膝の痛みで正座ができない! 変形性膝関節症や関節炎など病気も原因

膝の痛みで正座ができない! 変形性膝関節症や関節炎など病気も原因

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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膝に痛みがある方は、正座ができなくなります。膝の痛みにはいろいろな原因があり、変形を伴うものやリウマチといった病気が隠れているものもあるのです。正座ができないと、生活にも影響が出てきます。膝が痛い原因を探り、自分なりの対処法を知っておくと安心です。

「膝の痛みを緩和するケアが知りたい」「膝の痛みにはどんな病気が関連している?」など、膝が痛いと気になることも多いことでしょう。運動や食生活の改善などでも、膝の痛みを抑えることができます。ポイントを覚えておき、正座ができない悩みを解消してみてください。

膝を曲げると痛いという方も、この記事を参考にし、治療法や予防について覚えておきましょう。膝の痛みは改善できます。まずは、どのような原因があるのかを知り、痛みを和らげるセルフケアについても理解してください。

正座ができない原因について

なぜ膝が痛むのか、正座ができなくなった理由などを考えたことはありますか? 筋肉や関節など、問題を抱えている部位は異なるものです。病気が関連している場合は、適切な治療が必要となります。

1-1.なぜ正座ができないのか? 

関節の痛みで曲げると痛いという方もいます。筋肉が硬直し、曲げにくくなっている場合もあるでしょう。膝が腫れているようであれば、腫瘍などを疑う必要があります。変形しているかどうかもポイントです。変形性関節症は加齢によっても起こりやすく、治療やリハビリで改善していくことが求められます。

1-2.関節が痛くて正座ができない

関節の痛みは、普段の姿勢や座り方に問題がある場合がほとんどです。足組みをすることが多いと、足の湾曲が起こります。そのため、膝の裏や内側に痛みを感じやすくなるでしょう。

1-3.筋肉のこりで正座ができない

運動不足の方や同じ姿勢を繰り返す方は、リンパ節に老廃物が停滞しやすくなります。流れが滞(とどこお)り、正座をしたときに圧迫されて痛みとなって現れるのです。長時間同じ姿勢は続けず、時々体を動かすだけでも、筋肉のこりは和らげることができます。

1-4.膝が痛くて正座ができない

関節や筋肉に問題がなく、膝がだけが痛む場合、膝の変形が考えられます。検査をしても異常がないにもかかわらず、こすれ合う骨が徐々にえぐられてしまう可能性もあるでしょう。加齢が原因となって起こり、閉経後は特に骨粗しょう症なども発症しやすいため、膝に痛みを感じる方が多いものです。

1-5.病気が関連して正座ができなくなる

関節リウマチは、膝の変形を伴い、全身の関節に変形を示す病気です。早期治療が望ましく、リハビリなども行います。また、良性の腫瘍ができている場合もあり、神経圧迫による痛みが起こることもあるでしょう。

1-6.正座ができないという症状が出やすい人

閉経した女性や高齢者は骨密度が低下する傾向にあるため、膝の痛みを感じやすいでしょう。デスクワーク中心で、体を動かす機会が少ない方も、関節や筋肉が硬直しやすいため、症状が出るリスクが高まります。

正座ができなくなる病気について

病気が関連している場合、原因をきちんと解明し、適切な治療をすることが大切です。

2-1.関節炎による痛み

関節に炎症が起こり、腫れや痛みを伴うのが、関節炎です。可動域が制限され、動かしにくくなるのが特徴でしょう。曲げる・延ばすという動作に影響が出ます。乾癬(かんせん)性関節炎という皮膚疾患に伴う関節の炎症では、リウマチのようなこわばりを感じることがあるでしょう。どちらの場合も、消炎鎮痛薬での治療となります。

2-2.関節リウマチによる骨や関節の破壊

関節リウマチは、自己免疫疾患の1つです。外的要因に対して働く免疫機能が、自分の体を攻撃するために発症します。関節や骨の変形が起こり、全身に及んで破壊を繰り返す病気です。朝にこわばりが強く、関節が動かしにくいという症状が現れます。

2-3.変形性関節症による痛み

変形性関節症は、膝にも症状が現れます。猫背や前屈みなどの悪い姿勢や肥満が原因です。膝は影響を受けやすい部位で、軟骨が加齢によってもすり減ります。軟骨は衝撃を受け止める役割がありますが、軟骨の減少でぶつかり合い、痛みが強く出るのです。重症例では、歩行も難しくなる場合があります。

2-4.良性腫瘍のガングリオン

ガングリオンは、全身のどこにでもできる可能性がある良性腫瘍です。ガングリオンそのものに痛みはありません。自然治癒するケースがほとんどです。膝周辺にガングリオンができた場合、神経や血管を圧迫します。そのため、膝の裏や内側に痛みを感じることもあるでしょう。類似した病気では、ベーカー嚢腫 (のうしゅ)というものがあります。関節リウマチや変形性関節症などを発症した際に、同時に併発する病気です。

正座ができないときの治療方法

関節や骨の異常では、整形外科での治療が必要です。関節リウマチは進行する前に、早期治療で悪化しないように注意してください。受診すべき症状や治療方法などを覚えておきましょう。

3-1.正座ができないときのセルフケアについて

体を柔らかくし、なるべく運動するよう心がけましょう。

3-1-1.柔軟運動

ストレッチはこまめに行いましょう。デスクワークが多い方も、1時間おきに体を動かし、硬くなった筋肉をほぐすようにしてください。膝の屈伸運動も意識しましょう。

3-1-2.軽い運動

痛みがあると運動は避けてしまいがちです。動かさなくなった体は、筋力が衰えてしまいます。ジョギングやウォーキングなど負担が少ない運動から始め、毎日継続するようにしてください。

3-1-3.マッサージ

マッサージで血流を改善し、筋肉をほぐすのも有効な対策です。足のむくみが取れ、すっきりした感覚を抱くことができます。なるべく足首から始め、上に向かってリンパを流すようなマッサージをしてください。冷え性にも効果的です。

3-2.薬を使った治療方法

整形外科では、消炎鎮痛薬の治療がメインとなります。湿布などを併用し、リハビリで運動機能回復を行う場合もあるでしょう。温熱や電気治療を行うこともあります。関節リウマチのような自己免疫疾患では、ステロイドで炎症を抑える治療も必要です。

3-3.正座ができないときに受診する病院について

3-3-1.膝が痛いときに受診すべき症状とは? 

動かさないのに痛む・腫れがある・膝の動きが不安定などの症状がある場合、速やかに受診しましょう。外傷が原因の場合も、すぐに受診してください。ほかの炎症へと発展する前に治療を開始するべきです。膝の痛みが3日以上経過しても改善しないようなら、長引く傾向があります。激しい痛みがあるときも早めに治療が必要です。

関節や骨の異常は、整形外科での治療となります。しかし、関節リウマチは、リウマチ専門医や膠原(こうげん)病内科を受診し、専門的な治療を行うことが望ましいでしょう。リハビリを目的とするなら、整体院での治療もおすすめです。マッサージや指圧などを受けることができます。ただし、病院で診断を受けてから通う方がいいでしょう。病気が潜んでいる場合、まずは原因の究明が必要です。

3-3-2.膝の痛みや正座ができないときの治療について

膝に痛みがある場合、遠方の病院に継続して通うのは大変です。自宅の近くで信頼できる病院を探しましょう。無理なく通えることが大切です。リハビリなど毎日通わなくてはならない場合、膝の痛みで動けないことも想定しておく必要があります。なるべく近隣の病院を見つけて治療を受けてください。

3-4.正座ができないときの治療にかんする注意点

病院を受診する前は、膝の痛む場所・動作に伴う痛みか・症状の出現時期などを記録しておきましょう。診断の目安となります。痛む場所により、診断も変わってくるものです。膝の裏側・内側・後ろなど、具体的に伝えられるようにしてください。

膝の痛みを緩和する予防法

膝の痛みがあるときは、無理な動きは避け、軽い運動から始めてリハビリを行うようにしてください。普段からできる予防法や、セルフケアのポイントなどもご紹介します。

4-1.運動不足解消

デスクワークが多い方は、運動をする機会がなかなか持てないものです。しかし、運動や歩くといった動作をしなければ、どんどん筋力は失われていきます。激しい運動やスポーツを急に始めるのは難しくても、ウォーキング・ジョギング・水泳など、軽い有酸素運動を行ってみてください。ポイントは、継続して毎日少しでも体を動かすことです。自然と筋肉や骨が強くなり、膝の痛みも出にくくなります。

4-2.食生活で取り入れたい食材や栄養素

骨や筋肉を強くするためには、カルシウムや鉄分などのミネラルを取りましょう。関節強化のため、グルコサミンやコンドロイチンの摂取もおすすめです。乳製品・魚介類・大豆などを中心に、野菜もバランスよく食べてください。
肥満も膝の痛みを誘発します。そのため、3食をバランスよく取り、食べ過ぎは避けることが重要です。常に、腹八分目を心がけましょう。

4-3.膝の痛みが出にくくなるサプリメント

食生活で栄養素をまかなうことが大切です。しかし、すべてをカバーすることは難しいでしょう。サプリメントで足りない部分を補う方法もおすすめです。グルコサミンとコンドロイチンはセットで販売されていることが多く、始めやすいサプリメントといえるでしょう。代表的なのは、サントリーの「グルコサミン &コンドロイチン」「ロコモア」久光製薬の「MSM+グルコサミン」DHCの「極らくらく」などです。

4-4.膝の痛みが出ないように日常生活で心がけることとは? 

重たい荷物を持ち上げるときは、ゆっくりした動作で行ってください。急な負荷がかかり、膝以外にも腰に負担がかかります。また、ハイヒールを履く習慣がある方は、膝を中心に下半身全体のむくみが出やすい傾向にあるため、マッサージで日ごろから筋肉をほぐすようにしてください。睡眠は十分に取り、体を休めることも意識しましょう。

4-5.膝の痛みが出ないようにするセルフケアにおける注意点

セルフケアをしてもなお、痛みが続くようなら、速やかに病院を受診しましょう。また、サプリメントを服用しているから安心と勘違いせず、食生活や運動などの生活習慣の見直しを重点的に行ってください。誤ったセルフケアを続けても、予防にはなりません。規則正しい健康的な生活を意識しましょう。

膝の痛みや正座ができない症状でよくある質問

膝の痛みは、正座ができないだけではなく、歩行や日常生活の動作すべてに影響を及ぼします。予防やセルフケアを取り入れ、発症しないよう工夫しましょう。質問集を用意しました。

Q.カルシウムと一緒に食べた方がいい栄養素は? 
A.カルシウムを効率よく体内に吸収するためには、ビタミンDやビタミンKを一緒に取ることが理想です。きのこ類や卵黄にはビタミンDが、海藻類にはビタミンKが多く含まれています。食生活のポイントにしてみてください。

Q.膝のサポーターを使うのは痛みを緩和する効果がある?
A.サポーターは、膝の不安定な状態を固定し、動きを支えてくれる役割があります。曲げると痛い・動かすと痛いといったときにも、痛みを緩和してくれるでしょう。

Q.膝の痛みに効くツボが知りたい。
A.ツボ刺激で痛みが和らぐこともあります。膝の内側にある内膝眼と外側にある外膝眼、足裏の中心部にある湧泉などが、膝の痛みを緩和するツボです。程よい強さで刺激してみてください。

Q.変形性膝(しつ)関節症のリハビリではどのようなことを行うのか?
A.膝の可動域を広げるリハビリです。横になったままで足を上げる、座った状態で足を伸ばすといった運動などが行われています。変形性膝(しつ)関節症は、動かさないとどんどん動きが悪くなるものです。そのため、普段からストレッチを行い、体が温まって動かしやすくなる入浴中も、足の曲げ伸ばしをしてみてください。

Q.膝を曲げると痛いときは冷やすべきか?
A.膝の炎症が痛みを起こしているため、冷やすことをおすすめします。湿布も冷却効果があるものを選んでください。冷やしても3日以上痛みが継続する場合は、病院を受診しましょう。

まとめ

いかがでしたか? 正座ができないのは、膝の炎症など痛みがあるためです。日常生活にも影響が出てしまい、中には歩行が難しくなる症例もあります。スポーツ後の外傷によるものなど、理由がはっきりしている場合は、冷やすことで2〜3日で炎症が収まるでしょう。しかし、原因が思いあたらない場合は、膝(しつ)関節の変形や水が溜(た)まるといった病気が関連していることがあります。3日経過しても症状が軽くならないようなら、速やかに病院を受診してください。膝の筋肉や骨を強くするため、普段からカルシウムやビタミン類をバランスよく食べるよう心がけ、軽い運動で鍛えることも大切です。膝の痛みが出ないようにセルフケアを意識し、予防に努めてください。