入浴事故を防止する方法は? 主な原因・命を守る対処法を徹底解説!

「寒い時期には入浴事故が多発すると聞いたが、防止する方法を詳しく知りたい」とお考えではありませんか? 家族に高齢者や持病がある人がいると、特に心配ですよね。入浴事故を防いで命を守るためにも、まずは、正しい知識を身に付けることが必要になります。しかし、どんな原因で入浴事故が起きやすいのか、起きてしまったときはどんな対処をすればよいのかなど分からないことでしょう。

そこで今回は、入浴事故の防止について詳しく解説します。

  1. 入浴事故はどのくらい起きている?
  2. 入浴事故が起こる原因
  3. 入浴事故を防ぐためのポイント
  4. 入浴事故が起きたときの対処法
  5. 入浴事故の防止に関するよくある質問

この記事を読むことで、入浴事故を防止するためのポイントや対処法がよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。

1.入浴事故はどのくらい起きている?

最初に、入浴事故の事例や起きやすい時期などを見ていきましょう。

1-1.入浴事故の代表的な事例

入浴事故の代表的な事例を3つご紹介しましょう。

1-1-1.脱衣場で服を脱いだ途端に血圧が急上昇した

古い木造住宅で一人暮らし中のAさんは、夜の入浴が毎日の楽しみになっていました。しかし、ある冬の日、脱衣場でいつものように服を脱いだAさんは、頭がクラクラする感覚を覚えたのです。実は、高血圧の持病を持つAさんは、脱衣場が寒かったためにヒートショックを起こしていたのでした。Aさんは何とか自力で救急車を呼ぶことができたものの、2週間の入院治療を余儀なくされたのです。

1-1-2.飲酒後の入浴で浴槽から立ち上がれなくなった

お酒を飲むのが大好きなBさんは、いつものように家で楽しく飲んだ後、入浴することにしました。かし、いつもよりお酒の量が多かったせいか、足元がフラついていたのです。そのため、家族から入浴をやめたほうがいいと言われたものの、Bさんは問題ないだろうと軽く考えて浴槽に入りました。しかし、案の定浴槽から出たくても体がうまく動かず、立ち上がれなくなってしまったのです。家族のとっさの判断で救出されたものの、Bさんは飲酒禁止令を出されてしまいました。

1-1-3.長時間の残業で疲労がたまり浴槽で眠ってしまった

長時間の残業が続いていたCさんは、せめて入浴して疲れを取ろうと、眠る前に浴槽に入ることにしました。体が温まって気持ちよくなったのと同時に激しい睡魔に襲われたCさんは、そのまま浴槽内で眠ってしまったのです。幸いにも家族の発見が早かったために、一命を取りとめましたが、Cさんはことの重大さに震えが止まりませんでした。

1-2.11~3月に起きやすい

入浴事故は、11~3月に集中して起きやすいのが特徴です。消費者庁の調査によると、全体の件数の約7割がこの時期に集中しています。11~3月は気温が低い日が多いことが、主な原因です。また、寒い時期は入浴で体を温めようとする人が多いのも、入浴事故の増加につながっています。

2.入浴事故が起こる原因

入浴事故が起こる主な原因を詳しく解説します。

2-1.寒暖差が大きい

脱衣場と浴室の寒暖差が大きいことが、入浴事故の主な原因です。古い木造住宅などは、住宅の気密性が低く、冬になると冷たい空気が家の中に流れ込みやすくなります。中には、脱衣場の室温が外気温とほとんど変わらないケースもあるでしょう。寒い場所で衣服を脱げば、血圧が急上昇する原因になります。高血圧や動脈硬化がある人は、脳出血や脳こうそく・心臓発作などを引き起こす可能性が高くなるので注意が必要です。

2-2.飲酒

飲酒後の入浴は、入浴事故の確率を高めるので避けてください。飲酒は、正常な判断能力をにぶらせるからです。また、睡魔に襲われやすくなるのもいけません。普段から、入浴後に飲酒する習慣を付けると安心です。うっかり先に飲酒してしまった場合は、アルコール分がきちんと抜けるまで入浴しないでください。

2-3.服薬

服薬も、入浴事故が起こる原因の一つです。特に、高血圧や糖尿病などの治療薬を服用している人は注意してください。薬の効果により、体調が急激に変化して入浴事故が起きやすくなります。また、精神安定剤や睡眠薬を服薬後の入浴もいけません。なお、服薬が必要な場合は、薬の種類によって適切な入浴タイミングが異なるので、かかりつけ医の指示を仰ぐことをおすすめします。

2-4.疲労過多

疲労過多も入浴事故の原因になります。仕事などでクタクタに疲れているときに入浴し、浴槽でうっかり眠っておぼれてしまうケースが急増中です。また、疲労過多だと判断能力や運動能力が落ちているため、つまずきやすくなったりすべりやすくなったりするので注意してください。

2-5.浴室環境の不備

浴室環境の不備も、入浴事故が起こりやすい原因になります。たとえば、浴室の床にものが散乱している、すべり止め対策をしていないといったようでは、事故が起こりやすいのも自然なことです。入浴中は裸になるため、普段よりもつまずいたりすべったりしたときのダメージが大きいことを認識しておきましょう。

3.入浴事故を防ぐためのポイント

入浴事故を防ぐためのポイントを詳しく見ていきましょう。

3-1.入浴前の飲酒を避ける

入浴事故を防ぐためには、入浴前の飲酒を避けましょう。飲酒は、正常な判断能力を低下させるため、入浴事故の確率を高くしてしまいます。少量なら構わないだろうと飲酒した結果、入浴中に体調を崩したり足元をすべらせたりしてしまうケースが多いのです。飲酒したいのなら、入浴後にしてください。

3-2.体調不良時は入浴しない

体調不良時に入浴しないことも、入浴事故を防ぐために大切です。入浴は、想像以上に体に負担をかけます。無理に入浴した結果、体調が悪化して大きな入浴事故につながることも多いのです。汗や汚れが気になるときでも、シャワーや清拭(せいしき)にとどめておきましょう。

3-3.正しい入浴法を守る

入浴事故を防ぐには、正しい入浴法を守ることも重要です。詳しくは、以下を参考にしてください。

  • 入浴前に水分補給を行う
  • お湯の温度は40℃以下にする
  • かけ湯をして体を慣らしてから浴槽に入る
  • 浴槽に肩まで入らない
  • 浴槽に入るのは10分程度までにする
  • 浴槽の出入りはゆっくりとした動作で行う

なお、入浴後も体調が急変することがあるので、体をよく拭いてから保温性の高い服装に着替え、適度に水分補給をして休息することを忘れないでください。

3-4.浴室と脱衣場の寒暖差を小さくする

浴室と脱衣場の寒暖差を小さくすると、入浴事故を防ぐ効果があります。特に、冬場は脱衣場と浴室の寒暖差が大きくなるので注意しましょう。たとえば、以下の方法で寒暖差を小さくすることができます。

  • 入浴20分前から浴槽のフタと浴室の扉を開けて浴室や脱衣場を暖かくしておく
  • 脱衣場に暖房機器を導入する
  • 一気に洋服を脱がない
  • 浴室暖房を導入する

3-5.浴室の安全性を高める

入浴事故を防ぐには、浴室の安全性を高めることも必要です。安全性の高い浴室にするためには、以下を参考にしてください。

  • 手すりを適宜設置する
  • 浴室の床などに余計なものを置かない
  • 浴室の床や浴槽の中にすべり止めマットを敷く
  • 引き戸など少ない力で開閉できる扉に変更する
  • 深さが浅い浴槽に交換する

3-6.家族に一声かけてから入浴する

家族に一声かけてから入浴することも、入浴事故を防ぐために効果的です。家族が気にかけてくれることが、入浴事故の早期発見につながります。家族に声をかけておけば、万が一何かが起きても気にかけてもらえるからです。なかなかお風呂から出てこないとなれば、心配して確認してくれることでしょう。

3-7.日中に入浴する

冬場は、日中に入浴してしまうのもよい方法です。日中は気温が上がるため、入浴事故が起きづらくなります。また、周囲が明るい、1日の疲れがたまっていないなどの条件からも、昼間の入浴がおすすめです。ほかの家族が在宅しているタイミングで入浴すれば、なお安心でしょう。

4.入浴事故が起きたときの対処法

万が一入浴事故が起きたときの対処法を詳しく解説します。

4-1.入浴者の意識や呼吸を確認する

入浴事故が起きたら、家族を集めて入浴者の元にかけつけ、意識や呼吸の状態を確認しましょう。呼びかけに応じることができれば、意識がある証拠です。意識があるときは、声をかけ続けて安心させましょう。同時に、浴槽に上半身が沈まないようにフタなどを利用して支えてください。

4-2.人工呼吸を行う

呼びかけに応じないときは、呼吸を確認してください。口の中に飲食物がつまっていたらかき出して、気道を確保しましょう。呼吸が確認しづらい、脈が触れないといった場合は命の危険が迫っているので、人工呼吸を行う必要があります。人工呼吸の正しいやり方は、東京消防庁のホームページを参考にしてください。いざというときに慌てないためにも、日ごろから人工呼吸のやり方を心得ておくことが大切です。

4-3.救急車を呼ぶ

人工呼吸を行いつつ、救急車を呼びましょう。119番に電話したら、住所・氏名・状況を簡潔に伝えて救助を依頼してください。ただし、救助を依頼しても救急車がすぐに来てくれるとは限りません。救急車が到着するまで、声かけや人工呼吸を続けることが大切です。救急車が来たら、救急隊員に状況を説明して対処してもらいましょう。

5.入浴事故の防止に関するよくある質問

最後に、入浴事故の防止に関する質問に回答します。それぞれ確認しておきましょう。

Q.夏場なら入浴事故の心配はない?
A.冬場より確率は低いとはいえ、ゼロではありません。たとえば、暑さをしのごうとして冷たい水風呂に入るのが好きな人などは、特に注意が必要です。

Q.半身浴なら入浴事故が起きにくい?
A.肩まで入る入浴法よりは、入浴事故の確率は低くなります。しかし、半身浴も長時間におよんだり、お湯の温度が高過ぎたりすると危険です。

Q.入浴事故は若い人にも起きる?
A.はい。条件がそろえば、若い人でも入浴事故は起こります。自分だけは大丈夫、この程度なら問題ない、といった考えはやめましょう。入浴に不安が残るときは、無理に入らないほうが賢明です。

Q.冬場に入浴しないと体が冷えて寝付きが悪くなるのですが?
A.たとえば、足湯や手湯がおすすめです。深めの洗面器にお湯を入れ、足や手を浸してみてください。徐々に体全体がポカポカしてくることでしょう。また、体の冷えは運動不足や血行不良も原因なので、家の中でストレッチをしたり筋トレをしたりするのも効果的です。

Q.冬場は入浴施設に出かければ安心できる?
A.自宅の脱衣場が寒いなどの場合は、入浴施設で入浴するほうが安心なのは事実です。しかし、寒い中わざわざ出かける必要があり、お金もかかることを考えると、一長一短となるでしょう。

まとめ

今回は、入浴事故の防止について詳しく解説しました。11~3月は気温が低いため、特に入浴事故が起きやすい時期です。入浴事故を避けるためには、脱衣場と浴室の寒暖差を少なくする、飲酒・服薬後の入浴を避ける、正しい入浴法を守るなど、さまざまな対処法があります。入浴事故は、深刻な状態になりやすく、命を落とすケースも多いのです。大切な命を守るためにも、この記事を参考にしてしっかり対策してください。