パンチドランカーとはどんな症状? 危険や予防方法を紹介!

ボクシングに興味がある人は「パンチドランカー」という言葉を聞いたことがあると思います。「詳しくは知らないけれど、プロボクサーの職業病のようなもの」と認識している人もいるでしょう。しかし、パンチドランカーはプロボクサーだけに起こるものではありません。スポーツとしてボクシングを楽しむ人も、パンチドランカーには気をつける必要があります。

今回は、パンチドランカーの原因や予防法を紹介しましょう。

  1. パンチドランカーとはどんな症状?
  2. パンチドランカーの危険性
  3. パンチドランカーを予防する方法
  4. パンチドランカーに関するよくある質問

この記事を読めば、パンチドランカーを予防するために自分でできることなども分かります。ボクシングを始めてみたい人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.パンチドランカーとはどんな症状?

はじめに、パンチドランカーの原因や症状を紹介します。

1-1.パンチドランカーは頭にパンチを受けすぎて起こる

パンチドランカーとは、別名「慢性外傷性脳症」ともいうパンチを頭部に受けすぎたことによって起こる症状です。プロボクサーの引退の原因となる症状というイメージを持っている人もいるでしょう。しかし、パンチドランカーはプロボクサーだけに現れる症状ではありません。スポーツとしてボクシングを楽しんでいる人も、パンチドランカーになる可能性があります。

1-2.パンチドランカーの症状は複数ある

パンチドランカーの症状は以下のようなものがあります。

  • 頭痛
  • 手足の震え・しびれ
  • 物忘れや鬱
  • 認知障害
  • 攻撃性の増加
  • 幼稚性の発露

これらの症状がすべて現れるわけではありませんが、重症化すると日常生活にも重大な悪影響が出ることもあるでしょう。

1-3.ボクサーにパンチドランカーが現れやすい理由

ボクシングは、格闘技の要素が強いスポーツです。頭部にパンチをもらいすぎると脳しんとうを起こすことがあります。くり返し脳しんとうを起こすと、脳細胞が破壊されたり脳神経が切断されたりする可能性があるでしょう。それが、パンチドランカーを発症する原因となります。なお、パンチドランカーはアメリカンフットボールなど頭部にダメージを受ける可能性がある、ほかのスポーツでも発症する可能性がありますが、ボクシングが最も発症しやすいでしょう。

2.パンチドランカーの危険性

この項では、パンチドランカーの危険性や治療方法などを紹介します。

2-1.頭にダメージを受け続ける限り症状は進行する

パンチドランカーは、頭にダメージを受けつづる限り進行します。最初は軽微な症状しか出なかったとしても、頭にパンチを受け続ける限り、症状が進行する可能性があるでしょう。また、パンチを受けてから2~3日してやっと症状が出てくることもあるので、頭に強いパンチを受け脳しんとうが起こったら、必ず病院を受診してください。

2-2.年を取ってから症状が出る場合もある

パンチドランカーは、ボクシングをやめて数年してから症状が出る可能性もあります。そのため、現役のときに症状が出ないからといって安心できません。

2-3.一度壊れた脳細胞は元に戻らない

脳細胞は一度壊れると元に戻りません。現代医学でも、パンチドランカーの完治は難しいでしょう。ただし、失われた脳細胞の代わりを周りの脳細胞が行うことがあります。ですから、パンチドランカーになる前に定期的に脳の様子を病院で確認してもらい、ダメージがあるようならば、医師の指示に従いましょう。

3.パンチドランカーを予防する方法

この項では、パンチドランカーを予防する方法を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

3-1.スパーリングはコーチの監督下で行う

ボクシングのトレーニングの1つ、スパーリングは実際にリング上で打ち合いを行います。初心者は、ディフェンスがうまくできずに頭部にパンチを食らうことがもあるでしょう。あまり何度もパンチを受けると脳しんとうを起こす可能性があります。必ず監督の指導の下で行い、ストップが入ったらそこで止めてください。

3-2.ヘッドギアは気休めと考える

ヘッドギアは頭部を守るために取りつけますが、一定以上のダメージは脳に伝わります。ですから、ヘッドギアがあるからパンチを受けても安心と思わないことです。ディフェンスを上達させ、パンチを受けないようにしましょう。

3-3.顎へのダメージに気をつける

スパーリングを行うと、顎へパンチを受けることもあります。顎にパンチを受けても、ダメージが脳へ伝わるのです。「頭にパンチを受けていないから安心」と思ってはいけません。

3-4.脳しんとうを起こしたらすぐに病院を受診する

脳しんとうを起こした場合や、頭部や顎にパンチを受けた後、頭痛や体のふらつきなどの症状が出たら、すぐに病院を受診しましょう。「このくらい休めば治る」と思ってはいけません。医師の指示に従って練習を休むことも大切です。

3-5.スパーリングを勝手に行わない

スパーリングは「これぞボクシング」という練習法なので、憧れる人もいるでしょう。しかし、スパーリングはケガの危険もあります。コーチが許可するまで行ってはいけません。また、コーチがいないところでも行わないようにしましょう。

4.パンチドランカーに関するよくある質問

この項では、パンチドランカーに関する質問を紹介します。

Q.パンチドランカーは頭にパンチを一度受けるだけでも発症するのでしょうか?
A.その可能性は低いですが、短期間でパンチドランカーになる可能性はあります。

Q.スポーツとしてボクシングを楽しんでいるのですが、パンチドランカーになることはあるのでしょうか?
A.練習でスパーリングを行い、頭部にパンチを受けることがあると発症の可能性があります。

Q.パンチドランカーが怖いので、スパーリングを行わずにボクシングを練習することはできるでしょうか?
A.はい。ボクササイズなどボクシングの動きを取り入れたエクササイズがあります。また、スパーリングを行わない練習プログラムを組んでいるジムもあるので、ボクシングをするならスパーリングは必須ということはありません。

Q.脳しんとうを何回ほど発症したらパンチドランカーになるのでしょうか?
A.一概には言えません。脳しんとうを起こしたら必ず医師の診察を受け、脳の状態を確認してください。

Q.子ども同士のスパーリングでも危険ですか?
A.はい。もちろんです。子どもだからと軽視してはいけません。

まとめ

今回は、ボクシングを楽しんでいる人ならば誰でも発症の可能性があるパンチドランカーについて解説しました。たとえアマチュアでも、何年もボクシングを行っていれば、脳へのダメージが蓄積している可能性があります。頭痛やふらつきを甘くみてはいけません。パンチを受けた後でふらつきなどの症状が出たら、必ず病院を受診してください。