マウスピースによる矯正の効果や治療期間についてご紹介しましょう。
「出っ歯を治したい」「噛(か)み合わせが悪くて困っている」というように、歯の悩みをお持ちの人は多いと思います。
また、顎関節症のように、痛みや違和感に苦しんでいる人も少なくないでしょう。
画期的な治療法として注目を集めているマウスピース。
そのメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
そんな歯の悩みを解決するために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
1.マウスピース矯正の効果
マウスピース矯正にはどのくらいの効果があるのでしょうか。
その特性や効果についてまとめてみたいと思います。
1-1.マウスピース矯正とは
マウスピース矯正とは、ワイヤーを使わず着脱式のマウスピースを使って歯並びを矯正する方法です。
基本的には1日に20時間以上、歯の噛(か)み合わせ部分にかぶせて装着することになるでしょう。
定期的にマウスピースを取り替えながら少しずつ歯を正しい位置にずらしていきます。
マウスピース矯正にはいくつかの種類があり「インビザライン」「クリアライナー」「アクアシステム」などが代表的です。
1-2.どんな人におすすめ?
マウスピース矯正は、矯正治療をしていることを周りに知られたくない人におすすめです。
歯並びにコンプレックスがあっても、周りの目が気になって矯正治療に踏み切れない人も多いでしょう。
マウスピース矯正では透明なマウスピースを使用するため、装置が目立つことはありません。
安心して歯並びを治すことができるでしょう。
もちろん、接客業などで仕事の関係でブラケット装置を使えない、という人にもおすすめです。
必要であれば自分で取り外しが可能なため、激しいスポーツをする人や楽器を演奏する人も安心して使用することができます。
さらにおすすめなのが、金属アレルギーの人。
マウスピース矯正では金属を一切使わないため、口の中に金属を入れることが心配な人にも効果的な治療法なのです。
1-3.マウスピース矯正の効果について
マウスピース矯正によって「歯並びを治す効果があった」と答えた人はたくさんいます。
出っ歯や受け口、八重歯など、あらゆる症例で効果が出たという結果が報告されているのです。
つまり、マウスピース矯正はどんな症例でも対応できる矯正器具と言えるでしょう。
中には「効果が得られなかった」という人もいます。
その場合多いのが「歯を動かす距離が遠すぎる場合」と「着用していない時間が長すぎる場合」です。
しっかりとした手順を踏んでマウスピース矯正を行うことで、高い確率で効果を見込めるということになるでしょう。
2.マウスピース矯正の治療期間
マウスピース矯正をするにあたって、気になるのは治療期間だと思います。
治療が完全に終了するまで、一体どのくらいの期間が必要になるのでしょうか。
2-1.マウスピース矯正の流れ
まずは、マウスピース矯正を行う際の大まかな流れをご紹介します。
初めに、カウンセリングを行うことになるでしょう。
「上の歯だけ矯正したい」「前歯だけきれいにしたい」など、矯正したい部分だけを治すこともできるため、そういった治療が可能であるかどうかを相談します。
次に、噛(か)み合わせの模型やレントゲン、写真撮影など、治療前の状態を検査するのです。
この検査によって、治療が可能かどうか、期間はどのくらいかかるかが決まります。
そして、治療開始です。
歯科医の指示どおりにマウスピースを使用していき、1~3か月の間隔で通院することになります。
噛(か)み合わせの状態や使用状況を確認し、必要であれば新しいマウスピースの作成を行うことになるでしょう。
最初にシミュレーションした歯並びになったら治療は終了です。
2-2.マウスピース矯正にかかる期間と費用
マウスピース矯正は、歯の状態や矯正する部分によって終了までの期間が異なります。
たとえば、上下どちらかの歯を矯正する場合だと期間は3か月~8か月程度かかるでしょう。
この場合の費用は25~40万円が相場になります。
上下両方のマウスピース矯正となると、奥歯の噛(か)み合わせを考える必要もあるため、治療に1年程度かかり、費用は60~80万円。
さらに、抜歯を伴う矯正治療を行う場合は、費用と時間が多くかかることになるでしょう。
治療終了まで2~3年、費用は100万円以上かかります。
3.マウスピース矯正のメリット・デメリット
もちろん、マウスピース矯正以外にも「ブラケット矯正」や「舌側矯正」「ハイブリット矯正」など、矯正治療の方法はいろいろあります。
その中からマウスピース矯正を選択する前に、メリットとデメリットについて知っておきましょう。
3-1.メリット
マウスピース矯正のメリットは、やはり「目立たない」という点でしょう。
特に女性は、矯正装置が見えてしまうことに抵抗を感じます。
マウスピース矯正の場合はほとんど見えないため、安心して矯正を行うことができるのです。
また、従来の矯正装置のような違和感がほとんどありません。
粘膜を傷つけたり口内炎を併発したりすることがないため、負担が少なく済むでしょう。
「衛生管理がしやすい」という点も大きなメリットの1つ。
固定式の矯正装置では、口の中を清掃するのが難しく、虫歯が発生しやすいのが特徴でした。
マウスピース矯正では、矯正装置がついていない状態で歯磨きを行うことができるため、虫歯や歯周病の発生を抑えることができるのです。
万が一、矯正中に虫歯ができても治療することができます。
このように、矯正をためらう理由をほぼカバーできるため、今まで治療をためらっていた人も1歩踏み出しやすいと言えるでしょう。
3-2.デメリット
マウスピース矯正はすべての人に効果が得られるわけではありません。
この方法での矯正をおすすめできない人もいるというのがデメリットになるでしょう。
マウスピース矯正で失敗する理由として最も多いのが「マウスピースを装着している時間が短すぎる」というもの。
時間どおりに使わないと歯並びが戻ってしまいます。
自分で取り外しができるということはマウスピース矯正の大きなメリットです。
しかし、同時につけ忘れの心配もあるということを覚えておきましょう。
さらに、歯ぎしりが強い人も注意が必要です。
歯ぎしりの力は奥歯で60kg以上かかることもあるため、マウスピースが壊れてしまう可能性も。
また、マウスピース治療は発達段階にある子供には適していません。
治療中に顎(あご)が成長して歯並びが変わってしまうとマウスピースが入らなくなるのです。
そのため、顎(あご)の成長が止まっている高校生以上におすすめの治療法となっています。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
マウスピース矯正の効果や治療期間、メリット・デメリットについてご紹介しました。
マウスピース矯正は画期的な治療法であり、見た目だけでなく口内の健康も大きく左右するものです。
自分に合った歯科と治療法を選び、歯のコンプレックスを解消してください。