扁平足の治し方

扁平足は改善できる?原因・症状・セルフケアと受診の目安

足の裏に土踏まずがない、長く歩くと足が疲れやすい、足裏や足首が痛む。こうした悩みがあると、「扁平足を治したい」と感じることがあります。

扁平足とは、足の内側にあるアーチが低くなり、土踏まずが目立ちにくい状態を指します。子どものころから続くものもあれば、大人になってからアーチが下がるものもあります。

ただし、扁平足だからといって必ず治療が必要なわけではありません。痛みがなく、歩行に支障がない場合は、経過を見ながら生活することもあります。一方で、大人になってから足の内側が痛む、つま先立ちがしにくい、足の変形が進んでいる場合は、整形外科で相談したほうがよいケースもあります。

この記事では、扁平足の種類、原因、主な症状、セルフケア、靴やインソールの選び方、病院を受診する目安を紹介します。

  1. 扁平足とは
  2. 子どもの扁平足と大人の扁平足の違い
  3. 扁平足で起こりやすい症状
  4. 扁平足のセルフケア
  5. 靴とインソールの選び方
  6. 整形外科を受診したいサイン
  7. 扁平足でよくある質問
  8. まとめ

1.扁平足とは

扁平足とは、足の裏のアーチが低くなり、土踏まずが目立ちにくくなっている状態です。

土踏まずが低く見える状態

足の内側には、体重を支えたり歩行時の衝撃をやわらげたりするアーチ構造があります。

このアーチが低くなると、立ったときに足裏が床に広く接するように見えます。これが一般に扁平足と呼ばれる状態です。

ただし、見た目だけで重症度を判断することはできません。痛みや歩きにくさがあるか、足の変形が進んでいるかも大切な判断材料です。

柔軟性扁平足と硬い扁平足がある

扁平足には、柔軟性のあるものと、足の動きが硬くなっているものがあります。

柔軟性扁平足では、立って体重をかけるとアーチが低く見えますが、つま先立ちをしたり座ったりするとアーチが見えることがあります。

一方で、体重をかけていないときもアーチがほとんど見えず、足の動きが硬い場合は、別の病気や骨の問題が関係していることがあります。

痛みがない扁平足もある

扁平足でも、痛みがなく、日常生活に支障がない人もいます。

特に子どもの柔軟性扁平足は、成長とともに変化することがあり、無症状であれば積極的な治療を必要としない場合があります。

扁平足は「土踏まずがないからすぐ治すべき」と考えるより、痛みや歩きにくさがあるかを確認することが大切です。

2.子どもの扁平足と大人の扁平足の違い

扁平足は、子どもと大人で考え方が異なります。年齢によって原因や対応が変わるため、分けて整理しましょう。

子どもは成長の途中で扁平に見えることがある

赤ちゃんや幼児の足は、脂肪が多く、土踏まずがはっきり見えないことがあります。

成長とともに足の骨や筋肉、靭帯が発達し、アーチが少しずつ形成されていきます。

子どもの扁平足の多くは柔軟性扁平足で、痛みがなく元気に歩いたり走ったりできる場合は、経過を見ながら生活することもあります。

痛みがある子どもは相談が必要

子どもの扁平足でも、痛みがある、すぐ疲れる、歩き方が気になる、片足だけ強く変形している、足が硬いといった場合は、整形外科で相談しましょう。

まれに、足根骨癒合症など、別の原因で足のアーチや動きに影響が出ていることがあります。

「子どもだからそのうち治る」と決めつけず、症状がある場合は確認してもらうと安心です。

大人の扁平足は後脛骨筋腱が関係することがある

大人になってから土踏まずが低くなり、足の内側や内くるぶしの下が痛む場合は、成人期扁平足が考えられます。

成人期扁平足では、足のアーチを支える後脛骨筋腱の働きが弱くなったり、損傷したりすることがあります。

中年以降の女性に多いとされ、進行すると足の変形が目立ち、つま先立ちがしにくくなったり、歩行に支障が出たりすることがあります。

3.扁平足で起こりやすい症状

扁平足の症状は人によって異なります。無症状の人もいれば、足の痛みや疲れやすさに悩む人もいます。

足裏や足首が疲れやすい

足のアーチは、歩行時の衝撃をやわらげたり、体重を効率よく支えたりする働きがあります。

アーチが低くなると、足裏や足首に負担がかかりやすく、長く歩くと疲れやすいと感じることがあります。

特に、立ち仕事や長時間歩く仕事では、夕方になると足が重くなることもあります。

内くるぶしの下や足の内側が痛む

成人期扁平足では、内くるぶしの下や足の内側に痛みが出ることがあります。

これは、足のアーチを支える後脛骨筋腱に負担がかかっている場合にみられることがあります。

痛みや腫れが続く場合は、早めに整形外科で相談しましょう。

ひざや腰に負担を感じることがある

足のアーチが低くなると、足首やひざの向き、歩き方に影響することがあります。

その結果、ひざ、すね、股関節、腰に負担を感じる場合があります。

ただし、ひざや腰の痛みには多くの原因があります。扁平足だけが原因とは限らないため、痛みが続く場合は診察を受けることが大切です。

靴の内側がすり減りやすい

扁平足では、歩くときに足が内側へ倒れ込みやすくなることがあります。

その場合、靴底の内側がすり減りやすくなったり、靴の形が内側へ崩れたりすることがあります。

靴底の減り方は、歩き方や足への負担を知る手がかりになります。

4.扁平足のセルフケア

痛みが軽い場合や、足の疲れが気になる場合は、足の筋肉を使う運動や生活習慣の見直しが役立つことがあります。ただし、痛みが強い場合は無理をしないでください。

足指を動かす運動

足指を動かす運動は、足裏の筋肉を使うきっかけになります。

床にタオルを置き、足の指で手前にたぐり寄せるタオルギャザーや、足指でグー・チョキ・パーを作る運動があります。

最初は1日1回、数分程度で構いません。痛みが出る場合は中止しましょう。

かかと上げ運動

かかと上げ運動は、ふくらはぎや足首まわりの筋肉を使う運動です。

壁や椅子につかまり、両足でゆっくりかかとを上げ、ゆっくり下ろします。

10回程度から始め、無理のない範囲で続けましょう。片足での運動は負担が大きいため、痛みがある人は避けてください。

ふくらはぎや足裏をほぐす

ふくらはぎや足裏が硬いと、歩行時の負担が増えることがあります。

入浴後など体が温まっているときに、ふくらはぎを軽く伸ばしたり、足裏をやさしくほぐしたりしましょう。

強く押しすぎると痛みが出ることがあるため、気持ちよい範囲で行ってください。

体重管理も足の負担を減らす一つの方法

体重が増えると、足のアーチや関節にかかる負担が大きくなります。

急な体重増加がある場合は、食事や運動の見直しが足の負担軽減につながることがあります。

ただし、無理な減量は体調を崩す原因になります。できる範囲で生活全体を整えることから始めましょう。

5.靴とインソールの選び方

扁平足で足が疲れやすい人は、靴やインソールを見直すことで歩きやすくなる場合があります。

足に合う靴を選ぶ

靴は、足の長さだけでなく、幅、甲の高さ、かかとの安定感も確認しましょう。

かかとがぶかぶかする靴や、つま先がきつい靴は、歩き方に影響しやすくなります。

長時間歩く日は、クッション性と安定性があり、足が靴の中で大きく動かないものを選びましょう。

ヒールの高い靴を長時間履き続けない

ヒールの高い靴は、足の前側に体重がかかりやすく、足指や足首に負担がかかることがあります。

扁平足で足の痛みや疲れがある人は、長時間の使用を避ける、移動時は歩きやすい靴に替えるなどの工夫をしましょう。

仕事で必要な場合も、休憩時に足を休ませることが大切です。

インソールは足を支える補助として使う

扁平足用のインソールは、足のアーチを支え、歩行時の負担を軽くする補助として使われることがあります。

ただし、インソールを入れるだけで扁平足が完全に治るわけではありません。

痛みの軽減や歩きやすさを目的に使い、必要に応じて運動療法や靴の見直しと組み合わせましょう。

痛みがある場合は専門家に相談する

市販のインソールが合わないと、かえって痛みが出ることがあります。

痛みがある人、足の変形が強い人、片足だけ症状がある人は、整形外科や義肢装具士などに相談し、足に合うものを検討しましょう。

特に成人期扁平足では、病期によって必要なサポートが変わることがあります。

6.整形外科を受診したいサイン

扁平足はセルフケアで対応できる場合もありますが、症状によっては医療機関で確認したほうがよいことがあります。

足の内側や内くるぶしの下が痛む

内くるぶしの下が痛む、腫れている、歩くと痛みが強くなる場合は、後脛骨筋腱の障害が関係していることがあります。

早めに相談することで、インソール、装具、運動療法、生活指導などの対応を検討しやすくなります。

痛みを我慢して歩き続けると、症状が進む場合があります。

つま先立ちがしにくい

片足でつま先立ちがしにくい、かかとを上げられない、足が内側に崩れるように感じる場合は、成人期扁平足の評価が必要になることがあります。

診察では、立った状態での足の形、歩き方、つま先立ち、レントゲン、必要に応じてMRIなどを確認することがあります。

足の変形が進んでいる

以前より土踏まずが低くなった、かかとが外側へ傾く、後ろから見ると外側の足指が多く見えるといった変化がある場合は、進行性の変形が関係している可能性があります。

変形が進むと、靴が合いにくくなったり、歩行がつらくなったりすることがあります。

早めに状態を確認しておくと、保存療法で対応できる可能性を検討しやすくなります。

子どもが痛みを訴える

子どもの扁平足でも、痛みがある、歩くのを嫌がる、片足だけ変形が強い、足が硬い、転びやすいなどがある場合は、整形外科で相談しましょう。

無症状の柔軟性扁平足とは違い、別の病気が関係していることがあります。

不安がある場合は、靴のすり減り方や歩き方の動画を持参すると説明しやすくなります。

7.扁平足でよくある質問

扁平足について、よくある疑問をまとめました。

扁平足は必ず治療が必要ですか?

必ず治療が必要とは限りません。

痛みがなく、歩行や運動に支障がない場合は、経過を見ながら生活できることがあります。一方で、痛み、腫れ、歩きにくさ、変形の進行がある場合は受診を検討しましょう。

大人の扁平足はセルフケアで治りますか?

大人の扁平足は、原因や進行度によって対応が変わります。

足指運動や靴の見直しで負担が軽くなることはありますが、後脛骨筋腱の障害や変形が進んでいる場合は、セルフケアだけでは不十分なことがあります。

インソールで土踏まずは作れますか?

インソールは、足のアーチを支える補助具です。

痛みや疲れやすさを軽くする目的で使われることがありますが、インソールだけで土踏まずが完全に形成されるとは限りません。足に合うものを選ぶことが大切です。

子どもは裸足で過ごすと扁平足を予防できますか?

裸足で安全に遊ぶことは、足指や足裏を使う機会になります。

ただし、裸足だけで扁平足を必ず予防できるとはいえません。外遊び、歩く機会、足に合う靴、痛みの有無などを合わせて考えましょう。

手術が必要になることはありますか?

保存療法で改善しない強い痛みや、変形の進行、歩行障害がある場合は、手術が検討されることがあります。

手術の内容や費用は、原因、重症度、医療機関、保険適用の有無などによって異なります。具体的な費用は受診先で確認してください。

まとめ

扁平足とは、足の内側にあるアーチが低くなり、土踏まずが目立ちにくくなっている状態です。

子どもの扁平足は、柔軟性があり無症状であれば、治療を必要としない場合があります。一方で、痛みがある、片足だけ変形が強い、足が硬い、歩き方が気になる場合は整形外科で相談しましょう。

大人になってから扁平足が目立つようになった場合は、後脛骨筋腱の障害や体重負荷、加齢などが関係することがあります。内くるぶしの下の痛み、つま先立ちのしにくさ、足の変形がある場合は早めの受診が大切です。

セルフケアとしては、足指を動かす運動、かかと上げ、ふくらはぎや足裏のストレッチ、靴の見直し、インソールの活用などがあります。ただし、痛みが強い場合や変形が進んでいる場合は、自己判断で続けず専門家に相談してください。

まずは、足の痛みの場所、靴底の減り方、つま先立ちができるかを確認してみましょう。気になる症状がある場合は、整形外科で足の状態を見てもらうことが、次の一歩になります。