その不眠、肩こりが原因かも! ガチガチの肩をほぐして自律神経を整える方法

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

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十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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夜眠れない日が続くとつらいですよね。ひょっとして、体がこわばって、肩から背中にかけて硬くなっていませんか? もしそんな症状があったら要注意です。その不眠は、肩こりが原因かもしれません。慢性的な肩こりに悩む人が安眠するためには、まずは肩こりを解消することが大切です。この記事では、肩こりと不眠で困っている人のために、肩こりの解消法や自律神経の整え方から、眠れる体づくりについても解説します。

この記事を読めば、肩こりと不眠をダブルで解消する方法を知ることができます。ぜひ日々の暮らしに取り入れて、ぐっすり眠れる軽やかな毎日を過ごしてください。

01. 肩こりと不眠の関係

肩こりが不眠の原因というと意外に思うかもしれませんが、自覚がない人が多いため、改善につながりにくいのが現状です。ここでは、肩こりと不眠の関係について説明します。

1-1.肩こりで不眠になるか

スマートフォンの普及で、目を酷使したり長時間同じ姿勢でいたりすることが増え、慢性的な肩こりに悩まされる人が増えています。一方、眠りが浅かったり寝つきが悪かったりするなど、不眠に悩む人も多いのです。この二つの症状に共通しているのが、自律神経の乱れといえます。肩こりは自覚できますが、肩こりが原因で不眠になっていると気づく人は少ないでしょう。知らないうちに、肩こりのために眠りが浅くなり、睡眠不足に陥っていることもあるのです。

1-2.なぜなるか、原因、メカニズム

不眠の主な原因は自律神経の乱れです。自律神経とは、内臓や血管など無意識に動いている器官を制御するために、24時間働いている神経で、交感神経と副交感神経の2種類があります。日中の活動的なときや緊張しているとき、ストレスを感じているときに働くのが交感神経です。一方、リラックスしているときや睡眠中は副交感神経が働いています。
睡眠のときには、本来なら副交感神経が働くところを、ストレスなどで交感神経が優位になっていると、体は緊張状態になり、うまく眠ることができません。肩こりも、筋肉が緊張した状態で、交感神経が活発になっています。そのため、リラックスすることができず、不眠になってしまうのです。自律神経は、脊髄を通る中枢神経から体の各方面へ伸びているため、肩や背中が緊張状態になると影響を受けて働きが乱れる可能性がります。
こうして睡眠不足になることで、さらに自律神経は乱れ、体はますます緊張して、肩こりを生じることになり、負のスパイラルに陥るのです。

1-3.なりやすい人とは

肩こりから不眠になりやすい人は、肩こりが慢性化している人です。たとえば、パソコンやスマホを日常的によく使う人や、デスクワークの人もなりやすいでしょう。眼からの光刺激が強く、夜遅くまで明るい場所で過ごす人やスマホを夜遅くまで見る人も、リラックスできず、就寝時にも緊張が続いています。
また、ものをかむときに片方だけをよく使う癖のある人は、あご関節が歪み、首の骨の上部にひずみが出て首から肩にかけて、こりを生じる場合があるのです。

1-4.関係する病

肩こりと不眠に関係する病気には、顎関節症・眼精疲労・頭痛・自律神経失調症・めまい・血圧などがあります。なかなか改善しない、いつもと違う不快感があるなどの場合は、早めに受診しましょう。

02. 肩こりによる不眠の解消法

肩こりによる不眠を解消するために、まずは肩こりを改善しましょう。

2-1.肩こりを直せば不眠もなくなる

肩こりを改善することで、肩や首・背中の筋肉の緊張を解きます。そうすることで、心身の緊張もほぐれるので、睡眠のときにリラックスした状態になり、副交感神経が働きやすくなるのです。

2-1-1.ストレッチで肩こりを解消

肩回りの筋肉の緊張をほぐすためには、ストレッチが効果的です。座ったままでも寝る前でも、気がついたときにやるといいでしょう。コツは、ゆっくりと呼吸しながら、肩や肩甲骨周りを伸ばしたり大きく動かしたりすることです。以下に簡単なストレッチを紹介します。

  • 両手の指を組んで、手のひらを上に向けて頭の上までグーンと伸ばして10秒保つ
  • 組んだ手を前へもってきて、手のひらを外側に向けるようにグーンと伸ばして10秒保つ
  • 息を吐きながら顔の前でひじをくっつけ、息を吸って胸を開く。このとき、肩甲骨を寄せるイメージで。一連の動作を10秒かけて行う

2-1-2.ツボで肩こりを解消

ガンコな肩こりには、ツボの指圧が効果的です。指の腹を使ってツボに対して垂直に、3~5秒かけてじんわりと押しましょう。押した状態を少し保ってから、ゆっくりと力を抜きながら離します。10秒ほど間をあけて数分間繰り返してください。ここでは肩こりを和らげるツボを3つ紹介します。

  • 天柱(てんちゅう):首の後ろの生え際、太い筋肉の外側の位置にある。首と肩こりや頭痛の解消に
  • 肩位(けんせい):首の後ろの付け根にある出っ張った骨と肩の関節のちょうど中間くらいのところ。親指で押すのが難しい場合は、中指と薬指の腹を使う。首と肩、背中の痛みの緩和に
  • 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の付け根にある。首や肩の緊張を軽減させ、心理的不安を軽くする

2-1-3.生活習慣で肩こりを解消

冷え性は肩こりの敵なので、体を温めて代謝を高める生活習慣をつけましょう。

  • ゆっくりと湯船につかって全身を温めて血行を促す
  • 体が温まる食事をとる。食材は大根・人参などの根菜類や、しょうがなどのスパイスを活用する。豚肉や大豆などでビタミンB1をとると、筋肉に必要なエネルギーを作ることができる
  • 枕を体に合った高さに調整する
  • 運動の習慣をつけ、新陳代謝を盛んにする

2-1-4.正しい姿勢について

人間の頭部は体重の10%で、60kgの場合には6kgの重さです。これを首で支えているので、猫背になると頭部が前に倒れてバランスが崩れてしまいます。頭部の重みを支えるために、首や肩、背中の筋肉で後ろに引っ張ろうとすることで、負担がかかるのです。こうならないためにも、正しい姿勢で立てるように以下を心がけましょう。

  • 背筋を伸ばしてあごを引く
  • 腹筋とお尻の穴を引き締める
  • 肩の力を抜き、軽く肩甲骨を寄せる

椅子に座る場合も、上記の状態を保ちながら深く腰掛けます。長時間机に向かう場合には、1時間に1回程度は立ち上がり、体を伸ばしましょう。前項で紹介した肩回りのストレッチをしてもいいでしょう。

2-2.眠れる体づくりについて

眠れる体を作るには、冷えの撃退とホルモンのバランスが大切です。冷え症や低体温を改善することは、肩こりの解消にもつながります。温めるといってもお風呂などで外から温めるのではなく、筋肉をつけて熱を生み出せる体を目指しましょう。そのためには、ウォーキング、筋トレ、ヨガなど自分の好みに合った運動を習慣化することです。運動は、夕方~19時くらいまでに行うようにしましょう。ウォーキングなどのように、一定のリズムを続ける運動は、セロトニンという脳内物質の分泌を増加させます。セロトニンは夜になると睡眠物質のメラトニンに変化するため、よい睡眠をもたらしてくれるのです。

2-3.NG行為

熱いお風呂に入ると交感神経が優位になってしまうので、お風呂はぬるめにしましょう。ツボ押しは食後30分はやらないようにします。妊娠中もNGです

03. よくある質問、役立ち情報

Q.自律神経とはどこにある神経ですか?
A.背骨=脊椎(せきつい)の脇に沿って通っています。脊椎(せきつい)の中を、脊髄という中枢神経が走っており、そこから交感神経の枝が分岐し、心臓などの内臓へつながっているのです。

Q.ストレッチはいつするといいでしょうか?
A.入浴前や寝る前など、リラックスしたいときのストレッチが効果的です。デスクワークの合間にやるのもいいでしょう。

Q.ツボをうまく探す方法を教えてください。
A.ツボは、指で探っていき少しへこんでいるところや、押してみて周辺部位より刺激を感じるところにあります。ゆっくりと触れながら探してみましょう。

Q.忙しくて運動する時間がありません。
A.運動は夕方~19時に行うのがベストですが、そこで時間が取れない場合には、通勤のときに1駅分だけ歩く、朝10分だけジョギングするなど、日中に運動してもいいでしょう。夜寝る2~3時間前までに済ませましょう。それ以降になると体が興奮してしまい、かえって眠れなくなってしまいます。

Q.肩こりは遺伝するでしょうか?
A.骨格や体形が遺伝することで、親が肩こりだと子も肩こりになりやすいことはあります。遺伝的な要素よりも、生活習慣など後天的な要素の方が強いものです。

04. まとめ

肩こりを改善することで自律神経が整い、不眠の解消につながります。ストレッチや運動などを取り入れると同時に、姿勢を正したり夜のスマホを控えるなど、生活習慣の改善も大切です。できるところから取り入れて、安眠を手に入れてください。