首こりのせいで頭痛が起きるってほんと? 首こりと頭痛の解消法は?

首こりのせいで頭痛が起きるって本当? 首こりと頭痛の解消法は?

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

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十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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「首こりのせいで頭痛がする……」というお悩みはありませんか? ひどい首こりはとてもつらく、頭痛や吐き気を引き起こします。仕事に集中できないなど、日常生活に深刻な影響を及ぼすことも多いのです。この記事では、しつこい首こりから起こる頭痛の原因とメカニズムを解明し、関係する病気についてもまとめました。後半では首こりと頭痛の解消法を紹介します。

この記事を読んで首こりと頭痛の関係を知り、つらい症状の解消に役立ててください。

首こりと頭痛について

1-1.首こりについて

「首こり」は、首の筋や筋肉にこわばった不快感を覚える症状です。整形外科専門医は、「肩こり」の定義を、肩・首・肩甲骨周辺部に、固くなっている・張っている・重苦しい・痛いなどの感じがあることとしています。つまり、肩こりの定義は、首こりも含んでいるのです。西洋では肩こりがあると「背中が痛い」「首が痛い」と表現するように、西洋医学では首・肩・背中のこりは一体と考えます。
また、肩こり・首こりは病名というより「自覚症状」であると捉えるべきです。ひどく筋肉が固くなっているのに平気な人もいる一方、それほど固くなくても頭痛や吐き気を訴える人もいるため、症状名にとどまっています。肩こり・首こりの原因とメカニズムは、まだ十分に解明されていません。

1-2.首こりの原因は?

首こりが起こる原因と考えられることをあげてみましょう。

1-2-1.悪い姿勢

首を突き出す「亀首」と言われる姿勢では、重い頭を支える負担が大きくなります。猫背や前かがみの癖もこりの原因です。悪い姿勢で顔が下を向く体勢が普通になっていると、正面を見るにも頭を持ち上げて見上げる動作となり、首の後ろに大きな力がかかります。

1-2-2.同じ姿勢の持続

デスクワークなどで同じ姿勢を取り続ける、しゃがみこんで作業を続けるなどで、背中から首の筋肉が緊張して固くなります。楽な姿勢のつもりで寝転んで本を読むときも、実は筋肉が緊張する体勢になっていることがあり、首こりの原因です。

1-2-3.視力調整・眼精疲労

目の酷使も首こりの原因です。最近ではパソコンのほか、スマホをのぞき込む姿勢で使い続けるため、目の疲れからくる首こりの人が増えています。メガネが合っていなかったり、細かい作業をしたりと視力調整の負担が大きいときも首こりが発生するのです。

1-2-4.血行不良と運動不足

同じ姿勢は血行不良になり、首こりにつながります。運動不足の人は筋肉をほぐすことがなく、血行も悪いため首こりになりやすいのです。また、筋力が落ちていると疲労物質がたまりやすくなります。

1-2-5.体の冷え

エアコンの効きすぎは首こりの大敵です。寒さにより首や肩の筋肉が緊張し、血行も悪くなります。体の冷えは、頭痛や腰痛のほかにもいろいろな症状を引き起こすため、寒冷期に限らず注意が必要です。

1-2-6.精神的・身体的ストレス

悪い姿勢の持続など体にかかるストレスのほか、精神的なストレスも自律神経を乱し、首こりの原因となります。自律神経のうち交感神経は活動するときに働き、副交感神経が働くときは脳と体がリラックスした状態です。人間の生活リズムは二つの自律神経が交代で働くことで安定しています。自律神経が乱れると心身の調子が崩れ、疲れが取れにくくなり、首こりの症状としても現れるのです。

1-3.頭痛の原因とメカニズム

首こりがひどいと頭痛がするという人が多いため、ここで頭痛についてまとめます。

1-3-1.緊張性頭痛

症状

首のこりと関連が深いのが緊張性頭痛です。頭や首の部分的な痛みが頭痛を引き起こすことがあります。緊張性頭痛は、頭が締め付けられるような痛みを頭全体に感じることが特徴です。
痛みの程度は軽度から中度にとどまり、作業不能に陥ることや眠りから覚めるほどではありません。起きてから数時間後に頭痛が始まり、次第にひどくなるのが典型的な症状です。痛みの持続は数時間から数日という場合もありますが、慢性になるとひと月のうち15日以上に痛みが起こります。回数が多いほど重症度もあがり、痛む時間も長くなるのです。

原因

緊張性頭痛の原因はストレスの可能性もありますが、よくわかっていません。睡眠障害・顎関節症・首の痛み・眼精疲労が原因となると考えられています。

1-3-2.片頭痛

症状

激しくつらい痛みで何もできなくなり、日常生活に支障が出ることが多いのが片頭痛です。脈打つような痛みやズキズキする痛みが起こります。片頭痛を持つ人の約25%が前兆として閃光(せんこう)が見えたり、視野が欠損し、その周囲が光って見えたりすることがあるようです。運動・光・音・においなどで悪化することがあり、吐き気も伴うため、頭痛が収まるまで暗い静かな部屋で横になって過ごす人が多くいます。症状が軽い場合は緊張性頭痛と似た症状です。

原因

片頭痛は神経系が過敏な人に起こりやすいものです。脳に電気的な活動が広がると、視覚・感覚・バランス・筋肉の協調・発語などに一時的な障害が起こり、頭痛の前兆が現れます。主な原因は睡眠不足・天候(気圧)の変化・特定の食べ物・空腹・きらめく光などの刺激・ストレスなどです。女性ホルモンのエストロゲン濃度の変動が片頭痛を引き起こす可能性があり、女性に多いのはこのためでしょう。頭部の外傷・首の痛み・顎関節症が片頭痛の原因となったり、悪化させたりする場合もあります。

1-3-3.群発性頭痛

症状

耐えがたい痛みでじっとしていられず、歩き回ったり、頭をたたいたりするほどの、うずくような痛みがあります。頭痛の発作は突然始まり、鼻水と涙が出てこめかみが痛くなり、目の奥に痛みが広がるのが通例です。痛みのせいで睡眠から覚めてしまうこともありますが、30分から1時間で頭痛は消失します。群発性頭痛は20歳から40歳の男性に多く発症することが特徴です。

原因

数カ月や数年間、頭痛の発作が起こらなくなった後、再発することが多いため、視床下部の機能障害が考えられます。発作が続く時期では、飲酒は頭痛の誘発因子のひとつです。

1-4.首こりと頭痛の関係

緊張型頭痛は主に筋肉の緊張により引き起こされます。肩や首などのこりとともに持続する頭痛と言えるでしょう。筋肉の痛みを伴う片頭痛では、発作の30分から1時間前に肩こりや首こりなどの痛みが現れ、頭痛の消失後も数時間続くケースが多いのです。このように、緊張性頭痛と片頭痛は首こり・肩こりと強い関連があります。特に首のこりは、脳への血行を阻害するため、めまいや深刻な頭痛につながるのです。

2.首こりは頭痛の原因

2-1.首こりが原因で起こる頭痛とは

  • 首こりがひどく、筋肉の緊張が緊張性頭痛になる
  • 首こりの痛みが刺激となり、片頭痛を起こす・または悪化させる
  • 首こりが脳への血行を阻害し、頭痛を起こす

2-2.なりやすい人

以下は首こりから頭痛になりやすい人の特徴です。

  • デスクワークやドライバーなど、同じ姿勢を続ける
  • 亀首など悪い姿勢で頭を支えている
  • パソコンやスマホをよく使う
  • 冷房の効きすぎた部屋にいる
  • 心身のストレスが多い・睡眠不足
  • 運動不足で血行が悪い

2-3.関係する病について

首こりは、ほかの病気が関連していることがあります。

顎関節症・咬合(こうごう)の異常

顎関節の痛みや、歯の治療で噛み合わせが変化したときに首こりが出ることがあります。

頚部(けいぶ)ジストニア

首の筋肉が無意識に緊張している疾患です。気づかないうちに頭が傾いたり回ったりします。常に首を突き出しているのもこの病気の症状である可能性があるのです。原因はわかりませんが、ストレス・運動などで悪化し、安静や睡眠で改善します。

頚椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア

首や肩、腕に痛みやしびれが出たり、指先が使いにくくなったりします。背骨をつなぐクッションの役割をする椎間板が後方に飛び出し、神経根に当たって障害を起こすためです。悪い姿勢での仕事や、スポーツが原因で起こることがあります。

頚椎椎間板症

骨と骨との間のクッションである椎間板は、もともと痛みを感じる神経がありません。椎間板は衝撃を受けたときのほか、加齢によって少しずつ傷つくものです。傷ついた椎間板は、新しく作った血管や神経を作って修復します。しかし、新しい神経には痛みを伝えるセンサーも作られてしまうのです。このセンサーによって、首を動かしたとき、首の骨から少し離れたところにピリッとした痛みを感じるようになります。

婦人科疾患

更年期障害はいろいろな不調を引き起こしますが、がんこな首や肩のこりに悩まされることが多いです。子宮筋腫や子宮内膜症も首こり・肩こりを起こします。

メニエール病

メニエール病の患者の50%は首こり・肩こりを訴えると言われています。

精神疾患

うつ病・心身症では、多くの人が首こり・肩こりを自覚するようです。

3.首こりによる頭痛の解消法

3-1.首こりの解消法

正しい姿勢

パソコンのモニターを、顔を上げて見る位置にセットしましょう。下を向く体勢だと頭を支えることが首の後ろの筋肉に負担をかけます。両腕を上へあげて、自然に下ろした状態が正しい姿勢です。肘を90度に曲げて前に手を出したところにキーボードを置いてください。立つ姿勢では一度胸をそらして張り、おなかを引っ込めてあごを引くと正しい姿勢になります。

筋肉をほぐす

軽く体全体を動かして血流をよくし、筋肉に酸素を送って疲れにくい状態を保ちましょう。生活習慣として軽く運動をすると血行が良くなり、自然に筋肉がほぐれて首こり・肩こりが改善します。軽いストレッチやラジオ体操も効果的です。

首こりを緩和するツボ

耳の後ろにある左右のくぼみが首こり解消のツボです。このくぼみを両方の親指で押さえ、ほかの指は側頭部に当てます。頭を前に押し出すように、指に力を入れましょう。そのまま5秒間保ちます。このとき、首を後ろへ引くようにじんわり力を入れると効果的です。このツボ押しを4回程度繰り返すと良いでしょう。

自分で行うマッサージ

横を向いて、反対側に浮き出た首筋に指先を当て、そっと上から下へさすります。老廃物を心臓のほうへ流す気持ちで行ってください。首の後ろも、骨の両側を上から下へさすります。やさしくさすることで、首筋をリラックスさせることを意識すると良いでしょう。

注意点

ガチガチにこわばった首こりをほぐそうと、首を集中的に強く引っ張る・もむ・たたくといった行為はおすすめできません。こうした方法は一時的に気持ち良くなりますが、根本的な解決にならず、かえって頚椎(けいつい)や筋肉を痛めることがあるからです。さすってリンパを流すマッサージや、肩の上下動、首を後ろへ引く運動などで、体の内部からこわばりを解消するように心がけてください。

3-2.頭痛の緩和法

緊張性頭痛と片頭痛に伴う首こり・肩こりの研究を見ると、首こり・肩こりの緩和は頭痛に対する軽減と予防の効果があるとされています。前兆として筋肉が痛む片頭痛では、発作前にこりをゆるめる処置をすると良いのです。以下は首こりと、それに伴う頭痛の両方に対処する方法をあげます。

  • ぬるめの温浴
  • マッサージ
  • リラクゼーションなどによるストレス軽減
  • 針治療
  • 薬物療法

3-3.薬について

薬は飲み続けても大丈夫なものと、対症療法として服用するものに分かれます。どちらも自己流で服用するのは危険です。強い薬は効果がはっきりと現れ、目に見えて楽になることがあります。そういった薬は常用したくなりますが、副作用も大きくなることが一般的です。頭痛持ちの人には鎮痛薬の乱用による頭痛が多く見られます。薬局や医師の指示に従って服用しましょう。逆に、処方薬では急に服用を中止すると副作用が出るものもあり、その場合も医師に相談が必要です。妊娠中の女性は薬を服用できず、針治療などが良いとされています。

3-3-1.市販薬

  • 非オピオイド・非ステロイド鎮痛薬:アスピリン・アセトアミノフェン・イブプロフェン
  • 鎮痛消炎剤の湿布
  • ビタミンB1・B6・B12

3-3-2.病院での薬物療法

以下は片頭痛の予防薬を含みます。オピオイド系の鎮痛薬はひどくつらいときの緊急用であり、鎮痛薬さえもらえれば良いという通院の考え方はNGです。治療にすべての種類を用いるわけではなく、医師が症状と組み合わせを考えて処方します。

  • 麻薬成分のあるオピオイド鎮痛薬:コデイン・オキシコドン
  • ベンゾジアゼピン系抗不安剤
  • 三環(さんかん)系抗うつ薬:アミトリプチリン
  • 局所麻酔薬の注射
  • 筋弛緩(しかん)剤
  • 漢方薬:釣藤散(男性に)・当帰葛薬散・加味造遥散・桂枝茨苓丸(女性に)
  • ベータ遮断薬:プロプラノロール
  • 抗けいれん薬:トビラメート・ジバルプロエックス
  • 三環系抗うつ薬:アミトリプチリン
  • トリヘキシフェニジル
  • トリプタン系製剤
  • ジヒドロエルゴタミンの注射
  • 制吐剤:プロクラルベラジン

3-4.NG行為

ひどい首の痛みや頭痛に対処するため、市販の鎮痛剤を多量に飲んだり、推奨の使用回数を超えて用いたりすることはやめましょう。がまんできないほどの痛みには、ほかの病気が隠れていることがあるため、病院の受診が必要です。鎮痛内服薬は薬剤性の頭痛につながるほか、胃に大きな負担がかかり、胃潰瘍になる人も多くいます。首こりも頭痛も、運動不足や寝不足の解消といった生活習慣の改善が第一です。週末に寝だめすることで自律神経が乱れ、頭痛が悪化することもあります。普段から健康的な生活リズムを作りましょう。

4.首こりと頭痛に関するよくある質問

4-1.病院では、頭痛の診断はどのようにするのですか?

頭痛の症状を聞き取り、身体診察の結果、典型的であれば片頭痛や緊張性頭痛の診断がなされます。ほかの身体的な病気が頭痛を引き起こしている可能性を除外するため、MRI検査やCT検査を行うこともあるでしょう。

4-2.頚椎(けいつい)症とは何ですか?

首の骨の間のクッションである椎間板(ついかんばん)と頚椎の変性により、首の脊髄が圧迫される病気の総称です。頚椎椎間板症や頚椎椎間板ヘルニアもこの病気のひとつと考えます。椎間板は加齢とともに損傷しますが、自己修復の際に異常な骨の突起ができて首の脊柱間が狭くなったり、椎間板が痩せて脊髄が圧迫されたりすることが原因です。症状には首の痛み・手指のしびれ・歩行障害などを伴うことがあります。治療は首に巻くコルセット・非ステロイド性抗炎症剤・筋弛緩薬などを用い、安静をはかるなどの保存的治療が一般的です。重度では手術を行うこともあります。安静が必要な状況なのに運動を続けることなどがないよう、首の痛みに異常を感じたら、頚椎の専門医を受診するほうが良いでしょう。CTやMRI検査で脊柱の狭窄や脊髄の圧迫の様子が診断できます。

4-3.マッサージなどは、どんなタイプの施術がいいのですか?

強く引っ張ったり、伸ばしたり、骨を鳴らしたりといった施術は避けましょう。整形外科のけん引でも危険があるという見解の頚椎専門医が増えています。カイロプラティックなど疑似医療行為で首の痛みが悪化して病院にかかる事例があるため、厚生労働省が国家資格を持つあん摩マッサージ師を利用するよう注意喚起していることは留意事項です。それ以外では、リラクゼーションを目的にしたソフトなマッサージで心身の緊張を解くものが良いでしょう。

4-4.ストレートネックとは何ですか?

猫背の反対で平背ともいい、首がまっすぐなために首・背中・腰が痛くなる人がいます。首は本来、自然に前に湾曲している形が正常であり、まっすぐすぎると負担が大きくなるのです。ストレートネックの人はあまり多くないのですが、バレエなどで常に首をまっすぐにしている人にはよくあります。

4-5.片頭痛がひどくなってきましたが、通院が面倒です。

片頭痛の人は予防薬を飲むことで症状を押さえることができるとわかっています。発作が起こってからきつい鎮痛剤で対処するより、通院で予防薬を服用するほうが良いでしょう。日常的に頭痛の記録をつけることで、頭痛の発作を引き起こす要因を明らかにしたり、どんな治療が有効か医師が判断し調整したりということもできます。症状の緩和ができるように、片頭痛と医師と付き合っていくと考えましょう。リラクゼーションやストレス管理も片頭痛の発作のコントロールに有効です。

5.まとめ

いかがでしたか? 今回は首こりと頭痛の関係に注目し、それぞれの原因や種類についてまとめました。頭痛の原因を見ると、首こりと頭痛には深い関連があることがわかります。首こりの解消法を実践することで、頭痛も軽減できるというメカニズムは、大変興味深いですね。この記事を参考に、首こり・頭痛の解消法をぜひ実践してみてください。