妊婦は副鼻腔炎を発症しやすい? その原因を対処方法と共に解説

妊娠中は服薬できる薬に限りがあるため、「病気になっても病院へは行かず、安静にして回復を待つ」という妊婦さんは多いことでしょう。しかし、中には安静にしているだけでは治りにくい病気もあります。副鼻腔炎もその1つで、発症すれば鼻づまりや鼻水だけでなく、頭痛や顔面痛などが出ることもあるでしょう。

今回は、妊婦が副鼻腔炎になった場合の対処方法などを紹介します。

  1. 副鼻腔炎とはどのような病気?
  2. 妊婦は副鼻腔炎にかかりやすい?
  3. 副鼻腔炎の予防方法
  4. 妊婦が副鼻腔炎になってしまった場合の治療方法
  5. 妊婦の副鼻腔炎に関するよくある質問

この記事を読めば、副鼻腔炎を予防する方法もよく分かるでしょう。妊娠中の副鼻腔炎に悩んでいる人や、副鼻腔炎を予防する方法を知りたい人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.副鼻腔炎とはどのような病気?

副鼻腔炎とは、鼻の周りにある「副鼻腔」という空洞内が細菌やウィルスに感染し、炎症を起こす病気です。副鼻腔が炎症を起こすと、副鼻腔に膿(うみ)がたまるほか、副鼻腔と鼻とをつなぐ管が腫れて排膿(はいのう)が困難になることもあります。副鼻腔炎の症状には、膿のような鼻水が出るほか、鼻水が喉の奥に落ちこむ後鼻漏(こうびろう)・頭痛・顔面痛・歯痛などがあり、かなりつらい思いをする人も珍しくありません。発症してすぐの副鼻腔炎は「急性副鼻腔炎」、症状が治まらず12週以上経過すると、「慢性副鼻腔炎」と診断されます。

2.妊婦は副鼻腔炎にかかりやすい?

この項では、妊娠すると副鼻腔炎にかかりやすい理由などを紹介します。

2-1.副鼻腔炎の原因

副鼻腔炎は、風邪をはじめとする感染症から移行するケースが多いものです。特に、鼻をかまずにすすりあげてしまうと鼻水が副鼻腔に逆流し、発症しやすくなります。

2-2.妊娠すると副鼻腔炎にかかりやすい理由

妊娠すると、胎児に影響が出ることを考え、風邪をひいても服薬しない人も多いでしょう。また、つわりで食事量が減ると体力や免疫力が落ちて風邪をひきやすくなります。さらに、すでに子どもがいる場合、子どもから風邪をうつされることも珍しくありません。その結果、妊娠すると副鼻腔炎を発症しやすくなります。

2-3.妊婦が副鼻腔炎を発症すると治療も難しくなる?

妊婦が副鼻腔炎になった場合、妊娠の週数によってはレントゲン検査が受けられなかったり、使える薬が限られたりすることもあるので、治療に時間がかかることもあるでしょう。そのため、長い間鼻づまりや鼻水といった症状に悩む人もいます。

3.副鼻腔炎の予防方法

この項では、副鼻腔炎を予防するために自分でできることを紹介します。

3-1.マスクをつけ、うがい・手洗いを徹底する

風邪が流行する季節になったら、外出時にはマスクをつけ、うがいや手洗いを徹底しましょう。そうすれば、風邪を予防できます。また、人ごみを避けるために、不必要な外出をしないことも大切です。たとえば、買い物はネットショップを利用するなどしましょう。

3-2.規則正しい生活をする

夜更かしをせず、規則正しい生活をすることで免疫力を高める効果が期待できます。また、妊娠中は胎児を育てるために体はフル活動している状態です。ですから、つわりがなくても無理をせず、できるだけ安静にしていましょう。仕事や家事で無理をしてはいけません。

3-3.風邪をひいたら産婦人科に相談する

体力や免疫力が低下していると、風邪が重症化しやすくなります。風邪をひいたら、早めにかかりつけの産婦人科に相談してください。妊婦でも使える薬や抗生物質などもあります。また、鼻をすすらないことも大切です。鼻風邪をひいたら、耳鼻咽喉科で妊娠したことを伝えたうえで、鼻水の吸引などの治療を受けましょう。そうすれば、薬を使わなくても治りが早くなることもあります。

3-4.アレルギー性鼻炎を発症している人は、早めに主治医に相談する

アレルギー性鼻炎から副鼻腔炎に移行するケースもあるので、花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎を発症している人は、妊娠したらすぐに主治医に相談しましょう。妊娠中でも使える薬に切り替えることで、副鼻腔炎の発症を予防できます。

4.妊婦が副鼻腔炎になってしまった場合の治療方法

この項では、妊娠中に副鼻腔炎を発症した場合の対処方法を紹介します。

4-1.耳鼻咽喉科を受診する

副鼻腔炎は、産婦人科では治療できません。耳鼻咽喉科を受診しましょう。妊娠の週数を伝えれば、妊婦でも受けられる治療を行ってくれます。母子手帳を持参するとより詳しく妊娠の状態が分かるのでおすすめです。なお、総合病院にかかっている場合は、一度産婦人科を受診したうえで耳鼻咽喉科に行くよう言われることもあります。そのときは、指示に従ってください。

4-2.妊娠中でも抗生物質は使えるの?

急性副鼻腔炎の場合、抗生物質の服薬や鼻洗浄・鼻水の吸引・ネブライザーなど保存療法が中心です。なお、妊娠4週~7週までは胎児の臓器が形成される大切な時期のため、薬の服用には特に注意が必要になります。ですから、この時期に副鼻腔炎の治療を受ける場合、医師も薬を処方せず鼻洗浄や鼻水の吸引だけをすることも多いでしょう。妊娠8週以降の場合、妊娠中でも使えるセフェム系の抗生物質が処方されることがあります。セフェム系の薬は胎児に薬の成分が吸収されないため、妊娠中でも服用できる抗生物質です。処方されたらきちんと服用してください。
また、症状が落ちつくまで鼻水の吸引や洗浄・ネブライザーに通うように指示されることもあります。時間はかかりますが、必ず通いましょう。

4-3.症状が重篤の場合

症状が重篤で、鼻水の吸引などでは改善が難しい場合、上顎洞穿刺洗浄(じょうがくどうせんしせんじょう)をすすめられることがあります。これは、鼻腔から細い針を副鼻腔へ刺し、膿を吸引して洗浄する方法です。部分麻酔が用いられるので、妊娠の週数によっては受けられないこともあります。医師からすすめられた場合は、よく説明を聞いて受けるかどうかを決めましょう。

5.妊婦の副鼻腔炎に関するよくある質問

この項では、妊婦の副鼻腔炎に関するよくある質問を紹介します。

Q.妊娠中期以降であれば、抗生物質などの薬はそれほど神経質にならなくても大丈夫ですか?
A.そのような意見もありますが、個人で判断してはいけません。必ず医師に相談してください。

Q.漢方薬ならば、妊娠中でも問題なく服用できるでしょうか?
A.漢方薬もれっきとした薬です。含まれている成分によっては副作用などが出ることもあります。妊娠中は個人の判断で服用しないようにしましょう。

Q.ただの風邪と副鼻腔炎の区別はつきますか?
A.風邪は治ったのに、黄色い膿状の鼻水だけがいつまでも出る場合は、風邪から副鼻腔炎に移行した可能性が高いでしょう。個人では区別がつきにくいため、鼻風邪の症状が長引くようならば病院を受診してください。

Q.レントゲン検査ができない場合、副鼻腔炎と診断がつきますか?
A.はい。医師が問診や鼻腔の状態を視診すれば副鼻腔炎と診断がつくでしょう。

Q.副鼻腔炎は自然治癒しますか?
A.自然治癒することもありますが、それまでに時間がかかり、再発する可能性も高くなるでしょう。妊婦でも医師の診察・治療を受けてください。

まとめ

今回は、妊婦が副鼻腔炎を発症した場合の対処方法などを紹介しました。副鼻腔炎は、鼻風邪から移行するケースも多く、妊娠して初めて発症したという人もいます。たかが鼻水と思わず、きちんと耳鼻咽喉科で治療を受けてください。抗生物質などが服薬できなくても、鼻水の吸引や鼻洗浄をするだけで、症状がかなり改善される可能性があります。