歯が欠けたときの対処法、アナタは間違ってはいませんか?
年末年始というと、食事をする機会が多くなる時期です。こんな時期に歯が欠けたままだと、せっかくのおいしいおせち料理がただの苦行に変わってしまうかも知れません。
そこで、今回は歯が欠けたときの対処法について中心にご紹介します。
1.歯が欠けてしまう意外な原因とは?
歯が欠ける原因として真っ先に思いつくのは、ぶつけたり硬いものを嚙(か)んだりといった『外的要因(打撲・ケガ)』によるものですよね。しかし、実際には外部からもたらされる以外にも、歯が欠ける原因は存在します。
自分の歯が欠けた原因を覚え、再発防止に努めましょう。
1-1.歯ぎしり・嚙(か)み締め
真っ先に考えられるのは、寝ている間の歯ぎしり。そして、日常生活における嚙(か)み締め行為によるものとなります。
歯ぎしりについては、意識がないため自覚していない人も多いようですね。しかし、実は日本人の『約7割』もの人たちが、歯ぎしりを経験しているといいます。ですから、自覚していない方も、普段から歯ぎしり対策のマウスガードを付けて睡眠をとる習慣を付けると良いでしょう。
嚙(か)み締めは主に力を入れるときに行ってしまう行為です。トレーニングなどで力を出すタイミングには口を開けておくようにしましょう。嚙(か)み締めないと力が出ないという場合には、代わりに声を出すかマウスピースを装着するようにしてください。
1-2.酸蝕歯(さんしょくし)
酸蝕歯(さんしょくし)……多くの方は聞いたことのない言葉だと思います。
酸蝕(さんしょく)というのは、文字どおり『酸』によって『蝕(むしば)まれる』状態のこと。つまり、酸蝕歯とは『酸によって蝕まれた歯』のことをいいます。これだけ聞くと大変なことのように思えますが、実は酸蝕自体は毎日の食事で発生している身近な現象です。
たとえば、一日中ずっと炭酸飲料やスポーツドリンクを飲んでいれば、酸によって酸蝕されます。この状態が長く続けば、やがて酸蝕歯となってしまうでしょう。
酸蝕されて歯は当然のことながらもろくなり、欠けやすくなります。せんべいなどの硬い食べ物を食べただけで欠けることもあり得るでしょう。
酸蝕歯かどうかを確認するのは意外と簡単。歯先が半透明に透き通って見えるようなら、完全に酸蝕歯です。歯科医院に行って相談した方が無難でしょう。
1-3.虫歯
虫歯になると歯が非常にもろくなり、ちょっとしたことで欠けるようになってしまいます。場合によっては、なにもせずとも欠けてしまうこともあるようです。
ただし、簡単に欠けてしまうほどもろくなる頃には、虫歯もかなり進行しています。虫歯になったからといって、すぐに歯が欠ける心配をする必要はありません。
とはいえ、なるべく早い治療が必要であることは確かなので、鎮痛剤などで誤魔化さずに、必ず歯医者へ行きましょう。
2.絶対にやってはいけない対処法とは?
2-1.欠けた歯をティッシュでくるむ
歯が欠けると、多くの人は欠けた歯をティッシュやガーゼなどにくるんで歯科医院に持参する方が多いといわれています。しかし、欠けた歯を元に戻したいと考えているなら、絶対にやってはいけません。
なぜかというと、歯には『歯根膜』というものがあるのですが、乾燥すると細胞が死滅してしまい、再植することが不可能になってしまうからです。
一番良いのは、口の中に入れたまま歯科医院へ行くこと。こうすることで、欠けた歯の乾燥を防ぐと共に、pH値も良い状態に保つことが可能だからです。
また、牛乳に漬けて持って行くという方法も一般的に知られています。ただし、牛乳に漬けると脂肪分が歯に付着してしまうため、再植する際に細胞同士の接着を妨げる恐れがあるでしょう。どうしても口の中に歯を入れておけない場合には、『無脂肪乳』を利用してください。
ほかにも、歯の保存液を利用する方法もあります。ドラッグストアで購入することができますので、利用してみてくださいね。
2-2.欠けたまま放置する
歯が欠けた状態で放置することも、絶対にやってはいけないことの一つです。歯が欠けたら、遅くても数日以内に歯科医院へ行きましょう。
歯が欠けると、欠けた箇所がとがるため、ほかの歯も傷つけやすくなります。虫歯になりやすくなりますし、神経などに達していると激痛を感じるようになり、食事で大きなストレスがかかるでしょう。最悪の場合は顎の骨が溶けてしまうこともあります。
2-3.自分で削る
歯が欠けた箇所がとがると、舌や頰、ほかの歯に接触して痛みを感じることがあるでしょう。すると、安易にとがっている部分をやすりなどで削って丸くしようとする方がいます。
しかし、歯は以外とデリケートな箇所です。1ミリも削ればかなり大きな損傷となってしまいます。
とがった部分で困っているからといって、自分で削ることは絶対にやめましょう。
3.歯が欠けたときの正しい対処法とは?
3-1.鎮痛剤を飲む
歯が欠けると、度合いによりますが大きな痛みを感じると思います。すぐにしか医院へ行けない場合は、欠けた歯をしっかりと保存した後、鎮痛剤を飲んで時間を稼ぎましょう。
ただし、鎮痛剤はあくまでも痛みをごまかしているだけで、治療薬ではありません。後で必ず歯医者に診てもらいましょう。
3-2.欠けた場所にはなるべく触らない
子供の頃、乳歯が抜けそうになってグラグラすると、ついつい指や舌で触ってしまった人も多いことでしょう。しかし、あまり触りすぎると歯ごと抜けてしまう危険性があります。また、欠けた箇所を指で触ると、雑菌が感染して歯の状態を悪くすることがあるので注意してください。
3-3.歯医者に診てもらう
やはり、1番の対処法は歯医者に診てもらうことです。
しっかりと保存して持ち込めば修復することも十分に可能ですから、歯医者に診てもらう際には必ず欠けた歯を持参しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は歯が欠けた際の対処法についてご紹介しました。
- 歯が欠けてしまう意外な原因とは?
- 絶対にやってはいけない対処法とは?
- 歯が欠けたときの正しい対処法とは?
歯が欠けたまま放置すると、虫歯を引き起こす原因となります。
また、歯が欠けたままというのは、見かけ的にも美しくありません。恋人や意中の相手との会話中に笑われるようなことがないよう、しっかりと対処を行ってくださいね。