妊娠線を消す方法とは? 予防・対策法を一挙ご紹介!

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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妊娠5~7か月目になるとお腹(なか)が大きくなり始めます。ちょうどそのころから目立ち始めるのが「妊娠線」です。妊娠線は、お腹・バスト・二の腕・太もも・おしりなどにできる真皮(しんぴ)の断裂跡となります。1度できてしまうと完全に消えるのが難しいといわれているため、きちんと予防しておかなければなりません。妊娠線を予防するための知識を身につけることが大切です。本記事では、妊娠線の基礎知識・予防法・対策法について説明します。

この記事を読むことで、妊娠線を予防・対策するために必要な知識を身につけることができます。できないようにしたい方、消す方法が知りたい方もぜひ参考にしてください。

01. 妊娠線の基礎知識

妊娠線の予防・対策について知る前に、基礎知識を身につける必要があります。まずは、妊娠線ができる場所・できやすい時期・原因とメカニズム・どのくらいの人ができるのかなど、基礎知識をチェックしていきましょう。

1-1.どういうものか

妊娠線とは、妊娠によってお腹が大きくなり、皮膚が急激に引きのばされることで発生する線のことです。ひび割れたり、ミミズのはったような赤い筋(すじ)ができたりします。別名・ストレッチマークとも呼ばれており、お腹だけでなく胸・おしりにも現れるのです。
妊娠線は1度できてしまうと、なかなか消すことができないといわれています。そのため、出産後に残った妊娠線に悩む方が多いのです。
主な種類としては、新妊娠線・旧妊娠線・正中線などいくつかの種類があります。代表的な3種類の特徴を以下にピックアップしてみました。

  • 新妊娠線:妊娠中にできる妊娠線。妊娠によりお腹が大きくなることで、毛細血管の赤みが皮膚に現れる
  • 旧妊娠線:妊娠中にできた妊娠線が、出産後に瘢痕(はんこん)化した状態。新妊娠線よりも薄く白っぽくなる
  • 正中線:お腹の真ん中部分だけに線ができる状態。おへそ部分から陰部にかけて1本の線が入るため、目立つ

1-2.できる場所

妊娠線ができる場所は、お腹まわりと下腹部がほとんどです。ほかにも、胸・腰・おしり・太もも・二の腕にも現れることがあります。胸の横や下は分かりにくく、妊娠線に気づかないことが多いのです。赤い筋の妊娠線が出ていることがあるので注意してくださいね。できやすいお腹・下腹部に妊娠線が現れた場合は、ほかにもできていないかどうか体中をチェックしたほうが良いでしょう。

1-3.できやすい時期

妊娠線ができやすい時期は、大まかに、妊娠初期・中期・後期の3つに分かれます。この中で最も多いのが、妊娠後期(8~10か月目)です。妊娠線ができた方の約80%が、妊娠後期に出てくるとされています。次いで多いのが、妊娠中期(5~7か月目)、妊娠初期(~5か月目)です。お腹が大きくなり始める妊娠中期、そして、赤ちゃんが最も成長する妊娠後期に注意してください。

1-4.原因・メカニズム

妊娠線の原因は、「皮膚の急激な伸び」と「コルチコステロイドの影響」があります。妊娠中期~後期にかけてお腹が大きくなり始め、皮膚の下にある真皮(しんぴ)と呼ばれる組織が伸びについていけません。その結果、真皮が断裂しやすくなり、その部分が妊娠線として出現します。
そして、妊娠中はコルチコステロイドというホルモン成分の分泌量が増えるでしょう。増加によって、お肌の新陳代謝が抑制され弾力を失い、断裂が起きやすくなります。

1-5.どのくらいの人ができるか

妊娠線は、約50~60%の確率でできるといわれています。つまり、2人に1人は妊娠線が発生する割合ですね。さらに、2人目を妊娠している妊婦の場合は、確率が80%にはねあがるというデータも出ています。皮膚の伸びが悪くなる加齢が原因としてありますが、妊娠線ができない体質だと思いこみ、ケアを怠るケースがほとんどです。1人目に妊娠線が出てきていないからといって、2人目にケアを怠らないように注意してくださいね。

02. 妊娠線の予防法

妊娠線は1度できるとなかなか改善できないため、予防が最も大切だといわれています。できやすい人や予防法・ケア方法・ケアグッズ・注意点について詳しくチェックしておきましょう。

2-1.できやすい人とは

妊娠線ができやすい人は、以下のとおりです。

  • 出産の経験がある妊婦
  • 双子・三つ子など多産児の妊婦
  • 高齢出産の人
  • 小柄な人

出産経験がある人は、前の妊娠時に子宮が伸びているため、予想以上にお腹が大きくなる傾向があります。よって、妊娠線が以前よりもできやすいのです。
双子・三つ子などの多産児の妊婦は、普通の妊婦よりもお腹が大きくなります。
高齢出産の人は皮膚の代謝が悪くなっているため、弾力性のなさから皮膚に強い力がかかり、小柄な人は皮膚の表面積が小さくなるので、どうしても妊娠線ができやすくなるのです。

2-2.予防法とは

妊娠線の予防は、早めが肝心です。「いつから始めれば良いの?」と疑問に思う方が多いと思いますが、できればお腹が大きくなり始める妊娠5か月目から始めてください。妊娠5か月目は、安定期に入るので肌荒れも少しずつ落ち着きます。かゆみ・湿疹(しっしん)などの症状がなければ、妊娠初期から予防をしてくださいね。妊婦の中には、妊娠が分かったときから始めている人もいます。

2-3.ケア方法

妊娠線予防のためのケアは、誰でも簡単にできます。代表的なケア方法といえば、全身保湿です。かさつきが目立つ部分は、皮膚が伸びている可能性があります。そのため、定期的に保湿クリームや妊娠線予防クリームなどで潤いを与えてください。保湿ケアは毎日行うことで効果が期待できます。

ほかにも、マタニティー用のサポート下着を装着するのもケアの1つです。大きくなるお腹を支えると同時に、皮膚が急激に伸びるのを防いでくれます。特に、冬場はお腹が冷えやすくなるため、保湿クリームを塗ってマタニティー用の下着を身につけておけば、冷え対策にも効果的です。マタニティー用の下着は、靭帯タイプとガードルタイプがあります。靭帯タイプはソフトなつけ心地、ガードルタイプはお腹の重みをしっかり支えてくれるので外出時におすすめです。季節やシーンに合ったものを選んで使用してくださいね。

2-4.ケアグッズ

妊娠線のケアグッズは、さまざまな種類があります。たとえば、マタニティーショーツやブラジャー・妊婦帯(マタニティーガードル)・保湿クリーム・妊娠線予防クリームなどです。妊娠線予防クリームは、その名のとおり、妊娠線を予防するために開発されたクリームとなります。多種多様なクリームが登場していますが、選ぶときは以下のポイントに注目してください。

  • 潤い成分が豊富に含まれているか
  • お肌の乾燥を防ぐ力があるか
  • 引き締め効果のある成分が含まれているか
  • 1か月あたりのコストパフォーマンス

妊娠線において乾燥は大敵です。コラーゲン・ヒアルロン酸・葉酸・ビタミンC誘導体などの潤い成分やお肌を引き締める効果のある成分が含まれているものを選びましょう。また、妊娠中、毎日塗ることが大切なので、コストパフォーマンスが優れているのかも要チェックですね。

2-5.注意点

「早いうちから妊娠線予防をしていても、できてしまった」という方がいます。その理由として最も多いのが、大きくなったお腹の陰に妊娠線が隠れていたことで見落としてしまう点です。お腹が大きくなると、自分の目では確認できない場所が出てきます。十分にケアをしていても、きちんとできなかったケースが多いのです。そのため、夫に確認してもらったり、鏡を使ったりするなど工夫が必要でしょう。

03. 妊娠線の対策法

妊娠線ができてしまった場合、完全に消すことはできませんが、正しいケアによって目立たなくすることができます。できたときのケア方法やグッズ・注意点についてチェックしていきましょう。

3-1.できてしまったらどうするか

妊娠線ができたばかりのころは、赤紫色をしています。時間が経過すると同時に、お肌の色に近い自然な色になり、目立たなくなるでしょう。妊娠線を見つけたときよりもマシになりますが、やはり線が残るので気になる方も多いようです。妊娠線ができてしまったときは、すぐにケアを始めてくださいね。予防と同じく、早めのケアが最も大切なポイントとなります。

3-2.ケア方法

妊娠線ができた後のケアは、保湿が大切です。普通の保湿クリームではなく、妊娠線専用のボディークリームを使用してください。妊娠用のクリームは、安心して使用できる成分が含まれています。出産後のケアにも効果的なのでおすすめです。妊娠線が目立っている箇所へクリームを塗り、軽めのマッサージをしましょう。マッサージはお肌の代謝を促し、余計な摩擦を抑える効果があります。
さらに、オイルを併用することで、お肌に含まれている水分の蒸発が防止できるのです。お肌の乾燥がひどい場合は、クリームとオイルを併用して潤いを与えてくださいね。できれば、毎日お肌に塗っていきましょう。

3-3.ケアグッズ

妊娠線ができた後のケアに必要なのは、妊娠線専用クリームとオイルです。さまざまなオイルが販売されていますが、赤ちゃんでも使用できるタイプを使ってください。中でも、ホホバオイルは人間の皮膚に近い成分でできているのでお肌への刺激も少なめです。赤ちゃんと一緒にオイルを使ってマッサージすると良いかもしれませんね。

3-4.注意点

できてしまった妊娠線は、簡単に消えるものではありません。線が薄くなるまで、時間がかかるでしょう。「なかなか消えない……」と途中で諦めずに、頑張って保湿し続けてください。きちんと保湿することで、少しずつですが薄くなります。何よりも、毎日続けることが大切です。1日1日忘れずに、お肌のケアを行いましょう。

04. 妊娠線に関してよくある質問

妊娠線に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.妊娠線ができにくい人とは?
A.10代後半~20代前半の若い妊婦は、高齢出産の方よりも妊娠線ができにくい傾向があります。なぜなら、お肌に潤いがあり、妊娠に対する急激な変化にも対応できるからです。お腹の皮膚が伸びても妊娠線ができにくく、出産後の体型ももとに戻りやすい傾向があります。また、大柄な人もお腹の表面積が広いので、妊娠線ができにくいのです。

Q.体重と妊娠線の関係とは?
A.急激に体重が増えてしまうと、その分お腹も大きくなってしまいます。その結果、妊娠線ができやすくなるため、急激な体重変化に注意が必要です。妊娠5か月目の安定期に突入したら、体重管理を徹底してください。たとえば、散歩をしたり、マタニティーヨガをしたり、無理のない程度に体を動かしましょう。

Q.部位ごとの妊娠線ケア法が知りたい
A.妊娠線予防クリームを塗るときは、もみこまずにやさしく伸ばすことがポイントです。特に、胸は刺激しすぎるとお腹が張ってしまうため、注意してください。太ももは汗をかきやすい部位なので、つけすぎに注意しましょう。動かすことの多い二の腕は、入浴後と起床後の1日に2回塗るのが理想的です。

Q.クリーム・オイル以外に、ローションは使えるのか?
A.ローションも使用できます。ローションは、クリーム・オイルよりも保湿効果が高めなのでおすすめです。ただし、お肌に刺激が強すぎる成分が含まれているのは危ないため、低刺激なものを選んでください。最初は、少量を試しながらお肌に合っているか確かめると良いでしょう。

Q.妊娠線のケアは、いつすれば良いのか?
A.妊娠線専用のクリームを塗るタイミングは、入浴後がおすすめです。入浴後はお肌の水分が蒸発しやすくなるため、クリームを塗って蒸発を防いでください。基本は、入浴後ですが、乾燥が気になったときに塗るのも良いですよ。

05. まとめ

いかがでしたか? 妊娠線は、妊娠によってお腹が大きくなることで皮膚が伸び、現れた線のことです。妊娠線は1度できると消えないといわれているため、予防が大切なポイントとなります。安定期に入る妊娠5か月目から、妊娠線専用クリームを塗って保湿してください。毎日クリームを塗ることでお肌の乾燥を防ぎ、妊娠線の予防ができます。すでに、妊娠線ができてしまった場合も、毎日保湿をすれば、少しずつ目立たなくなるので安心してください。正しいケア方法を把握して、妊娠線予防・対策に努めましょう。