後鼻漏とはどんな病気? 原因・症状・改善方法を詳しく解説!

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

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十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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「鼻水がのどの奥を流れていく感じがして不快」という場合、後鼻漏(こうびろう)である可能性があります。いつでも鼻水がのどの奥にある感覚は、不快感が強く、できるだけ早く改善したいですよね。しかし、何が原因なのか、どんな治療を受けるべきなのかよくわからないことも多いでしょう。そこで、後鼻漏について、原因や症状・治療方法などを含め、詳しく解説します。

この記事を読むことで、後鼻漏に関する正しい知識が身につき、つらい症状を改善するために必要なことがわかります。まずは、記事をじっくり読んでみてください。

01. 後鼻漏とは?

最初に、後鼻漏についての基本として、主な症状や原因を含め、詳しく解説します。

1-1.後鼻漏とはどんな病気?

後鼻漏とは、鼻水が鼻の穴からではなく、のどの奥へ流れ落ちる症状のことです。鼻水をかもうとしても前方に出ずにのどの奥に流れ続けるため、患者は非常に不快な思いをします。常に鼻水を飲み込むか口からはき出すことになるため、大きなストレスになり、うつや不眠の原因になることもあるので注意しましょう。

1-2.後鼻漏の主な症状について

後鼻漏の主な症状について、主なものを解説します。

1-2-1.鼻水がのどの奥に流れる

通常、鼻水は鼻の穴を通じて前方へ流れ落ちます。そのため、鼻をかめば症状が楽になるのです。しかし、後鼻漏の場合は、のどの奥に流れてしまいます。タイミングによっては気管支に入ることもあり、むせてしまったり肺炎の原因にもなったりするので気をつけてください。

1-2-2.鼻やのどに炎症が起きる

後鼻漏になると、常に鼻の奥やのどに鼻水が流れている状態です。粘膜に刺激を与え続けている状態になるため、炎症が起きやすくなります。また、鼻水を外に出そうとしてせきをした結果、炎症がひどくなることもあるでしょう。痛みを感じたり出血が見られたりすることもあります。

1-2-3.口臭や鼻水のにおいがひどくなる

後鼻漏になると、口臭や鼻水のにおいがひどくなることがあります。自分でも不快なだけでなく、周囲の人にも気づかれないかと神経質になることも多いのものです。対人関係にも大きな影響があり、家にひきこもってしまう人もいます。

1-2-4.痰(たん)が多くなりせき込む

鼻水がのどの奥に流れ込むことによって、痰(たん)が増えます。体を起こしているときは痰(たん)をうまくはき出すことができるでしょう。しかし、寝ている間に痰(たん)がたまり、気管支に入ることでせき込むことが多くなります。不眠や肺炎につながる場合もあるでしょう。

1-3.後鼻漏の主な原因について

後鼻漏の主な原因について、それぞれ詳しく解説しましょう。

1-3-1.副鼻腔(びくう)炎・アレルギー性鼻炎

副鼻腔(びくう)炎やアレルギー性鼻炎になると、鼻水が大量に出ます。すると、のどの奥に流れやすくなり、後鼻漏の原因となるのです。まずは、副鼻腔(びくう)炎やアレルギー性鼻炎の治療を行いましょう。なお、治療が不完全な場合も、後鼻漏として現れることがあります。治療後に不快な症状がいつまでも続く場合は、医師に相談してください。

1-3-2.鼻の腫瘍(しゅよう)

鼻の内部に腫瘍(しゅよう)がある場合、鼻の穴に鼻水が流れずにのどの奥に流れてしまうことがあります。鼻が大きくなった・手でふれるとしこりがある・鈍痛があるなどの症状があるときは、腫瘍(しゅよう)が隠れている場合があるので検査を受けてください。早急に治療を受け、腫瘍(しゅよう)を取り除いてもらいましょう。

1-3-3.鼻の骨がゆがんでいる

生まれつき、もしくはケガなどの理由で、鼻の骨がゆがんでいる場合は、後鼻漏になりやすくなります。本来は、鼻の穴に流れるはずの鼻水が、のどの奥に流れてしまいやすいからです。常に鼻が詰まっている感じがする、という人は、手術を受けてゆがみを取り除くことも考えましょう。

1-3-4.自律神経失調症

鼻や鼻の粘膜に特に問題がない場合でも、後鼻漏になることがあります。たとえば、自律神経失調症などで、鼻水を出すコントロールがうまくできない場合もあるのです。寒暖差の激しい環境を行き来した場合、刺激の強いにおいをかいだときなど、大量の鼻水が出て後鼻漏を引き起こすことがあるでしょう。

02. 後鼻漏の病状の経過や影響について

後鼻漏の症状の経過や影響について、解説します。

2-1.日常生活への影響は?

後鼻漏は、日常生活にもさまざまな影響を与えます。たとえば、以下をご覧ください。

  • 集中力が落ちて仕事や勉強がはかどらない
  • 食べものの味がわかりにくくなり食事が楽しくない
  • 人前に出るのがおっくうになる
  • 不眠やうつを発症することがある

2-2.後鼻漏を放置するとどうなる?

後鼻漏は、ただちに命にかかわる病気ではありません。そのため、放置してしまう人が多いものです。しかし、病気が隠れていることが多いため、速やかに治療を開始してください。放置することで、後鼻漏の原因である病気が進行し、治療が困難・長期化することがあります。気になる症状があるのならすぐに医師に相談しましょう。

03. 後鼻漏の治療方法について

後鼻漏の治療方法で、どんなものがあるか・治療薬・副作用などについて詳しく解説します。

3-1.どんな治療方法がある?

後鼻漏の治療法には、以下のようなものがあります。

3-1-1.投薬治療

後鼻漏の治療は、投薬が第一選択となる場合が多いでしょう。投薬によって、鼻水の量を減らし、炎症を抑えて不快な症状を軽減することができます。ただし、薬アレルギーを持っている・投薬治療で効果が見られないなどの場合は、手術を検討することになるでしょう。

3-1-2.手術

ひどい後鼻漏の場合、鼻の奥の粘膜をレーザーで焼き、新生を促す手術をすることがあります。また、後鼻漏の原因が副鼻腔炎・鼻骨のゆがみ・腫瘍(しゅよう)などの場合は、手術によって後鼻漏の改善につながるのです。実際に手術をするかどうかは、医師の判断によるでしょう。

3-1-3.漢方薬の服用

漢方薬で体質を改善し、後鼻漏の症状をやわらげる方法もあります。漢方薬を希望する場合は、漢方薬局に相談して処方を受けてください。症状や体質に合わせ、数種類の漢方薬を調合したものを飲むことになるでしょう。体への負担が少ない分、効果の出方がゆるやかであり数か月程度飲み続ける可能性があります。なお、健康保険は適用外となるため、費用の目安を事前に確認しておくといいでしょう。

3-2.後鼻漏の治療薬や副作用について

後鼻漏の治療薬は、粘膜調整剤・マクロライド系抗菌薬・抗ヒスタミン薬などが主なものになります。症状や体質などから、医師が判断し適切なものを処方するのです。なお、後鼻漏の治療薬は、人によって副作用が出ることがあります。指示どおりに服用していて、頭痛・発熱・悪寒・動悸(どうき)や息切れ・むくみ・けいれんなどの症状が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。

04. 後鼻漏のケアや生活習慣で気をつけたいこと

後鼻漏のケアや生活習慣で気をつけたいことについて、詳しく解説します。

4-1.日常生活でのケアについて

後鼻漏は、鼻やのどの粘膜が敏感になっているため、日常生活のケアも大切です。たとえば、以下を参考にしてください。

  • 外出時はマスクをしてほこり・雑菌・ウイルスなどが入らないようにする
  • 部屋が乾燥しすぎないように加湿器などを利用する
  • できるだけ寒暖差の激しい環境を行き来しない
  • ストレスをためない

4-2.市販の点鼻薬を使用することについて

後鼻漏の不快感を改善するために、市販の点鼻薬を利用している人もいます。しかし、市販の点鼻薬は、一時的に鼻水を止めることができても根本的な原因を取り除くものではありません。点鼻薬に頼るばかりに、本来必要な治療を受けることが先延ばしになってしまいます。また、だんだんと薬に慣れてしまい、効果が薄れることで回数や量を規定より多くしてしまいがちなので注意しましょう。

4-3.後鼻漏のケアに関する注意点

後鼻漏は、多くの場合、副鼻腔(びくう)炎などの病気の症状として現れます。そのため、耳鼻科などで本来の原因を突き止め、改善することが大切です。いずれ治るだろうと放置することで症状が悪化し、長期間不快な思いをすることになります。また、ほかの病気の治療が終わっても後鼻漏が続く場合は、速やかに医師に報告し、適切な処置を受けましょう。自己判断でケアを続けることはやめてください。

05. 後鼻漏の原因や治療法に関するよくある質問

最後に、後鼻漏の原因や治療法に関するよくある質問に回答します。それぞれの内容を参考にし、不安をなくしてください。

Q.後鼻漏は子どもに遺伝しますか?
A.後鼻漏自体は遺伝しません。しかし、鼻の構造や体質は遺伝することがあります。鼻が詰まりやすい・副鼻腔(びくう)炎になりやすい場合、子どもも同じ症状が出ることがあるでしょう。子どもが鼻をずっとすすっている・つばを飲み込むことが多いなど、気になる症状が見られるときは後鼻漏の可能性があります。

Q.後鼻漏は再発しやすいと聞いたのですが?
A.後鼻漏の原因が改善できていない場合は、再発しやすくなります。たとえば、市販の点鼻薬などで一時的に症状をしのいでいても、副鼻腔(びくう)炎などが原因だった場合は、治療を受けて完治していないと再発しやすくなるのです。また、治療後も再発を防ぐためには、日常生活のケアに気をつけ、気になる症状が出たときは速やかに医師に相談しましょう。

Q.妊娠中に後鼻漏になった場合の注意点は?
A.妊娠中に後鼻漏になった場合、投薬治療に制限が出る場合があります。胎児への影響を考え、できるだけ負担の少ない方法で治療を進めてください。場合によっては、本格的な治療を出産後に延期することもあります。妊娠中は、できるだけつらい症状をやわらげるために、マスクをして鼻やのどの粘膜に刺激を与えない・湿度管理をするなどの方法で対応してください。

Q.高齢者が後鼻漏になった場合の注意点は?
高齢者は、のどの奥に流れた鼻水をうまく飲み込むことができない場合があります。また、寝ているときに鼻水が気管支から肺に流れ、誤嚥(ごえん)性肺炎を起こすことがあるので注意してください。高齢者はのどの感覚も低下していることが多く、発見が遅れやすいので普段から注意深く観察することが大切です。

Q.後鼻漏は子どもの学力に影響を与えますか?
A.後鼻漏は、勉強に集中しにくくなるのは確かです。症状が気になって集中できないことで、勉強をしても成績が上がらない・勉強する意欲を失う、などの愛影響を考えることができます。将来の可能性を狭めることになりますから、速やかに適切な治療を受けさせてください。

06. まとめ

今回は、後鼻漏について詳しく解説しました。後鼻漏のつらさを解消するためには、速やかに専門治療を受けましょう。放置すると症状がひどくなるばかりです。早期治療が実現すれば、回復までの期間も短くなります。なお、後鼻漏の治療は、信頼できる病院選びが大切です。安心して治療を続けるためにも、病院選びをきちんと行いましょう。