つらい痰が絡む咳の原因・対処法を徹底解説

痰が絡む咳がつらい方必見! 痰が切れない原因・対処法を徹底解説

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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寒さが厳しくなってくると、咳が出やすくなる方も多くなります。咳だけでもつらいのに、そこに痰が絡むとさらに厄介です。咳や痰はつい軽視しがちですが、放っておくと命にかかわる病気のこともあります。そこで、今回は痰が出る咳の原因や治療法、症状のやわらげ方などをご紹介しましょう。

痰の状態から病状をある程度推量できれば、病院に行く目安もつけやすくなるでしょう。痰が絡む咳に悩んでいるという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

なぜ、咳が出るのか?

痰の説明をする前に、咳はなぜ出るのかということをご説明します。痰の量と咳の頻度は密接に関係しているのです。

1-1.咳の定義や役割とは?

咳は、ウィルス・最近・ホコリ・たばこの煙など体にとって害になる異物を体外へ出すための防御反応です。風邪の代表的な症状が咳なのも、ウィルスや細菌を体外へ追い出そうとしているため。ですから、風邪の症状が治まれば、咳も自然と治まっていきます。

1-2.咳の種類とは

咳には痰を伴わない乾性咳嗽(かんせいがいそう)と、痰を伴う湿性咳嗽(しつせいがいそう)の2種類があります。痰を伴う咳が長く続いた場合は、結核やインフルエンザ・風邪症候群などのウィルスや細菌感染による病気の可能性が高いのです。痰を伴わない咳が長く続く場合は、気管支炎や肺炎・副鼻腔炎などウィルスや細菌感染を伴わない病気の可能性があります。どちらの咳にしろ、3週間以上続いて改善の気配がないようならば病院を受診しましょう。

痰とは何か

この項では、痰とは一体どのようなものかということをご紹介します。痰も体を守る役割を担っているのです。

2-1.なぜ、痰が出るのか?

痰は、気道から出る分泌物の塊です。空気の通り道である気道は常に粘膜で覆われており、外から入ってくるホコリや細菌などの異物をブロックする役割を担っています。通常、その量はわずかですので、私たちは無意識に飲みこんでいるのです。しかし風邪症候群の感染をはじめ、気道に異常が起こると分泌物の量が増えます。すると、体は咳によって分泌物の塊を体外へ排出しようとするのです。これが痰の正体。ですから、痰が増えるということは体内に何らかの異常が起きている可能性が高いでしょう。

2-2.痰の種類

痰は、病気によって色が変わります。薄黄色~緑色っぽいどろりとした痰が出る場合は、細菌に感染しているか気管支が炎症を起こしている可能性が高いのです。透明の痰は、インフルエンザなどのウィルスに感染している時に発生しやすくなります。痰がさび色やピンク色をしている場合は、血が混じっている可能性が高いのです。この場合は、肺浮腫や肺ガンが疑われます。どのような痰であれ、咳と同じく3週間以上改善の気配が見られない場合は病院を受診しましょう。

2-3.注意すべき併発症状

健康な人であれば、咳によって痰が体外へ排出されます。しかし、高齢者などは咳をする力が弱くなり、痰がうまく排出されないこともあるのです。こうなってしまうと気道の中で痰が絡まり、窒息の危険性があります。このようなケースは、痰を排出する器具などを利用しましょう。

痰が絡む咳が出る時とは?

この項では、痰が絡む咳が出やすい病気などをご紹介します。たかが咳と痰、と軽視しないことが大切です。

3-1.どのような病気になると痰が絡む咳が出やすいの?

痰が絡む咳が出やすい病気の代表格が、インフルエンザや風邪症候群といった感染症です。これらの感染症は冬に流行しやすく、痰が絡んだ咳の他に発熱やくしゃみ・喉の痛みといった症状が出ます。風邪の場合は暖かく安静にしていれば、長くても1週間程度で症状が改善するでしょう。

インフルエンザの場合は、病院で適切な治療を受ければ、風邪と同じ期間で治ります。感染症の中でも気をつけたいのが肺炎と結核です。結核は結核菌の感染によって発症する病気で、近年は高齢者を中心に感染者が増えています。肺炎は風邪症候群が悪化して発症する例が多いのです。

3-2.鼻炎が原因で痰が増えるって本当?

慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎を発症しても、痰が絡む咳が増えることがあります。この場合は、鼻水が喉の奥に落ち込む後鼻漏(こうびろう)という症状と併せて発症することも…。鼻づまりが慢性化しており、朝起きた時に痰が絡む咳が出やすいという場合は、鼻炎由来の咳である可能性が高いでしょう。

3-3.痰が絡んだ咳が出る要注意な病気とは?

肺がんや肺浮腫・気管支拡張症、たばこの煙で肺が炎症を起こし続けるCOPDを発症している場合も、痰が絡んだ咳が出ます。特に、痰に赤い色がついている場合は注意しましょう。気道のどこかが出血している証拠です。まれに咳のし過ぎでも気道から出血することがありますが、長期間痰に赤色がついている場合は重篤な病気の可能性があります。至急、病院を受診してください。

咳を放置しておくとどうなるの?

痰が絡んだ咳を長期間放置しておくと、不快感が増します。また、痰を出そうと胸やおなかに力を入れるようになり、肋骨などが傷つくことも珍しくありません。特に骨が弱っている高齢者は、咳が続くと骨折することもあります。夜間に咳が出続けると眠りが浅くなり、日常生活にも支障が出るようになるでしょう。

痰の上手な切り方などの対処法

この項では、痰を上手に体外へ排出する方法などをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

5-1.痰が切れない理由とは?

痰が絡んだ咳が出だすと、喉元に常に違和感を覚える方はたくさんいます。痰は常時作り続けられるので、病気が完治しない限り完全にすっきりとするのは難しいでしょう。また、年度の高い痰ができてしまうと、気道に絡みついてなかなか出てこないということもあります。

5-2.痰をうまく切る方法とは?

痰をうまく切るには、喉元に痰を集めて一気に排出する方法が有効です。痰が集まってると感じられる場所を下にして横になり、痰が上がってきたなと感じたら息を短くはいて、痰を喉元に集めましょう。そこで一気に咳をして痰をはき出せば、すっきりします。また、うがいも効果的です。上を向いて喉の奥の方に水を入れてうがいをすると痰が一緒に流れて行きます。ただし、これらの方法はたくさんやったからといって効果が増すものではありません。朝起きてすぐなど時間を決めて行うことが大切です。

5-3.市販薬は効果があるの?

痰を切る市販薬はたくさん販売されています。これらを利用しても効果がありますが、用法と容量を守って使用しましょう。市販薬とはいえ、乱用すれば体にダメージを与えます。痰が絡んだ咳が長く続く場合は、病院を受診した方がよいでしょう。

5-4.部屋の湿度をあげてマスクをする

乾燥していると、喉に痰がからみやすくなります。部屋の湿度を60%前後に保ち、外出するときはマスクをするとよいでしょう。定期的な水分補給も効果があります。はちみつは喉によいので、はちみつで甘みをつけた温かい飲み物がおすすめです。

5-5.気を付けるべき生活習慣

喫煙は、気道にとって良いことはなにもありません。喫煙をしていて咳に悩んでいる方は、思い切って禁煙をしてみましょう。最初はつらいですが、今は禁煙外来もあります。また、過度の飲酒もよくありません。居酒屋やバーなどは空気が悪いことも多いので、咳がひどいうちは立ち寄るのを控えましょう。

よくある質問

Q.痰が絡む咳で悩んでいる場合は、何科を受診すればよいでしょうか?

A.気道のトラブルは呼吸器科を受診しましょう。かかりつけの内科や耳鼻咽喉科がある場合は、まずそこを受診して呼吸器科への紹介状を書いてもらってもいいですね。子どもの場合は、小児科を受診しましょう。

Q.漢方薬は効果が期待できますか?

A 元々気道が弱く、風邪をひくと痰がたくさん出て困っているという場合は漢方薬も効果的です。試してみてもいいでしょう。ただし、インフルエンザや結核などは、漢方では治療できません。まずは担当の医師と相談してみてください。

Q.病院へ行く目安はどのくらいでしょうか?

A.痰に血が混じっている場合は、できるだけ早く病院を受診してください。その他の場合は、3週間たっても症状に改善の様子が見られなければ受診しましょう。

Q.痰を切りやすい飲み物はありますか?

A.カフェインには気道を広げる効果があるので、コーヒーや紅茶・緑茶などがおすすめです。中でも緑茶は、殺菌効果も期待できます。温かい緑茶を保温ポットに入れて持っていったり、お茶でうがいをしたりするのもよいでしょう。はちみつ入りの飲み物も喉に効果的です。

Q.痰を切る食べ物はありますか?

A.痰を切れやすくする食べ物としては、大根がおすすめです。大根に含まれるジアスターゼが咳を沈めてくれます。風邪を引いた場合は、大根の味噌汁などもよいでしょう。

おわりに

いかがでしたか? 今回は痰が絡む咳が出る原因や対処法をご紹介しました。痰が絡む咳が出る病気はたくさんあり、場合によっては命にもかかわります。たかが咳と痰と思わずに、長引くようでしたら病院を受診しましょう。