虫歯を放置するとどうなるの?特に親知らずは注意が必要です。

歯医者が苦手という方は、大人でもたくさんいます。
歯が痛んでもなかなか歯医者に行く気が起こらない、という方も多いです。
では、虫歯はどのくらい放置していても大丈夫なのでしょうか?
そこで、今回は虫歯を放置しておく影響についてご紹介します。
虫歯は、痛みが出るころにはかなり進行していることも多いのです。
特に、親知らずは早く治療を始めないと大変なことになる可能性もあります。
歯が痛いけれど歯医者に行くのをためらっているという方は、ぜひこの記事を読んで虫歯治療の大切さを理解してください。

目次

  1. 虫歯とは?
  2. 虫歯を放置しておくとどうなるのか?
  3. 親知らずは虫歯になりやすい
  4. 乳歯の虫歯も治療が大切
  5. 歯医者を受診する際の注意点とは?
  6. おわりに

1.虫歯とは?

虫歯とは、口の中に常駐している細菌のひとつ、ミュータンス菌が歯のエナメル質を溶かす病気です。
歯周病と並んで口の中のトラブルではポピュラーなもの。
生まれてから一度も虫歯になったことがないという方は、少ないでしょう。
健康な歯は、エナメル質という硬い物質でコーティングされています。
ですから、硬いものをかんでも平気なのですね。
しかし、ミュータンス菌が歯に繁殖すると時間をかけてエナメル質やその下の象牙質を溶かし、最後には神経に到達します。
歯の中心部には神経が通っていますから、エナメル質や象牙質に穴があいて冷たさや熱さがじかに神経に伝わるようになると、痛みを感じるのです。

2.虫歯を放置しておくとどうなるのか?

虫歯は切り傷やすり傷と違い、放っておいても絶対に治りません。
エナメル質や象牙質は自己修復機能がないのです。
では、虫歯を放置しておくとどうなるのでしょうか?
この項で分かりやすくご紹介します。

2-1.放っておくほど痛みは強くなる

虫歯は放置しておくと、どんどん進んでいきます。
最初は冷たいものや熱いものがしみる程度ですが、そのうちに何もしてなくても痛むようになるでしょう。
しかしここで、歯医者の治療を受けていれば、まだ歯を温存できます。

2-2.痛みががまんできないようになる

虫歯はゆっくりと進んでいきます。
エナメル質や象牙質はとても硬いので、穴を開けるには時間がかかるのです。
また、虫歯はずっと痛みを感じるわけでもありません。
痛みを強く感じたり、痛みがひいたりをくりかえしながら虫歯は進行していくでしょう。
そして、ついに虫歯の穴が神経まで到達すると、がまんできないほどの痛みが襲ってきます。
この時点で歯医者に駆けこんだ場合、治療にはかなりの痛みをともなうでしょう。
場合によっては抜歯する必要が出てきます。

2-3.神経が死んでしまう

この段階でも、歯医者に行かずにがまんをしていると、やがて痛みを感じなくなります。
しかしこれは虫歯が治ったわけではありません。
神経が死んでしまったのです。
神経が死んでしまえば痛みは感じなくなります。
しかし、ミュータンス菌は相変わらず虫歯の穴の中で大繁殖しているのです。
また、虫歯の穴から雑菌も入ってくるでしょう。
そうなると、あごの骨にまで影響が出てくる場合もあります。

2-4.ミュータンス菌があごの骨にまで達すると……

ミュータンス菌や虫歯の穴から入った雑菌があごの骨にまで達すると、「骨髄炎」を起こす可能性があります。
痛みのほかに発熱、だるさなどの症状が出ることもあるでしょう。
こうなると、歯医者では手が負えずに大学病院などの「口腔外科(こうくうげか)」で治療を受けなくてはならなくなります。
時間も費用もかかりますし、ほかの歯への影響も出てくるでしょう。
あごの骨が炎症を起こすということは、家の土台が腐ってしまったようなものです。
最悪の場合、健康な歯まで抜けてしまうこともあります。

3.親知らずは虫歯になりやすい

親知らずというのは、あごの最も奥に生えてくる臼歯です。
永久歯がすべて生えそろった後に出てくるので、大人になってから出てきたという方もいるでしょう。
また、親知らずがうまく生えずに抜歯になる方も少なくないのです。
さらに、親知らずがきれいに生えそろっていても、あごの奥まで歯ブラシが届きにくいため汚れが残りやすいでしょう。
ですから、親知らずはほかの歯に比べて虫歯になりやすいのです。

4.乳歯の虫歯も治療が大切

乳歯は生え変わるので虫歯の治療はしなくてよいのでは?と思う方もいるでしょう。
しかし、それは間違いです。
虫歯になるということは、口の中でミュータンス菌が大繁殖しているということ。
そこに永久歯が生えてくれば、あっという間に虫歯になってしまうでしょう。
生えたての永久歯はまだエナメル質の硬度も弱いのです。
ですから、乳歯の虫歯もしっかりと治療してください。
「小児歯科」を受診すれば、子どもの治療に慣れた先生が担当してくれるでしょう。

5.歯医者を受診する際の注意点とは?

どうですか?
虫歯を放置しておくと恐ろしいことになりますね。
では最後に、歯医者で治療を受ける際の注意点をご説明しましょう。
きちんと通わなければ、治療も効果がありません。

5-1.歯の痛みが軽いうちに受診しよう

進行した虫歯ほど、治療は大変です。痛みも感じますし完治までの費用や時間もかかります。
また、抜歯をした後はブリッジや差し歯などを作らなければなりません。
保険がきかない治療も多いので、費用もかかるでしょう。
熱いものや冷たいものがしみる、というときに受診すれば治療も短く保険の範囲内で終わります。

5-2.治療を途中でやめないこと

痛みを感じて歯医者を受診した人の中には、痛みが治まると治療を勝手にやめてしまう方がいます。
虫歯の治療は1回では終わらないことが多いです。
途中で治療をやめてしまえば、虫歯は再び悪化するでしょう。
特に、仮の詰め物をしているだけだったり銀歯をかぶせるために型を取っている最中に治療をやめてしまったりすると、すぐに痛みがぶり返すのです。
治療が中断していた分、虫歯も悪化しています。
ですから、医師から「もう大丈夫ですよ」と言われるまで、必ず通い続けましょう。

5-3.定期的に歯の様子を診てもらおう

今は、街中にたくさんの歯医者があります。
しかし、飛びこみで診てもらうよりはかかりつけ医を作り、定期的に診察してもらっていた方が歯の異常にも気づきやすいでしょう。
特に、30代以上になると歯周病にかかる方も増えてきます。
歯周病がひどくなった場合も、歯の痛みやぐらつきが起こるでしょう。
歯周病の治療も早いに越したことはありません。
ですから、ぜひ歯の定期検診する習慣をつけてください。

6.おわりに

いかがでしたか?
今回は虫歯を放置しておく影響についていろいろとご紹介しました。
まとめると

  • 虫歯は放置しておいて自然治癒するということは絶対にない。
  • 虫歯が進むほど、治療は痛みがともない、時間もお金もかかる。
  • 虫歯の治療を始めたら、必ず完治まで通うおう。
  • 歯を定期検診する習慣をつけよう。

ということです。
今は、できる限り痛みのない治療をする歯医者も増えています。
また、かかりつけ医を持っていると加齢による歯の劣化の相談もしやすいでしょう。
今は、土曜日や日曜日でも診察してくれる歯科もあります。
また、夜遅くまで診察をしてくれる歯科医もあるでしょう。
ですから、仕事の忙しさなどを言い訳にせず、歯の痛みを感じたら念のために歯医者を受診してください。
初診ならば30分もあれば終わります。
痛みをがまんし続け、高いお金を払って治療するよりも早く歯医者に行って治療をしてもらった方がよいのです。