しつこい肌荒れを改善したい! スキンケアと生活習慣で撃退しよう!

十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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赤ちゃんのようにみずみずしくスベスベの素肌は、女性の憧れですね。でも、年を重ねるごとに肌の潤いが減り、肌荒れに悩まされる人も増えているではないでしょうか? 肌のトラブルの原因は、乾燥だけではありません。季節や体調によっても変化がある肌荒れは、まず原因を知ることが改善の第一歩です。

この記事では、肌荒れの原因や改善対策についてご紹介します。

この記事を読めば、肌荒れを改善するヒントが得られます。気になる症状に合わせて毎日の生活に取り入れて、肌荒れの悩みとはサヨナラしましょう。

肌荒れについて

肌(皮膚)は全身を覆い、外界からの刺激から体を守り、体内の環境を一定に保つ働きがあります。人間一人分の皮膚を1枚にして広げると、その面積は約1.6m2もあり、人体で最も大きな臓器でもあるのです。では、その肌が「荒れる」とはどういう状態なのか、詳しく見ていきましょう。

1-1.肌荒れとは

肌は、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」という層になっています。一般的に「肌荒れ」とは、一番外側の表皮にトラブルがある状態のことです。
表皮は新陳代謝により常に新しく生まれ変わっています。これをターンオーバーといい、健康な状態では新しい皮膚細胞が生まれてから垢として剥(は)がれ落ちるまでに、約28日かかるのです。正常な肌は、表面のきめがそろった滑らかな状態を保ち、外界からの刺激を遮断し体内の水分などを守るバリア機能が働いています。ところが、肌荒れを起こすと、このバリア機能が失われて、さまざまなトラブルを起こすのです。

1-2.肌荒れの主な症状、4つの傾向と発症部位

肌荒れの主な症状は、肌のかさつきや赤み、かゆみなどです。湿疹などができることもあります。以下に主な症状をピックアップしました。

  • 乾燥:頬の表面がかさつき、角質がはがれやすい状態。洗顔後につっぱる症状が出やすい。肌のごわごわ感やかゆみを感じることもある
  • 紫外線:赤みや乾燥で、皮膚に潤いがなくなる。過度に強い紫外線を浴びると、ほてりを感じ、水ぶくれを生じることもある
  • 湿疹:頭部や顔に赤い炎症や、黄色っぽいフケのようなカサカサを生じる。慢性のアトピー性皮膚炎では、皮膚が黒ずんだり硬くなったりする
  • 化粧かぶれ:顔面や首に、赤み・腫れ・かゆみ・痛みなどの異常を生じる。季節の変わり目や化粧品を変えたときに起きることが多い

1-3.なりやすい人、季節など

乾燥による肌荒れは、空気が乾燥する冬に多い傾向があります。しかし、夏でもクーラーが効いた部屋に長時間いると、肌の乾燥トラブルを招くので注意が必要です。湿疹は春や夏など湿度と温度が高く汗をかきやすい季節に多く、紫外線は春から夏にかけて多いトラブルといえます。
肌荒れになりやすい人は、もともと肌の弱い人や皮脂の分泌が少ない乾燥肌の人、アトピーなどアレルギーを持っている人です。

1-4.放置するとどうなるか

肌荒れを放置すると、炎症などがひどくなります。結果として、新陳代謝による肌の再生が間に合わず、治るまでに時間がかかってしまうのです。また、肌荒れの症状は改善しても、毛穴が開いたままになったり、乾燥からシワを生じたり、ニキビ跡がしみになったりする可能性もあります。特に30代・40代以降の年代は、若いころと違って新陳代謝の機能も衰えてくるので、要注意です。

肌荒れの原因について

前述のとおり、肌は「表皮」の下に、「真皮」「皮下組織」があります。皮膚は主にたんぱく質でできており、肌の潤いを保つ保湿物質セラミドや弾力を守るコラーゲンなどで形成され、血管やリンパ、汗腺や皮脂腺などがお互いに作用しあって機能しているのです。肌荒れを起こす原因は、表皮だけにあるのではありません。詳しく見ていきましょう。

2-1.主な原因

肌荒れの原因は、自律神経や生活習慣の乱れなど生理的要因や、天候や紫外線などの環境によるもの、間違ったスキンケアのような物理的刺激によるものなどさまざまです。ここでは主な原因を説明します。

2-1-1.ストレス

ストレスは自律神経の乱れにつながります。交感神経と副交感神経のバランスが悪くなると、内臓の働きが低下して体の免疫力が低下するのです。結果として、肌にも炎症が起こりやすくなります。また、自律神経の乱れは血行不良につながり、肌細胞が栄養不足の状態になるため、肌荒れにつながるのです。

2-1-2.便秘

偏った食生活や運動不足などにより便秘になると、便が腸内に長くとどまり、腐敗・発酵して、腸内に悪玉菌が大量に増えます。このとき腸内に有害物質が発生し、それが腸壁から取り込まれ、血液に乗って体内を巡り、皮膚から排出されることになるのです。肌はもともと老廃物や汚れを排出する機能がありますが、その処理能力を超えてしまうと新陳代謝が間に合わなくなってしまいます。それが肌荒れにつながるのです。

2-1-3.睡眠不足

睡眠中には成長ホルモンが分泌されます。これは、深い眠りの「ノンレム睡眠」のときに多く分泌されるため、睡眠不足だと十分な分泌が得られなくなり、肌の成長や修復に影響が出るのです。

2-1-4.ホルモンバランスの乱れ

女性は生理前になると黄体ホルモンが分泌され、皮脂の分泌が増加します。過剰に分泌されると毛穴が詰まり、雑菌が繁殖して炎症につながるのです。また、生理後には肌の潤いを保つ作用のある卵胞ホルモンが分泌されます。これが、何らかのストレスによって減少すると、肌荒れにつながるのです。

2-1-5.乾燥や紫外線

乾燥した空気や紫外線など、環境の外的刺激により肌の油分と水分のバランスが崩れると肌荒れを起こします。仕事などで日常的に紫外線を浴びやすかったり、乾燥したオフィスで過ごすことが多かったりする場合は注意が必要です。毎日の生活環境が、肌にとって厳しいときには、スキンケアをしっかりとしましょう。

2-1-6.間違ったスキンケア

表皮は厚さが0.2mmという薄さなので、強い刺激を与えると傷ついてしまいます。洗顔のしすぎや洗い方が間違っている、メイクを落とさずに寝るなど、物理的に刺激を与えすぎると、肌が荒れるのです。また、洗顔後に保湿が十分できていない、スキンケア化粧品が自分の肌タイプに合っていないことなども、トラブルの原因となるでしょう。

2-2.関連するトラブル、病気

肌荒れのなかには、単なる皮膚の乾燥や外的刺激などが原因ではなく、何らかの疾患を伴うものもあります。

2-2-1.ニキビ

ニキビは、皮脂の過剰な分泌により毛穴が詰まり、そこに雑菌が繁殖することにより炎症が起こった状態です。皮脂の過剰な分泌は、ホルモンの影響を始め、ストレスや食事・睡眠など生活習慣が関係することもあります。

2-2-2.アレルギー

しつこい肌荒れは、アレルギーが原因のこともあります。アレルギーの原因は、ダニ・カビ・ホコリなどのハウスダストや、食物アレルギーや花粉などです。
症状としては、湿疹や赤み、かゆみを伴うのが特徴になります。かゆみが強いと、肌を掻(か)くことで肌のバリア機能が再生できません。これではいつまでも治らないので、適切な治療が必要です。いったん治っても、ストレスによる免疫力の低下で、再発を繰り返すことがあります。

肌荒れの改善について

肌荒れを改善するには、肌の細胞が生まれてから剥(は)がれ落ちるまでのターンオーバーを正常に導く必要があります。どのような方法があるか対策を見てみましょう。

3-1.対策

肌の新陳代謝を促すためには、表皮の上から直接ケアする方法と、体の内側から働きかける方法があります。

3-1-1.スキンケア

乾燥による肌のかさつきは、保湿をすることで改善を目指します。自分の肌質にあったスキンケア化粧品で、肌に直接保湿成分を与えるのです。肌の保湿成分のセラミドや、ヒアルロン酸を配合した美容液やパックをするのもいいでしょう。冬場の乾燥が激しい季節には、油分を含むワセリンやクリームなどで、潤いを逃がさないようにします。
一方、皮脂の過剰分泌が原因のニキビには、油分を多く含んだスキンケアは控えましょう。まずは毛穴の汚れを除去するためにしっかりと洗顔し、保水力のある化粧水でケアするのがおすすめです。

3-1-2.生活習慣

まず大切なのは睡眠です。肌を生まれ変わらせるターンオーバーは、成長ホルモンによって活性化します。成長ホルモンは、夜寝ている間に分泌されるので、たっぷりと睡眠をとりましょう。特に、入眠してから3時間が最もホルモンの分泌が盛んになるといわれています。しかし、睡眠リズムが乱れていたり、睡眠時間が短かったりすると、成長ホルモンが正常に分泌されなくなるのです。睡眠リズムを整えるには、毎日なるべく同じ時間に起きるようにし、7時間程度は睡眠をとるようにしましょう。
次に、適度な運動も大切です。運動をすることで血行が良くなり、全身の細胞に酸素や栄養がいきわたることで、新陳代謝も活性化します。また、体を動かすと気分転換にもなり、ストレスの解消にも役立つでしょう。軽いストレッチやウォーキングなどを習慣にするのがおすすめです。

3-1-3.栄養素

肌を作っているのは栄養素、つまり食べ物です。肌荒れの改善には食生活の改善が必要になります。栄養素は腸から吸収されるため、まずは腸内環境をよくする食物繊維と発酵食品をとりましょう。食物繊維が多く含まれるのは、豆類やゴボウなど根菜、海藻類やキノコ類です。発酵食品には、納豆やみそ、ぬか漬けなどがあります。
次は、栄養素を全身に運ぶ血液の流れをよくしましょう。血行をよくするのは、「若返りのビタミン」ともいわれるビタミンEと血液の材料でもある鉄です。ビタミンEは、たらこやアユ・かぼちゃ・アーモンドなどに含まれています。鉄はレバーや牛肉、しじみやあさりにも豊富です。
肌のターンオーバーを正常化するには、細胞を作るたんぱく質と新陳代謝に関わる亜鉛、抗酸化作用のあるビタミンA・Cをとりましょう。たんぱく質は肉類・魚介類などに、亜鉛は牡蠣(かき)・卵黄・ココアなどに多く含まれています。また、ビタミンAは、うなぎ・あん肝・しそ・にんじんなどを、ビタミンCは、パプリカ・芽キャベツ・いちご・ブロッコリーなどをとるといいでしょう。

3-2.注意点

食物アレルギーがある場合は、アレルゲンとなる食物は食べてはいけません。
スキンケア化粧品は肌に合ったものを使いましょう。自分に合っているか確かめるには、腕の内側などに少量をつけてパッチテストをすることです。テストで皮膚が赤くなるようならやめておきましょう。肌が弱っていると、いつも使っている化粧品でも刺激を感じることがあります。異常を感じたら使うのをやめて、医師や美容カウンセラーに相談しましょう。

肌荒れに関するよくある質問

Q.肌のターンオーバーは年齢がいくつになっても変わりませんか?
A.いいえ。加齢やホルモンなどの影響で、ターンオーバーのサイクルは次第に長くなるといわれています。

Q.洗顔で気をつけることはなんでしょう?
A.洗顔料は洗浄力の強すぎるものは避け、ゴシゴシこすらずにやさしく洗います。すすぎは十分に洗浄成分を落として、タオルでそっと抑えるように拭きましょう。

Q.保湿をしてもかゆみが引きません。どうしたらいいでしょう?
A.まずは、保湿剤が肌に合っているか確かめましょう。肌に合うスキンケアで保湿をしてもかゆみが治まらないようなら、アレルギーが原因かもしれません。その場合は、皮膚科を受診しましょう。

Q.肌荒れしているときはメイクはやめた方がいいですか?
A.外出する場合は、肌を守るためにもベースメイクはした方がいいでしょう。ただし、オイルフリーのものなど、肌に負担がかからないものがおすすめです。

Q.肌荒れのとき避けた方がいい食べ物はありますか?
A.カフェインやチョコレートなどの刺激物、白砂糖の入った甘いもの、酸化した油の揚げ物などは避けた方が賢明です。タバコも控えましょう。

まとめ

肌荒れは、季節の変化やホルモンのバランスの変化、体調などにより、繰り返しがちです。症状や原因に合わせて、この記事で紹介したスキンケアや生活習慣を取り入れてみてください。日頃から強い肌を作るために毎日の習慣を見直し、肌荒れを改善して美肌を目指しましょう。