寝起きの頭痛は何が原因? 朝に起こる頭痛の対処法などを徹底解析

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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1日の始まりとなる朝に頭痛が起きると、ブルーな気持ちになりますよね。頭痛薬に頼ってしまうと、薬がなければ生活できない体質になってしまいそうで不安になる方も多いのではないでしょうか。そうならないうちに、なぜ寝起きに頭痛が起きるのか、原因を把握しておかなければなりません。きちんと原因がわかれば、それに見合った対策を立てることができます。また、睡眠無呼吸症候群の可能性もあるため、注意が必要です。そこで、本記事では、寝起きに起こる頭痛のメカニズムやセルフチェック・原因・睡眠時無呼吸症候群の基礎知識・対策法などについて詳しく説明します。

この記事を読むことで、寝起きに起こる頭痛から抜け出すために必要な情報を得ることができます。現在、悩んでいる方はぜひ参考にして、症状を改善していきましょう。

寝起きに起こる頭痛について

寝起きに起こる頭痛とは、一体どのような意味を持っているのでしょうか。長く症状が続くほど、不安な気持ちが大きくなりますよね。そこで、頭痛の基礎知識や寝起きに起こる頭痛の原因・起こりやすい人について詳しく見ていきましょう。症状をやわらげるためには、知識を身につけることが大切です。

1-1.頭痛とは

頭部に感じる痛みのうち、表面的な傷みでないものを頭痛といいます。頭がガンガンする・ジンジンとした痛みが頭部全体に広がる・一部に瞬間的な痛みが走るなど、症状は多岐にわたるものです。また、吐き気・熱・めまいなどの症状が伴うこともあります。原因はさまざまですが、よく見られるのは、血液中のある物質による炎症反応です。

1-2.寝起きに起こる頭痛の原因

寝不足状態が続く・過度なストレスを感じたときなどに、頭痛が起こります。しかし、寝起きに頭痛が起きる場合もあるでしょう。その場合は、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛という3大原因が考えられます。それぞれ解説していきましょう。

1-2-1.片頭痛

寝起きにかかわらず、片頭痛で悩んでいる方は多いのではないのでしょうか。片頭痛は、男性よりも女性に多く見られる頭痛で、こめかみにズキズキとした脈打つ痛みを感じます。片頭痛の主な原因は、脳の血管が拡張することです。拡張によって炎症を引き起こし、三叉(さんさ)神経と呼ばれる感覚神経を刺激します。また、脳の血管の拡張は、生活習慣の乱れやストレス・チョコレートや赤ワインなどの過剰摂取が影響すると考えられるのです。

1-2-2.緊張型頭痛

緊張型頭痛は、突然頭痛が起こる・頭を締めつけられたような感覚になる・首が肩のこりがある点が特徴です。特に、日々のストレスや合わない寝具の使用によって、首や肩のこりが悪化し、頭痛が起こりやすくなります。また、デスクワークなど同じ姿勢で作業を続けることで、血液の流れが悪くなり筋肉を緊張させるのです。寝起きはセロトニンと呼ばれるホルモンが減少することも、頭痛の原因の一つと言われています。

1-2-3.群発頭痛

群発頭痛は男性に多く見られる頭痛です。目の奥を刺されたような痛み・毎日決まった時間に発生する・鼻水や汗が出るなどの症状が特徴となります。原因がハッキリわかっていないのも特徴的で、耐えられない痛みが起きる頭痛です。長期間続く場合は、すぐに病院へ行ったほうがいいでしょう。

1-2-4.そのほか

3大要因以外の原因としては、睡眠時無呼吸症候群・鼻炎・歯ぎしり・副鼻腔炎などが挙げられます。睡眠時無呼吸にかんしては、後ほど【3.寝起きに起こる頭痛~睡眠時無呼吸症候群とは】で説明するのでぜひチェックしてください。鼻炎や副鼻腔炎などの鼻にかんする症状は、頭の血管を収縮させ、頭痛を引き起こす要因です。歯ぎしりも常に力が加えられている状態になるため、脳の血管に大きな負荷をかけてしまいます。

1-3.起こりやすい人とは

日常生活が荒れている・昼夜逆転生活・過度なストレス・睡眠不足になっている人ほど、寝起きの頭痛が起きやすい傾向があります。先ほど説明した3大要因のすべては、生活習慣と関係しているものです。日常生活が不規則になると、頭痛だけでなく、体調不良やイライラしやすくなるなどさまざまな不調を起こします。この機会に、改めて自分の生活を見直してみてください。

寝起きに起こる頭痛~セルフチェック

寝起きに起こる頭痛は一体何なのか、チェックしてみてください。チェック項目から、頭痛の種類を導き出すことができます。

2-1.チェック項目

以下に挙げるチェックA・B・Cのうち、最も当てはまる項目が多いのは何でしょうか。

<チェックA>

  • 月に何回か頭痛が起きる
  • 頭の片側または両側が痛む
  • 仕事や家事をするのがつらい
  • できれば、ずっと動かずにいたい
  • 吐き気を伴うことがある
  • 頭痛が起こる前に肩や首がこる

<チェックB>

  • 同じ頭痛が毎日起こる
  • 頭全体または後頭部・首筋が痛む
  • めまい・首・肩のこりを伴う
  • 頭痛が起きたとき、マッサージ・ストレッチをすると弱まる
  • 締めつけられるような頭痛が起きる
  • 動くと痛みがやわらぐ

<チェックC>

  • 片方の目の奥が痛む
  • 目の充血・鼻水を伴う
  • 頭痛が起こる同じ側の肩がこる
  • えぐられるように激しい痛みが起きる
  • 激痛のためにじっとしていられない
  • 2か月間ほど決まった時間に頭痛が起きる

チェックAの項目が多い場合は片頭痛、Bの場合は緊張型頭痛、Cの場合は群発頭痛の恐れがあります。

2-2.注意点

あくまで、セルフチェックは自己判断です。専門の医師が判断したわけではありませんので、正式な理由・原因とはいえません。より正確な原因や症状を知りたい方は、病院を受診してください。具体的な検査を行ったうえで、あなたの頭痛の種類や原因が判明するでしょう。原因がわかれば、適切な治療を受けることができます。

睡眠時無呼吸症候群について

寝起きに起こる頭痛は、睡眠時無呼吸症候群が関係している可能性があります。睡眠時無呼吸症候群とはどのような症状なのか、詳しく見ていきましょう。

3-1.睡眠時無呼吸症候群とは?

SAS(サス)と呼ばれる睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。健康な人は、睡眠時にきちんと呼吸しています。しかし、睡眠時無呼吸症候群にかかっている人は、10秒以上呼吸が止まっている状態が、一晩で30回以上もあるのです。また、1時間あたり5回以上無呼吸状態であれば、睡眠時無呼吸症候群とみなされます。睡眠時はなかなか自分で気づけないため、治療・対策が遅れる病気でもあるのです。わかりやすい症状としては、体に大きな負担がかかる・強い眠気・倦怠感(けんたいかん)・集中力低下など、日常生活にさまざまな支障が生じます。

3-2.頭痛との関係について

無呼吸症候群は、呼吸が止まることで酸素不足になり、心臓や脳に大きな負荷がかかることです。体をきちんと休めるためには、酸素を与え続けなければなりません。酸素不足状態になるほど、脳が休めなくなり、寝起きに頭痛が起きてしまうのです。寝起きの頭痛は、脳が十分に休めなかったあかしでしょう。「きちんと寝ているのに頭痛が起きる」「朝起きるとだるい」などの症状に当てはまる方は、無呼吸症候群の可能性があります。自分で対処するのは限界があるため、心配な方は、医療機関で診てもらいましょう。

寝起きに起こる頭痛の対策法

それでは、寝起きに起こる頭痛を解消するためには、一体どのようにすればいいのでしょうか。寝起きに起こる頭痛の対策法や薬・NG行為・注意点について説明します。

4-1.どのような対策法がある?

まず、最も効果的な対策といえるのが、日常生活の改善です。不規則な生活習慣や睡眠不足が主な原因となっているため、規則正しい生活を心がけましょう。頭痛が起きたときは、タオルで包んだ保冷剤で患部を冷やしてください。そして、できるだけ暗い部屋で安静にすごしましょう。特に、片頭痛の場合は光や音に敏感になるため、暗い部屋で安静にしておかなければなりません。緊張型頭痛の場合は、血液の流れを促すために運動や温かい湯船につかるといいですよ。群発頭痛の場合は、対処のしようがないため、すぐに病院を受診してください。基本的に、寝起きの頭痛が長く続く場合は、きちんと検査してもらったほうが安心です。

4-2.薬について

頭痛が起きるときに、頭痛薬などの薬を服用する方は多くいるでしょう。しかし、頭痛薬は一時的な症状をやわらげるだけのものです。根本的な解決にはならないので注意してください。また、市販の頭痛薬は刺激が強すぎるあまり、症状が悪化する恐れがあります。薬を服用する場合は、病院で処方したものを利用してください。服用する場合も1日の量をきちんと守ることが大切です。

4-3.NG行為

寝起きに頭痛が起きたときは、できるだけ安静にしてください。激しい運動をする・刺激物を食べる・明るい光やうるさい音のある場所に行くなど、刺激するような行動は控えめにしなければなりません。頭痛が悪化し、めまい・吐き気・体調不良など、仕事や家事が普通にできなくなることもあるのです。「仕事に行かなければ」と、薬を乱用してしまうと、さらに頭痛が悪化します。無理をせずに、自分の体を1番に考えてください。

4-4.注意点

寝起きの頭痛が長く続く・立っていられないほどの痛みが起きる場合は、すぐに病院へ行ってください。寝起きの頭痛から考えられる病気もいくつかあります。たとえば、脳出血・脳腫瘍・クモ膜下出血・髄膜炎などです。すぐに治療を始めなければ、命にかかわる恐れもあります。

寝起きに起こる頭痛にかんしてよくある質問

寝起きに起こる頭痛にかんしてよくある質問を5つピックアップしてみました。頭痛で悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。

5-1.頭痛が悪化する刺激物や症状をやわらげる食べものとは?

アルコール・炭酸飲料・化学調味料・保存料などの刺激物は、頭部の血管を拡張します。3大原因の中でも、特に、片頭痛が刺激物の影響を受けるものです。仕事が忙しくなるとインスタントで済ませる方は多いですが、できるだけバランスのとれた食生活を心がけてください。片頭痛をやわらげる食べものとしては、大豆・緑黄色野菜やビタミンB2が多く含まれている卵黄・アーモンド・レバーがおすすめです。

5-2.頭痛の検査方法とは?

頭痛の種類を確かめる方法がいくつかあります。一般的な検査方法は、放射線などで脳の断面を撮影する「脳CT」、磁器を用いて脳を断層撮影する「脳MRI」、磁気を用いて脳血管を撮影する「脳MRA」などです。ほかにも、脳波・脳血流検査・血液検査もあります。

5-3.睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなるか?

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、呼吸が止まり、命にかかわる状態になってしまいます。実際に、放置したことでそのまま呼吸できずに亡くなるケースも起きているのです。命の危険を防ぐためにも、睡眠時無呼吸症候群の症状をきちんと把握しておきましょう。

5-4.自分でできるケアが知りたい

規則正しい日常生活を送ること以外にも、生活バランスを整えることも大切です。毎日同じ時間に寝起きして、生活リズムを整えていきましょう。気をつけておきたいのが、寝すぎです。寝不足からくる頭痛は多いですが、寝すぎても発生します。時間がたてば自然と治まりますが、生活リズムの乱れにもつながるため気をつけてください。

5-5.病院で行う治療法とは?

主な治療法は、薬物療法です。トリプタン系薬剤・エルゴタミン製剤・鎮痛剤などを利用して、頭痛をやわらげます。また、医師による日常生活改善のアドバイスも行われるでしょう。自分で改善することが難しい場合は、医師の助言をあおいでください。

まとめ

いかがでしたか? 寝起きの頭痛は、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛の3つの原因が挙げられます。それぞれの頭痛によって要因は異なりますが、不規則な生活習慣やストレスなどが考えられるのです。寝起きの頭痛を改善するためには、日常生活の改善が大きなポイントになるでしょう。市販の頭痛薬で抑えることもできますが、あくまで一時的な対策法です。根本的に改善したい方は、一度病院で検査してもらい、原因と頭痛の種類を把握しましょう。正しい対策法・改善策をきちんと身につけておけば、頭痛を悪化させることなく症状が緩和できます。できる限り、早めに病院を受診してください。