虫歯予防に歯磨きは欠かせません。
しかし、正しい歯の磨き方を知っている方は意外と少ないのではないでしょうか?
歯磨きのやり方が間違っていると、虫歯だけでなく歯周病のリスクも上がります。
そこで、今回は歯の正しい磨き方をご紹介しましょう。
特に、奥歯の磨き方は重要です。
奥歯は歯ブラシが届きにくいため、磨き方を間違えると虫歯になりやすいでしょう。
また、自分に合った歯ブラシを選ぶ方法もご紹介します。
何度も虫歯になっているという方は、ぜひこの記事を読んで自分の歯磨きのやり方を直してください。
目次
1.歯ブラシや歯磨き粉の選び方
歯の磨き方をご紹介する前に、まずは歯磨きの道具である歯ブラシと歯磨き粉の選び方をご紹介します。
自分に合った道具を選ぶことが大切です。
1-1.歯ブラシの選び方
ホームセンターやドラッグストアには、さまざまな種類の歯ブラシが売っています。
値段も、百円未満から数百円のものまであるでしょう。
しかし、高い歯ブラシの方がよいというわけでもありません。
口の大きさは人によって違いますから、自分の歯が2つ入るくらいのヘッドのものを選びましょう。
実際に口の中に歯ブラシを入れてみて、歯が3つ以上一度に磨ける歯ブラシは大きすぎます。
また、歯ブラシの植毛は3列が磨きやすいでしょう。
さらに、柄がシンプルでまっすぐの方が使いやすいです。
歯ブラシは「柔らかめ」「普通」「硬め」までありますが、歯肉炎の方は柔らかめを選びそのほかの方は普通を選びましょう。
ヘッドが硬すぎると歯が傷つきます。
子どもの場合は、対象年齢に沿った歯ブラシを選んでください。
大きすぎる歯ブラシは磨きにくいです。
1-2.歯磨き粉の選び方
歯磨き粉は、フッ素が入っているものを選びましょう。
研磨剤が入っているものは歯がまっ白になりますが、表面が傷つきやすいのでお勧めできません。
2.正しい歯の磨き方とは?
では、正しい歯の磨き方はどのようなものでしょうか?
この項では、年齢別に正しい歯の磨き方をご紹介します。
2-1.歯が生えそろうまでの磨き方
赤ちゃんは生後9か月くらいから、歯が生え始めます。
生えたての歯は柔らかく虫歯になりやすいため、小さくても歯磨きを開始しましょう。
まだ生え始めてまもない歯は、お母さんがガーゼを指に巻いてこすってもきれいになります。
ある程度歯が生えそろったら、乳児用の歯ブラシを使って歯磨きをしましょう。
赤ちゃんによっては歯磨きを嫌がる子もいます。
しかし、ここで歯磨きの習慣をつけておかないと乳歯が虫歯になりやすくなるでしょう。
お母さんやお父さんが口の中をのぞいて、歯の上にあるみぞや歯と歯茎の間、歯のすきまを丁寧に磨いてください。
2-2.3歳~12歳くらいまでの歯の磨き方
3歳くらいになると、自分でも歯を磨きたがる子どもが出てきます。
しかし、しあげ磨きは必ず大人が行いましょう。
よく磨くポイントは、乳児のときと一緒です。
歯と歯の間に食べかすが挟まって取れない場合は、デンタルフロス(糸式ようじ)を使ってください。
永久歯が生えてきたら、より丁寧に磨きましょう。
歯に段差があると子どもだけではうまく磨けません。
必ず大人が歯を見ながら磨いてあげましょう。
2-3.12歳以上の歯の磨き方
永久歯が生えそろったら、歯ブラシを斜め45度の角度で歯にあてて小刻みに動かしながら磨きましょう。
前歯から磨き始めたら、一筆書きの要領で奥歯へ向かいます。
奥歯は、歯ブラシを横から入れたりしてしっかり磨いてください。
磨き残しがあると、奥歯が真っ先に虫歯になります。
歯の裏側や前歯は、歯ブラシを縦に使って磨きましょう。
親知らずが重なり合って生えているなど、歯にすきまがある場合はヘッドが小さい歯ブラシや、デンタルフロスを使ってください。
歯医者さんで使う持ち手の先に小さな丸い鏡がついた器具を使えば、歯を磨けたかどうかが分かるでしょう。
この説明では分かりにくいという場合は、「歯磨きのやり方 動画」で検索してみると正しい歯磨きの仕方を動画で見ることができます。
3.歯はいつ磨けばいいの?
歯を磨く理想の時間帯は、食後30分以内です。
しかし、職場や学校では毎食後歯を磨けない方もいるでしょう。
そのような方でも、朝食後と寝る前は必ず歯を磨きましょう。
そうすれば、虫歯を防げます。
また、歯を磨けない場合もキシリトール入りのガムをかんだりデンタルリンスを使ったりすれば、虫歯を防げるでしょう。
何もない場合は、緑茶で口をすすいでも虫歯予防の効果があります。
また、歯を磨いた後に夜食を食べた場合は、必ずもう一度歯を磨きましょう。
歯に食べかすがこびりついたまま寝るのが、一番虫歯になりやすいです。
4.定期的に歯科医に歯を診てもらおう
しかし、いくら丁寧に歯を磨いても、虫歯のリスクをゼロにはできません。
そこで、歯周病予防もかねて大人になったら3か月に1度の割合で歯科医の診察を受けましょう。
いわば、歯の定期検診です。
大人になって歯が抜ける原因は、虫歯よりも歯周病の方が多いと言われています。
しかし、虫歯と違い歯周病は初期のころだと自覚症状がありません。
ですから、定期的に歯医者に診てもらって早期発見・早期治療を心がけましょう。
また、虫歯は放っておいても絶対に治りません。
最初はものがしみる程度だった虫歯も、時間がたつにつれてどんどん痛くなっていきます。
神経まで達すると、夜眠れないくらい痛むでしょう。
しかし、この状態でも歯医者に行かないと今度は逆に痛みがおさまってきます。
しかし、これは虫歯が治ったからではありません。
虫歯が進行しすぎて神経が死んでしまったので、痛みを感じないのです。
こうなると、歯を抜くしかありません。
また、歯から体内に侵入した虫歯菌は、顎の骨を溶かしたり心筋梗塞や敗血症を引き起こしたりします。
歯科の技術が未発達だった時代は、虫歯が原因で亡くなる方も多かったのです。
ですから、虫歯は放置しておいてはいけません。
必ず初期のうちに歯医者で治療を受けましょう。
また、乳歯の虫歯を放置しておくと永久歯が生えるはじから虫歯になったり、歯並びに影響が出たりします。
乳歯の虫歯も必ず治療を受けましょう。
今は、子どもに恐怖心を与えないような治療をする小児歯科も増えています。
情報を集めてそのような歯科を探してみましょう。
5.おわりに
いかがでしたか?
今回は、正しい歯の磨き方や歯ブラシなどの選び方をご紹介しました。
まとめると
- 歯ブラシはヘッドが歯2本分くらいの大きさで、毛が硬すぎないものを選ぼう
- 歯磨き粉はフッ素入りのものを選ぼう
- 歯が生え始めたときから、歯磨きを開始しよう
- 奥歯は磨き残しが多いので、ミラーなどで確認しながらしっかり磨こう
- 定期的に歯医者で歯を診てもらおう
ということです。
正しい歯磨きを行うと、どんなに急いでも3分以上はかかります。
逆に、3分以内におわってしまう歯磨きは不十分なのです。
ですから、1日に1回はしっかり時間をかけて磨いてください。
歯磨きが苦手な方は、電動歯ブラシを利用しましょう。
電動歯ブラシを使った歯の磨き方も、普通の歯ブラシと同じです。
歯のすきまやかみ合わせのみぞなどを、しっかり磨いてください。
そうすれば、虫歯のリスクはだいぶ減らせるでしょう。
また、キシリトール入りのガムをかむとだ液が出て虫歯になりにくくなります。