あくびをすると耳が痛い

あくびをすると耳が痛い!その原因は? 考えられる病気と対処法3つ

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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「あくびをすると耳が痛い」という症状にお悩みではありませんか? 普段は何ともないけれど、あくびをしたときに痛みや違和感がある、という経験がある人は多いでしょう。もちろん、問題のない場合もあります。しかし、このような状態が長く続いている場合は、耳鼻科での治療が必要になることもあるのです。「普段は痛くないから」と言って放っておくと聴力が低下する病気に発展することも考えられます。気になる症状があるときは、なるべく早めに受診するようにしましょう。この記事では、あくびをしたときに耳が痛くなる原因や治療法についてご紹介します。

この記事を読むことで、考えられる病気やその対処法がわかるはずです。ぜひ参考にして不快な症状を取り除いてください。

あくびで耳が痛い!その原因とは?

耳が痛くなる原因や症状について解説します。

1-1.どんな痛みなのか?

痛みにもさまざまなものがあります。「ズキン」と痛みが走ることもあれば、耳の奥で違和感や異音がする場合もあるでしょう。ただし、違和感の場合は問題がないことがほとんどです。通常、耳管は閉じた状態であり、不必要な圧から中耳を守っています。しかし、中耳と大気圧に差ができたときなどに違和感が生じるのです。このとき、大きく口を開けることで耳管が解放され、違和感は治まります。このように、耳の違和感は心配する必要がない場合が多いでしょう。問題は、痛みがあるときです。原因によっては早期の治療が必要なこともあるため注意が必要になります。

1-2.耳のメカニズムを理解しよう

痛みの原因を知る前に、まずは耳のメカニズムを理解しておきましょう。耳は聴覚や平衡感覚をコントロールするための感覚器官です。外耳・中耳・内耳から構成されており、それぞれが役割を果たして脳に音を伝えています。耳管は人によって太さが異なり、細い人の場合は空気のとおりが悪くなりやすいため、飛行機に乗ったときなどに痛くなりやすいのです。

1-3.主な原因

原因はいくつか考えられます。

1-3-1.耳あか

耳あかがたまりすぎると、鼓膜を圧迫して痛みが出ることもあります。どのくらい耳掃除をしていないか考えてみましょう。また、耳掃除のし過ぎで耳の内部が炎症を起こしている可能性もあります。

1-3-2.肩こり

首や肩のこりが原因の場合もあります。肩と首の筋肉が耳の後ろにつながっているため、このような現象が起こるのです。この場合は、こりをほぐすことで耳の痛みも改善されます。普段から肩や首がこりやすい人は注意してください。

1-3-3.神経痛

耳の奥にある神経が刺激を受けることで痛みが出る場合もあります。喉が炎症を起こすことで神経を刺激することが多いため、喉の炎症が治まれば耳の痛みもなくなるでしょう。

1-3-4.耳の疾患

上記以外には、中耳炎や外耳炎など耳の疾患が考えられます。耳の病気は耳鼻科での治療が必要です。早めに受診しましょう。

あくびで耳が痛くなる病気

考えられる病気には、中耳炎や耳管開放症、耳管狭窄(きょうさく)症などがあります。

2-1.考えられる病気とその対処法

それぞれの病気に伴う症状やチェックポイントをまとめてみました。

2-1-1.中耳炎

まず思い付くのが中耳炎でしょう。激しい痛みを伴う急性中耳炎と違い、滲出(しんしゅつ)性中耳炎の場合はあくびをしたときなどに軽い痛みを感じます。そのため、中耳炎ということに気付かない人も多いのです。しかし、聴力の低下につながることもあるため、早めに受診する必要があるでしょう。痛みのほかに耳の中で異音がしたり耳が詰まる感じがしたりする場合は、中耳炎の可能性を疑ってください。

2-1-2.耳管開放症

耳管開放症は、普段閉じている耳管が開きっぱなしになる病気です。特に若い女性の発病率が高く、原因はダイエットによる耳管周辺の脂肪低下ではないかと考えられています。チェックポイントとしては、横になっている状態であくびをしてみてください。このとき痛みを感じないようであれば、耳管開放症の可能性があるでしょう。痛み以外にも「自分の声が耳に響く」「耳が詰まる感じがする」という症状を伴うため、よく観察してください。

2-1-3.耳管狭窄(きょうさく)症

耳管開放症とは逆で、耳管が開かなくなる病気です。耳管が開かなくなると、中耳と外気圧の調整ができなくなります。そのため、常に耳の奥がツーンとした感じになり、音がこもって聞こえるようになるのです。風邪を引いた後やアレルギー性鼻炎、疲労などが原因で起こることが多いため、思い当たるものがないか考えてみてください。「自分の声や呼吸音が響いて聞こえる」「聞こえが悪い」「めまいがする」などの症状を伴う場合が多くなっています。

2-2.そのほかに疑われる病気とは?

疑われる病気は上記以外にもあります。

  • リンパ節炎
  • 咽頭炎
  • 顎関節症

耳以外の場所に痛みの原因があることも考えられます。ほかにどのような症状があるか、しっかりと把握しておきましょう。

2-3.注意点

治療が必要な病気が原因なのか、放っておいても問題のないものなのか、自己判断するのは危険です。「原因はわからないが、痛みや不快な症状が続いている」という場合は、必ず耳鼻科を受診するようにしてください。そして、検査を受けて適切な治療をしてもらいましょう。

あくびをすると耳が痛いときの対処法と治療法

痛みがあるときはどのように対処したらよいのでしょうか。病院での治療法についてもご紹介します。

3-1.受診すべきポイントとは?

普段何ともなければ、病院へ行くべきか迷う人も多いと思います。しかし、あくびをしたときに耳が痛くなる症状が長期間続くのであれば、耳鼻科を受診するべきです。風邪を引いた後、一時的に耳が詰まったようになることもあります。この場合は時間とともに症状は改善されるはずでしょう。風邪が治ってから1週間以上たっても痛みが治まらない場合は、すぐに受診してください。また、耳だれが出る、痛みが激しくなるなどの場合も、受診した方がよいでしょう。原因を明らかにし、適切な治療が行われます。

3-2.セルフ対処法

耳の痛みや違和感がある場合、自分でできる対処法には以下のようなものがあります。

3-2-1.耳掃除には注意!

耳の中を清潔にするために耳掃除を頻繁に行う人もいるでしょう。しかし、耳掃除は耳あかを奥に押し込んでしまう原因になります。頻繁に掃除をすると外耳炎を発症する可能性もあるのです。多くても週に1回、必ず清潔な綿棒や耳かき棒を使って行うようにしてください。

3-2-2.痛みがあるときは安静にする

痛みが強いときは、できるだけ安静にして過ごすようにしましょう。特に、痛みだけでなく熱があるときは感染症を起こしている可能性もあります。安静にして痛みが治まるようであればそのまま様子を見ても問題がない場合が多いでしょう。

3-2-3.鎮痛剤を飲む

激しい痛みがあってもすぐに受診できない場合は、市販の鎮痛剤を飲んで様子を見ましょう。特に、急性中耳炎では強い痛みを伴うことがあります。病院に行くまで我慢せず、薬で痛みを和らげてください。

3-3.やってはいけないこと

耳の痛みを防ぐために、できるだけ鼻をすすらないようにしましょう。鼻水が耳管を逆流し、中耳に入って炎症を起こしてしまうことがあります。風邪を引いたときや花粉症などで鼻水が出るときは、こまめに鼻をかむようにしてください。

3-4.赤ちゃんや子どもの場合は?

赤ちゃんや小さな子どもの場合は、気付かないうちに滲出(しんしゅつ)性中耳炎になってしまうケースも多いのでしょう。受診したときには「耳が聞こえにくくなっていた」という例もたくさんあるのです。強い痛みがある場合は親御さんが気付くことも多いと思います。しかし、あくびをしたときだけ痛みや違和感があるというケースでは、発見が遅くなってしまいがちです。耳を何度も触る、頭を振りながら泣き続けるなど、いつもと違う様子があるときは十分に気を付けてください。

3-5.注意点

急性中耳炎の場合は痛みが一過性のものであることが多く、耳の周りを冷やしたり鎮痛剤を飲んだりすることで治まります。しかし、痛みがなくなっても中耳炎が治ったわけではないということを忘れないでください。早めに耳鼻科を受診して、しっかり治療しましょう。

あくびと耳の痛みにかんするよくある質問

「あくびをすると耳が痛い」という人が感じる疑問とその回答をまとめてみました。

4-1.耳が詰まったような感じがするときの応急処置方法を教えてください。

A.鼻をつまんだ状態で口から息を吸い、鼻にゆっくり空気を送り込みましょう。このようにして耳抜きをすることで、鼓膜の内側と外側の圧力差を解消できます。また、鼻をつまんでつばを飲み込む方法も効果的です。

4-2.耳管狭窄(きょうさく)症と突発性難聴は症状が似ていると言われていますが、違う点には何がありますか?

A.耳管狭窄(きょうさく)症はめまいを伴うことが多く、突発性難聴では発病した瞬間以外、めまいを感じることはありません。ほかの症状はよく似ていますので、めまいの頻度で見分けるようにしましょう。

4-3.滲出(しんしゅつ)性中耳炎は何が原因で起こりますか?

A.長引く鼻風邪や鼻のかみすぎ、加齢などが原因で発病することが多くなっています。特に小さな子どもは耳管が未発達であるため、細菌が侵入しやすいのです。鼻や喉の病気がきっかけで中耳炎になりやすいと言われています。

4-4.乳児の急性中耳炎を見極めるにはどうしたらよいですか?

A.大人の場合は中耳炎で発熱することはほとんどありません。しかし、乳児だと発熱が伴うことが多いでしょう。そのほかに「理由もなく泣き続ける」「不機嫌になる」「食欲不振になる」などの症状がある場合は、急性中耳炎の可能性を疑ってみましょう。

4-5.ストレスで耳が痛くなることもありますか?

A.あります。肩や首の筋肉は耳の後ろにつながっており、ストレスが原因で血行が悪くなると筋肉が硬くなるのです。その結果、耳が痛くなることがあります。

まとめ

いかがでしたか? あくびをすると耳が痛くなる原因や対処法をまとめてご紹介しました。「あくびをしたときだけ痛みがあるので病院に行くほどでもない」と安心するのは危険です。普段は痛みがなくても、あくびをしたときに痛くなるのは、何らかの原因があります。早めの治療が必要になる場合もあるため、きちんと耳鼻科で見てもらってください。この記事を参考にして、痛みを取り除くベストな方法を見つけましょう。