「スクワットの効果はどのくらいなのか」「どういうやり方でスクワットをすればいいの?」など、スクワットのやり方や効果で悩んでいる方は多いでしょう。スクワットは気軽に自宅でできる筋トレ方法ですが、正しいやり方で行わなければ膝を痛めてしまう恐れがあります。
そこで、本記事では、スクワットの効果や注意すべきことなどについて解説しましょう。
この記事を読むことで、スクワットの正しいやり方や適切な頻度などが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。
1.スクワットの効果と種類は?
最初に、スクワットの効果と主な種類をチェックしておきましょう。
1-1.下半身を鍛えるフリーウエイトトレーニング
スクワットは主に下半身を鍛えることができるフリーウエイトトレーニングです。大きな筋肉に刺激を与えることができるといわれており、スクワットをすることで効率よく筋力アップできます。大きな筋肉を鍛えることができれば基礎代謝も上がるため、自然と太りにくくなったり、日常の消費カロリーが減ったりする効果が期待できるでしょう。ダイエットを目指している女性にとっても、効果が期待できる筋トレといっても過言ではありません。また、下半身の柔軟性と安定性・足の筋力を身につけることができるため、ランナーにとってもおすすめです。ケガ予防の一環としてスクワットを取り入れているプロのアスリートもいます。
1-2.スクワットで鍛えられる部位はさまざま
スクワットで鍛えられる部位は主に下半身となっていますが、さまざまな部位の筋力アップにつながるといわれています。代表的な部位としては。主にお尻・太ももと前側にある大腿(だいたい)四頭筋・太ももの裏・ふくらはぎ・背中などです。足幅を大きく広げてつま先を外に向けるワイドスクワットを行えば、太ももの内側・股関節の奥・お尻の上部を鍛えることができます。スクワットの種類ややり方によって鍛えられる部位が異なるでしょう。そのため、どこを鍛えたいのかによってスクワットの種類を選ぶことがポイントです。
1-3.スクワットの主な種類をチェックしよう
スクワットには、さまざまなフォームの種類があります。ダンベルやバーベルを使用したり、足の向きや幅を変えたりすることでいろいろな筋肉を鍛えることができるでしょう。主な種類は以下のとおりです。
1-3-1.ノーマルスタンススクワット
スタンダードなスクワットと呼ばれている種類です。両足を肩幅程度に広げ、イスに座るときのように股関節から曲げます。
1-3-2.ワイドスタンススクワット
ノーマルスタンススクワットよりも足幅を広げるスクワットです。
1-3-3.スプリットスタンススクワット
足を左右ではなく前後に開いてスクワットします。
1-3-4.ブルガリアンスクワット
ベンチやイスなどに後ろ向きで立ち、片足を乗せて行います。
1-3-5.ジャンプスクワット
スクワットでしゃがみこみ、もとの姿勢へと戻る際にジャンプします。
2.スクワットをやるときに注意すべきこと
ここでは、スクワットをやるときに注意すべきことをいくつか解説します。
2-1.過度なスクワットはダメージを与えることに
「スクワットをたくさんやるほどの筋力アップやダイエット効果が高くなる」と思われがちですが、過度なスクワットは体へのダメージが大きくなるので注意が必要です。スクワットに限らず、筋トレのほとんどは適度な回数を毎日こなすことで効果がアップし持続する可能性が高まります。大切なのは、適度な回数を毎日続けることなのです。逆に、たくさんやったり、限度を超えたりしてしまうと、膝を悪くしてしまう恐れがあります。スクワットは下半身に大きな負担をかける筋トレでもあるため、目的別の目安となる回数をチェックすることが大切です。後ほど、回数については【3.スクワットのやり方と頻度・回数】で説明します。
2-2.スクワットは膝から動かない
基本的に、スクワットは膝から動かないように必ず股関節から動かなければなりません。膝を意識して折り曲げると、単なる屈伸運動になってしまうので注意してください。さらに、膝に無駄な力が入ってしまうと膝を壊す原因になっています。スクワットをするときは必ず股関節から動かすように意識することが大切です。イメージとしては、イスにお尻をちょこんと乗せる感じでしょう。実際に、イスを後ろに用意して浅く立ち座りを行うとスクワットの動作がつかみやすくなるのでおすすめです。
2-3.つま先の位置とぐらつきに要注意
実際にスクワットをしてみると、途中でぐらついたり、つま先の位置が不安定になったりすることはありませんか? 膝がつま先より前に出したままスクワットをしないように注意してください。骨盤が後ろに傾いた猫背状態になってしまっているため、そのままスクワットをすると膝だけでなく腰を痛めてしまう恐れがあります。スクワットをする前に、必ず肩甲骨まわりをほぐすストレッチをしたり、頭の後ろに手を添える姿勢で行ったりするといいでしょう。また、骨盤が前に傾き下半身も前に倒れやすい姿勢になると、自然とつま先が上がり、足元がぐらつくようになるので注意が必要です。その際は、足指をほぐし、反らしたり曲げたりするといいでしょう。
2-4.初心者は間違ったスクワットに要注意!
初心者でありがちなのが、膝がつま先より前に出てしまい、膝や足首などの関節に負担をかけるスクワットをしてしまうことです。太ももの裏やお尻の筋肉が硬いと、自然と負担をかける姿勢になってしまうため、きちんと正しい姿勢を意識しながらスクワットを行ってください。膝・足首などの関節に負担をかける姿勢は、膝がつま先より前に出ている状態です。最初は、鏡を見ながら姿勢が猫背になって崩れていないか確認しながら行うことをおすすめします。自分のやり方に不安を感じる方は、ボクシングジムなどトレーナーがいる場所で姿勢を確認してもらうといいでしょう。
2-5.力を入れすぎて呼吸を止めない
自然と猫背になってしまうのと同じくらい初心者に多いのが、スクワットをするときに力を入れすぎて呼吸を止めてしまうことです。筋トレや運動において、呼吸はとても大切な要素となります。効果的なトレーニングに正しい呼吸法は必要不可欠なので、スクワットをする際は力を入れすぎず、ゆっくりと呼吸するようにしてください。呼吸を止めてしまうと血管に負担がかかったり、酸欠状態になったりすることもあるので注意が必要です。
3.スクワットのやり方と頻度・回数
それでは、スクワットの正しいやり方と頻度・回数の目安について解説しましょう。
3-1.基本となるノーマルスタンススクワットのやり方
基本姿勢となるノーマルスタンススクワットの正しいやり方を把握しておけば、そのほかのスクワットも上手にこなすことができるでしょう。基本といえるスクワットのやり方は以下のとおりです。
- 足を腰幅で開いて立ち、つま先は膝と同じ向きにする。手は、胸の前で組む、まっすぐ伸ばす、頭の後ろで組むなど自由にしてOK
- 背筋をまっすぐ伸ばす
- そのまま、お尻を後ろへ突き出すように、足を曲げる。膝の位置がつま先よりも前に出ないよう注意することが大事
- 太ももが床と平行になるまで下ろし、ゆっくりともとの姿勢に戻る
3-2.ワイドスタンススクワットのやり方
ワイドスタンススクワットは、ノーマルスタンススクワットよりも安定しやすいので骨盤が広い女性やぐらつく人におすすめです。主なやり方は以下の手順を参考にしてください。
- 足を腰幅よりこぶし分ほど開いて立ち、つま先は膝と同じ向きにする
- 背筋をまっすぐに伸ばす
- そのまま、お尻を後ろへ突き出すように、足を曲げる。膝の位置がつま先よりも前に出ないよう注意することが大事
- 太ももが床と平行になるまで下ろし、ゆっくりともとの姿勢に戻る
なお、ワイドスタンススクワットは地面と太ももが平行になるくらいに膝を下げるのが基本です。けれども、最初はきついと思うのでそれより浅いハーフの角度でも構いません。ハーフの角度でワイドスタンススクワットを行うことで、太ももの前側よりお尻をメインに鍛えることができます。
3-3.スクワットのポイントは息を止めないこと
前述したように、スクワットを行う際に息を止めてしまうことが多いでしょう。しかし、スクワットの効果を最大限に引き出すには、息を止めないことがポイントとなります。ゆっくりとした動作で息を吸いながら腰を落とし、吐きながら立ち上がるといいでしょう。基本姿勢だけ押さえておきたいという方は以下の手順を参考にしてください。
- 足を肩幅より少し広めに開き、足のつま先は少し外側に向ける
- 股関節を曲げ、お尻を真下に落とすイメージで膝を曲げる。顔を上げ、胸を張り、背筋を伸ばすのがポイント
- 太ももと床が平行になるまで腰を落とす
- 膝を軽く曲げたところまで立ち上がる
3-4.目的別の目安となる回数
スクワットの回数は、目的別に大きく異なります。筋トレを始める前に、目的をハッキリとした上で以下の回数を参考にしてください。
- 筋肥大・ダイエットが目的:8~12回程度で限界を迎える負荷設定
- 筋力向上が目的:3~7回程度で限界を迎える負荷設定
- 筋持久力をつけたい場合:13~20回程度で限界を迎える負荷設定
筋トレをした後は、筋肉や体にダメージが残らないように回復期間を設けることも大切です。下半身が筋肉痛になったときはトレーニングをお休みするか、別の部位を鍛えるようにしましょう。
4.スクワットに関してよくある質問
スクワットに関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.スクワットはどんなタイミングですべきか?
A.スクワットは基本的に毎日行うことで効果を高めることができますが、行う時間帯は食後以外にしてください。食後にスクワットを行ってしまうと、消化不良を起こし逆効果になる恐れがあります。ただし、ダイエットや筋力アップのために絶食をするのはNGです。食後以外にスクワットを行うといっても、バナナなどエネルギーが補給できるものを摂取することでスクワットのパフォーマンスがさらにアップするでしょう。
Q.さらに負荷をかけて強度を高める方法は?
A.セット間の休憩時間を短くする方法です。インターバルを10~30秒くらいに設定して、3セットほど行うと負荷をかけて強度を高めることができるでしょう。また、可動域をできるだけ大きく使ってトレーニングを行うことで筋肉全体に負荷をかけることができます。力を発揮している時間も長くなるので、負荷が高まるでしょう。
Q.健康に効果的なスクワットは?
A.スロースクワットと呼ばれる方法がおすすめです。スロースクワットは名前のとおり、ゆっくりと行うスクワットとなります。スロースクワットを行うことで、適度な運動になり脳機能の維持や改善が期待できるでしょう。メタボリック・シンドロームや運動器症候群、認知症など症状の予防にも効果があるといわれています。
Q.スクワットでダイエット効果が得られる部位は?
A.太もも・ふくらはぎ・お尻が主に効果が得られる部位です。太ももは脂肪が落としにくい部位といわれていますが、スクワットを行うことで太ももに適度な過度を与え、高い効果を発揮します。太ももには全身の中でとても大きな筋肉があるからです。スクワットを毎日行うことで基礎代謝も上がるため、脂肪が落としやすくなるでしょう。
Q.よりダイエット効果を高めるコツは?
A.スクワットだけでも十分なカロリーを燃焼できますが、有酸素運動を組み合わせることでさらに効果を高めることができるでしょう。有酸素運動は筋トレよりもメインで脂肪を燃焼する効果があります。スクワットで筋肉量を増やし基礎代謝を上げながら、有酸素運動で脂肪を燃焼させるとダイエット効果が大いに期待できるというわけです。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を取り入れてください。
まとめ
スクワットをできるだけたくさんやったほうが筋肉がつきやすいと思われがちですが、むやみな運動や間違ったやり方は体を痛めてしまいます。スクワットは正しいやり方を適切な頻度で行うことで、より大きな効果が期待できる運動です。まずは、スクワットの正しいやり方をマスターして、自分の体力に見合った回数で行うことが大切なポイントとなります。