眠りが浅いのはなぜ?

【注目】眠りが浅いのはなぜ? よくある原因と治療法を詳しく解説!

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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やっと眠ることができても、すぐに目が覚めてしまう人がいます。眠りが浅いと、まったく休んだ気がしないことでしょう。眠りが浅いことは、疲れが取れないだけでなく、さまざまな悪影響を及ぼします。中には、病気が隠れていることもあるのです。そこで、今回は、眠りが浅い原因と治療法を詳しく解説します。ぐっすり眠って快適な朝を迎えたい人は、必見ですよ。

この記事を読むことで、眠りが浅い原因がわかり、適切な対処や治療ができるようになります。今までぐっすり眠ることができなかった人も、悩みを解消するヒントをつかむことができるでしょう。まずは、記事をじっくり読んでみてください。

眠りが浅いことの悩みについて

最初に、眠りが浅いことの悩みについて掘り下げてみましょう。眠りが浅いとはどんな状態なのか、また、深い眠りとの違いや質が良い眠りについても学びます。

1-1.眠りが浅いとは

眠りが浅いとは、以下のような症状です。

  • すぐに起きてしまう
  • 熟睡できない
  • 十分に眠っても疲れが取れない

眠りは心身の疲れを取って、リフレッシュするために重要なことです。しかし、眠りが浅い状態では、疲労やストレスが溜(た)まる一方となるので改善する必要があります。

1-2.浅い眠いと深い眠りの違いについて

眠りには、浅い眠りと深い眠りの2種類があります。

1-2-1.眠りの種類の違い

眠りの種類の違いは、下記を参考にしてください。

  • レム睡眠:浅い眠り・主に体が休息する
  • ノンレム睡眠:深い眠り・主に脳が休息する

眠りが浅い人は、ノンレム睡眠の時間が不足している状態です。

1-2-2.眠りの周期や時間について

眠りは、浅い眠りと深い眠りが交互にやってきます。この周期は約90分ごとに繰り返すものです。入眠直後に深い眠りに落ち、浅い眠りと深い眠りを繰り返して目覚めることになります。さて、睡眠時間が何時間必要かについては人によって異なるものです。ある人は6時間で問題無くても、ほかの人は8時間必要になります。自分にとって最適な睡眠時間を見つけるためにも「睡眠日記」を付けて観察するといいでしょう。

1-2-3.質が良い眠りとは?

質が良い眠りとは、以下の条件を満たしているものです。

  • 寝付きが良い
  • 途中で目覚めない
  • 朝スッキリと起きることができる
  • 悪夢を見ない
  • 疲れが取れる

眠りが浅い原因を探ろう

眠りが浅い原因は何なのか、解説します。自分の状況と照らし合わせて考えてみましょう。

2-1.加齢が原因のこともある

加齢が原因で、眠りが浅くなることがあります。年齢を重ねることで体温調整がうまくできず、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が少なくなることが原因です。また、眠ってもすぐに目が覚めたり朝早くに目が覚めた後に眠れなくなったりすることもあります。

2-2.生活習慣による原因

眠りが浅い人は、生活習慣の見直しが必要な場合が多くあります。たとえば、以下のようなことに当てはまる人は注意しましょう。

  • 寝る前にパソコンやスマホを操作している
  • 部屋の照明を消さずに寝ている
  • 睡眠時間が日によって異なる
  • カフェインやアルコールの摂(と)り過ぎ
  • 湯船に浸(つ)からずにシャワーだけの入浴

2-3.自分でできる対策法について

眠りが浅い人は、寝具が体に合ってないことが原因となっていることもあります。体を横にしたときに、特定の部分に大きな負担がかかっていると深い眠りを妨げてしまうのです。自分に合った寝具を用意することも、対策法のひとつと考えましょう。また、眠りが浅い原因のうち、生活習慣によるものは自分の意思と努力で解決できます。まずは、できることから試してみてください。

2-4.眠りが浅いことに対するNG行為とは?

眠りが浅い原因を睡眠時間が足りないせいだと思い込むことはやめましょう。適切な対策を採らずに長時間の睡眠を確保しても、結局浅い眠りが続くだけで根本的な解決にはなりません。まずは、自分なりに眠りが浅い原因を突き止め、適切な改善策を取ってください。むやみに睡眠薬に手を出すことも避けましょう。

眠りが浅いことで考えられる病気について

眠りが浅いことで考えられる病気がいくつかあります。どんな病気の可能性があるのかを知り、受診をするための基礎を学びましょう。

3-1.睡眠障害について

眠りが浅いことは、睡眠障害のひとつと考えることができます。睡眠障害とは、物理的もしくは精神的な理由が原因で、十分な睡眠を取ることができない状態のことです。睡眠は、心身の休息のために大切なものであり、十分に取ることができない場合は、さまざまなところで支障が出てきます。毎日を健康に暮らすためにも、睡眠障害は確実に治療する必要があるのです。

3-2.眠りが浅いことで考えられる病気

眠りが浅いことは、以下の病気のサインである可能性を否定できません。

  • むずむず脚症候群
  • レム睡眠行動障害
  • 睡眠時無呼吸症候群

3-3.病気の主な症状

眠りが浅いことで考えられる病気について、主なものを解説します。

3-3-1.むずむず脚症候群

むずむず脚症候群は、脚の知覚に異常が出る病気です。むずむず脚症候群になると、眠っている間に脚が動いてしまうことがあります。そのため、眠りについてもすぐに目が覚めてしまう人が多く、眠りが浅いことで悩むことになるのです。

3-3-2.レム睡眠行動障害

通常、眠っている間は体は動かず、言葉も発しません。しかし、レム睡眠行動障害になると、夢を見たとおりに体を動かしたり言葉を発したりするようになります。家族から大きな声で寝言を言っていると指摘を受けたことがある人は、注意しましょう。眠っているときの行動でケガをするなど、思わぬトラブルになることがあります。

3-3-3.睡眠時無呼吸症候群

何らかの原因で10秒以上呼吸が止まってしまう症状が、睡眠時無呼吸症候群です。無呼吸が頻繁に続くと、体に必要な酸素が取り込まれにくくなり、昼間の眠気を誘います。また、放置すると高血圧や糖尿病を誘発することにもなり、突然死を招くリスクも高まるので早期治療が大切です。大きないびきをかく人は、特に注意しましょう。

3-3-4.うつ病

うつ病にかかると、眠りが浅くなったり不眠症になったりする人もいます。大きなストレスを抱えている人はうつ病になりやすいので気を付けましょう。最近、何も楽しいことが無いと思う・仕事に行くことがつらい・食べものをおいしく感じることができない、などの症状があるときは、心療内科を受診してみてください。

3-4.病気の併発症状

眠りが浅いだけでなくほかに何らかの併発症状が出ている場合は、病気が隠れている証拠と言えます。睡眠は健康の源であるため、眠りが浅いことが引き金となって各種病気を引き起こしているのです。たとえば、睡眠不足による頭痛や昼間の眠気以外にも、気になる症状があるときは病気のサインであるため、治療が必要と言えます。

3-5.病気の治療法について

病気の治療法については、医師が症状や体質などを見極めて最良の方法を選びます。どんな方法で治療を進めるかについては、きちんと説明を受けてください。納得しないまま治療を受けると後悔することもあります。信頼できる医療機関なら、必ず治療開始時に丁寧な説明があるものです。十分な説明が無い場合は、要求して説明をしてもらうか、ほかの医療機関での治療を考えましょう。

3-6.病院に行くべき症状とは

自分で何をやっても眠りが浅いことを解消できない場合や、不快な症状や気になる症状が出ている場合は病院に行くべきです。すでに糖尿病や高血圧などの持病を抱えていたり家族から「就寝中に呼吸が止まることがある」などの指摘があったりする場合は、速やかに受診しましょう。

3-7.眠りが浅いときには何科を受診する?

眠りが浅いときに受診するのは、睡眠外来が理想的です。ただし、睡眠外来は主に大きな病院に存在するため、身近に通えるところが無い人もいるでしょう。睡眠外来が無い場合は、心療内科や精神科に問い合わせてみてください。また、眠りが浅い原因が体の不調にあるときは、内科・耳鼻科などを受診した方が近道のこともあります。いずれにしても、受診する前に電話で聞いておくといいでしょう。

睡眠時無呼吸症候群について

眠りが浅い原因は、睡眠時無呼吸症候群になっているためとも考えることができます。詳しく解説しましょう。

4-1.睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気か

まずは、睡眠時無呼吸症候群の症状や原因を学びましょう。

4-1-1.睡眠時無呼吸症候群の症状

睡眠時無呼吸症候群には、以下のような症状を見ることができます。

  • 大きないびきをかく
  • 寝ているときに呼吸が10秒以上、複数回にわたって止まることがある
  • 目が覚めたときに口やのどが渇いている
  • 十分に寝たはずなのに疲れが取れない
  • 昼間に強い眠気を感じる
  • 頭痛がする

4-1-2.睡眠時無呼吸症候群の原因

主な原因は、下記のとおりです。

  • 副鼻腔(びくう)炎:鼻呼吸がしづらく口呼吸に移行するため
  • 肥満:あご周りの脂肪過多により気道を圧迫するため
  • 加齢:あご周辺の筋力が低下し、舌がのど側(がわ)に落ち込みやすいため

4-2.睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなるか

睡眠時無呼吸諸侯群を放置すると、血圧が上がったり糖尿病になったりしやすくなります。また、循環器系の不調が出てくることもあるので注意してください。また、睡眠時無呼吸症候群がひどくなると、突然死のリスクが高まります。大切な命を守るためにも、放置は厳禁です。

4-3.睡眠時無呼吸症候群の合併症状

合併症状としては、主に以下のようなものがあります。いずれも生活の質を大きく落とすことになるだけでなく、最悪の場合は死に至るものです。

  • 心臓病
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脳卒中

耳鼻科における睡眠時無呼吸症候群の治療法とは?

耳鼻科では、睡眠時無呼吸症候群の治療を行います。どんな治療を行うのか、また、保険適用になるのかなど詳しく解説しましょう。

5-1.治療方法と内容・特徴を解説

睡眠時無呼吸症候群の治療で主なものは以下となります。

5-1-1.CPAP(持続陽圧呼吸)

CPAP(持続陽圧呼吸)とは、鼻マスクから気道に空気を送り込むことで、睡眠中に起こる気道閉塞を防ぐ治療方法です。眠るときに機械を付けることになり、レンタルで月額数千円ほど(保険適用のもの)で借りることができます。初日から睡眠の質を改善することができる方法です。

5-1-2.マウスピース

夜中に歯ぎしりをする人は、眠りが浅くなっています。歯ぎしりを止めるためには、マウスピースをはめて寝ることが効果的です。マウスピースをはめることで、歯ぎしりがなくなり、ぐっすり眠ることができることがあります。歯並びが悪く、家族から歯ぎしりをしていると指摘を受けたことがある人は治療を考えてみてください。

5-1-3.外科的手術

睡眠時無呼吸症候群の原因が、扁桃(へんとう)腺肥大やアデノイド肥大などの場合、外科的手術で切除し、気道を広げる方法を選ぶことがあります。現在主に行われているのは、数週間の入院が必要な口蓋垂軟口蓋(こうがいすいなんこうがい)咽頭形成術と、日帰り入院もできるレーザー手術の2種類です。手術は、医師が外科的手術による治療が最適であるとの判断によって行います。

5-2.手術は保険適用か

睡眠時無呼吸症候群は、命にもかかわる重大な病気です。病気治療のための手術なのですから、保険適用で受けることができます。実際の手術費用は、自己負担分だけを支払うだけです。なお、実際にいくらかかるのかは手術の種類や入院日数などで異なります。詳しくは、医師に確認してください。

5-3.治療時・受診時におけるそのほかの注意点

睡眠時無呼吸症候群の治療や受診の際は、今自分がどんな治療を行っているのか、どんな状態にあるのかをきちんと認識しておくことが大切です。医師の言うとおりにしていれば問題無いと考えるのも間違いではありません。しかし、病気を治すために必要なのは本人の自覚と努力です。本気で病気を治したい人は、病気や治療法をしっかり理解しておきましょう。

眠りが浅いことにかんするよくある質問

最後に、眠りが浅いことにかんするよくある質問に回答します。同じ悩みを持つ人たちの声ですから、しっかり目をとおしておきましょう。

6-1.眠りが浅い日と眠り過ぎる日が交互にやってくるのは?

眠りが浅い日だけでなく、眠り過ぎる日がある場合も、睡眠障害のひとつと考えることができます。眠りが浅い日が続くと心身が疲労してしまうため、いずれ眠り過ぎる日ができてしまうのです。しかし、眠り過ぎも体に悪影響を及ぼします。毎日一定時間の睡眠を、快適に取ることができるように生活習慣を改めてみてください。

6-2.悪夢を見ることが多く目が覚めてしまうのですが?

悪夢や明晰(めいせき)夢をよく見る人は、眠りが浅いことが多く、ぐっすり眠れないとの悩みを抱えているものです。夢を見やすく、記憶に残るほど鮮明な場合は、日常生活で大きなストレスがあったり心配ごとがあったりすることが多いため、できるだけ気持ちをおおらかに持ってみてください。眠りに入る前にリラックスできるように、ゆったりと入浴するなど試すといいですよ。

6-3.子どもの眠りが浅いようですが病気なのでしょうか?

子どもでも睡眠障害になることがあります。たとえば、昼寝の時間が長かったり、夜遅くまで起きている習慣があると眠りが浅くなることがあるので注意しましょう。まずは、昼間の活動量を増やして、夜に自然な眠気が出るようにしてみてください。大人と同様に夜遅くまで活動することは望ましくありません。昼間に運動や勉強・遊びなどで活動的に過ごすことで、夜ぐっすりと眠ることができるように導いてあげましょう。

6-4.眠りが浅いときに市販の睡眠導入剤を飲んでいいですか?

むやみに睡眠導入剤を飲むことはおすすめしません。睡眠導入剤は飲みぐせが付きやすく、効果が薄れやすいほか、結局は眠りの質を悪くすることもあります。また、体質によって合わないこともあるでしょう。睡眠リズムを整えるために医師が処方する以外には、素人判断で睡眠導入剤を飲むのはやめてください。

6-5.受験のストレスで眠りが浅いのですが良い解決方法は?

受験のことを心配し過ぎることで、ぐっすり眠れなくなる人もいます。本来なら、ストレスを解消することが最も良い方法です。しかし、受験を無事終えるまでは無理な話と言えます。睡眠リズムを整えなくてはとか、ぐっすり眠らなければいけない、と思い込むことはいけません。眠いと感じたときに横になり、できるだけ睡眠を取るようにしましょう。勉強効率が下がってきたときが、睡眠のチャンスですよ。

まとめ

今回は、眠りが浅いことで悩んでいる人のために、具体的な原因や治療法などを解説しました。原因を知り、適切な対応や治療を行うことで悩みを解決してください。なお、眠りが浅い人の中には、睡眠時無呼吸症候群になっている人もいます。睡眠時無呼吸症候群は、悪化すると死亡に至る怖い病気です。眠りが浅いこともひとつの症状であるため、耳鼻科の受診をおすすめします。できるだけ早く適切な対処をして、ぐっすり眠ることができるようになりましょう。