野球肩の症状と野球で肩が痛くなったときの対処法

野球肩の症状は? 野球で肩が痛くなったときの対処法

野球をしていて肩が痛くなったという経験をしたことはありませんか? 野球の投球によって引き起こされる運動障害のことを野球肩と言います。野球肩は重症になると治りにくくなるため、軽症のうちに治療をすることが大切です。そこで、この記事では、野球肩の症状や改善・予防方法について解説します。野球を長期的に楽しむためにも正しい対処方法を知っておきましょう。

野球肩の症状とは?

野球肩とは野球の投球動作によって引き起こされるスポーツ障害の総称です。これらに共通しているのは、肩の筋肉・関節を酷使することによって起こるということです。それぞれどのような症状が見られるのか? 一つずつ紹介していきましょう。

1-1.滑液包炎(かつえきほうえん)

滑液包(かつえきほう)とは関節周囲にある液体を含んだ袋で、関節の動きをなめらかにする役割をしています。滑液包炎(かつえきほうえん)とは、滑液包(かつえきほう)に炎症が起こった状態のことです。関節を動かしたときや圧迫したときに痛みが起こります。

1-2.棘上筋腱炎(きょくじょうきんけんえん)

棘上筋(きょくじょうきん)とは、肩後面上部深層に位置する筋肉で肩関節を安定させる働きをしています。棘上筋(きょくじょうきん)に炎症が起こった状態が棘上筋腱炎(きょくじょうきんけんえん)です。肩の後面に痛みが起こり、「肩を上げることができない」「肩に引っかかりを感じる」などの症状が現れます。

1-3.上腕二頭筋腱炎(じょうわんにとうきんけんえん)

上腕二頭筋に炎症が起こった状態のことを上腕二頭筋腱炎(じょうわんにとうきんけんえん)と言います。具体的な症状は、肩関節の痛み・二の腕から肘より先にかけての痛みなどです。また、腕を外側に曲げる動作に制限が起こる場合もあります。

1-4.棘下筋萎縮(きょっかきんいしゅく)

棘下筋萎縮(きょっかきんいしゅく)とは肩甲骨部分の筋肉が萎縮する障害のことです。スポーツなどによって肩の神経が繰り返し引き伸ばされることで起こります。主な症状は肩の疲労感・脱力感や圧痛などです。

1-5.インピンジメント症候群

インピンジメント症候群は、肩を上げたり動かしたりした際、腱板(けんばん)や滑液包(かつえきほう)などが関節内で衝突することによって起こります。主な症状は、肩の真上付近の痛みや動かした際の引っかかり感などです。

1-6.上腕骨骨端線障害(じょうわんこつこったんせんしょうがい)

上腕骨骨端線障害(じょうわんこつこったんせんしょうがい)は成長過程の小・中学生に多いスポーツ障害です。上腕骨(じょうわんこつ)骨頭の成長線である骨端線(こったんせん)に損傷が起こった状態のことを言います。主な症状は、投球動作をしたときの痛み・圧痛などです。放置したまま運動を続けると成長障害が起こる場合もあります。

野球肩を治すにはどうすればいい?

それでは、野球肩の痛みを改善・予防するにはどうすれば良いのでしょうか? 3つの方法を紹介します。

2-1.ストレッチ

第一に、野球肩の改善・予防に効果的なのがストレッチです。固くなった筋肉をほぐすことによって、肩の痛みが和らぎます。首・背中・胸の筋肉をほぐし、最後に肩の筋肉をストレッチしていきましょう。時間をかけてゆっくりと行うことが大切です。

2-2.アイシング

第二に、アイシングも野球肩の改善・予防に効果的です。冷やすことによって炎症が抑えられ、痛みが和らぎます。肩を使うスポーツをした後、なるべく時間を置かずに氷のうなどを使って10分〜20分程度冷やしてください。

2-3.筋肉強化

第三に、筋肉強化も野球肩を予防するために欠かせません。肩周りのインナーマッスルを鍛えることで、スポーツによる肩の障害を防ぐことができます。そこで、ゴムチューブを使って肩周辺のインナーマッスルを強化する方法を紹介しましょう。

  1. ゴムチューブの片側を足で踏んで固定します。
  2. もう片側を太ももの位置で持ちます。このとき、足から太ももまでチューブがまっすぐに伸びた状態にします。
  3. 手の甲を上にして、腰の位置までゆっくりと持ち上げます。

まとめ

いかがでしたか?
この記事では、野球肩の症状や改善・予防方法について紹介しました。

  1. 野球肩の症状とは?
  2. 野球肩を改善・予防するにはどうすればいい?

以上のポイントを押さえて、野球肩対策に取り組んでください。野球肩は筋肉が固くなっているときに急な動作をすることによって起こります。運動前には必ずストレッチをして、筋肉をほぐすようにしましょう。また、しばらくしても痛みが引かない場合は、整形外科などの専門家に相談してください。