目がある人は、自分に合った対処法を見つける必要があるでしょう。

3.PMSの悩みはこんなにある!

PMSにはさまざまな症状があります。身体の悩みや心の悩みなどをまとめてみましょう。

3-1.身体の悩み

PMSの症状として現れる身体の悩みにはさまざまなものがあります。最も多いのが下腹部痛で、そのほかにも頭痛や腰痛など、身体の一部に痛みが現れることが特徴的です。次に多いのが、肌荒れやむくみ・倦怠(けんたい)感など。食欲が増して体重が増加するという女性も少なくありません。こういった症状によって、月経の時期が近づいていることに気づくことも多いでしょう。

3-2.心の悩み

PMSの症状は、身体だけでなく心にも現れます。症状が強い人はうつ病と間違えることもあるでしょう。「理由もないのにイライラする」「精神が不安定になり、涙が出る」などの症状はうつ病と非常によく似ています。その違いは、症状が現れる「時期」にあるでしょう。PMSの場合は月経前にだけ症状が出るため、うつ病と見分けるポイントにしてください。また、「人付き合いが嫌になる」「1人になりたい」という心の症状を引き起こすこともあるため、十分注意が必要です。

4.PMSの対処法まとめ

多くの女性が悩むPMSの症状には、一体どのように向き合えばよいのでしょうか。正しい対処法をいくつかご紹介します。

4-1.上手に付き合うには?

PMSにはホルモンが大きく関係しているため、症状を完全になくすのは難しいでしょう。しかし、症状を緩和して楽にすることは可能です。症状が出ることが分かっているなら、月経前はできるだけハードなスケジュールを入れないようにするなど、自分なりに対処法を考えていきましょう。睡眠と休息を十分にとれる環境を整えておき、PMSに備えることが大切です。

4-2.症状を緩和するおすすめの方法

では、PMSの症状を軽くするための方法をいくつかご紹介します。自分に合ったものを見つけてください。

4-2-1.身体を温める

最も効果的なのが「身体を温める」という方法です。女性の身体はもともと冷えやすく、生理前になると冷えが悪化すると言われています。身体の冷えは下腹部痛や腰痛の原因にもなるため、できるだけ避ける必要があるでしょう。冷たい飲み物や露出の多い服装は子宮を冷やす原因になります。また、長時間座りっぱなしでいると身体の血流が悪くなって冷えを促進してしまうことになるでしょう。湯たんぽなどを使って下腹部を温める・ゆっくりと湯船に浸(つ)かって身体を温めるなどして冷えを防いでください。

4-2-2.自律神経を整えるためには?

自律神経の乱れはPMSの原因になります。自律神経が乱れる原因は、主にストレスです。普段からできるだけストレスをためないように、自分なりの解消法を見つけてください。たとえば、アロマを炊きながらゆっくりとお風呂に入る・カモミールなどのハーブティーで落ち着く時間を作るなどがおすすめです。また、趣味に没頭するのもよいでしょう。嫌なことを忘れられるほど楽しめるものがあれば、ストレスもたまりにくくなります。

4-2-3.ツボ押しも効果的!

身体には300か所以上のツボがあると言われており、その中にはPMSの症状に効くものもあります。おすすめのツボは、手のひらの中心にある「手心(しゅしん)」や、頭頂部にある「百会(ひゃくえ)」などです。「手心(しゅしん)」には気持ちを安定した状態にする効果が、「百会(ひゃくえ)」には頭痛やめまいを改善する効果があります。ツボ押しはどこでも手軽にできる対処法なのでぜひ試してみてください。

4-2-4.市販薬を試すなら…

PMSの症状に特化した市販薬があることをご存じですか?生理前のイライラや落ち込みにも効果を発揮します。ただし、継続的に服用する必要があるため「副作用が心配」という人も多いのではないでしょうか。実際に、市販薬を服用して頭痛や吐き気・太りやすくなるなどの副作用を経験した人もいます。購入する際は、薬剤師に相談するようにしましょう。

4-2-5.漢方やサプリも!

最近は、PMSの治療として漢方薬を処方する病院も増えてきています。それぞれの症状に合った漢方薬があるため、ぜひチェックしてみてください。たとえば、頭痛やめまいには「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」、うつ症状やイライラには「加味逍遥散(かみしょうようさん)」がおすすめです。自分の症状に合ったものを選ぶようにしましょう。また、ホルモンバランスを整える効果があるサプリメントもおすすめです。PMSだけでなく、子宮のトラブルや更年期障害など、女性特有の悩みもケアしてくれます。

4-3.PMSの悪化をすすめる要因とは?

PMSの悪化をすすめる原因として多いのが、食生活の乱れです。偏った食生活がホルモンバランスを乱し、悪化をすすめてしまうケースは多いでしょう。また、低血糖や鉄分不足などもPMSの悪化につながります。ビタミンやマグネシウム・カルシウムなどを豊富に含む食材を積極的にとるようにしましょう。そのほかにも、冷えやストレス・運動不足にも注意が必要です。

4-4.注意点

PMSの症状が現れるのは、月経前だけです。「少しの間我慢すれば症状は治まる」と思って放置している女性も多いでしょう。しかし、程度によっては精神的な問題からうつ病に発展してしまうケースも珍しくありません。「自分で対処しても楽にならない」という人は、早めに病院を受診してください。最近はPMSの治療を行う病院も増えてきています。

5.PMSと病院治療について

PMSは病院で治療を受けることができる病気です。病院選びのポイントや治療法について解説します。

5-1.こんなときは病院へ!

病院を受診するべきか迷った場合は、薬を飲まないと日常生活に支障が出るかどうかを判断基準にしてください。市販の鎮痛剤やサプリメントを毎月のように飲んでいるという人は、病院で治療してもらうべきです。たとえ一時的な症状だとしても、毎月繰り返す不快な症状にいつまでも悩まされるのはつらいことでしょう。本当にPMSの症状なのか、どうしたら改善することができるのか、しっかりと相談してきてください。

5-2.何科を受診すればよいのか?

PMSではさまざまな症状があるため「何科を受診したらよいのか?」と迷う人も多いでしょう。毎月生理前になると決まって症状が現れるなら、PMSで間違いないと思います。婦人科の病院を受診しましょう。もちろん産婦人科でも治療はできますが、女性外来などを設けている病院の方がおすすめです。ただし、精神的な症状が強い場合は、心療内科や精神科を受診する必要があります。どのような治療を行っている病院なのか、事前に調べておくと安心でしょう。

5-3.治療法は?

病院での治療法には、主に栄養療法と薬物療法があります。栄養療法では薬を使わず、不足している栄養を補うことで体質改善するのが目的です。PMSでは血糖値が下がると精神が不安定になりやすいため、ビタミンやミネラルが豊富なものを取り入れるよう指導されます。薬物療法では、低用量ピルや抗うつ薬・精神安定剤などが処方されるでしょう。低用量ピルは排卵を一時的に止めることで、卵巣から分泌される女性ホルモンの分泌量を減らす効果があります。ただし、症状が緩和されてもPMSが完治するわけではないため「できれば薬を使わずに治したい」という人も多いでしょう。その場合は、漢方薬やサプリメントで体質を改善する治療法がおすすめです。

5-4.病院で処方される薬について

婦人科でPMSの治療に使用される薬には、低用量ピル・抗うつ薬・鎮痛剤・漢方薬があります。それぞれの特徴を解説しましょう。

5-4-1.低用量ピル

ピルと聞くと「避妊薬」のイメージが強いと思います。しかし、低用量ピルはPMSの症状を改善する効果がある薬として、よく使用されているのです。低用量ピルを服用することで生理周期が28日に定まります。排卵が起こらなくなるため、ホルモンの変化による影響を受けずに済むというしくみです。ただし、高血圧や糖尿病・高脂血症などの病気を持っていると低用量ピルを飲むことができないということを覚えておきましょう。

5-4-2.抗うつ薬

抗うつ薬が処方されるのは、精神的な症状が強く出ているときです。一時的にうつ状態になり引きこもってしまう・暴力的な衝動が抑えられなくなってしまうなどの症状がある場合に効果的でしょう。抗うつ薬を服用することで、精神的な感情をコントロールすることができます。ただし、集中力の低下や眠気などの副作用が出ることが多いでしょう。

5-4-3.鎮痛剤

生理痛にも効果的な鎮痛剤は、PMSの症状にも処方されることが多くなっています。鎮痛剤を飲むことで痛みなどの不快な症状が改善されるため、苦痛を大きく減らすことができるでしょう。もちろん、根本的な原因の解決にはなりません。しかし、精神的にも楽になれるため、PMSの悪化を防ぐことにもつながるでしょう。

5-4-4.漢方薬

全身の不調を改善するために、漢方薬が処方されることもあります。作用が穏やかなため「すぐ効く」ということはありませんが、副作用が少ないことから処方を希望する女性も多いでしょう。自分に合った漢方薬が見つかるまで、医師と相談しながら治療をすすめていくことをおすすめします。

5-5.病院を受診する前に

PMSの治療を受けるために病院へ行く場合、事前に自分の生理周期を把握しておくことをおすすめします。病院ではまず問診が行われるため、月経周期の日数をはじめ、月経前の状態も詳しく記録しておきましょう。生理周期を把握するためには、基礎体温を付けるのが一番です。基礎体温計はドラッグストアでも購入できます。

6.PMSに関するよくある質問

PMSの症状で悩む人から寄せられることの多い疑問とその回答をまとめてみました。

Q.PMSとPMDDはどう違うのですか?
A.PMDDとは、月経前不快気分障害のことです。PMSのうち、精神的な症状が特に強い場合、こう診断されます。

Q.PMSの改善に効果的な運動にはどのようなものがありますか?
A.ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動が効果的です。血流もよくなり、ストレス解消効果も期待できます。

Q.PMSによってむくみがひどいときは、食事内容をどのように気を付けるべきですか?
A.塩分やアルコールの摂取を控え、利尿作用のある食べ物をとるようにしましょう。牛乳やヨーグルト・ひじき・ごまなども効果的です。

Q.夫がPMSの症状に理解してくれません。どうしたらよいですか?
A.PMSの存在を知らない男性は多いでしょう。このような病気があるということを知ってもらうために、事前に伝えておくことが大切です。できるだけ気持ちが安定しているときに、落ち着いて伝えるようにしてください。理解してもらえない場合は、一緒に病院を受診して医師から説明してもらいましょう。

Q.アロマテラピーはPMSの改善に効果がありますか?
A.自律神経をコントロールしているのは視床下部です。香りは視床下部に直接伝わるため、ホルモンバランスを安定した状態にしてくれるでしょう。

まとめ

PMSの原因や症状・対策をまとめて解説しました。PMSの症状に悩む女性は、その症状とどう付き合っていくか考える必要があります。「生理前だけのことだから…」と諦めず、どうしたら症状を改善できるのか検討してみてください。