妊婦さんの腰痛対策や原因ごとの解消法・注意点について

つらい! 妊婦さんの腰痛対策や原因ごとの解消法・注意点について

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
免責事項について

妊娠の不快症状にはさまざまなものがあります。つわり・貧血・便秘などはよく知られていますが、腰痛も妊婦さんを苦しめる症状の一つです。では、なぜ妊婦さんは腰痛になってしまうのでしょうか?

今回は、妊婦さんの腰痛についてご紹介します。早く腰痛を解消したい・少しでも痛みをやわらげたいといった方はぜひ最後まで読んでみてください。腰痛の解消方法・対策はもちろん、原因も詳しくご紹介しますので、腰痛のほかに関連する不快症状がある方にもおすすめの内容です。

妊婦の腰痛について

1-1.妊婦は腰痛が多い!?

妊婦になった途端に腰痛になる方が多いことをご存じでしょうか。今まで腰痛とは縁がなかった人でも痛みだしてしまうのです。ひどい場合は、横になっても起きていても痛いという方もいらっしゃいます。

1-2.メカニズム

妊婦さんはおなかが重くなるため腰痛になるのでは? と思われる方が多いでしょう。もちろんおなかの重さが原因で腰痛になることも多いのですが、まだおなかがそこまで重くない妊娠初期であっても腰痛になる方はいらっしゃいます。これは、姿勢・体制の問題だけではなさそうですね。妊娠中の腰痛の詳しい原因については、次項以降でご紹介します。

1-3.通常の腰痛との違い

妊娠中の腰痛の痛み方は、人によってバラバラですので通常時の腰痛と特に区別はつきません。しかし、妊娠前と明らかに痛み方や、痛みの程度・箇所が違う場合には、妊娠腰痛の可能性が高いでしょう。

1-4.放置するとどうなるか

妊娠腰痛は、基本的におなかの大きさに比例して出産まで右肩あがりに痛みが増していきます。今日より明日のほうが痛くなる・明日より来週のほうが痛くなるという可能性を覚悟しておきましょう。腰痛を放置すると骨盤や骨がゆがんだまま固定されてしまい、より症状が悪化してしまうこともあります。4.にて解消法をご紹介しますので、できそうなものから一つずつトライしてみましょう。

妊婦の腰痛~症状と時期について

2-1.主な症状

前述のとおり、妊娠中の腰痛の症状は人それぞれです。

  • ぎっくり腰のような強い痛み
  • どの姿勢でもつらい
  • ある姿勢になったときだけ痛い
  • 鈍痛が続く

上記のような症状が一般的です。

2-2.妊娠時期ごとの症状は?

妊娠初期は、ホルモンの関係から腰痛になることもあります。なんとなく腰が重いというような症状が妊娠初期の特徴です。妊娠後期になるにつれて、おなかが大きくなり姿勢・骨の位置が変わってきます。腰だけでなく背中や下半身全体が重く痛くなることも多いのです。

2-3.注意点

ふだんから腰痛がある方は、妊娠初期の腰痛だということに気が付かず、いつもどおり痛み止めなどを飲んでしまうといったことがあるかもしれません。妊娠の可能性がある場合には、容易に痛み止めなどを飲むのは避けましょう。

妊婦の腰痛~原因について

3-1.どんな原因があるか

3-1-1.体重増加・姿勢

妊娠中は最大約10kgも体重が増えます。ペットボトル5本分をおなかにかかえている状態ですので、腰や背中にかかる負担も尋常ではありません。

3-1-2.ホルモン

妊娠初期は、リラキシンという卵巣ホルモンが分泌されます。出産時に胎児が狭い産道を通れるように、関節やじん帯をゆるめる作用をもっているのです。ゆるんだ骨盤の代わりに体を支えるのは腰の筋肉なので、腰痛へとつながってしまいます。

3-1-3.心理的な原因

妊娠中は気を張ったり緊張状態が続いたりします。体を常にこわばらせてしまうことにより腰痛になる方も多いのです。

3-2.注意すべき併発症状

常に前かがみの生活を続けていると、ヘルニアや骨のゆがみなど重篤な症状になってしまうこともあります。

3-3.こんなときは医師へ

痛みが長く続くときや、悪い姿勢が続いてしまうときは、医師にかかりましょう。妊婦さんは投薬に制限があるため、自己流での治療はおすすめできません。また、次項で紹介する解消法を試す前にも、念のため医師に確認したほうがよいでしょう。

妊婦の腰痛解消法あれこれ

4-1.対処法

腰痛を解消するための方法をご紹介します。

4-1-1.骨盤ベルト

おなかと腰まわりを支えることで、姿勢の悪化を防ぐことができます。前かがみが続いてしまっている方や、骨のゆがみがある方にも効果的です。

4-1-2.ストレッチ・マッサージ

腰痛にはストレッチやマッサージも有効ですが、その内容は医師や整体師さんに相談しましょう。おなかに負担がかかる姿勢や、押してはいけない箇所もあります。ストレッチやマッサージは、体調や状況によってできるものとできないものがあると思いますので、なるべくたくさんのパターンを教えてもらっておいて、日によって内容を選べるとベターです。

4-1-3.運動

血行不良がある方におすすめです。軽くお散歩をする程度がちょうどいいでしょう。激しい運動や腰に負担がかかる運動は、かえって腰痛をひどくしてしまうので注意してください。運動前後にもストレッチをしたほうがいいでしょう。

4-1-4.生活習慣

ストレス・緊張など、体を無意識にこわばらせないようにしましょう。寝るときには抱きまくらの使用もおすすめです。長時間のスマホの使用は、妊婦さんでなくても体に悪影響ですので、使用時間を決めたり意識的に姿勢を正すなどの注意をしましょう。

4-2.妊娠中でも使用できる薬とは

妊娠中に気を付けなければならないのは、飲み薬だけではありません。エルメントール系のスースーする湿布・塗り薬は、赤ちゃんの血管にも作用してしまう可能性があります。背中・腰まわりでしたらほとんど大丈夫ですが、念のため貼(は)る位置は医師に確認したほうがよいでしょう。また、薬以外にも体をあたためる作用のあるお茶や漢方もおすすめです。ただし、市販のものを独断で摂ったりせず、必ず薬剤師や調合師と相談してください。

4-3.やってはいけないこと

妊娠中に下記のことは避けましょう。腰痛だけでなく体全体・赤ちゃんにも悪影響を与えてしまうことがあります。

  • おなかを圧迫する
  • 血行を悪くする
  • 体を冷やす
  • 自己判断で薬や漢方を飲む

妊娠中の腰痛についてよくある質問

5-1.寝起きの腰痛がひどいのですが

仰向けで寝ると腰に負荷がかかってしまいます。抱きまくらなどを利用して横向きに寝る習慣を付けるのがおすすめです。

5-2.腰痛で病院にかかるには?

産婦人科の先生に相談したうえで、整骨院や整体に通院している方も多いのです。普通のマッサージ屋さんは避けましょう。妊婦専門のメニューがあるところがおすすめです。

5-3.お茶はなにがおすすめですか?

カフェインが含まれるコーヒー・紅茶・緑茶・ジャスミンなどは避けた方がいいでしょう。ただし、あまり気にしすぎてもかえって体に悪影響になってしまいます。これらの飲み物を我慢することがストレスになるくらいでしたら、少しは飲んでも大丈夫です。ノンカフェインの麦茶や、漢方専門店で調合してもらうお茶などがベターでしょう。

5-4.妊娠中のストレスが腰痛の原因になるって本当?

本当です。心の不調は体にも出てしまいます。妊娠中は食べ物飲み物生活習慣などの制約が多く、ホルモンバランス崩れストレスがたまりやすくなるでしょう。ストレスを完全に取り除くことはできませんので、解消できるストレスとそうでないものに分けて考えると気が楽かもしれません。

5-5.妊娠中におすすめの運動は?

ウォーキング・スイミング・ヨガ・スクワットなどがおすすめです。球技・ひねる動作・力む動作・その他激しい運動はひかえましょう。

まとめ

いかがでしたか? 妊娠に腰痛はつきものですが、我慢しすぎることはありません。自分にあった解消方法で、楽しく妊娠生活を楽しみましょう。特に、ストレッチや運動を日課にすると、ストレス解消にもつながり一石二鳥になるのでおすすめです。体質・体調によって効果のある解消法が異なりますので、医師と相談しながらトライしてみてください。