スポーツ障害の種類や原因を検証して改善法を知る!

スポーツ障害はなぜ起こるのか? 種類や原因を検証して改善法を知る!

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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スポーツ障害とは、スポーツをすることによって起こる障害のことです。スポーツによって身体を酷使することが原因と考えられており、スポーツ選手の中にもこの障害をきっかけに引退している人はたくさんいます。スポーツ障害は、大人だけでなく子どもにもよく起こる障害です。特に、発達段階にある成長期には、さまざまなスポーツ障害が起こりやすいと言われています。どのようなスポーツ障害があるのかを知り、改善法や予防法をチェックしておきましょう。この記事では、スポーツ障害の種類や原因・対処法などをまとめてご紹介します。

この記事を読むことで、スポーツ障害について分かるはずです。改善したい人や予防したい人は、ぜひ参考にしてください。

スポーツ障害について

まずは、スポーツ障害について解説します。

1-1.概要

スポーツ障害とは、スポーツによって生じる身体の故障を言います。繰り返し身体に負担がかかることによって起こるのが「スポーツ障害」で、骨折や脱臼などスポーツによって起こるケガが「スポーツ外傷」です。この二つを総称してスポーツ障害と呼ぶこともあります。特に、痛みなどの症状が慢性的に続くスポーツ障害は、重症化する可能性があるため注意が必要です。

1-2.主な原因

スポーツ障害は、成長期の子どもや中高年に多いと言われています。成長期は急激に身長が伸びるため、筋肉の発達が追い付かず、骨と筋肉の付着部に負担がかかりやすいのです。そのため、過剰なスポーツによってスポーツ障害を起こしやすくなっています。特に、野球やサッカーなどのスポーツをしている子どもに多いでしょう。逆に、中高年になると加齢による運動器の退行変性が現れ、スポーツ活動による障害を起こしやすくなります。

主なスポーツ障害

スポーツ障害を起こす部位として多いのが、筋や腱(けん)・骨・関節・神経などです。スポーツ動作を繰り返すことでアキレス腱(けん)炎や野球肘・疲労骨折を起こしやすくなります。特に野球肘は代表的なスポーツ障害の一つで、軟骨が損傷する病気です。野球の投手を務める子どもに多く、早めに対処しなければ選手生命にもかかわる事態に発展することもあるでしょう。また、頚椎(けいつい)椎間板ヘルニアなども、スポーツ障害として起こることがあります。脊髄の神経が圧迫されることで、しびれや運動低下が起こるのです。

スポーツ障害の改善について

スポーツ障害の改善法についてまとめてみました。

3-1.病院の選び方

スポーツ障害を改善するためには、病院への受診が必要な場合もあります。主な受診先としては、整形外科や接骨院・整体院になるでしょう。特に、最近はスポーツ障害を専門に診ている「スポーツ整形外科」を掲げる病院も増えてきているため、近くにないか探してみることをおすすめします。スポーツ整形外科は、スポーツ障害の治療を始め、予防から復帰まで幅広いサポートを行っているところがほとんどです。関節の痛みや骨折・捻挫などの治療は整形外科が専門になるため、早めに受診するようにしましょう。また、痛みの緩和を目的として接骨院や整体院に通う人も少なくありません。もちろん、整形外科での治療で効果が出ず、接骨院や整体院で痛みが和らいだというケースも多いでしょう。しかし、特に整体院は特別な資格がなくても営業が可能です。知識や技術が未熟な場合は、痛みが悪化してしまう可能性もあるということを覚えておいてください。施術を受ける際は、治療院選びを慎重に行うことをおすすめします。中には、経験の少ないアルバイトなどに施術をさせるような整体院もあるのです。インターネットで口コミなどをチェックして、信頼できる整体院かどうかを見極めてください。

3-2.方法と流れ

病院では、まずスポーツ障害を起こしている部位の確定と原因を突き止めるところから始めます。レントゲンやMRIなどを使ってどの部分がどのように障害をきたしているのかを確認し、症状に合った治療が行われることになるでしょう。整形外科では、投薬や理学療法・運動療法・関節注射・神経ブロックなどの保存的治療が主となり、必要に応じて外科的手術を行います。接骨院ではマッサージや鍼灸治療・骨盤矯正などを組み合わせて治療することが多く、整体院では関節のゆがみなどを調整し、負担のかかりにくい身体づくりを行うのが一般的です。

3-3.注意点

スポーツ障害の中には、安静にすることで自然治癒するものもあります。しかし、筋肉や関節の障害が自然に治るには時間が必要です。早期復帰のためには、できるだけ早めに適切な処置を受けることが必要不可欠と言えるでしょう。スポーツ障害は少しずつ進行していくものです。症状に気づいたときは、すぐに受診することをおすすめします。

スポーツ障害の予防法

スポーツ障害を予防するために、普段から気をつけるべきことをまとめました。

4-1.予防法とは?

スポーツ障害の予防法をいくつかご紹介します。

4-1-1.運動前のウォームアップ

ウォームアップには、筋肉や関節の柔軟性を高める効果があります。運動前に十分なウォームアップを行うことでケガをしにくくなり、筋肉や関節への過剰な負担を抑えることができるのです。いきなり全力を出すのではなく、事前のウォームアップで十分に身体を温めておきましょう。

4-1-2.運動後のクールダウン

クールダウンはウォームアップの逆で、運動後の身体を静めるために行うものです。身体に溜(た)まった疲労を軽減し、運動後に適した状態にします。そうすることで、スポーツ障害の原因になる負荷や衝撃を身体に残さずに済むのです。スポーツ後には軽いジョギングやウォーキング、ストレッチなどをして、しっかりクールダウンしましょう。

4-1-3.適度な練習

スポーツ障害の多くは、筋肉や関節の使い過ぎによって起こります。「強くなりたい」「試合に勝ちたい」という気持ちは分かりますが、十分な休息をとることも大事なトレーニングだと思ってください。適度な練習と休息を繰り返すことで、筋肉や関節にかかる負荷を抑えることができます。

4-1-4.痛みのサインを見逃さない

スポーツ障害を起こしていることに気づかず放置していると、症状が悪化して治りにくくなってしまいます。少しでも痛みを感じたら、すぐに受診するようにしましょう。特に、子どものスポーツ障害は気づきにくいものです。「痛い」と言える環境を指導者や親が作ってあげることも大切でしょう。

4-2.運動を続けてもよい場合と悪い場合

運動をしているときだけ痛みがあるなら軽症です。しかし、だからと言って運動を続けても問題ないかどうかは、医師の指示に従うべきでしょう。安静にしていても痛みがやまない場合は、重症化している証拠です。すぐに運動をやめて病院を受診し、適切な処置を受けましょう。

4-3.サポーター、テーピングの利用について

スポーツによる痛みを緩和するために、サポーターやテーピングを使用することもあるでしょう。スポーツ用のものであれば、筋肉や関節を支え、運動時の衝撃を和らげてくれる効果があります。膝や肘の動きを固定してくれるため、ケガの予防にもつながるでしょう。サポーターはサイズもさまざまなものがあるため、自分に合ったものを選ぶようにしてください。

4-4.注意点

運動をしていないときも、できるだけ筋肉や関節に負担をかけないように心がけましょう。重たいものを持たないようにする、長時間の同じ姿勢を避けるなど、注意すべき点はたくさんあります。痛みが出ている部分に負担をかけないよう、座り方や歩き方にも気をつけましょう。

スポーツ障害にかんするよくある質問

「スポーツ障害に悩んでいる」という人が感じる疑問とその回答をまとめてみました。

5-1.成長期に起こりやすいスポーツ障害にはどのようなものがありますか?

A.腰痛症やオスグッド病・ジャンパー膝・野球肘・テニス肘などが多いでしょう。スポーツによって痛めやすい部位があること、発育の時期と深い関係があることを覚えておいてください。

5-2.スポーツによる「身体の使い過ぎ」を招くのはどのようなものですか?

A.レギュラーへの固執や、結果を求めるプレッシャーなど、精神的な面も大きく影響します。スポーツ障害になってから後悔することがないように、適度な練習量をキープしましょう。

5-3.疲労骨折とは何ですか?

A.何度も同じ場所に衝撃が加わることで骨に小さなひびが入り、やがて骨折に発展するのが疲労骨折です。骨に強い衝撃が加わって起こる骨折とは異なります。

5-4.なぜ野球肘は中学生以下の子どもに多く発症するのですか?

A.骨や軟骨組織が成長しきっていないため、関節の表面にある軟骨が損傷を受けやすいのです。高校2~3年生ごろになって骨格が成長しきれば損傷の可能性は減っていくでしょう。

5-5.指導者として、子どものスポーツ障害に気づくためにはどうしたらよいですか?

A.練習を休むと試合に出してもらえないと思い、痛みを隠して練習を続ける子どももいます。指導者として、そのような環境をできるだけ作らないように努力しましょう。あとは、フォームの乱れなどをこまめにチェックして、痛みが出ていることに素早く気づいてあげることが大切です。

まとめ

いかがでしたか? スポーツ障害の種類や原因・対処法などをまとめてご紹介しました。スポーツをする人の中には、スポーツ障害の症状に悩んでいる人もたくさんいます。今後もスポーツを続けていきたいと思っているなら、早期に適切な対処をすることが何よりも大切でしょう。痛みを我慢してスポーツを続けるのは、もうやめてください。